~多々良小傘Side~
ふふふ、本当に綺麗な石ね~。
結構高めの値段で買い取ったけどそれだけの価値はあるわ~。
だけど、この石って加工された感じだけど、何かに利用されていたのかしら?
微弱ながら妖力も感じるし・・・
そう考えながら顔を上げ、ふと外を見ると違和感を感じた。
今日は満月、妖怪たちの力が高まる日。
だけど今日の満月は、なんかいつもと違う感じがする。
なんか本物と偽物を入れ替えた様な・・・
それに、石を観察する前に見た月の位置と変わっていない気が・・・
そう考えていると、今では慣れた視線を感じた。
「はぁ、今回はどの様なご用件でしょうか紫さん?」
「あら、相変わらず私の視線はわかるのねぇ」
そう言いながら私の目の前に上半身だけスキマから出しながら紫さんは現れた。
「それで、今回は何でしょうか?」
「あら、分かっているんじゃないかしら?」
「それは月が偽物になっていることかしら?それとも月の時間が止まっている事かしら?」
私の言葉に紫さんは少しだけ驚いた顔をした。
~多々良小傘Sideout~
~八雲紫side~
この子の観察力は結構すごいわね、感心しちゃうわ。
まぁ、一応付喪神みたいだし気付くのは当然かしらね。
だけど、その後に言われた言葉で私はさらに驚いた。
「それで、この別々の人物たちが起こしている二つの異変はどの様に解決するつもりなのかしら?まぁ、片方には貴方も拘っているみたいだけど・・・」
「あら、何で私が関わっていると思ったのかしら?」
「咲夜さんもこのような事もやろうと思えばできるだろうけど、長時間操作する事は難しいはずよ。それを可能にするには貴方の力添えがあれば可能でしょう?他の紅魔館の人達は咲夜さんの能力と相性はそこまで良いわけではないからというのもあるけど・・・」
・・・ふふふ、本当に面白いはこの子は。
「・・・その通りですわ」
「やっぱりね。それでこの異変早く解決しないと妖怪たちが暴れ出すかも知れないわよ」
「分かっていますわ。だから今回は、貴方に頼みたい事があるのよ」
「なに・・・もしかして私も異変解決しに出ろとでも言うの?」
「その通りですわ。お願いできますか?」
「・・・そうね、酒を一樽くれるなら出るわ」
「それ位なら構いませんわ。それではよろしくお願いしますね」
そう言い私はその場を去った。
これで霊夢が成長する機会にもなりそうね。
その為にも先ずは霊夢の所に向かわないとね・・・。
~八雲紫sideout~
今回の異変では弾幕シーンはないと思いますが、それでもよろしければ次回もよろしくお願いします。