東方小傘物語   作:寂しい幻想の刀鍛冶

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第12話 異変と花の香り

 ~多々良小傘side~

 

 

何かがおかしいわね・・・

 

最近人里で多く宴会に誘われるし、霊夢にも三日置きぐらいに宴会に誘われるし・・・まぁ苦手だし、道具を作っているから断っているんだけどね。

 

それは置いといて、いくら皆が宴会が好きでもおかしいわ。

 

誰かが意図的に宴会がひらかれる様にしているのかもしれないわね・・・。

 

まぁ、私が生きるための力集めに支障は無いから霊夢さん達に今回は任せようかしらね。

 

そう思っていると何処からか視線を感じたので・・・

 

「何か御用ですか、紫さん?」

 

「あら、すぐに気が付いたわね小傘ちゃん」

 

「もう貴方が見ていた時の感覚を覚えてしまったのでね」

 

「そうなのね・・・」

 

「それで、何か御用でしょうか?」

 

「そうだったわね。まぁ、貴方は感づいているみたいだけどね・・・」

 

「・・・もしかしてこの頃宴会が多くひらかれている事ですか?」

 

「その通りよ。今回のはとある妖怪が起こしている異変よ」

 

「・・・それで、何でその事を私に伝えたのかしら?今回は動くつもりは無いのだけれど・・・」

 

「あら、そうなの?なら一応伝えて置くわね。今回の異変の解決の為に色々な子が動いているわ。貴方も疑われているかもしれないから注意しといた方がいいわよ」

 

そう言うと紫さんは消えていった。

 

 

 ~多々良小傘sideout~

 

 

 

 

 

 

 ~???side~

 

 

ふぅん、此処がその店なのね。

 

あの男が言うには付喪神が店主みたいだけど、腕は確かって言っていたから来てみたけど大丈夫かしら?

 

まぁ、まずは入ってから考えますか。

 

そう思い私は店に入った。

 

「店主は居るかしら?」

 

「あ、いらっしゃいませ。ってあ、貴方は風見幽香様!?」

 

あら?どうやら私の事を知っている様ね・・・

 

「そうだけど、何処かであったかしら?」

 

「あ、失礼しました。私は此処の店主をしている多々良小傘と申します。一度貴方が戦っているのを遠くから見た事があったので・・・」

 

なるほどね、でもおかしいわね・・・

 

「そうなの、だけど近くで見られている感じはしなかったんだけれど・・・」

 

「あぁ、それはこれを通して見たんです」

 

そう言い小傘は机の下から一つの筒みたいな物を取り出した。

 

「これは望遠鏡と言いまして、遠くのものを見る事ができる道具です」

 

「へぇ、こんな物もあるのねぇ」

 

「そう言えば、風見様はなんの御用でこちらに来られたのでしょうか?」

 

あぁ、忘れかけてたわ。だけど・・・

 

「あぁ、そうだったわね。だけどその前に、私は幽香でいいし様もやめて頂戴な」

 

「分かりました幽香さん」

 

「それで、来た理由だけど貴方、道具を直すの得意みたいじゃない」

 

「えぇ、そうですけど。どうしてそれを?」

 

「香霖堂の店主に聞いたのよ。それで、この如雨露(じょうろ)を直して欲しいのよ」

 

そう言い私は小傘の前に如雨露を置いた。

 

「これは・・・随分と年季が入っていますね」

 

「えぇ、長い間使っていたからね。それで、直せそうかしら?」

 

「はい、これくらいだったら一週間以内には直す事が出来そうですけど・・・」

 

「そうなの・・・」

 

困ったわね、それまで何で花に水をやろうかしらね・・・

 

そう私が思っていると・・・

 

「その間、この如雨露をお貸ししましょうか?」

 

そう言い小傘は私の前に自分が持ってきた如雨露と違う如雨露を置いた。

 

「いいのかしら?」

 

「構いませんよ、他のお客様にも修理中は違うのをお貸ししているので・・・」

 

「そう、だったら貸して貰うわね」

 

私はそう言い如雨露を持って玄関に向かった。

 

「じゃあ一週間後に取りに来るわね」

 

「わかりました」

 

その言葉を聞いて私は店を後にした。

 

 

 ~???→風見幽香sideout~


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