差し伸べられた手   作:カプロラクタム

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前回以上に文がおかしいかもしれません。

おかしいところがあったら気にしないで言っていただけると幸いです。

告知というわけではないのですが、私は活動報告を多用する方なのでもしよければ私の方をお気に入り登録すると便利かもしれません。


私事ですが、ちょうどBlu-ray3巻が届きました。 表紙のいろはすが可愛すぎます。 幸せにしてやりたい。

あと、今回は後書きに オリキャラこと星野 逢ちゃんのプロフィールを載せておきます。

では、本編どうぞ。



過去の回想で思うことは

頭の中に響いてくる音があった。

 

それはある時は怖くて……またある時は優しい。 そんな不思議な音。

何度も響いてくる。 まるで俺を呼んでいるかのように。

 

この感覚は俺はつい昨日体験した。 また、俺は夢の中で意識があるらしい。 俺はなんかの能力に目覚めてしまったのか? 夢の中で意識があるだけの能力とか悲しくなるからやめて欲しい。

 

こういう感覚になるとき昨日の夢から俺が勝手に推測するならば、現実世界で何か俺に意識させたいことがあるということ。 それがいつ必要になるかは分からんが意識しとけよってことのように思える。

 

じゃあ、今回はなんだろうか。

俺の中に響いてくるこのある時は怖く、ある時は優しいこの音は。

 

『……ぇ……! ……ぶ?』

 

……? さっき俺は優しい音と言ったものはおそらくこれだと思う。 今俺の中に大きく響いてきたこの音、これは優しい……というより心配? そんな感じがする。

 

そういえば、今の俺は昨日同じ感覚をしてあの場面を見た記憶以外の記憶はなぜかまたない。 夢というのは都合のいいものである。

 

昨日の夢の記憶があるから今回もまた何かあるって思う……思うよね? また昨日みたいに逢との事を思い出させる記憶だろうか。

 

視界は真っ暗。 今ここでできるのは目を開けた時の想像、そして、目を開けること。 この二つだ。

 

そして、俺はその二つのうちの一つ想像することはもう済んだ。 なら取る行動は一つだろう?

 

俺はゆっくりと瞼を開けた。

 

 

 

× × ×

 

そこに広がっていたのは青空。 雲ひとつない素晴らしい晴れ模様だ。

 

……ん? 青空? おいおい、まだ夢が続いているのか?

てか、この反応昨日もしたな。 瞼開けた光景が同じとかえ、俺またボコられたの?

 

どうやら俺はまた倒れているらしい。 さて、起き上がろうか。

 

そう思っていたら俺の鼓膜を通り抜ける感覚がした。

 

「ねぇ、大丈夫!? しっかりして、後もう少しだから!」

 

これはなんだ? 声のする方へ首を向ける。 ……? 向けようと思っても思ったように動かない。 体が重い。 なんだこれは。 俺に何が起こっている?

 

首が動かないから可能な限り目で視認するしかない。 俺はゆっくりと状況を確認することにした。

 

まず一つ。俺の体の周りは血でいっぱいだったということ。 二つ目、腕に犬を抱えているということ。 三つ目、近くに黒塗りのリムジンがあること。 四つ目、黒髪のパジャマを着ていた子が俺の事を心配してたこと。

 

ざっとこんなところかな。 ……ん?俺やばくね? どうしてこうなった。

 

さっき開けたばかりの瞼はさっそく重くなり始める。 どうやら相当やばいらしい。 その前に思い出せるだけ思い出さなくては。

 

俺の意識が闇に落ちる前俺はある事を思い出した。 俺は高校の入学式の時に初日かは逢にお世話になってたらいけないし逢よりも先に学校に行ってやろうと張り切って登校したら、何故かはわからんが犬が道路に飛び出しその時ちょうど黒塗りのリムジンが来ていたのだ。 これは考えるよりも先に体が動いていた。 あの犬を助けるために動いていたのだ。 そして今こうなっているという訳だ。 ここまで思い出して俺は闇に落ちた。

 

× × ×

 

俺はまたあの真っ暗な世界へいるみたいだ。

 

いや〜今回もまた瞼を開けたら俺が大変なことになっていましたね……。 なんで俺はこんなことを忘れていたんだろう。 本当に忘れていたんだから驚きだ。

 

あの件があったから俺は高校生活1日目から病院送り、何とか一命を取り留めたが同時に高校生活最悪のスタートダッシュを切ったのだった。 悲しい事件でしたね……。

 

 

そういえば昨日はこの後に逢に起こされたんだっけか。 迷惑をかけるわけにもいかんし今日は早く起きるか。

 

というわけで……ただいま世界。

 

 

× × ×

 

瞼を開けるとそこは見慣れた場所だった。 内心ホッとしている。 また血塗れでいたらこっちの精神が持たなかったからだ。

 

さて、逢が今日も来るかは分からんがどちらにせよ早く支度をしよう。 どうせ逢とは教室で会うし、放課後も会う約束をしているからな。

 

さてここで問題ぁ。 俺は今着替えている。 それもズボンの方をだ。

 

逆ラッキースケベ(女子にとってはセクハラ)が起こり得るだろうか?

