東方小傘物語   作:寂しい幻想の刀鍛冶

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第16話 偽物の月(2)

 ~多々良小傘Side~

 

 

はぁ、引き受けたんだから行く準備をしますかね。

 

私は紫さんが帰った後にその様な事を考えながら異変解決の準備を始めた。

 

まずは、いつもの唐傘でしょ。後、この石とあれも持って行こうかしらね。

 

私の勘がこの異変であれが役に立つといっているからね、勘を信じて持って行きましょう。

 

そう思い、持って行くものを持って店を出た。

 

「さて、まずは何処に行きましょうかね~」

 

「お、小傘か」

 

「おや?慧音さんじゃないですか」

 

そう言いながら振り返るとそこにはハクタクの姿になっている慧音さんがいた。

 

「異変中なのにその姿になれるんですね」

 

「あぁ、一応ハクタクも妖怪の一種だからな。力が強くなっているんだ」

 

「そうなんですか。あ、そう言えばこの異変が何処で起きているかしらないかしら?解決しに行かなくっちゃいけなくなっちゃって・・・」

 

「そうなのか・・・。だったら迷いの竹林に行くといい」

 

あら、また厄介な所の名前が出てきたわね。

 

「その奥に元月の住人がいるはずだ。行って損は無いと思うぞ」

 

「そうですか・・・。ありがとうございます!慧音さん!」

 

「いいんだ、気お付けてな小傘」

 

慧音さんの言葉を聞きながら私は迷いの竹林へと向かった。

 

 

 ~多々良小傘Sideout~

 

 

 

 

 

 

 

 ~上白沢慧音side~

 

 

済まない小傘。

 

確かに迷いの竹林には元月の住民が住んでいる。

 

だが、言っていない事もある。

 

それは彼奴らは目的の為なら手段を選ばないという事を・・・

 

どうか無事で帰って来てくれ小傘。

 

そして、私の友人の心も救ってやってくれ・・・

 

「あんた、人里が何処に行ったか知っているかしら?」

 

どうやら私もまだやる事があるらしいな。

 

・・・・・・それにしても、何で彼奴は眼鏡なんか掛けていたんだ?

 

 

 ~上白沢慧音sideout~

 

 

 

 

 

 

 

 ~多々良小傘Side~

 

 

はぁ~、やっぱり迷っちゃってわね。

 

だけど、此処に何かある事は間違いないわね。

 

此処まで来るのに色々な罠が仕掛けられていたからね。

 

そういうのがある所は大体は何かを守るために設置されているんだもの。

 

私がそう考えていると・・・

 

『ねぇ、僕達と遊んでよお姉さん達』

 

『構わねえぜ!』

 

あら?この声は・・・

 

声がした方に走って行くとそこにはリグルちゃんとミスティアちゃん、魔理沙さんと人形を傍らに浮かべている女の人がいた。

 

「あら、魔理沙さんにリグルちゃんにミスティアちゃんじゃない」

 

「お、小傘じゃないか!」

 

「お、お久しぶりです小傘さん!」

 

「小傘さん、こんばんわ」

 

「それと、そちらの方は・・・」

 

「あぁ、私はアリス・マーガトロイドよ。アリスって呼んで頂戴」

 

「アリスさんですか。私は多々良小傘と申します。それで、皆は何をしようとしていたのかしら?」

 

「弾幕ごっこだぜ!」

 

私の質問に対して魔理沙さんが大きな声で答えてくれた。

 

「はぁ、リグルちゃんにミスティアちゃんはそろそろ家に戻った方がいいわ」

 

「「何故ですか?」」

 

「貴方達だけが力が強くなっている訳では無いのよ。今宵はそんな妖怪が沢山徘徊しているから危ないわよ」

 

「そうなんですか」

 

「分かりました。それじゃあね、お姉さん達~」

 

「次の機会には遊んでね~」

 

そう言いリグルちゃんとミスティアちゃんは帰って行った。

 

「・・・さて、二人とも急いで行きますよ!」

 

「どうしたんだぜ小傘?」

 

「此処にはあっちこっちに罠が仕掛けられているわ。此処には何かある筈よ!」

 

「待って!罠があるんだった注意していった方がいいんじゃあ・・・」

 

「大丈夫よ。今私が掛けている眼鏡は罠みたいな人工的に設置されたものを見る事が出来るから!私の後ろについて来れば大丈夫よ!」

 

「そうなの・・・」

 

「だったら早く行くんだぜ!」

 

「先ずはこっちに行ってみましょう!」

 

そう言い私はアリスさんと魔理沙さんと共に竹林を進み始めた・・・

 

 

 ~多々良小傘Sideout~


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