~多々良小傘side~
はぁ~、びっくりした~。あんな大妖怪に会うなんて思ってもいなかったわ。
だけど、何時までもこうしてちゃいられないわよね。
そう思い心を落ち着かせていると聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「来たぞー小傘!」
「小傘さん、失礼します」
「失礼するのかー」
「お邪魔します・・・」
おや、一人聞き覚えのない声があったわね。
「いらっしゃい三人とも。あと、初めましてかな?私は此処の道具屋『傀儡』の店主をしている多々良小傘よ」
「は、初めまして、ミスティア・ローレライです!」
「小傘ー!何時もの持ってきたぞ!」
そう言いながら私の前に古道具を置いたチルノちゃん。
それに続くように大ちゃんとルーミアちゃんも自分が持ってきた古道具を置いた。
「あら、いつもありがとうね。それじゃあ少し待ってて。すぐに料理を作って来るから・・・」
そう言い奥へと行こうとしたけど・・・
「小傘さん、待ってください!」
「あら?どうかしたの大ちゃん?」
「今回は料理ではなくお金が欲しいんです・・・」
「それはどうしてかしら?」
「あたい達はみすちーの屋台の為のお金が欲しいんだ!」
「だからおねがいするのかー」
なるほどね、仲間の為に・・・か。
「まぁ、そう言う事なら買い取りということで進めるわよ」
「ありがとう小傘!」「小傘さん、ありがとうございます!」「ありがとうなのかー!」
「別にお礼何ていいのよ。本当はこうしなきゃいけないんだから。はい、今回はこんな感じよ」
そう言いは私はチルノちゃんにお金を渡した。
「ありがと!はいみすちー!」
そう言いそのお金をミスティアちゃんに渡した。
「三人とも・・・ありがとう!」
ふふ、微笑ましいわね。ちょっと手を貸してあげますか・・・
「ミスティアちゃん、ちょっとこっちに来て頂戴・・・いいものあげる」
「へ?」
戸惑いながらも私の方へとやって来た。
「はい、これをあげるわ。大切にして頂戴ね」
「これは・・・お皿。こんなに頂いていいんですか!?」
「構わないわよ。この皿、作ったのはいいけど誰も買ってくれなくてね。もう誰かにあげようと思っていたから・・・」
「そうなんですか、ありがとうございます!」
そう言いながらミスティアは皿の入った箱を持って玄関に向かった。
「小傘、また来るぞー!」
「また来ますね、小傘さん」
「また来るのかー」
「色々とありがとうございました」
そう言い四人は去って行った。
その背中に私は・・・
「またよろしくね~!!」
そう声を掛けた・・・
~多々良小傘sideout~