真・恋姫✝無双~とある男のそれなりに不幸な人生~   作:世紀末敗者寸前

7 / 14
第五話

どうしてこうなったんだろう…

 

 

 

 

「どうしたの咲夜、さっきから元気がないみたいだけど?」

「その現況を作った人が言わんで下さい」

「あら? 何のことかしら、私分からないわ♪」

「(うわぁ…ぶっ飛ばしてぇ)」

 

 

 

内心毒づいているのだがそれでも今咲夜に起こっていることは変えられない

 

 

 

 

「りゅ、劉封様! ご教授願います!」

 

目の前で拳を構えているのは先程紹介された楽進

 

 

「凪~、頑張ってな~」

「凪ちゃん、ファイトなの~!」

 

その後ろで応援しているのは李典と于禁

どうにも楽進の古くからの付き合いらしい

 

 

「凪~、それに咲夜~! 次は私だからなーーー!!」

「姉者、少し落ち着け」

 

咲夜にとって不幸な塊みたいな春蘭

その隣では秋蘭が咲夜に対して申し訳ない顔をしながら春蘭を抑えている

 

 

「………」

「ふむ、あれが噂の劉封殿ですか…お手並み拝見といった所でしょうね」

 

 

咲夜を憎しみとも言える眼差しで見ている猫耳フードの女の子にその隣には眼鏡を掛けた凛とした女の子

 

 

 

「(あれって多分、燐花の言ってた荀彧さん。それに風の知り合いの郭嘉さんかな…)」

 

二人の特徴は風と燐花から既に耳に入れていた為、誰かを直ぐに判断出来た

 

 

「(でも…風の言ってた鼻血軍師というのはどういう意味だろう?…見た所普通だけど…)」

 

 

 

「ねえ、流流はどっちが勝つと思う?」

「う~ん、凪さんの強さは分かるけど…劉封さんがどれだけ強いのか分からないから何とも言えないよ」

「ふ~ん…それよりも流琉、ボクお腹すいたよ~」

「ハァ…後で用意してもらうから我慢だよ、季衣」

 

 

そして華琳さんの両隣で会話しているのは許緒ちゃんと悪来典韋ちゃん

見てるだけで何か和みます…

 

 

 

 

そしてお子様二人の真ん中に居るのが今の咲夜の現状を作りあげた華琳こと曹孟徳

 

 

 

「本当に…どうしてこうなった……」

 

 

 

ことの発端は咲夜が華琳の陣を訪れてから暫くした後のこと…

 

 

 

 

 

「あら? もう来たの…ということは私と劉備の連合に参加するということでいいのね?」

「…まあそういうこと。じゃあ具体的な話をしようか」

「あら、劉備はいいのかしら?」

「…劉備さんは暫く来ないと思うので」

「…何かあったのかしら?」

「まあ…それなりに、ね」

「ふぅん…まあ良いわ。と、その前に皆を紹介しないとね。春蘭と秋蘭は以前会ったから…桂花や凪達を紹介するとしましょう」

 

 

 

 

華琳はその場に待機していた兵の一人に命じて、将と軍師を全員集めるように指示した

暫くすると9人の女性がやってきた

 

 

 

「華琳様、至急の用とは…とおお! 咲夜ではないか!」

「え、何その驚き方…俺が来てるって知ってると思ってたんだけど…」

「ん? そうだったか、秋蘭?」

「ハァ…姉者、華琳様が我らに指示を出す前に言っていたことだろう」

「う…ま、まあそんな昔のことは置いておいて…」

「「「…ハァ」」」←華琳&秋蘭&咲夜

 

「咲夜はどうしてここに居るんだ?」

「簡単に説明するのなら軍を共にすることになったからその連絡にさ」

「? それならば伝令に任せればよいことではないか」

「これは大事な事だから自分の口から言いに行きたかったんだよ(加えて今陣に戻れん…劉備さん達に滅茶苦茶説教したからなぁ)」

 

 

咲夜は早速、今後のことを話し始めようとしたのだが…

 

 

「か、華琳様!! どういうことですか!! こんな男に進軍に加えるなど!!」

「あら、桂花は私の考えに反対だというの?」

「え…い、いえ…その…Σそ、そう!! こんな男が華琳様の役に立てるなどと思えないので!!」

「あら、それなら問題はないわ。何せ、こいつはあの劉封なのだから」

「「「「え!!!!」」」」

 

 

 

「えって…何その反応は?」

 

 

 

「か、華琳様!! 本当にこいつがあの仁君、劉封なんですか!?」

「ええ、本当よ」

「へぇ~、噂で聞いた通り深紅の鎧を着とるんやなぁ」

「黒い髪に蒼い瞳…確かに噂通りなの」

 

 

じろじろと見始める面々

流石にその視線を受けて恥ずかしくなったのか咲夜は話を進めるべく、華琳に向き直った

すると…

 

 

 

 

「…Σ (ニヤリ)」

 

