真・恋姫✝無双~とある男のそれなりに不幸な人生~   作:世紀末敗者寸前

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番外編:張三姉妹と咲夜

咲夜の元に星がやって来てから暫くした後のこと

咲夜はいつものように執務室で自身の仕事を片付けていた

 

「さて…次はっと…えっと何々? 『最近、ちょっと面白そうな兵器を考えついたのですが…是非劉封様に見てもらいたく、こうして書状を送らせていただきました』か…Σ こ、これって…虎戦車!? 昔漫画で見たのとそっくりじゃん!!…製作者は…黄月英!!? よし、採用してみるか」

 

こうして仕事をしていると面白い出会いや体験と対面することがあるので、咲夜は仕事を楽しみながら次々と片付けていった

 

 

 

そして午後になる直前には山の用にあった竹簡と重要書類は片付けられ、送るべき場所に送られていった

 

 

「ふぅ~、次は警邏か…あ、なら序に天和、地和、人和の三人達の様子でも確認しておくか。え~っと、今日の担当は…杏と星か。丁度いいか」

 

 

咲夜は一応、特殊グローブを装着し、腰には双剣を装備しておいた

そして部屋着から外に出かけるための服に着替えると直ぐに杏と星を迎えに行った

 

 

 

 

 

 

そして街中…

 

星と杏を引き連れて、咲夜は街中をぶらぶらと巡回しながら街中の様子を確認して歩いていた

 

 

「ふむ、やはりこの襄陽は活気に満ちておりますな、主よ」

星は感心した様な顔をしながら咲夜に話しかけた

「あはは、それは嬉しい限りだよ」

それを聞いて咲夜は嬉しそうに星に応えた

 

「所で咲夜様、今日の巡廻予定はどこですか?」

「とりあえず今日は第七交通行きに行ってからそのまま6、5、4、3、2、1っていう感じで回って行く予定だよ」

「? どうしてですか?」

「天和達の様子も見ながら巡回した方がいいと思ってね」

「主よ、その名は真名であろう? 何故名で呼ばぬのだ」

「…まあ色々と事情のある子たちなんだよ。訳はちょっと言えないんだ」

「…ふむ、分かりました。その理由は聞きませぬよ」

「助かるよ、星」

 

 

 

まず咲夜達が訪れたのは天和が居る孤児院だった

 

 

そこに咲夜が訪ねたのを一人の子供が目で確認すると、その子が咲夜が来たことを他の子にも告げ、あっという間に咲夜は子供たちに囲まれた

 

 

 

「りゅうほうさま~」

「なにかよう~?」

 

「ん、今日からここに来たお姉ちゃん、居るかな?」

「えっと…」

「あ、おっぱいおおきいおねえちゃん?」

「……………た、多分その人かな?」

「わかった~」

「つれてくるね~」

 

 

 

子供たちの中で何人かが建物の中に入って行き、残った子供たちは咲夜に乗っかろうとしたり、咲夜の手を引っ張ったりしていた

 

 

 

「あいたたた、こ、こらこら! ひ、引っ張らないの」

「りゅうほうさま~、あそんでよ~」

「あそんであそんで~」

「う、う~ん、今はちょっとお仕事中だからね。明日じゃ駄目かな?」

「え~」

「いまあそびたい~」

「ゴメンね。明日は絶対に遊びに来るから、ね?」

「「「「「は~~~い」」」」」

 

 

子供たちは素直に咲夜の言うことを聞き、咲夜から離れてまた遊びに行ってしまった

 

 

 

 

「ふぅ、流石にあの数で一気に来られると疲れるよ…」

「ふふふ、主は子供らに好かれているようですな」

「星ちゃん、実はこの孤児院はお兄さんの自腹で建設した襄陽最初の孤児院なんですよ」

「なんと、自前の金銭を使ったというのか」

「最初に襄陽に来た時は無駄にお金が使えない状態だったからね。だったら俺が自分で建てようって思ってさ」

「…成程、流石噂に違わぬ方だ」

 

 

 

そんな話をしていると天和が出てきた

 

 

 

