差し伸べられた手   作:カプロラクタム

1 / 10
初めましての方は初めまして。 カプロラクタムと申します。

今回はオリキャラ編となっております。
実はこのストーリーまだ終わりが私自身見えてませんが、このオリキャラにあった終わり方をしたいなとは思っています。

原作通りに進めるかは未定ですが、最後まで読んでいただけると幸いです。

それでは、本編開始します。


プロローグ

頭の中に響いてくる音があった。

 

それはある時は怖くて……またある時は優しい。 そんな不思議な音。

何度も響いてくる。 まるで俺を呼んでいるかのように。

 

俺の中に響いてくる優しい音は全てをゆだねたくなるくらい甘美なもののように聞こえる。 何故だろうか。

 

何も思い出せない。 ていうか、ここはどこだ?

 

あぁ、そうか。 ここは夢なのかな。

 

時々、ここが夢ってことが分かることがあるが今がその時だろう。

夢の中では自分の中で印象に残っていることが現れやすいように思える。 そして、夢の中の自分は今までの記憶を持っていない……訳ではないと思うがすごく曖昧だ。

 

『……ん。 ……まん!』

 

また、俺の中に響いてくる。

夢の中の俺の曖昧な記憶の中でこれは幸せな瞬間によく聞いていた気がする。 幸せだと感じているのにそれが何か思い出せないのはもどかしさを覚える。

 

おそらく、この夢から覚めたらこの事の記憶も忘れまた変わらぬ日常を過ごすのだろう。

多分だが、目を覚ましたら幸せな空間にまた戻るのだと思う。 なら、この夢は俺に幸せを噛みしめるために見せるものかとふと思った。 神様も中々粋なことをするじゃねぇーか。

 

『……まん。 ……ちまん!』

 

脳内に響く音がだんだん大きくなってくる。 しかし、今度は何故か分からないが怖い音。

怖いからといって目を背けるわけにはいかない。 それに、目を覚ましたら幸せな空間が俺を待ってるだろ、多分。

しょうがない、休みたい気持ちもあるが自分から動くのも悪くない。

そう思って、俺は瞼を開けた……。

 

 

 

× × ×

 

そこに広がっていたのは青空。 雲ひとつない素晴らしい晴れ模様だ。

 

……ん? 青空? おいおい、まだ夢が続いているのか?

 

そんなことを考えていたらさっきまで頭に響いていた音が聞こえた。

 

 

 

「おい、比企谷八幡!! 聞こえてんだろ? 無視するんじゃねぇ!」

 

耳の鼓膜を通り抜けてきたのは幸せの音ではなくて人を絶望に叩きつける音だった……。

 

俺は周りを見渡す。 さっき青空が見えたと言ったが、それは俺が地面で横になってるからだ。

俺はさっきの怒声に反応するべく立ち上がろうとするが全然体が動かない。 おかしい。 無理に動かそうとしたら激痛が身体中を襲う。

 

「お?やっと体が反応したな。 反応のない奴をボコボコにしてもつまらなくてしょうがねぇ。 それじゃ……続きやるぞ、オラァ!」

 

俺は何故こんなことになったのかを今思い出そうとする。

 

頭の中に一つその答えが浮かんでくる。

それは俺がクラスのトップカーストに属するヒロインの子にカースト最底辺の俺が告白した事が原因だと指し示す。

 

俺がした行為は翌日クラス中に広まり、挙げ句の果てに校内に広まっていった。 俺が告白した子の人気は高い事が噂の蔓延に拍車をかけた。

 

そして、その噂から色々俺に関することがトップカースト達の話題になっていった。 具体的には俺へのからかい -もちろん、蔑みなどの含んだ -事が話題になり、またそれと同時に今俺がやられているようにトップカースト共のストレス発散の道具として使われている。

 

どうしてこうなったんだろうな……。 俺はただ好きな子に告白され、そして振られただけだというのに。

 

そんなことを考えていたらいつの間にか俺の事をボコボコにしていた奴がその行為をやめたようだ。

 