 

物凄く悪どい事考えてます的な顔をしながら妖美に微笑んでいた

 

 

 

咲夜は第六感で嫌な予感を感じ取り、目を背けようとしたがそれよりも一手早く

 

 

 

「咲夜、春蘭と凪、どっちでもいいから戦いなさい」

「…は?」

「今思い出したのだけど…樊城を訪れた時は新しい娯楽や建物の構造のほう等に目が向いていて、貴方自身の噂を確かめ忘れていたの。何でも万の賊に一人で立ち向かってその賊たちを皆殺しにしたらしいわね」

「いやいやいや! そんなことしてませんから! 俺が手を下したのは大体1000位ですし、賊も総数10000ではなく7000程ですから!」

「大して変わらないじゃないの。でも一人で戦ったのなら賊は数を頼りに押し寄せてきたんじゃないの?」

「一応、一対一になれる場所で戦いましたし…数を減らした後、ちょっとした手を使って俺以外にも伏せている兵がいると見せかけて混乱させましたので」

「…へぇ」

 

 

ひいいぃ!? 更に華琳さんの顔がコイツ欲しいわ。何が何でも手に入れてやるわ的な顔をしているよ!?

などと思っている矢先…

 

 

 

スチャ…カチャカチャ……

 

 

ふと咲夜の目に入ってきたのは自分の刀を用意し始めている春蘭と…

 

 

 

シュッ!! シュシュッ!!

 

 

何故か準備運動的な事を始めている楽進…

 

 

 

 

「あ、あの~…お二人は何を?」

「ん? これからお前と戦うのだろう?」

「うえ!? そ、そんなの承諾してないですよ!? 嫌ですからね!!! 俺は無駄に戦わない主義なんですよ!!!」

「何!? 華琳様、どういうことですか!?」

「気にしなくても良いわ春蘭。貴方は準備を済ませておきなさい」

「は~い華琳様♪」

 

 

「…華琳さんや、貴方の頭はどうかなったんですか? 俺は嫌だと言いましたよね? 何ですか、俺の言葉だけ通じないんですか?」

「そんなわけないでしょ? でも、私は信憑性のない噂なんかより自分の目を信じるのよ」

「…つまり俺の力を実際に見たいだけということですか?」

「有体に言えばそうなるわ」

「……やる気がない」

「ふむ…なら二人に勝ったら貸し二つ、一人でも勝てば貸し一つ、逆に二人に勝てなかったら私の言うことを二つ聞いてもらうというのはどうかしら?」

「え~……(Σ うん…待てよ、黄巾党の乱が終わった後、起こるのは確か……そうだ!! 反董卓連合の結成だ…確か盟主は...あの駄名族袁紹、それから丞相に華琳さんだ…もし、それが結成されたら……そうだな、ここで一応保険を作っておくことはいいか) 分かりました」

「ふむ、ならそちらの武器はその腰にある双剣でいいのかしら?」

「いえ、これはちょっと俺自身も手加減できるかどうか分からないので…」

 

 

咲夜は腰にぶら下げている袋の中から何やら少しゴツ目のグローブを出した

 

「これで戦います」

 

「…貴方、無手でも戦えるの?」

「ええ、だっていつでも武器が俺の傍にあるとは限らないでしょう? だから念のため、武気無しでも戦えるように鍛えていたんですよ」

「どれくらい強いの?」

「ん~…それなりといった所ですかね。この双剣を10とするなら、戦斧が7、無手が8位ですかね。強さの度合いだと」

「そう、なら期待しても良いのね?」

「ええ、どうぞ。もうこうなったらとことんまでやりますよ」

 

 

 

 

咲夜は半分将来のための保険、半分もうやけで戦うことにした

 

 

まず動きやすいように鎧を脱いで、中の服だけになった

それから万全な状態になるまでウォームアップを始めたのだが…

身体が温まると同時に頭はどんどん冷えていった

 

 

 

「…俺、早まった?」

 

 

 

 

というのがことのすべてでした

 

 

 

 

「…ハァ」

「あ、あの…劉封様? 大丈夫ですか?」

「あ~、ええまあ…ただちょっと理不尽さを感じつつ、どうしてこんなことをやけになって承諾してしまったのか、頭が冷えていく度に後悔しているだけですよ」

「あ、あの…ご迷惑でしたか?」

「ん、いや…もう色々と諦めが付いたから。いつまでもうじうじ言っているのは男らしくないしな……(キュッ…キュッ)…よし、これで装着完了っと」

「? 咲夜様は戦斧、もしくは双剣で戦うと聞いていましたが」

「あ~、悪いね。戦斧は対集団戦だけにしか使わないし、双剣だと始めて対峙する相手だと手加減があまり出来なくて…以前、俺部下うっかり殺しかけたからさ」

「へ?!」

「まあそんなわけで初見の相手の模擬戦の場合は無手なんだよ」

「そ、そうなんですか」

「でも……結構強いと思うから油断しない様にね」

「…元より、油断などするつもりはありません」

「そう、ならいいんだ」

「はい! ではよろしくお願いします!!」

「ふふ…では」

 

