東方小傘物語   作:寂しい幻想の刀鍛冶

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第26話 新たな出会いと異変の香り

 ~多々良小傘Side~

 

 

私は今、道具を作るための鉄が少なくなってきたので探しに来ている。

 

「ハッキング、鉄でできた道具がないか探って頂戴」

 

私の言葉を聞き、いつも通り地面に潜った。

 

『幽波紋をこんな風に使う奴を始めてみたぜ、俺は・・・』

 

「いいじゃないの。使えるものは使うのが私よ。貴方も戦いの時には使ってあげるからね」

 

『まぁ、俺は戦えれば良いがな!』

 

私とアヌビス神がそう言う話をしているとハッキングが戻って来たのだが、ハッキングが何かを持っているような・・・

 

「これは・・・拳銃かしら?」

 

ハッキングからそれを受け取り見ていると、アヌビス神が話し掛けて来た。

 

『・・・おい』

 

「どうかしたの?」

 

『それ・・・幽波紋だぞ』

 

「・・・え?本当に?」

 

『あぁ・・・本当だ』

 

嘘おおぉぉぉぉぉぉおおおお!?!?

 

何でこうも幽波紋に出会うのかしら!?

 

ま、先ずは・・・

 

「ハッキング、この銃を調べて頂戴」

 

いつも通りなり銃に纏わりついた。

 

そして頭の中に銃の情報が流れてきた。

 

「へぇ、これはエンペラーて言うの名前なのね」

 

『うん?』

 

「どうしたのアヌビス神?」

 

『その名前のスタンド、何処かで聞いた事がある様な・・・気のせいだな!』

 

何か気になるけど、まぁいいか。

 

そう考えているとエンペラーが崩れ、私の身体の中に入った。

 

「これは・・・」

 

『どうやら、お前の事を一時的に使い手と認めたみたいだな』

 

「これって、名前を呼んだら出て来るのかしら?」

 

『そりゃ、そうだろうよ』

 

それなら早速・・・

 

「エンペラー!」

 

私がそう叫ぶと共に手にエンペラーが現れた。

 

「成程ね、戻りなさい」

 

そう言うとエンペラーは消えた。

 

「ふぅ、一段落ついたし鉄探しに戻りますかね。ハッキング、探して来て頂戴!」

 

その言葉を聞いてハッキングは地面へと潜って行った。

 

「さて、私も自分の足で探すとしますかね」

 

『一応エンペラーの使い手を探して置けよ』

 

「分かったわ」

 

アヌビス神の言う通り、探す必要があるわね・・・

 

まぁ、地道に探すとしますかね!

 

そう思っていると見覚えがある人(?)影が見えた。

 

「あ、小傘だ!」

 

「あら、チルノちゃんじゃない。久しぶりね」

 

「久しぶり!ねぇ、アヌちゃんはいる?」

 

『居るぞチルノ!』

 

「この前の話の続きを聞かせてよ!」

 

あぁ、そう言えばアヌビス神、家にやって来た時にあの子達に昔に憑りついていた者の話をしていたわね。

 

そう思っていると私の手元にエンペラーが勝手に現れたかと思うと、チルノちゃんの身体の中へと消えて行った。

 

「え?な、なんだ!?」

 

『まさか此奴を使い手として選ぶとは・・・』

 

取り敢えず今ははぐらかして置きましょうか。

 

「チルノちゃん、アヌビス神の話はまた今度皆が集まっていた時にしてくれるそうよ」

 

私がそう言うと今さっきの事は忘れたかのように笑顔になって・・・

 

「分かった!それじゃあね~」

 

そう言いチルノちゃんは飛んで行った。

 

『たく、嵐の様な奴だな』

 

「まぁ、元気が取り柄みたいなものだからね」

 

また今度しっかり教えるとしますかね。

 

『・・・それにしてもこの辺りは見た事無い色の種類の花が咲いているな』

 

「あぁ、それはそろそろあの時期ですからね」

 

そうアヌビス神に言いながら鉄集めに戻るのだった・・・

 

 

 ~多々良小傘Sideout~


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