 

 

答えは否だ。 なぜならこれは青春ラブコメではないからである。

 

そんなくだらない事を考え着替え終わり俺はリビングへ向かった。

 

リビングには小町が飯を食っていた。

「あれ、お兄ちゃん。 今日は早いね。」

 

「おう、小町。 まぁ、逢が来る可能性もあったし起こしてもらうのも悪いからな。」

 

「え、お兄ちゃんがまともな事を言ってる……。 今日何かあるかもね。」

 

「小町……。 そういうのを真顔で言うのはやめてくれ。 お兄ちゃん悲しいから。」

 

ただでさえ今朝の夢が交通事故で死にそうになる夢だったんだ。 まるで今日交通事故に遭うみたいじゃねぇか。

 

……いや、これはフラグでも複線でも何でもないからね? そうホイホイ交通事故が起こってたまるものか。

 

「まぁ、冗談は置いといて。 そんくらい毎朝早く起きて毎日逢さんと登校すればいいんじゃない?」

 

「小町……、その手があったな。 今まで気付かなかった。」

 

「気付かなかったの!?」

 

ずっと寝ていたいという気持ちが強すぎてその思考回路に至らなかった。 この思考回路に至ったのは昨日の夢のおかげかもな。

 

「確かに逢が不定期に俺の家に来て一緒に登校するのもおかしいしな。 愛にそう言ってみるか〜。」

 

「その心意気だよ、お兄ちゃん。 じゃあ、早くご飯食べて登校しようね〜。」

 

「おう。」

 

早くとは言っても小町の料理を早く食べるなんて勿体無いことはしない。 幸せをかみしめて食わないとな。

 

さっき小町が言っていたことも今日言うとして、今日は俺にしては忙しい日になりそうだ。

 

× × ×

 

飯を食べ歯を磨き玄関を開ける。

 

「あっ……。」

 

不意に声がした。 その声の主は俺の目の前にいる。

「今日は早いね、八幡。 おはよう。」

 

その声の主はいつも通りの笑顔を俺に振り向いてくれた。

 

「おはよう、逢。 昨日お前に起こしてもらったから今日は早く起きようと思ってな。」

 

「私としては遅刻の危険性が減って凄く安心したけどね。」

 

俺は通学路へ歩き出す。 歩き出すと逢が隣へ並んでくる。

通学路には不思議なことに俺たち以外に人の気配は感じられない。 そこで俺はさっきまで話したことを話す決意をした。

 

俺は思った。 これは俺が逢に対して踏み出す最初の第一歩になる。 昨日あの夢を見ていなければずっと進まなかったこの一歩。 慎重に進んでいこう……と。

 

「……なぁ、逢。」

 

「どうしたの、八幡?」

 

きょとんとして逢は俺に顔を向けてくる。

 

「これから毎日一緒に登校しないか?

 

朝の静かな通学路に俺の声が響く。

 

「……いいよ。」

 

俺は逢の方を振り向く。 変な顔をしていたと思う。 まだ現状を認識できていなかったからだ。

 

ここで俺が言う言葉を間違えたら相当恥ずかしいぞ。 「え、何だって?」はNGだ。 確実に嫌われる。

 

「本当にいいのか?」

 

「いいよ、八幡相手だし。 それに時々登校するってのも我ながらおかしいって思ってたからね。 これからもよろしくね、八幡♪」

 

「……あぁ、これからもよろしく。」

 

 

俺は内心でエンダァァァァァァァァァしてました。 それほど感動した。 それを感じ取られると色々面倒くさいので心の中だけのお祭り。

 

「そういえば、八幡昨日はどんな夢見たの? 私は……八幡とのことだった。」

 

それを言った逢は少し複雑そうな顔をした。 おそらく俺とは違った部分であり、またトップカーストならではの問題だろう。

 

「俺は入学式の時に俺に起きた交通事故の夢だったよ。」

 

「……八幡、ごめん。 あの交通事故の事あまり思い出したくないんだ。 被害者は八幡で私は関係ないけどさ、あの時の八幡を思い出しちゃって本当に辛くなるから。」

 

「逢……。 分かった。今度から話題に出さないよ。 まぁ、俺もその事を忘れてたぐらいだ。 逢も気にするなよ。」

 

「うん、気遣いありがとね。」

 

似たようなことを何度も言うが俺は逢を守ってやりたい。 この子を守るためなら俺は何でも……。

 

「あ、もう学校だね。 今年度は同じクラスになれて良かったね♪」

 

「本当だよ。 俺は逢がいなけりゃ学園生活の1/8も楽しめん。」

 

「それはそれほど私といるのが楽しいってこと?」

 

あ、墓穴掘ったかもしれん。 これは告白と捉えられないだろうか? しかし、ここで退く訳にもいかない。 それに俺がそう答えたからって逢がそう解釈するとは限らないからだ。

 

「あぁ、逢がいなかったら俺は楽しめないね。 一生いて欲しいくらいだよ。」

 

……? 自分で言ってなんだがこれは相当際どいラインを言ってる気がする。

 

俺たちの間に静寂が訪れる。 感じるのは風と俺の心臓の鼓動。 際どいセリフを言ったせいだろうか、いつも以上に激しくなっている。

 

そして、おかしい。 逢からの返事が来ない。

 

「おい、逢。 どうした?」

 




第7話終了です。

正直奉仕部揃うのはたったの数話だと思ったら揃わなそうなくらい書いてしまいそうです。
私の思い描いているゴールに辿り着くのが40話くらいになりそうですね、これは。


待った人がいるか分かりませんがオリキャラのプロフィール公開です。


名前: 星野 逢 (ほしの あい)
性別: 女性
趣味:買い物にでかける、読書、八幡といること
誕生日:12/24
性格:基本的に明るい。 ただ内面では冷静に考える。 八幡のことになると普段しないこともする。

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