 

咲夜はグローブをもう一度、ハマっているか確かめ直しながら

 

 

「―――――限界まで……飛ばすぜ」

 

 

静かに集中力を高めていった

 

 

 

 

→Side 楽進(凪)→

ッ…

劉封様の雰囲気が変わった…

 

 

さっきまで無だった殺意の気配が有になった…

そんな劉封様の雰囲気に恐怖を覚えると同時に…凄く嬉しく思う

 

今まで私は無手を相手に戦ったことは殆どない

大抵の相手は武器を持つ者ばかりだったからだ

だから劉封様が無手でも戦えると知って少し嬉しかった

 

 

 

「それでは…凪 対 咲夜…模擬戦、開始!」

 

 

華琳様の開始の合図と同時に劉封様に私は一気に詰め寄ろうとした

無手は完全近接戦闘型故

劉封様も接近することから始めると…私は思っていた

だがその予想は裏切られることとなった

 

 

 

「烈風拳!!!」

「て、ええ!?」

 

 

劉封様が拳を思い切り前に突き出したと思ったら、何かが私に向かって飛んできた

 

 

「くっ…!!」

 

 

私はかろうじて避けることが出来た

 

 

「い、今のは…氣?」

「いや、違うよ、楽進さん」

「え、で、でも…」

「あれは単に思い切り拳を突き出して、風圧の塊を目標に向かって当てる技。簡単に言うと氣とかそんなものじゃなくただの力技」

「あ、有り得ないですよそれは…」

「ん? そう、こんなことも出来るよ? 双魔人拳!!」

 

 

劉封様は今度は両手を交互に突き出しました

すると先程の空気の塊よりも大きなものが私の横を通過しました

 

 

 

「まあこんなことは修行次第で誰でも実行可能な技だ。小手調べに使ったんだが…これを避けるってことは結構強いってことだ、楽進さん」

「きょ、恐縮です!」

「…さて、そろそろまじめにやりますか」

 

 

劉封様は私が今まで見たことのない構えを取り始めました

 

 

「くっ…行きます!!」

「こい、楽進!!」

 

 

 

ヒュッ!!

 

 

私は一気に接近し、まずは蹴りを劉封様の右脇に当てようとしました

 

 

パシッ

 

 

「ッ!!」

「どうした、これが君の実力かな?」

 

 

あろうことか、劉封様は私の蹴りを防御するどころか、足を受け止め掴んでいました

まるでそれくらいの蹴りならば見切れると言わんばかりに…

 

 

 

「くっ…はあああああぁッ!!!」

 

 

私は私の可能な限りを尽くす為に、猛打連蹴を劉封様に浴びせた

だが劉封様は私の攻撃をすべて右腕のみで防ぎきってしまった

 

 

 

「くっ…」

「本気を出せ、楽進」

「本気など…当に出しています……くっ、ここまで攻撃が通用しないとは…流石にへこみますよ…」

「ふむ…成程な、君はまだまだ自分の力を出し切れていない様だ」

「え…そ、それはどういう…」

「ま、それは自分で考えることだな。受けるのは次で最後にしよう。楽進、君が持てる力、すべて最後の一撃で出し切って来い」

「はい!!!」

 

 

 

私は可能な限りの氣を足に籠め…

 

 

 

「猛虎蹴撃!!!」

 

 

 

ドゴオオオオオオオオッ!!

 

 

 

劉封様は私の攻撃を避けず、氣弾の直撃直線状に…って!?

 

 

 

「り、劉封様ーーーーー!?」

 

 

「ふっ…」

 

劉封様はニヤリと微笑むと…

 

 

 

 

「ふっ!!!」

 

 

 

バキッ!!!

ドムッ……

 

 

 

「「「「「「………え?」」」」」」

 

 

い、今目の前で信じられないことがありました

 

 

「いったぁ~~…か、かなり密度の濃い氣弾だったな。無茶苦茶手が痛かった。って言うかこの特殊加工したグローブでも痛みを軽減できない程って……これで発展途上って言うんだから末恐ろしいよ」

 

 

 

り、劉封様が何か言っているようですけど…

 

 

 

「り、劉封様? い、今何をしたんですか?」

「え、何したって…氣弾をぶん殴って直撃を避けただけだよ」

「………(ポカーン)」

「でも二度とやらん。無茶苦茶痛い…」

「だ、大丈夫ですか!?」

「ああ、大丈夫大丈夫。昔、龍と戦った時に比べれば大したことないから」

 

 

 

…またとんでもないことが聞こえたような気が……

 

 

 

「り、劉封? 龍とは何のことだ?」

 

 

私の代わりに春蘭さまが聞いてくれた

 

 

 

