~多々良小傘Side~
「ふぅ、昨夜は疲れたわね・・・」
私は今、ある場所を目指して人里の通りを歩いている。
「あら?小傘じゃない」
そう声を掛けられたので振り返って見るとそこには霊夢さんが居た。
「あ、霊夢さん。こんにちわ」
「えぇ、こんにちわ。何をしているの?」
「えぇ~と、歩きながらでも大丈夫ですか?」
「構わないわよ」
そして私と霊夢さんはある場所に向かって歩き出した。
「私は稗田家に向かっている途中ですよ」
「稗田家って確か・・・・・・」
「幻想郷縁起を書いている一族ですよ」
「それで、何であんたはその家に向かっているのかしら?」
「昨夜私に出て来たものを報告しに行くんですよ」
「あぁ、成程ね」
どうやら納得してくれたらしい。
「あ、そろそろ着きますね」
「そうなの、私は今夜の宴会の買い出しがあるからここらで行くわね」
「はい、分かりました。今夜は行けたら行かせていただきますね」
「そう、楽しみにしているわ」
そう言い霊夢さんは去って行った。
さて、会うとしますかね。
そう思い私は門番に声を掛けた。
「すいません。稗田阿求様はいらっしゃいますか?」
「おぉ、小傘殿では御座らんか。阿求様なら今庭の方に居るはずだ。少し待っておれ、オーイ!誰か居らんのか!」
「どうかしましたか?」
門番の声を聞き屋敷の中から使用人が一人出て来た。
「小傘殿が阿求様に会いに来られたのだ。案内してやってくれ」
「あら、そう言う事なら案内しますわ」
そう言われて私は門を潜り、使用人の後をついて行った。
~多々良小傘Sideout~
~稗田阿求Side~
ふぅ、作戦通り捕まえる事は出来たのだけど、この生物は何なのかしら?
そう考えていると向こうから使用人が小傘さんと共にこちらに向かって来た。
「あら、小傘さん。久しぶりですね」
「そうですね阿求さん、それより何かあったんですか?」
「えぇ、最近人里を酒を飲んで行く事で騒がしていたものを捕まえたんだけど、名前が分からないから困っているのよ。私の記憶の中にも無いから・・・」
そう思っていると小傘さんが言ってきた。
「それじゃあ、私が調べてあげましょうか?」
「え?」
私は驚いている間に小傘さんは生物の近くに座り込んでいた。
「ハッキング、この生物を調べあげなさい」
その言葉と共に小傘さんの後ろに黒い塵で出来た様な人型が現れたと思ったら、すぐに形が崩れ生物に纏わりついた。
暫くして、小傘さんの中に消えて行った。
「ふぅ、成程ね。この子はチュパカブラね」
「えぇ!?分かったの!!」
「えぇ、名前はチュパカブラ。家畜などの血を吸う凶暴だけど性格は臆病な珍獣よ」
「それじゃあ何で酒を飲んだのかしら?」
「どうやら食事の後に喉が渇いて酒を飲んでたみたいよ」
小傘さんの答えを聞いて私は思った。
あれって結構な量だったはずだけど・・・
「それで、この子は飼い主に返しましょうかね」
「え、その子ってペットだったの!?」
それに驚きなんだけど!?
「えぇ、どうやら紅魔館のペットみたいですよ。ついでにお迎えも来たみたいですし・・・」
小傘さんにそう言われて振り返って見ると、そこにはメイド服を着た人が立っていた。
~キングクリムゾン!!~
あら?時間が飛んだような・・・気のせいかしら?
まぁ、あの後少し注意をしてあの子を引き取ってもらった。
さて、小傘さんにあれの事について聞くとしますかね・・・
~稗田阿求Sideout~