「…あ、あの……何か、用ですか?」

「ん、警邏の途中だから様子を見に来ただけだよ。どう、仕事のほうは?」

「え、えっと…ここの偉い人(?)に色々とお仕事を教えてもらっている所です」

「そう、院長は優しい人だから何か困ったら直ぐに質問するといいよ」

「あ、はい…」

「んじゃ、それだけだから」

「え?」

 

 

 

咲夜はそれだけ言うと直ぐに仕事に戻ってしまった

その後ろをぴったりと付いていくのは杏で、何やらニヤニヤとしながら少しその場に留まっている星

 

「おやおや、主もお優しいことで」

「あ、あの…」

「む、何か?」

「ど、どうして…あの人は?」

「…ふむ、貴方が先程主の言っていた訳有りの者というわけか。何、大したことではあるまいて。ただ、主は貴方が心配でここに様子を見に来た、それだけですぞ」

「で、でも…」

「他に聞きたいことがあるのなら主に直接聞くのがよかろう。私に聞かれても私自身、ここに仕官し始めたのはつい先日のことなのだからな」

 

 

 

そう言って星も咲夜と杏の歩いて行った方に走って行った

 

 

 

その場に一人残された天和は…

 

 

 

「……分からないよ」

「おねーちゃん」

「Σ ど、どうしたの?」

「いんちょーせんせいが呼んでるよ?」

「あ、う、うん! 直ぐに行くね」

 

 

 

天和はとりあえず仕事が終わった後に地和、人和と一緒に咲夜の部屋を訪ねてみることにした

 

 

 

それから咲夜、杏、星は巡回ルートを何の問題もなく歩き回りながら残っている地和と人和の仕事場を訪ねて行った

 

 

 

地和は服屋で働いている最中で、咲夜を見かけた瞬間、嫌な奴にあってしまったと言わんばかりの顔をしていたが、咲夜はそれを軽く流し、店長に挨拶をしてから直ぐに警邏に戻ってしまった

 

 

そして人和は文官の手伝いをしているため、咲夜は警邏をすべて終えてから人和のいる文官の部屋を訪れて調子はどうかと聞きに行った

人和の主な担当は客将でも扱える物ばかりな上に簡単な仕事ばかりのため、人和もそれほど手間取らずに仕事を終えることが出来ていた

 

 

 

それらを確認し終えると咲夜はほんの少しだが微笑み、自室に戻って行った

 

 

そこには…大量の竹簡の山が…

 

 

 

「何でさ」

 

 

 

 

実はあまりに咲夜が仕事を早く片付けてしまうので他の文官達が負けてられないとばかりにやる気を出してしまった上に、咲夜が以前に出版した【猿でも解る参考書:文官編】を発行してしまったが故に、それを読んだ文官がパワーアップしてしまったのだ

勿論、その本は許可証がないと買うことが出来ない限定版なのだが…

 

 

処理が早くなったので咲夜に戻ってくる仕事も早くなるのだ

 

 

 

 

「と、とりあえずこれ位か…(ボキッ)」

 

 

 

咲夜は片付けられるだけ片付けて…結果、山が半分まで減ってくれた

終わったと同時に使っていた筆が折れたのだが…

 

 

 

「…新しい物買おうかな」

 

 

 

そんなことを考えながらとりあえず食事をとってから風呂にでも入るかと考え、咲夜はとりあえず湯浴みの用意をしようとした

 

 

その時

 

 

 

 

コンコン

 

 

 

部屋のドアを誰かがノックする音が聞こえた

因みにノックの礼儀を教えたのはやはり咲夜が発行した【今日から君も礼儀の達人】という本である

 

 

因みに売れ行きはかなり良い

 

 

その本のお陰で大分、ノックのことが広まり、今では大半の場所で使われるようになっていた

 

 

「誰かな?」

「あ、あの…私達です、劉封様」

 

扉越しに聞こえたのは人和の声だった

達、ということは天和と地和も一緒なのだろうと咲夜は理解し、部屋に入るように指示した

 

恐る恐る三人は咲夜の部屋に入り、咲夜に進められるがままに用意されている椅子に座った

 

 

 