「ん、ああ…旅の途中に山を登ってたら急に天気が悪化したと思ったら、龍が現れて襲ってきたから返り討ちにしたんだよ。で、その時に龍に認められて鱗とか牙とか身体の一部を譲渡してもらったんだよ。で、その時の素材使って作ったのが、この特殊手袋ってわけ……まあ、その時死ぬかと思う位怪我したけど」

 

 

そう言って劉封様は上着を脱いだ

 

 

 

すると…

 

 

 

「うわぁ…すごっ」

「た、逞しいの…」

 

 

真桜と沙和が何かずれた意見を言っていたが…

私は劉封様の体に目が離せなくなった

至る所にある傷…その中には火傷、裂傷、切傷等があり…一番目についたのは背中にある大きな斜めの裂目…

 

 

「さ、咲夜…その背中の傷は?」

「ああ、これが龍と戦った際に付けられた傷なんだけど……治るまで結構時間がかかりましたよ…」

「…大変だったのね」

「まあ、武者修行のつもりでもありましたから、仕方ないですよ」

「そ、そんなことは良いから早く服着なさいよ!!! か、華琳様の目が汚れるでしょ!!」

「あ、すいません荀彧さん」

 

 

 

ああ、劉封様が服を着直してしまった…

思わず私は桂花様を睨みつけてしまった

 

 

 

 

「え、な、何この視線は…」

 

 

ふと気付くと、皆桂花様を睨んでいた

華琳様までも…まあ私もですけど……

 

 

 

「…桂花」

「な、何ですか華琳様」

「貴方はこれから一月、私と閨に入ることを禁じるわ」

「そ、そんな!! 華琳様!?」

 

 

 

…自業自得だと思います、桂花様

 

 

 

→Side Out→

 

 

 

「ふぅ~、それにしても驚いたよ。ここまで質の高い氣を扱える人は今まで見たことがなかったからね」

「劉封様は氣を使うことは出来るんですか?」

「う~ん…残念だけど、俺は昔から氣は才能がないから全く駄目だったね。だから、氣が使えなくとも強くなれるように体を鍛えたからね」

「…劉封様、先程使っていた技…たしかれっぷうけん? と言いましたか」

「ああ、あれね。あれがどうかしたの?」

「も、もしよろしければ私にも使える様に教えていただけませんか!?」

「……へ?」

「だ、駄目ですか?」

「う………も、物に出来るかどうかは楽進さん次第だけど。それでもいい?しかも期間は短いよ?」

「大丈夫です!!」

「そう、分かった。どこまで教えられるかどうかは分からないけど…やってみることにしよう」

「ありがとうございます!! これからは私のことを凪と呼んでください」

「…それって真名だよね? いいの?」

「はい!!」

「ふむ、なら俺のことも咲夜と呼んでくれて構わないよ」

「分かりました、咲夜様!」

 

 

 

こうして咲夜は凪の師となることとなった

 

 

「(各ゲーの技、凪に出来そうなの思い出しておかないと)」

実は前世で隠れ各ゲーファンだった咲夜だった

ただし台バンした際に何台かゲーム機破壊したことがあった為、地元のゲーセンに入ることが出来なかったという黒歴史持ちだが…

 

 

 

 

「さて…次は私だな、咲夜!!」

「え~、休み抜きで春蘭さんですか?」

「何だ、もうへばったのか?」

「いえ、ちょっと待って欲しいんですよねぇ。ん~、流石の俺でもこの手袋じゃ春蘭さんだと少し厳しいですねぇ。華琳さん、ちょっと危険かもしれませんけど双剣使っても良いですか~?」

「良いわ、でも私が止めるように言ったらどんな状況でも模擬戦を止める様に」

「…もし止まらなかったら皆さんで止めてくださいね」

 

 

 

咲夜はグローブを腰の巾着に終い、双剣に手を掛けた

 

 

 

「…見たことのない剣ね」

「脇差、それがこの刀の総称です。とりあえず両方とも無銘の刀ですね。長年の相棒ですけど何だか良い名前が思いつかなくて…」

「咲夜、その刀の特徴は?」

「攻防両方に適した刀ですね。俺の戦いの型にぴったりだったので」

「貴方の型というのは?」

「それは自身で見て判断を」

 

 

 

咲夜は右手の刀を前方に突き出し、左手の刀を背中に回し、クラウチングスタートのような格好をし、集中し始めた

 

 

「? なんだその珍妙な構えは」

「………」

「春蘭、どうやら咲夜はもう戦闘に集中できるようにしているようよ。油断しないことね」

「はい、華琳様!!」

 

 

 

スチャッ…

 

春蘭も華琳に言われ、咲夜に向かって剣を構えた

 

 

 

「…始め!!」

 

 

 

華琳の合図とともにまず先手を取ろうとしかけたのは

 

 

 

 

「うおおおおおおおおぉッ!!!」

 

 

猪こと、春蘭でした

 

 

 

勢いよく春蘭は咲夜に上段で切りかかろうとした

だが咲夜はその攻撃を何事もなかったかのように避けた

 

