~多々良小傘Side~
「まったく、何なのよこの竹林は・・・。いくらなんでも罠が多すぎるわ」
「そうだな、小傘が居てくれて助かったぜ」
私は二人の会話を聞きながら罠を避けながら竹林を進んでいた。
「それにしても、この竹林はどうなってんだ?さっきから目印にした竹が無かったりするし・・・」
「あぁ、それは簡単よ」
「どう言う事なんだぜ、小傘?」
「此処の竹は成長が早すぎるのよ。だから竹を目印にしても意味が無いのよ」
「そうなのか、勉強になったぜ」
そんな会話をしていると遠くから魔理沙さんに向かって何かが放たれるのが見れた。
「ッ!」
それを見た瞬間私はそれと魔理沙さんの間に入り、唐傘に妖力を流しながら開いた。
ッキン!
「ッうお!」
「大丈夫かしら、魔理沙さん」
「おう、助かったぜ小傘」
魔理沙に話し掛けた後に先程の場所を見るともう人の姿が無くなっていた。
逃げられたみたいね・・・。
その様な事を考えていると魔理沙さんが話し掛けてきた。
「おい、あそこにいるのレミリアに咲夜じゃないか?」
そう言われて魔理沙さんが指す方を見てみると、レミリアさんと咲夜さんが倒れており、そこに炎を放とうとしている少女がいた・・・って、ヤバイッ!?
そう思って私は二人と少女の間に入ってスペカを宣言した。
「反射「唐傘シールド」!!」
炎が傘で反射して少女の方へと飛んで行ったがあっさりと躱していた。
「二人とも大丈夫ですか?」
「ありがとうございます、小傘さま」
「助かったわ。まさか二回も助けてもらう事になるなんて思わなかったわ」
「お~い!大丈夫かー!!」
「二人とも速いわよ」
レミリアさん達と話していると魔理沙さん達が追い付いてきた。
「魔理沙さんとアリスさん、二人を安全な場所にお願いします。私はあの子の相手をしますので・・・」
そう言いながら私はさっきから上で話が終わるのを待っている少女を見た。
「・・・分かったぜ」
「任せなさい」
「あと、これを持って行きなさい!役に立つはずよ!!」
そう言いながら私は掛けていた眼鏡を魔理沙に投げ渡した。
「気を付けなさいよ!」
そう言いながら魔理沙達はレミリア達を連れて行った。
「さて、待ってもらって済まないわね」
「構わないよ、私は降りかかった火の粉を本気で払おうとしただけだからな」
「そうなの、えっと・・・」
「あぁ、私の名前は藤原妹紅ってんだ」
「そうなんですか。私の名前は多々良小傘と言います」
私の名前を聞いて妹紅さんが尋ねてきた。
「多々良って、・・・・・・もしかしたらお前って人里で道具屋をやってたりしないか?」
「えぇ、やっていますけど・・・どうしてそれを?」
「それは慧音から聞いてたからさ。だから一度会ってみたいと思っていたけど、こんなところで会うなんて思わなかったがな・・・」
「そうなんですか、でしたら今度うちの店に来ていただければ歓迎しますよ妹紅さん」
「そうか!だったら今度行くとするかな!」
そう言い妹紅さんは笑い始めた・・・・・・って、そうじゃないでしょ!?
「そう言えば妹紅さん」
「・・・どうした?」
「月を偽物にした犯人を知りませんか?私、これを解決しないといけないので・・・・・・」
「あぁ、これか。だったら間違いなくあそこだろうな。案内してやるからついて来い」
そう言うと妹紅さんは後ろを向いて歩き出した・・・・・って!
「待ってくださ~い!!」
私は慌ててその後について行った。
~多々良小傘Sideout~
小傘達が立ち去った後、一つの人影がその場へと現れた。
「っち、外したか。だが、時間はまだある・・・ゆっくりと行動するとしよう・・・・・・」
そう言いながら人影はその場に落ちていた矢を回収したと思うと姿が消えて行った・・・・・・