~藤原妹紅side~
小傘の奴、なんか様子が変だった気がしたが・・・・・・気のせいか。
そうこうしている内に輝夜がいる場所の前に着いた。
「着いたぞ」
「此処に輝夜姫が・・・」
「あんまり期待しない方が良いぜ」
「・・・え?」
「まぁ、見てもらった方が早そうだな」
そう言い私は扉を開けた。
そこには満月が浮かんでおり、それを見る様にして輝夜が立っていた。
「あら、来たのね妹紅・・・」
「あぁ、案内がてらな」
カチンッ
何か落ちる音が聞こえたのでそちらを見ると小傘が片メガネを落としていた。
そして小傘の様子が変わっていた。
「フフフ・・・・・・」
黙って月を眺めていたと思ったら、懐から石で作られている仮面と赤色の石を取り出した。
そして、赤い石を石の仮面にはめ込んで顔に付けた。
「ウオォォォォォォォォォぉぉぉぉぉぉぉォォォォォォォォォオオオ!!!!!!!」
すると仮面が月の光と反応するように怪しく輝き始めると共に小傘が雄叫びを上げた。
「こ、これは。どうしてこうなったんだ!?」
「月の光の所為よ!」
「何!?どう言う事だ輝夜!!!」
「本当の月の光は地上の者達にとって毒でしかないのよ!此処にはその光が来ているのよ!!」
二人がそう話していると小傘がしていた仮面が割れた。
それと同時に叫ぶのをやめて普通に立った。
だが、一つ違う点がある。
オーラだ、彼奴から強者のオーラが放たれている!
すると、小傘が急に懐から先程掴んだ矢を取り出して自身の腕に刺した・・・って何やっているだ!?
「おい小傘、大丈夫か!!」
「離れなさい妹紅!今あの子に近づくのは危険よ!!」
そうこうしている内に矢が灰となって崩れていった。
それと同時に小傘の横に黒色の人型が立っていた。
~藤原妹紅sideout~
~多々良小傘Side~
ふぅ、月を見たら何かに囚われそうになったけど何とかなったわね。
それにしても今さっきの仮面どこかで見た事があると思ったら妖怪としての力を高めるアイテムだってパチュリーさんに見せて貰った本に載っていたのを忘れていたわ。
確かにすごいわね。ほとんどの力が強化されているわね。
その御蔭で月の狂気に囚われずに済みました。
その間に妹紅さん達が何か叫んでいた気がするけど。
極めつけは見た物の情報が頭の中に流れて来る事と、頭の中での情報処理や記憶力が上がっていることね!!
それで先程の矢を見てみると、『刺した者に新たな力を与えられる』と示されたから刺してみたんだけど・・・
「・・・小傘・・・大丈夫なの・・・・・・か?」
「あぁ・・・大丈夫ですよ妹紅さん。狂わない様に対応しただけですから・・・」
「そうか・・・それならよかった。・・・・・・じゃない!お前の横にいるのは何だ!?」
そう言われて横を見てみると全体が黒い人型が立っていた。
「ウェ!?」
驚いたけど今さっきので見てみた方が良さそうね。
えぇ~と『名称:ハッキング。もう一人の自分で能力は術式などの乗っ取り、破壊、再現と情報を調べてその弾幕や技術を使用できるようになる』・・・ね。
ふぅ~ん、成程。だったら試してみますか!
「ハッキング!月に掛かっている術式を破壊しなさい!!」
その言葉と共にハッキングは地面へと溶けていった。
その数秒後何かが崩れる音と共に月の異常が解けた。
~多々良小傘Sideout~
この話での石仮面は吸血鬼になるのではなく、力の強化をしています。
赤い石はその補助ということになります。