 

だが春蘭はそれだけで攻撃を止めず、剣の嵐のような連撃を咲夜に繰り出した

流石にその連撃を避け続けるのは難しく、咲夜も刀を使い、剣の軌道をずらし攻撃をやり過ごしていた

 

 

 

「ふふふ…やるな咲夜!! ここまで私の攻撃をかわすことの出来た男は父以来だ!!」

「どんだけ~っていうか父って…どういうこと、秋蘭さん」

「ああ…昔、私と春蘭が華琳様にしたえるまで姉者の相手を父がしていたのだよ。他の男だと相手にならなくてな」

「…春蘭があるのはその父親のお陰ってこと?」

「まあそうなるな。もっとも今は腰を悪くして剣を握ることが出来なくなってしまったがな」

 

 

 

 

ヒュオッ!!!

 

 

 

「とっ!! (ガキッ) 春蘭さん、今秋蘭さんと話をしていたのですが?」

「戦いの最中に目を逸らす方が悪いだろう」

「…まあそれもそうですね」

 

 

 

咲夜は再び剣を構え集中することに…

 

 

「おい咲夜! 今気付いたのだが、さっきから私からばかり攻撃しているぞ! お前からも切りかかって来い!!」

「…やれやれ、春蘭さんって鋭いのか鈍いのかよく分かりませんね」

「????」

「そうですね…もう時間的にも良い頃ですし……そろそろ終わらせましょう」

 

 

 

咲夜は最初と同じ構えを取ると一息入れ…

 

 

 

「ふっ!!」

 

 

 

春蘭に向かって切りかかった

それに対し、春蘭は勿論のこと、周りでその戦いを見ていた華琳達も驚きを隠せずにいた

 

 

その理由は…

 

 

 

 

ガキッ!!

 

 

 

「グッ…」

「……あれを受けるか、ならもっと速く…」

 

 

尋常でないほどの速度…

文官である桂花と稟には見えないほどで、華琳や凪、真桜や沙和、季衣と流琉にはギリギリ見える位、そして弓使いである秋蘭には何とか目に入るほどの速度だった

 

 

 

そして咲夜は再び春蘭に斬りかかった

それも先程よりも早い速度で…

 

 

 

キンッ!!

ガキンッ!!

 

 

 

「くっ…」

「ちっ…これだけの速度での連撃を防ぐって…どれだけだよ!!」

 

 

 

いつの間にか口調も雑になっている咲夜

だがそれだけ余裕がないのも現状だ

常人相手なら一撃目、もしくは二撃目には終わっていたはずなのに春蘭はもう数十回もの攻撃を防いでいるのだ

流石の春蘭もこの速度は見えていないはずなのだ

だが現に彼女は防ぎきっている

 

 

 

ズザッ

 

 

 

ひとまず咲夜は距離を取ることにした

一旦、頭に上った血を冷ます為である

 

 

 

「ふぅ…ふぅ…」

「ハァ…ハァ…」

 

 

流石に春蘭も息が上がり始めていた

咲夜の方は落ち着くために深呼吸していただけなのだが…

 

 

 

 

「ふぅ…よし、落ち着いたっと」

「ふふふ…」

「? 春蘭さん、どうかしましたか?」

「いや、ただ楽しい…それだけだ」

「あはは、実は俺もですよ、春蘭さん」

「ならば…全力を出し合ってやり合おうぞ!!」

「おう!!!」

 

 

 

それから少しの間、咲夜は春蘭と笑いながら刀を交えた

華琳達もその二人をずっと見ているだけで誰も止めようとはしなかった

 

 

カランッ…

 

 

やがてペース配分を考えずに全力で刀を交えていた二人の手から刀が滑り落ちた

 

 

 

「ふぅ~、もう私は流石に剣が握れぬようだ」

「俺も少し疲れましたね…ちょっと休みたいですよ」

 

 

 

咲夜は何とか刀を拾ってそれを腰にぶら下げている鞘に収めた

春蘭の方は七星餓狼を秋蘭に持ってもらうようにしたようだ

 

 

 

「お疲れ様、春蘭。それにしても咲夜…貴方本当に強いのね。春蘭とここまで打ち続けて平気でいられる男なんて初めて見るわ」

「あはは…光栄ですよ」

「ふふふ…益々貴方が欲しくなったわ」

「………(正直、諦めて欲しいのですが)」

「無理ね」

「…心を読まないでください」

「何となく分かっただけよ」

「…さいですか」

 

 

 

こうして模擬戦は何とか終わった

 

 

咲夜はいつの間にか場から離れていた凪が持ってきた水を一杯貰うと腰を落ち着かせることにした

 

 

 