「さて、何か用かな?」

「そ、その…てんほー姉さんが劉封様に聞きたいことがあるそうなので…」

「…そ、その…どうして今日、私たちの所に訪ねてきたんですか?」

「仕事半分、御節介半分」

「え?」

「警邏の途中にちゃんと仕事しているかどうかを確認しに行っただけだよ。それに少し心配だったからさ」

「どういうことよ」

「ちょ、ちょっとちぃ姉さん!?そんな言い方は駄目よ!!」

「いや、構わないよ。ちゃんと公私の区別を付けてくれれば」

「だってさ、なら構わないでしょれんほー」

「う~ん…」

「で、どういう意味?」

「流石に俺も強く言い過ぎたような気がしたからね、あの時は。でもさ、それは君達に理解して欲しかったんだよ。望もうと望むまいと君達が切っ掛けとなり、先の大反乱は勃発した。そして、その争いを君達は知らず知らずのうちに助長してしまっていた」

「「「………」」」

「あの戦いで多くの人たちが傷つき、亡くなっていった。それにより、誰かがどこかで泣いていたはずだ……なあ、君達はどうして歌い、踊る?」

「え…」

「そ、それはちーたちが歌ったり踊ったりするのが好きだから」

「……それだけ?」

「う、うん…」

「…ふぅ、なら少し君達に合わせたい人たちがいる。ちょっと付き合って貰ってもいいかな?」

「ど、どこに?」

「ついてからのお楽しみだ」

 

 

 

 

咲夜は天和達を連れて襄陽内にあるとある建物の中に入って行った

 

 

その建物の看板にはこう書いてあった

 

 

 

 

――――襄陽歌劇団

 

 

 

建物の中に入ると受付をしに行くと、受付嬢をしているであろう女の子が驚いた顔をして何処かに走って行ってしまった

 

 

 

「ありゃ、やっぱり事前に連絡はしておくべきだったかな?」

「あ、あの…ここは?」

「…簡単に説明するとここは役者たちの舞台。歌手、俳優、演劇家などが集って客に自身の磨いてきた物を魅せる場所だよ」

「……何でちー達をこんなところに連れてきたのよ。見せびらかす為?」

「…直ぐに分かるよ」

 

 

 

少しした後、先程の受付嬢が一人の女性を連れて戻ってきた

 

 

「すいません劉封様、お待たせしましたか?」

「いや、こっちこそ突然訪ねて悪いね」

「いえいえ、今この劇場があるのは咲夜様の支援のおかげですから。ところで、本日はどのような用が?」

「…この子たちにこの劇場にいる子たちのことを見せてやりたいと思ってね」

「そうですか…なら劉封様もご一緒に?」

「ああ、特別席は?」

「空いておりますよ。あそこは劉封様達専用の席ですから」

「ならそこにこの子たちも入れてやってくれ」

「承知しました、直ぐに手配いたします」

 

 

 

 

咲夜達が案内された席は二階にあるゲストや来賓、または国主である咲夜とその関係者のみが使用できる特別席で最初、そこに案内されたばかりの天和達は酷く驚いていた

 

 

それも仕方ないだろう

このような建物は襄陽や樊城以外には今はまだ存在していないのだから

 

咲夜は生前から様々な本を読み漁っていたために、その中の一つである建築の方法を大工たちに教えることで今はこうして異常な位に広く丈夫な建物を建設することが出来ていた

 

 

 

天和は案内役の女の子に渡されたお菓子や飲み物を楽しみ、地和は渡されたパンフレットに書かれていることを見るのに夢中になり、人和は劇場内を隅々まで見ていた

 

 

 

そして、それから少しした後劇が始まった

 

今回の舞台の題材は咲夜の著【幻ノ里:紅き館編】だった

ネタは東の方です

その為、今回の劇は殆どの役者が女性である

 

 

劇が始まると先程までの雰囲気とは打って変わって天和達はその演技に、歌に、役者たちの立ち周りに心を奪われたような顔をしていた

 

それほどまでに彼女たちの演技は素晴らしかったのだ

 

 

劇が終わると他の観客達からも拍手喝采があり、天和達も思わず拍手をしてしまった

 

 

