Infinite Pandora   作:曾羅

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トーナメント開始。
そして次回決着。(ッエ
戦闘シーンを書きたくないという想いが顕著に出たと思う


学年別個人トーナメント

6月の最終週。

IS学園は全体が熱気に包まれていた。学年別トーナメントの準備に全生徒が雑務から整理、来賓の誘導を行っていた。

その喧噪の中で0組のクラスでは静寂に包まれていた。

 

「・・・んー」

 

「・・・」

 

「・・・ッフ」

 

「ぐぬぬぬぬぬ」

 

考えるように手元を見る少年状態を維持しているオズ。

何を考えているかわからない無表情を続けるエコー。

勝利を確信しているのか決め顔を決めているオスカー。

そして、苦しい顔をしながら手元を睨むアリス。

 

「スリーカードだよ」

 

「ストレートフラッシュです。」

 

「な!?、フルハウスだ…」

 

「……ブタだ」

 

………………

 

「うーん、今回は自信があったんだけどなぁ」

 

「皆さんまだまだですね」

 

「な、なぜ勝てないんだ…」

 

「ウガー!」

 

IS学園がトーナメントの準備で忙しい中0組の関係者たちは呑気にポーカーに勤しんでいた。

―――ちなみに、現在の戦績は1位がエコーでありアリスは一度も勝てないでいた。

エコーが15連勝を決めようとカードをシャッフルし始めると

 

「こんなところにいたんですか!速くアリーナに来てください!!」

 

「む!もうこんな時間か。すっかり熱中してしまったな!」

 

「笑い話じゃないですよ!アリスちゃんは第一試合なんですからもう時間がありませんよ!」

 

「ま、まだだ!私が勝っていない!」

 

急かしてくる山田先生にオスカーは笑いながらアリスを押して教室からオズと共に出て行った。

 

「それにしても…たしか2組のトゥイーさんでしたか?」

 

「はい。私はエコー=トゥイーです。なにか私にご用でしょうか?」

 

「…あのぅ、たしか2組はトーナメントの準備で全員アリーナに集合してるはずなんですけど…」

 

「………」

 

長い沈黙のあと顔をそむけるエコーに「さぼっちゃダメですよー!」と顔を真っ赤になって怒っているが童顔なせいかあまり怖くはなくエコーは気にせず外に向かうと

 

「先生遊んでないで速くアリーナに向かいましょう。」

 

「遊んでたのはあなたたちじゃないですかー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更衣室につくとモニターには大量の人間たちが映っていた。

 

「何だあいつらは」

 

「あれは各国の政府や研究者や企業などISに関連する人達です」

 

む?いつの間にか隣にいた会長が説明をしてくれた。

 

「いいのか?私たちの存在は知られるとまずいんじゃないか?」

 

「すでに伝えてありますわ。あなたたちはパンドラという会社が開発した自立型AI搭載型ISとその搭乗者。パンドラは技術の漏洩を危険視し信用できるデュノア社社長であるオスカー=デュノア氏に貴方たちの後見を依頼。デュノア氏が後見人になってからIS学園の特別学級に特例で転入。という設定です」

 

私が言うのもなんだが無理のある設定であるが、オスカーがいる事が何よりの証拠になるということだろう。

 

「そろそろ対戦者の発表ですよ」

 

生徒会長がそういうと外を映していたモニターが切り替わり対戦相手が発表された

 

ラウラ・ボーデヴィッヒ&篠ノ之箒 VS アリス=ベザリウス&オズ

 

………ふむ。

 

「知らん奴だな」

 

「一応1組でシャルちゃんたちと同じクラスみたいだね」

 

そんなことに興味はない。

 

「いくぞ!思う存分暴れさせてもらうぞ」

 

オズを纏ってアリーナの上空へと降りたつと周りから一斉に歓声が上がった

 

「…見世物にされてるみたいでウザいな」

 

「まぁ実際に見世物なんだろうね。コロッセオみたいだね」

 

たしかずっと昔の闘技場だったか?

私たちが待機すると同時に向かい側から2機のISが飛んでくる。

 

「1人とはISとペアを組んでいるとでもいうのか?」

 

「………」

 

私が一人でいることに不満があるのか白髪の女が文句を言う。挑発しているつもりか?

 

「文句があるならこれを決めた織斑に文句を言うんだな」

 

「教官が間違えるわけがない!ふざけた奴だ。覚悟しろ!」

 

突然文句を言われ筋違いだと言えば怒るとはよくわからん奴だ。

話が終わると開始を告げるブザーが鳴る。

 

 

 

 

 

ブザーが終わると同時にラウラに大鎌の一撃をぶつけるためにアリスは瞬時加速(イグニッション・ブースト)で近づく。アリスはISには週に1度程度でしか乗っていないが基本的な動きは完全にマスターしていた。しかし、その動きを予測していたのかラウラは慌てずに手をかざすとアリスの動きが止まってしまった。

 

「む!?」

 

『AICって奴だね』

 

止まった大鎌に戸惑っていたアリスにオズが背から鎖を射出し箒とラウラに牽制をすると急に動けるようになったアリスは一旦距離を取るとオズからプライベートチャンネルで情報が届いた。

 

『AIC?』

 

『簡単に言えば相手の動きを止める能力だよ』

 

『強すぎないか?』

 

『でも結構制限の多くて使いづらい能力みたいだから気を付ければ平気だよ』

 

オズと会話をしながらもラウラと箒の猛攻を避けながら五本の鎖で器用に2人を流していく。いくら攻撃しても届かないラウラと箒は次第に動きが雑になっていく。その隙をアリスが見逃すはずがなく防戦に徹していたアリスは一瞬の隙を突き箒を乗せる打鉄に上段からの一撃を加えた。