「ふぇ~、暫くはこういう風に戦いたくはないですね」

「あら、でも楽しそうだったけど?」

「俺は基本戦闘狂ではないので。互いを高め合う戦いとは好きですけど…」

「あの…咲夜様」

「? 何かな、凪」

「えっと…私と戦っている際に咲夜様、私のことを発展途上とか自分の力を出し切れていないとか言っていましたが…あれはどういう」

「あ~それね。多分だけど、凪はまだまだ成長するってこと。そうだな…今のままだと春蘭さんに10本中一本も取れないだろうけど…効率の良い鍛え方をすれば10本中5~6本は取れるようになるよ」

「ほ、本当ですか!?」

「おい咲夜、それは私が凪に負けるということか?」

「あくまでちゃんとした鍛え方をすればの話ですよ。それに春蘭さんには天武の才以外にも恐ろしいほど鋭い第六感や長年の戦闘経験も有りますからね」

「そ、そんなに褒めるな…」

「咲夜様!! どうすればいいのですか!?」

「お、落ち着いて凪。そうだな…ちょっと時間をくれるかな? 凪専用の訓練の目録とかそのやり方を書いた物を渡すからさ」

「い、良いんですか!?」

「ただし、それは他人には決して見せてはいけない。いいね?」

「は、はい!!!」

 

 

 

それから咲夜は魏の面々全員と真名を交換し合うこととなった

だが一名、それを物凄く嫌がっていたが…

 

 

 

「……」

「あ、あの~荀彧さん?」

「…何よ」

「荀彧さんのことは常々、燐花から聞いていますよ」

「…あいつ、あんたの所に仕官していたのね」

「ええ」

「…元気?」

「え?」

「…燐花は元気?」

「ええ、今はうちの四軍師の一人として働いてもらっていますよ」

「……そう…………桂花よ」

「はい?」

「真名よ真名!! 桂花だっていったのよ、私の真名は!!」

「あ、はい。ありがとうございます、俺の真名は咲夜です」

「ふ、ふん!!」

 

 

 

こうして何とか桂花とも真名を交換することが出来た

 

 

 

 

「さて…そろそろ食事の時間ね……咲夜、貴方はどうするの?」

「そうですね、時間的にも丁度いいのでそろそろ陣に戻ろうかと思います」

「あら、残念ね。貴方の作った味噌汁や漬物をまた食べたいと思ったのだけども」

「ん~、ならうちの陣に明日来ますか? 将や軍師の皆さんの分ぐらいでしたら用意できますよ」

「あらいいのかしら?」

「まあそれくらいなら」

「ふ~ん…なら明日、そっちに行かせてもらうわ」

「では俺はこれで」

 

 

 

咲夜はそのまま陣を出て…

 

曹の旗から結構離れた距離まで来ると…

 

 

 

「ハァ~~~~~~…」

 

 

ふかーーーーく溜息をついた

 

 

 

 

 

「つ、疲れた…何が疲れたかというと春蘭さんとの戦闘と常に気を使いながら周りの情報を得ることに対して…」

 

 

 

とりあえず咲夜は再び深呼吸をして身体を落ち着かせると、陣までゆっくりと戻って行った

 

 

「…とりあえず雛里か風、どっちか暫く抱っこさせてもらおう」

 

咲夜は普段、城に居る時は子供達を抱っこしたり遊んであげたりしてストレスを発散している

城中に居る時は璃々、雛里、風、燐花の内、誰かを抱っこしてゆったりとするのが好きなのだ

別に咲夜がロリコンというわけではない

咲夜は自身の体にすっぽり収まる子をひざに抱えて抱っこするのが好きなだけだ

 

 

 

「…ただいま~」

「あ、お帰りなさい、咲夜様」

「雛里~…疲れたから抱っこさせて~」

「あわわ…/// で、でも今は朱里ちゃんや桃香様達もいらっしゃいますから」

「……へ?」

 

 

 

咲夜はあたりを見ると確かにそこには劉備達が居た

どうやら今は風が咲夜のことを教えているようだ

 

 

 

「…というわけでお兄さんは犯罪者や賊となった者を直ぐに殺さずに刑務所という所に収容することにしたんです」

「…ですがそれでは予算が酷いことになるのでは?」

「いいえ~、その建物内部ではしっかりと仕事をさせているのですよ。その仕事の出来次第で彼等の衣食住が決まってしまうので彼等も必死になって仕事をしていくれるのです。外に出てからも彼らには適した仕事を与えて、そこで得た能力を十分に使って貰っています」

「ただ、弐度目は許されない。後、重度の犯罪…つまり殺傷や放火、人身売買など非人道的な行為を行った人間は処断されている。咲夜様はそういったことを決して許さないんだ」

「焔耶ちゃんの言った通り、咲夜様は甘いようで厳しいのですよ。特に自分の大切な存在が傷つけられたり泣かされたりした時の咲夜様は本気で怖いですよ~」

「…凄いんですね、劉封さんって」

「そうですね…今まで誰も考えたことのなかった奇抜な考えもそうですが…それらを用いてなお領民の方々に厚い信頼を得ているみたいですし」

 

 

 

