真・恋姫✝無双~とある男のそれなりに不幸な人生~   作:世紀末敗者寸前

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番外編

番外編

 

~世界を旅する劉封編~

 

 

「う~ん…今は倭国なのか~…まだ米作りが伝わってないし…技術とかはまだ中国大陸の方が上なのか~」

 

 

日本…倭国に来て咲夜の第一感想がそれだった

 

 

「ふぅむ…ならもう適当に出歩いて必要なものとか物々交換しまくって行くかぁ」

 

 

まあそれなりに普通な旅を…

 

 

 

「あ、でもただ交換するだけじゃつまらんから…昔ゲームでよく遊んだものを伝えようかな♪」

 

 

 

普通の旅を…

 

 

 

「あと稲作とか芋のこととか…長持ちする食べ物教えたら面白いことにならないかなぁ」

 

 

…訂正、全く普通じゃない旅を始めた咲夜だった

 

 

 

 

 

それから300年後…倭国全域が咲夜が治めた樊城と同じ状態になったのは…まあ補足だろう

 

言うなれば文明が異常な位に進歩した位だろう

 

 

 

 

「さて次はっと♪」

 

 

 

こんな感じで咲夜は原作ブレイクならぬ歴史ブレイクを始めていったそうな…

 

 

 

咲夜の旅した場所は各地で変化を起していった

一部では咲夜は神の御使いだと崇め始める集団もいたとか…

 

無論、咲夜がそのことを知ることはなかったそうだ

 

 

 

 

 

樊城に戻ってくると、咲夜はまず叔父に会いに行くことにした

 

 

 

「劉泌叔父さん、ただいまです」

「お、おおおーーーー!!! 劉封か!? よく帰ってきたなぁ」

「叔父さんお土産ですよ。これらはこの大陸から離れた地で得た珍しいものです」

「ほお~、これは見たことのないものだな…で、どうだった? 見知らぬ土地を旅してみた感想は」

「まず俺は南蛮とは貿易関係を築いた方がいいと思います。あそこにはこの土地では手に入らない砂糖や珍しい香辛料があります。それらを手に入れられるだけでもこちらにはかなりの利益が出るでしょうしね」

「ふむふむ…」

「だからそれを考えて、俺は旅の最中、その南蛮の王に謁見を申し出ました」

「何と!! それで?」

「…びっくりしたんですけど……南蛮の住民は皆猫耳でした」

「…………は?」

「いえ、だから皆に猫耳でした。南蛮王も猫耳でした」

「……それで、どうしたのじゃ?」

「会わせてくれるのなら美味しい料理を作ってあげるよって言ったら……直ぐに通してくれて…で、良かったら貿易しないか? って言ったら貿易の意味から問われて……それを教えたらまずは俺の料理を食べさせろと言われて…食べさせたら凄く気に言ったようでいつでも貿易してくることになってます」

「………」

 

 

流石の劉泌も空いた口が塞がらなかったようだ

無茶苦茶過ぎる交渉術の為、それは仕方のないことだろう

傍から見たらただの餌付けだ

 

 

 

「他にも色々と面白い技術も有りますよ」

「……咲夜、頼みがある」

「え、なんですか?」

「私の代わりにこの樊城の太守を「却下です」…早っ!?」

「言ったじゃないですか、俺は太守とかそういった立場ではなく、一人の将として居たいって」

「う、ううむ…じゃがのう」

「? 何か問題でも?」

「…まあ後日嫌でも分かるわい」

「????」

 

 

 

その時、咲夜は全く理解していなかった

 

 

 

 

それから来る日も来る日も…

 

 

 

「劉封様!! お願いします!!! これはこの樊城に居る武官、文官の総意でございます!!」

「なにどぞ、なにどぞこの樊城の太守となってくだされ!!」

「劉泌様も既にこの樊城の太守を劉封様にする準備を整え済みでございます!!」

「残るは劉封様のご返事のみなのです!!」

 

 

「……え、何これ?」

 

 

城内の至る所でこういった様に懇願する人たちが後を絶たず…

 

 

 

 

「あ、あれは劉封様じゃねえか!!」

「おい、聞いたか? 近々劉封様はこの樊城の太守になってくれるんだと」

「本当かそれは!? なら安心だな!! 劉泌様も善政をしてくれているけど、劉封様はもっと凄いらしいからな」

「劉封様、ばんざーーい!!」

 

 

 

「……え、本当に何これ?」

 

 

町に出ると咲夜を称えたり、拝んだり、咲夜に差し入れを渡そうとする人が後を絶たないのである

 

 

 

 

流石にそれが毎日のように続くので咲夜はその理由を劉泌に聞いてみることにした

 

 

 

「…叔父さん、これはどういうことなんですか?」

「ん、お前は自分の噂のことも理解してないのか?」

「? 噂って…確か俺が何故か【深紅の鎧を着た正義の使者】って呼ばれていることですか?」

「ああ、それにお前は知らないだろうが、お前が通過した町は必ず何か幸福をもたらすともいわれているんだよ」

「………はい?」

「つまりだ、劉封。今までお前が通過してきた道に会った城や村などで必ずと言っていいほど良いことが起こったそうだ。例えば、飢饉が起こりかけた村ではお前がその人たちを救った後、不作が嘘のように豊作になったとか」

「…(あ~、それって俺が手を出したこの世界にとって真新しい農作物の育成法とか後は地形を見てお金になりそうな産業とかを教えて飢饉が起こっても大丈夫なように手助けしたり、それとなく俺が稼いでたお金の半分を置いておいたのが原因かなぁ…)」

「他にも病に苦しむ人達が多く居た村にお前が訪れてからはそれが嘘のように治ったとか」

「…(まあそれは昔読んだ病原体の本に乗ってた症状と一致したからまさかと思って教えたらビンゴだったって言う話なんだけど…)」

「そんなわけでその噂が至る所に広がってな。だから皆、お前が太守になればより安心して生活が出来ると思ったのだろうな。だから殆どの者はお前に太守になって欲しいと言っているんだよ」

「…で、でも反対意見もあるんでしょう?」

「うむ…じゃがそれも時間の問題だろうな」

「へ?」

「未だに反対意見を持っている者は皆、賛成派に説得されているからそろそろ…」

 

 

 

 

バンッ!!

 

 

「も、申し上げます!! 先程、最後まで渋っていた最後の反対者が賛成派に入るという連絡が!!」

「ふむ…というわけじゃ」

「……もう好きにしてください」

 

 

 

 

これによって咲夜は樊城太守になることになった。


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