~多々良小傘Side~
ある所から大量の注文が入ったため、再び無縁塚にやって来た。
そこには普通の色と違う花達が咲いていた。
『これがこの間お前が言っていた事か?』
「えぇ、これがそうですよ」
そう考えているとハッキングが腕にいっぱいの外から流れ着いた鉄で出来た道具を持って戻って来た。
「あら、ありがとうねハッキング、そこのリアカーに乗せといてね」
私がそう言うとハッキングは道具を乗せにリアカーに向かった。
それを見て、前に向き直ると何かを感じた。
その場所に駆け寄って拾ってみると、それは一冊の古いだった。
「・・・ハッキング、この本を調べて頂戴」
そう言うとすぐにハッキングは本を調べ始めた。
そうして頭に流れてきた情報に私は驚いた。
「ちょ、ちょっと!アヌビス神!?」
『どうしたんだ小傘?』
「この本、幽波紋何だけど!?」
『ナニィィイ!?』
「幽波紋ってこんなにも落ちてるものなの!?」
『そんなわけあるか!!幽波紋は特別なものなんだよ!!』
「じゃあなんでこんなにもこの無縁塚に落ちてるのよ!!」
『そんなもの俺様が訊きてえわ!!』
お、落ち着くのよ!多々良小傘は狼狽えない!!
「まぁ、この幽波紋どうしましょう?私もう二つの幽波紋を持っているんだけど・・・」
『それは・・・どうなるんだろうな?って、そう言えばそいつの名前は何なんだよ?』
あぁ、そう言えば言ってなかったわね。
「これの名前はトト神って言うみたいよ。これに書かれていた出来事が必ず起きるみたい。良い事でも悪い事でもね・・・」
『成程、融通が効かない未来予知の幽波紋と言う訳か』
その時、後ろに気配を感じたため振り返って見るとそこには妖怪が一人立っていた。
「あら、どうかしましたか?」
「い、いえ!なにも!?」
するとトト神が彼女へと吸い込まれていった。
「へ?な、何!?何なの!?」
「ちょ、ちょっと!落ち着いて!!」
~説明中・・・~
「そ、そうなんですか・・・」
ふぅ、何とか納得してもらえたわね。
「そう言えば、自己紹介をしてなかったわね。私は多々良小傘よ」
「・・・私には名前が無いのです」
この様な子がいるのは珍しくない。
「だったら私が付けてあげようか?」
「へ?い、良いんですか!!」
「良いわよ。そうね~貴方の羽の色が朱鷺色に似ているから朱鷺子ってのはどうかしら?」
「朱鷺子・・・・・・いい名前ですね!気に入りました!!」
「そう、良かったわ」
『おい、小傘』
「どうかしたのアヌビス神?」
『此奴にお前の店で働いてもらったらどうだ?丁度お前も働き手が欲しかったんだろう?』
ちなみにアヌビス神の事は説明済みである。
「そうだけど、この子にも都合が・・・・・・」
「働かせてください!!」
「へ、いいの?」
「はい!」
「そう、それじゃあそろそろ店に戻るから一緒にリアカーを引いて行きましょうか」
「分かりました!」
そう会話しながらリアカーの方に向かって行ったので気が付かなかったが、上空を霊夢さんが地獄の方に飛んで行ったのを・・・
~多々良小傘Sideout~