その後、未だに夢心地気分でいた天和達を連れて咲夜は役者たちが集う舞台の裏方に案内された

何でも、一言咲夜にお礼がいいたいということで館長もそれを許可したのだ

 

 

案内された部屋には数名の女性たちがいた

その中には先程の舞台に立っていた人もいた

 

 

「初めまして皆さん。この襄陽で太守を勤めている劉封です。後ろにいるのはちょっとわけがあって今日、一緒にここに来ることになった子たちなので特に気にしないでくださいね」

 

 

 

咲夜が挨拶をすると女の子たちがキャーキャーと騒ぎ始めた

咲夜は何事かと思いながらも話を進めることにした

 

 

 

「え、えっと。劇の方、凄く良かったですよ。俺が書きたかったこと、文字だけじゃ表しきれなかったことがよく表現されていて」

「ふふ、ありがとうございます劉封様。作者である貴方にそう言って貰えるだけで私達はとても嬉しく思います」

「それで今日ここに来たのは君達とこの三人を会わせたかったからなんだ」

「ん~、その子たちと? 別に良いですけど…役者希望なんですか?」

「…今は理由があって表舞台に立つことを許されていないけどね」

「成程、分かりました。えっと、貴方達名前は?」

 

 

 

天和、地和、人和に話しかけてきたのは一番年上のようで、とてもきれいな髪を持ち、唇が魅力的な女性だった

三人は困惑しながらもその質問に答え、自己紹介をした後、女性たちだけで話そうということで個室に案内されることとなった

 

咲夜はそれを確認すると、一人この劇場の館長がいる部屋へと向かって行った

 

 

 

 

→Side 人和→

綺麗な人に連れられてきたら、そこには沢山の女の人がいた…

皆、さっきの劇に出てた人たちばかりだ

 

 

 

「皆~、劉封様に頼まれてこの子たちとお話しして欲しいそうよ~」

 

 

私達をここまで連れて来てくれた人がそこにいた他の人たちに声を掛けると、凄い勢いで寄ってきた

 

 

「ねえねえ貴方名前は!?」

「え、えっと…れ、人和です」

「私は桜よ! ねえねえ、貴方達って劉封様とどういう関係なの!?」

「え、えっと…それは」

 

う、ど、どう答えればいいんだろう

 

 

 

「こらこら、さっき劉封様が言っていたでしょ? 訳ありだって」

「え~、でも香澄さんは気にならないんですか~」

「桜?」

「う…わ、分かりました」

 

 

 

桜と呼ばれた人が離れ、思わずホッとしてしまった

 

 

「御免なさいね、あの子まだ子供だから好奇心が強くて」

「あ、いえ…あの、貴方は?」

「ああ、私は香澄

かすみ

。ここで劇団員をさせてもらっている一人よ」

「そうなんですか…あの、ここって?」

「ああ、ここは劉封様が支援して下さっている団体の一つで、ここで働いているこの大半は皆、戦の影響で仕事を失っていたり、家族を失くして一人身になっていたり、捨てられて放浪していた子供たちが居るのよ」

「え!?」

「因みに私も戦で夫を失って、食い扶持に困っている時に襄陽に来てここを紹介して貰ったの。今ではここが私の新しい家で、ここにいる皆はもう私の家族も同然ね」

「…そうなんですか」

「あの今、神流

かんな

と愛莉栖

あいりす

に捕まってる子と…麻利亜

まりあ

と紅蘭

こうらん

に化粧されている子は…貴方の家族かしら?」

「…ええ、大事な姉です」

「そう、ならそのつながりは大切にしなさい」

 

 

 

それから暫くの間、私はこの香澄さんから色々な話を聞いた

この劇場のこと、団員のこと…そして、あの劉封という男のこと…

最初はただ単に何がしたいのかさっぱり分からない男だった

だけど、香澄さんの話を聞くうちに少しずつだけど分かったことがあった

劉封という男は…かなりのお人好しだということだ

この劇場や団員だってあの男が保護してり無償で仕事を与えたりしたうえで設立していたそうだからだ

だけど、同時にあの男は氷のように冷たい一面もあることは理解していた

あの戦場で私たちに見せたあの顔は忘れようにも忘れられない…

 

