~多々良小傘Side~
「さぁ、着いたぞ」
妹紅さんに付いて行くとそこに一つの建物が建っていた。
「此処は永遠亭と言って、月から来た奴らと因幡兎達が住んでいるんだ」
「・・・はい?」
「あぁ~、簡単に説明するとだな・・・輝夜姫って知ってるか?」
「はい、知ってますけど・・・」
「そいつが此処に住んでるんだよ、従者と共にな」
「えぇ!?輝夜姫って本当にいたんですか!?」
「あぁ、そうだよ。それにしても・・・」
そう言い妹紅さんは周りを見渡す。
「だれかがもう来ているらしいな」
「もしかしたら魔理沙さん達かも・・・」
「魔理沙って私と戦っていた吸血鬼達を運んで行った奴の事か?」
「はい、そうですけど・・・」
その時一つの矢が私に向かって飛んで来た・・・
~多々良小傘Sideout~
~藤原妹紅side~
バシッ!
私達に向かって飛んで来た矢を小傘は掴んでいた。
「お、よく掴めたなお前・・・」
「まぁ、これでも一応妖怪ですので・・・」
「それにしてもこの矢・・・彼奴のか?」
「彼奴とは誰の事ですか?」
「今さっき言っていた輝夜姫に仕えている奴の事だ」
そう言いつつ私はさっきから気になっている事を小傘に尋ねた。
「それよりもお前、何時の間に片メガネなんか掛けたんだ?」
そう尋ねると小傘は左に掛けている眼鏡に触れながら言った。
「あぁ、魔理沙さんにあの眼鏡を貸してしまったので試作品のこれを妹紅さんの後を追いかけながら掛けたんですよ」
「それを掛けているのに何か意味があるのか?」
「この眼鏡には罠みたいな人工的に設置されたものを見る事が出来るんですよ」
それお訊いて私は驚いた。
「へぇ~、よくそんなもの作る事ができたな」
「まぁ、知り合いに魔法使いや同業者の方がいますので・・・」
ふ~ん、協力があってできた物ってわけか。
「それより先に進みましょう。此処に居続けるのも危険ですし・・・・・・」
「確かにそうだな、先ずは彼奴がいるところに行くとするか・・・」
「彼奴って今さっき言っていた・・・」
「そうだ、輝夜姫・・・蓬莱山輝夜の所にな。ついてきな」
そう言い私は永遠亭を進み始めた。
後ろからついてくる小傘の気配を感じながら・・・
~藤原妹紅sideout~
~多々良小傘Side~
ふぅ、危なかったわ。
妹紅さんの後をついて行きながら先程の事を考えていた。
そうして今さっきの矢を見た。
この矢、唯の矢ではない気がするわ。
なんかこう・・・・・・大きな力が封じられている気がするわ・・・って、あれは・・・
歩いていた廊下の壁に石でできた仮面が掛けてあった。
何だろう・・・この仮面からも矢から感じた力を感じるわね。
それにこの仮面の窪み・・・最近どこかで見た様な・・・・・・
「おい、早くついて来いよ」
「は、はい!」
妹紅さんに声を掛けられたので私は悪いと感じつつ仮面を持って走って行った。
~多々良小傘Sideout~
この時多々良小傘の懐で赤い石が怪しく輝いているのに誰も気づかなかった・・・