東方小傘物語   作:寂しい幻想の刀鍛冶

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第3話 紅い霧の異変(4)

 ~博麗霊夢side~

 

 

さて、そろそろ宴会の準備でも始めますかね。

 

それにしてもあの妖怪・・・何者かしら?付喪神だと思うけどあの強さは異常よ。

 

この宴会でキッチリと聞いて置かないとね・・・。

 

私がそう思っていると・・・

 

  チャリーン

 

い、今の音ってまさか・・・

 

そう思いながらある場所へと急いだ。

 

その場所に着くとそこにはあの付喪神が賽銭箱の前で手を合わせて立っていた。

 

するとこちらに気付いたのか顔をこちらに向けて声を掛けてきた。

 

「あ、こんにちは霊夢さん」

 

「あ、アンタがお賽銭をいれた・・・の?」

 

「え、えぇ。それが普通でしょ?あ、それとこれ、差し入れです!」

 

そう言い私の前に出したのは色とりどりな野菜と新鮮な肉、酒が二本、ザルに乗っていた。

 

「これ・・・私に?タダで?」

 

「はい、今回の宴会にでも使っていただこうと思いまして・・・。あと、宴会の準備を手伝おうと思いまして」

 

この子・・・いい子だわ、さっきまで疑ってたのを謝りたいぐらいにいい子だわ・・・。

 

「そう、ついて来て頂戴。調理場に案内するわ」

 

「分かりました」

 

ふふ、今回の宴会は楽しめそうね。

 

 

 ~博麗霊夢sideout~

 

 

 

 

 

 

 ~多々良小傘side~

 

 

ふぅ、よかったよかった。博麗の巫女の警戒を解くことができて・・・

 

そうじゃないとオチオチ眠る事が出来ないからね。

 

それにしてもわかりやすいわね。

 

此処までの道の状態も考えても、人があまりっていうか来ることができないんじゃないかしら?

 

これから偶にでも来る様にした方が良いかもしれないわね。

 

じゃないとこの子飢え死にしそうだもの・・・。

 

そんな事を考えているとどうやら調理場に着いたようだ・・・

 

「それじゃあ、お願いね。私は会場の準備をしてくるから・・・」

 

そう言い霊夢さんは外へと出ていった。

 

それじゃあ、いっちょやりますか!

 

   ~調理中・・・~

 

よし!こんなこんな感じで大丈夫でしょう!

 

ちなみに今回私が作ったのは、出し巻き卵にレバニラ炒め、すき焼き、枝豆の塩茹で、唐揚げ、きんぴらごぼうよ。

 

「あら、貴方って意外と料理上手いのね。これだけの量をこの短時間で作れるなんて・・・」

 

あ、考え事をしていたら霊夢さんが来ていたみたいね。

 

「そうかしら?あとは運ぶだけだけど・・・」

 

「そう、じゃあ私について来て頂戴」

 

そう言い霊夢さんは両手に皿を持って行く・・・って待って!

 

私も慌てて皿を持ってついて行った。

 

外にはシートが綺麗にひいてあった。

 

「此処に置いて行けばいいの?」

 

「えぇ、お願いね」

 

そう言うと霊夢さんは皿を置いてどこかに走って行った。

 

多分酒を取りに行ったんだと思う。私が持ってきただけじゃ絶対に足りないからね。

 

そう思い私はまた、料理を運ぶために調理場に戻るのだった。

 

 

 ~多々良小傘sideout~


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