何やら真剣に話しているようで咲夜が戻ってきたことに気付いたのは雛里だけだったようだ

 

 

 

「…雛里、まだ長く続きそうだから俺の天幕行って抱っこさせて」

「あうぅ/// わ、分かりました」

 

 

咲夜は壱秒でも早く癒しが欲しかったため雛里を連れて自身の天幕に移動しようとしたのだが…

 

 

 

「…所で、どこに行くつもりですか? お兄さん…」

 

 

風に呼びとめられてしまった

 

 

 

「何だ風、俺が戻ってきてたことに気付いていたのか?」

「お兄さんは独特な匂いを漂わせていますからね~」

「…何、俺ってそんなに臭いの?」

「いえいえ~、どちらかというと落ち着くいい匂いですよ~」

「俺には分からん(人間って自分の臭いは無臭に感じるように出来てるみたいだし)」

「所でお兄さんはどちらに?」

「華琳さんの所に行ってた。最初は軍を共にすることを連絡した後でこれからどう動くかを相談しようと思ってたんだけど……何故か凪…楽進さんと春蘭さんと戦うはめになって…」

「…お兄さん、相変わらず不幸ですねぇ」

「言わないで風…まあ一応、凪には勝って春蘭さんとは引き分けたよ」

「咲夜様と引き分けたのは…夏候惇か……ふふふ、戦ってみたいものだ」

 

 

バトルジャンキーと化しているのは焔耶こと、魏延

 

 

「…焔耶?(にっこり)」

「(ビクッ) な、何ですか咲夜様!!」

「無駄に戦うのは駄目だよ?」

「は、はい!!」

「…まあともかく、今回の華琳さんの陣を訪ねていくらか分かったことがあるからそれは後で軍議を開いて発表するから」

「り、了解しました!!(ブルブル)」

 

 

咲夜が焔耶に向けて恐ろしく整った笑顔を見せたようだ

 

 

「ふ、風ちゃん。あれがさっき言ってた」

「ええ、そうです。お兄さんの恐怖、笑顔な筈なのに何故か恐怖を感じる顔なのです」

「た、確かにあれは底知れぬ恐怖を感じる」

「鈴々も凄く怖いって思ったのだ…」

「ですが劉封さんが怒ったのは焔耶さんを心配してのことですよね?」

「その通りです朱里ちゃん。咲夜様は基本的に怒ったりはしません。咲夜様が怒るのは仲間のためなんですからね~(ですが、色々と鈍いですけど)」

 

 

 

 

それから何やら劉備達が咲夜に話があるとかで結局その天幕にとどまることに…

 

咲夜は当初物凄く嫌そうな顔をしたのだが…

 

 

 

「~~~♪(ナデナデ)」

「ふぅ、お兄さんは本当にしょうがない人ですねぇ」

 

 

風を膝に乗せて撫でることで落ち着いたようだ

因みに雛里は流石に劉備達の前で咲夜の膝に乗ってなでなでされることを想像しただけで固まってしまったのでその代わりに風が乗ることとなった

 

 

 

「あ、あの~…風ちゃん?」

「ん、何ですか桃香さん」

「その…劉封さんっていつもこうなんですか?」

「そうですね~、疲れた時や苛々してしまった後なんかは度々私か雛里ちゃん、後は璃々ちゃんをこうして抱っこしてますね~」

「だ、大丈夫なんですか?」

「大丈夫ですよ朱里ちゃん。お兄さんはただこうして私の頭を撫でているだけですからねぇ」

「た、対象は?」

「ん~、とりあえず私や雛里ちゃんの様にお兄さんの体にすっぽり収まる位なら誰でもいいみたいです。この中でだと…朱里ちゃんと鈴々ちゃんも承諾すればナデナデされますね」

「???どういうことなのだ?」

「お兄さんは必ず事前承諾を得てからこうして抱っこするんですよ。無理矢理とか命令で渋々とかは嫌だそうです」

 

 

 

そんな話が繰り広げられているにも拘らず咲夜はずっと風をナデナデしていた

 

 

 

そしてそれが数十分ほど続き…

ようやく咲夜も落ち着き始めた

 

 

 

「そーいえば…風たちは皆真名を交換し合ったのかい?」

「はい~、咲夜様が曹操さんの所に訪ねている間に~」

「ふむ、臣下が既に真名を教えているのなら俺も教えなければな。劉備さん、諸葛亮ちゃん、関羽さん、張飛ちゃん、我が真名は咲夜という。そちらが良ければ真名を我に授けてはくれぬだろうか?」

「…お兄さん、似合わないです」

「ウグッ…ま、まあこういう時くらいは真面目にしようと思っただけなのだが…」

「クスッ。 咲夜様は普段通りの方がよろしいかと思いますよ」

「うう…雛里まで」

 

 

 

