東方小傘物語   作:寂しい幻想の刀鍛冶

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第10話 最強妖怪

 ~多々良小傘side~

 

 

はぁ、漸く春が来たって感じね~。

 

あの後私があの子を屋敷内に運んだ時には霊夢達の方は終わっていたらしく、私を見つけたら“帰るわよ”と言い三人とも帰って行ってしまった。

 

なので私もあの子を畳の上に置いて、チルノちゃん達と合流して自身の店へと帰った。

 

今回の宴会は白玉楼(あの場所の名前)で行われるらしいけど、今回はパスする事にするわ。

 

綺麗な桜のなかでの宴会みたいだけど、元々私は騒がしいのわ苦手なのよね~。

 

まぁ、霊夢さんに今回の分の材料を渡して置いたしたぶん大丈夫でしょう・・・

 

そう思いながら、店のレジで座っていると・・・

 

「すいません」

 

おや?今回来たのは初めての方みたいね。

 

「いらっしゃい、ようこそ道具屋『傀儡』へ!何をお求めでしょうか?」

 

私が挨拶しそう尋ねるとお客さんは私を真っ直ぐ見つめながら言った。

 

「貴方に用がありまして・・・」

 

「私に・・・ですか?」

 

「失礼しましたわ。私の名前は八雲紫と申します・・・」

 

・・・・・・・・・へ、・・・うそぉぉぉォォォぉぉ!??!

 

「や、八雲紫と言うと、あのス、スキマ妖怪の!?」

 

「えぇ、その通りですわ」

 

「そ、その八雲紫様が私へ何の御用でしょうか?」

 

私はビクビクしながら尋ねた。

 

 

 ~多々良小傘sideout~

 

 

 

 

 

 

 ~八雲紫side~

 

 

ふふふ、面白い子ねこの子。いいリアクションをするわね。

 

「ふふ、緊張しなくてもいいわよ、別に取って食おうとか思って無いから・・・。ただ訊きたい事があるのよ・・・」

 

「訊きたい事・・・ですか?」

 

「えぇ、貴方は何で今回の異変と前の異変に介入したのか気になってね・・・」

 

「前の異変はこの人里の慧音先生に頼まれたからで、今回の異変は人里の農業に影響が出そうだったからです・・・」

 

ふぅん、嘘を言っている訳ではないわね。だけど少し気になるわね・・・。

 

「・・・なんで人里の農業に影響が出る事が、貴方が動く理由になるのかしら?」

 

一応妖怪であるこの子が人の事が理由で動く理由が無いはずなのである。

 

「・・・ふふ、それは人間が減ってしまうと私が生きれなくなるかもしれないからですよ。私は自分が売った道具を通して人間の驚いた時の力を吸収する事で生きているのよ。人間が減ってしまうと吸収できる力が減ってしまって消えてしまうかもしれないからね」

 

・・・成程ね、妖怪らしい理由ね。自身のために他者のやっている事の妨害をしていたっと・・・

 

「そう、今回はありがとうね」

 

「いえ、・・・私も一つ尋ねてもいいですか?」

 

「えぇ、別に構わないわよ」

 

「・・・前の異変から視線を感じる時があるんですが、もしかして貴方が原因ですか?」

 

「えぇ、そうよ。何か問題でもあったかしら?」

 

「いえ、誰が見ていたのかわかったからもう構いません」

 

あぁ、誰が見ていたのか確かめたかったのね。

 

「それじゃあ、そろそろ失礼するわね・・・」

 

そう言い私はお店を後にした・・・

 

 

 ~八雲紫sideout~


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