 

 

「あの…香澄さん、貴方はどうしてここで働くんですか?」

「そうね…最初は生きるためだったわ。お金を稼いで、ちゃんと食べられるようになって、ちゃんとした布団で寝る。それだけが私の望みだった。でもね、今は少し違うの。私の夢、それは誰かを笑顔にすること。それも私たちの踊りや歌でね」

「え…」

「劉封様が言ってたの。歌や踊りは自分が楽しむ為だけじゃなくて…それを見ている人を幸せに、笑顔にすることも出来るすばらしい文化を形にしたものって。だから私はこの仕事が好きになったの。誰かを笑顔に出来るすばらしい仕事だから」

「……」

 

 

 

もしかして…あの人はこれを私達に教えたかったんじゃないのかしら…

だって少し離れてはいたけど、すみれさんの言葉を聞いていた私は勿論、てんほー姉さんもちぃ姉さんも…この言葉に重みを感じたから

 

 

 

→Side Out→

 

 

 

場所は変わって管理人室

ここでは咲夜がここの責任者と話をしていた

 

 

 

「…というわけだ。あの子達は暫くの間は歌や踊りの世界から離れてもらうけど…その後はここで仕事をさせたいと思っている」

「そうですか…劉封様がそうおっしゃるのなら、そういうように手配しておきますね」

「迷惑を掛けるな」

「いえいえ、ここにいる皆は劉封様がいらっしゃらなければこうして幸せな日々を送ることが出来ていませんでしたから。これ位の事は」

「そう言ってくれるとこっちも嬉しいよ。じゃあ頼むよ、霊夢

れいむ

「はい♪ 劉封様から頂いた名にかけて約束いたします」

 

 

 

霊夢との話を終えた後、咲夜は三人を迎えに行き城に戻ることにした

 

 

その帰り道…

 

 

劇場から出て来てからずっと沈黙を続けていた三人だったが、地和が咲夜に話しかけ始めた

 

 

「ね、ねえ…今日、ここにちーたちを連れてきたのって…私達にあの子達を会わせたかったからなの?」

「それも有るけど…君達三人にどうして歌い、踊るのか。その理由を見つけて欲しかったからだ。そうすれば君達の罪を意識しやすいと思ったんだけど…どうだった?」

「…私は、あの場所に行けて良かったと思います」

「れんほーちゃん…私もだよ」

「…うん、ちーもあそこに行けて良かったよ」

 

 

 

三人とも劇場に入る前とは違って、いい顔になっていた

それを見て咲夜は少しだけ連れて来て正解だったと思えた

 

 

 

 

「…君達が」

「え?」

「君達が十分に罪を償い、そして十分な時が過ぎたら…あの場所で働いて貰うつもりだ」

「え…じ、じゃあ…私達、また歌えるの!?」

「その予定だ。だから…頑張れよ」

 

 

 

咲夜は早歩きでその場を去ろうとした

だが…

 

 

 

キュッ…

 

 

 

天和が咲夜の服の袖を掴んでいたため、去ることが出来なかった

 

 

 

「…何だ?」

「………ありがとう」

「…何に対してだ?」

「…私達のこと、ちゃんと見てくれて…叱ってくれて…それから…助けてくれて」

「………ああ」

「私達…頑張るから!!」

「…ああ」

「えへへ、じゃあちーちゃん、人和ちゃん♪ 帰ろう~」

「そうね、明日も仕事があるしね」

「では劉封様、これで失礼します」

「ああ、頑張れよ」

 

 

 

 

こうして三姉妹は咲夜のことを再認識し、今自分に与えられている仕事を一生懸命にやり遂げることに集中し始めることとなった

 

 

 

一方で、咲夜も彼女たちのために彼女達専用の踊りと歌を書きつらぬった書籍を用意していた

 

いつか…彼女たちが本当の笑顔で…多くの観客達を笑顔にしてあげられる

 

 

 

そんな未来を予想しながら




団員の元ネタはサクラ○戦です
最も責任者である人の元ネタは東○ですけど


いずれ、張三姉妹も原作の様にライブなどをさせてあげたいと思っています
今はそれどころではないと思うので…

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