「ふぅ、ストレスもすっきりしたしもうこんなくだらねぇやつに構ってないで帰るか。 じゃあな、オタ谷くんww」

 

俺はムカつき、そいつの後頭部を殴れたい気持ちが強かったが殴ってしまったら明日からはよりひどくなるし何よりそれじゃあいつらと同類になってしまう。 そんなことは避けたい。

 

 

……しかし、だいぶ体がボロボロだな。 こんなに人を殴るとかあいつ頭おかしいだろ。 全く人生ハードモード越えてナイトメアモード一直線だわ。 ○ックマンエグゼ2ならサンクチュアリ貰えるレベル。

 

体の自由がきかないほどに殴るとかどんだけストレス溜まってるんですかねぇ……。もしかして○ナ禁??? おっと、俺も頭の状態がだいぶやばくなってるらしい。

 

頭はぼーっとしてきたし、青空は綺麗だし、体は動かん。 え、これ詰んでね?

 

そして、だんだん瞼が重くなってきた。 外でまた闇に落ちるなんて避けたいところであったが助けなんてくるような世の中でないことは重々承知しているし、何より体が動かないんだ。 俺は抗うのをやめ闇に落ちることにした……。

 

抗うのをやめた際に俺の耳に何かが聞こえたような気がした。

 

 

 

× × ×

 

どれくらい時間が経ったのだろうか。 俺はまた記憶が曖昧な場所にいる。 先ほどと違うのは俺がさっき経験したことを鮮明に覚えているところだ。

 

ここにいるということはまた夢の中の状態か。 どうせ目を覚ましたら野に放置された俺が動き出すだけ出し動きたくねぇ……。 マジ動きたくねぇ……。

 

こんなことを考えてたらまた俺の中に声が響いてくる。

 

『……まん? ……ちまん!』

 

さっき聞こえてきた優しい音が聞こえる。

本当に幸せになるようだ。 さっき経験したからことから判断すると俺の人生でそんな幸せな事を味わえたところなんて本当に疑問でしかないが、この音を発している人物が幸せだったのかを俺は知りたいと思った。 それだけでこの夢から覚めるには十分だった。

 

そして俺は少しながらの好奇心を動力源として瞼を開けた……。

 

 

× × ×

 

瞼を開けるとそこは屋内。

朝の光がほのかに差し込み、そして俺の寝ている隣には人影があった。

 

「あ、八幡やっと起きた!」

 

こいつは……?と一瞬だけ思ったが困惑することがなかった。

なぜなら夢から覚めた俺は記憶が曖昧ではなく勿論はっきりしているからだ。

 

さっきまで経験していたのは過去の記憶。 俺の闇の部分の一部。

そして、俺に声をかけてくるこいつは俺の人生を一変してくれた最大の恩人……。こんな人物を忘れるわけがない。

俺は体を起こし夢の中で響いていた幸せの音の意味を噛み締めつつ挨拶した。

 

「あぁ……おはよう、逢。」

 

さらっとした黒髪はショートヘアーですごく似合っている。 中学の時に知り合ってから変わらないビジュアル。 ……そして、知り合ってから呼び名以外は変化したことのない間柄。

 

俺の一番の親友、星野 逢の姿がそこにあった。

 




第1話終了です。

この冒頭の展開が某エ○ゲに似てると思った方はいると思います。
頭の中に思い浮かんだ展開がたまたま最初だけ一緒になってしまいました。 今後展開が似るなんて事はないので安心してください。
某エ○ゲが分かった方は感想いただけると嬉しいですねww

エ○ゲと言えば、私がやったのはギャルゲーの方ですがリトルバスターズ!をやった時は本気で号泣してしまいました。
その頃から涙脆いですww まぁ、泣きたい時に泣かないと泣けないのでいいとは思っています。
こういうこと話したい!ってことがありましたら、私の方のメッセージを送るとか、感想に書いていただけるとすごく嬉しいです。 後は単純に読者の皆様と趣味の共有がしたいと思った次第です。

オリキャラのプロフィールはいつか公開したいと思っています。
それでは、次回もお楽しみにm(_ _)m


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。