 

「篠ノ之はもう無理だな。まぁまだもったほうだな」

 

「専用機相手に量産機であそこまで粘れば上々ですね」

 

観察室では千冬と真耶が箒の動きを褒めていた。それを隣で見ていたオスカーが否定した。

 

「いや、アリスちゃんも思い通りに動けていないな。あの二人の滅茶苦茶な連携で思うように動けていない。」

 

「勝負はこれからということですか?」

 

「今の一撃で状況が変わるのは確かでしょうな」

 

オスカーが断言した瞬間モニターには大鎌の一撃が入り吹き飛ばされるラウラが映っていた。

 

「これは…勝負ありでしょうか?」

 

「…いや、どうやら小娘共が根性を見せるようだな」

 

 

 

 

(こんな…こんなところで負けるのか?私は…)

 

ラウラが想像していたよりもアリスという少女は遥かに強かった。

自分には停止結界がある。近中距離の機体とは相性がいい。勝手にそう決めつけていた。

しかし、現実はどうだ。パートナーになった篠ノ之という娘のエネルギーはもう3分の1をきっている。

今の一撃でラウラの消耗が激しくIS強制解除が起きようとしている。

ラウラの頭の中ではもはや勝利の文字はなかった。けれど負けを認めようとせずにあがこうとするがラウラの攻撃がアリスに届くことはなかった。

なぜだ。私は強くなった。一度最強から墜ち私は再び最強の座を取り戻した。

それはラウラの自信の源であったが同時に唯一といっていい支えだった。

次、負けてしまえばまたあの闇の中に落とされるかもしれない。

まるで地面が無くなってしまったかのように、世界から光が消え去ったようなあの感覚。

私はもうあそこには行きたくない。私は負けてはいけない。負けたら―――

 

「しっかりしろ!」

 

―――パシン

負けてはいけないという脅迫概念に捕らわれていたラウラを開放したのは先ほどまで互いに気にせずに動いていたパートナーの篠ノ之箒だった。

突然頬を叩かれ呆然とするラウラに箒は怒鳴りつける

 

「何を考えているかは知らんが今は戦いに集中しろ!」

 

「だ、だが…もう勝負は…」

 

「まだついていない!私は負けるわけにはいかないんだ!たとえあの娘がどれほど強さでもだ!」

 

篠ノ之箒はラウラが好きではなかった。

力が全てだと信じている姿が、自分の気に入らないことは全て力で解決しようとする姿が、

過去の自分とあまりにもそっくりでまるで昔の自分を見ているようだったから。

最初ラウラとパートナーになることが決定した時はなんのイタズラだと頭を抱えた。

このトーナメントは成績が決まる以上に大事な事がある。そのために負けるわけにはいかない。

無理矢理考えをまとめて試合に出ればコンビネーションの欠片なぞ一切なく互いが好き勝手に攻撃をする。

最低限パートナーに攻撃を当てないように気を付けるがそれも守っていたかと言われれば怪しい戦闘だった。

結果は無残だった。未だにアリスに一撃も入れられていないのにこちらは二人ともボロボロにされている。

そしてパートナーを見れば今が試合中なのを忘れたように地面に棒立ちになっていた。

箒は今が試合中であることを気にせずアリスに背を向けラウラの元へと飛んで行く。ラウラはそれも気にしていないのか箒を無視して虚空を見つめていた。

思わず頬をたたくとッハとしたようにこちらを見つめてくるラウラに思いのたけをぶつけていた。

 

「貴様は何がしたいんだ!何のためにここにいる!」

 

「わ、私は……」

 

「私は今この試合に勝ちたい!勝つためにここにいるんだ。力を見せつけるためにいるんじゃない。自慢するためにいるわけじゃない」

 

「おまえは、諦めないのか?」

 

「諦めてどうなる!強くなるためにここにいるんだろう!」

 

自分が言えたことかと自己嫌悪に軽く陥りながらも叫ぶ。

姉との関係を仲直りを諦めようとしている自分が言うのも馬鹿馬鹿しいが叫ばずにはいられなかった。

ラウラに言い聞かせると同時に自分にも言い聞かす。

 

「諦めるのは…死んでからにしろ!生きてるなら挑戦できるなら何度でも挑戦すればいい!」

 

その言葉でラウラも覚悟を決めたのか箒の顔を見て大きく頷いた。

 

「おまえ…いい奴だな」

 

回復したラウラは箒と一緒にまっすぐアリスに向き合った。

今まで空気を読んだオズに静かにするように言われてずっと上空で待っていたアリスはようやくかと言わんばかりに大鎌を構え始める。

 

「作戦会議は終わりか?初めてもいいか?」

 

「待ってもらってすまんな。だが残念だが作戦なんてないただの覚悟を決めただけだ」

 

『二人とも随分といい顔になったねー』

 

アリスは楽しめそうだと笑い始める。そしてラウラも自分の力を最大限に振るってでも勝ってやると覚悟を決めた。

 

変化は突然だった

 

『―――汝、力を望むか?自らの変革。より強い力を望むか?』

 

私は勝つんだ!そのためなら全力をだせシュヴァルツェア・レーゲン!

 

Damage Level.....D.

Mind Condition.....Uplift.

Certification.....Clear.

 

<<Valkyrie Trace System>>.....boot.




え?最初のほうみたいな勢いがない?
あれだよ。最近のソシャゲによくあるチュートリアルの時だけやけに強い感じ。
それと同じだよ

セリフとかで「」を使うときは一行開けるようにしてるんですけどどうですかね?

「かくかくしかじか」
「まるまるくまぐま」

「かくかくしかじか」

「まるまるくまぐま」

皆さんはどっちの方が読みやすいですかね?

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