「咲夜様今戻った…って何だこの状況」

「お、秋葉か。それにしてもずいぶんと遅かったな」

「暇がてら偵察にも行ってきた。どうにもこの近くには黄巾党はもういないみたいだ。後、勝手だが偵察部隊も動かして情報を探ってみたんだが…どうやらここから南に行った方に黄巾党の大部隊が留まっているとか。数は今探らせているが」

「…う~ん、咲夜様に話した方がいいな。でも咲夜様、今あの状態だし…」

「またか…まあいい」

 

 

 

戻ってきたばかりの秋葉だが、焔耶に簡単な状況説明を受けると直ぐに理解した

というよりもこの状況に既に慣れてしまったのだろう

 

 

「ふぅ…咲夜様?」

「お~、秋葉…俺ってそんなにしっかりとした口調って似合わないのかな?」

「ん、どういうことだよ?」

「コホン…我が名は劉封。我求は「似合わないから止めろ」が~~~ん!!」

「確かに…その言い方は咲夜様らしくないな」

「え、焔耶まで…↓」

 

咲夜、味方0の為座りながら落ち込んだ

ただし、風を撫でる手を止めはしないのだが…

 

 

「あ、あの!! わ、私はカッコいいと思いますよ?!」

 

落ち込んでいる咲夜を見て劉備が励ました

 

 

 

「ああ…どうも」

「え、えと…わ、私の真名は桃香といいます!!」

「え、あ、ど、どうも?」

「そ、それであの…さ、咲夜さんにお願いがあるんですけど」

「…………何?」

「私に咲夜さんなりの国に対する考え方や治め方を教えられるだけ教えていただけませんか!!」

「……ふむ、それは何故?」

「私はやっぱり私の理想を諦めたくありません。でもそのためにはまだまだ私は色々な事を学ばないといけないと思ったんです。咲夜さんに色々言われて…凄く悲しかったですけど……でも、咲夜さんは何も間違ったことは言っていませんでした。だから…私は現実から目を逸らさずに私の理想を貫きたい。その為に、咲夜さんや他の皆さんの考え方を参考にしたい。そう思ったんです」

「……ふむ、それならどうして俺に? 一緒に進軍する華琳さんでもいいんじゃないのかい?」

「それは咲夜様が一番よく分かってるんじゃないですか?」

 

 

横から朱里が口出ししてきた

 

 

「…諸葛亮ちゃん、どういう意味かな?」

「私の真名は朱里です。以後、真名で呼んでください」

「ああ、じゃあ朱里ちゃん。どういう意味かな?」

「桃香様と曹操さんの考え方は全くの正反対ということです。その反面、咲夜様と桃香様の考え方は似ている所があります。自分の大切な存在を守る…だから桃香様は咲夜様に色々と師事して欲しいとおっしゃったのです」

「…成程、桃香さん。先程の朱里ちゃんの通りかな?」

「はい! だから…お願いします!!」

 

 

そう言って桃香は咲夜に頭を下げた

 

 

「…ふぅ、仕方ない…か。雛里、風。俺は曹操軍の楽進将軍にも師事して欲しいと言われている。だから、桃香さんと二人のために取れる時間を調整してもらっても良いか?」

「御意~」「御意です」

 

 

 

「あ、ありがとうございます!」

「ッ… こ、今回だけだからね!!(プイッ)」

 

苦し紛れに顔を逸らした咲夜

だがその顔はトマトみたいに真っ赤だった

 

 

 

それから咲夜はまだ真名を貰っていなかった関羽と張飛からも真名を貰い、そして師事する日時と時間を指定すると、咲夜は自分の天幕へと戻って行った

 

 

 

咲夜が居なくなってからのガールズトーク

 

 

「咲夜さんって本当に優しいね♪」

「はい、私達誰もが誇れるとても素敵な主ですから」

「…雛里ちゃん、良かったね。いい人に仕えることが出来て」

「うん♪ そういう朱里ちゃんだって桃香様は凄く立派な人になると思うよ」

「勿論♪ 朱里ちゃん達が誇れるくらいに立派になってみせるよ」

「…ふふふ、胸の方はもう既に立派ですけどね~」

「あ、あう/// ふ、風ちゃん!!///」

「ふふふふ~」

「うう…桃香様、羨ましいです」

「(ジ~~~~)」

「ううぅ~、朱里ちゃん、雛里ちゃん!! そんなに見ないで~~」

 

 

桃香、風、朱里、雛里のトークでした

っていうか風…セクハラだろう、その発言は

 

 

 

「ふむ…それにしても秋葉殿の武器は双棍か。随分と珍しい武具を使うのだな」

「色々と昔は使っていたがこれが一番私に合っていたのでな」

「焔耶の武器も大きいのだー」

「ふふふそうだろう!」

「だが力があるだけで小回りが利きにくいのが偶にキズだがな」

「グッ…そ、そういうお前こそ早いが私ほど決定打が有るわけではないだろう!」

「くっ…」

 

 

結局はどっちもどっちなのだった




咲夜、不幸度静かに加速中......

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。