ハイスクールヒーローズ-THE ULTIMATE HERO'S-   作:絶狼ゼロ

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OP
ウルトラマンパワード

ED
W―B―X

(ある意味では、タイトル詐欺です。
なにせ命の重み関する話はちょこっとしか入っておらず、かなり強引が多い上に、グダグダ感ありまくりです。)

四次元宇宙人
イカルス星人

ショッカー幹部
イカデビル

ショッカー戦闘員

登場!


第8話 命

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ…キャアッ!?」

 

少女は、逃げていた。

 

こんな事が起こる前は、家族三人で静かに、睦まじく暮らしていた。

 

だが、少女の平穏な生活を許さない者が現れた。

 

その原因は、少女の中に流れる血が問題だった。

 

少女はただの人間ではない。

人間の女と…堕天使の男との間にできた

“ハーフ堕天使”

だった。

 

その事を知った

母方の親族は、少女を亡き者にするため、堕天使の留守を狙い、母子に刺客を放って強襲した。

 

その強襲により、少女は母に守られたが、母は命を落とした。

その直ぐに堕天使の父が駆けつけ、刺客を撃破したが、

少女は助けに来てくれず、母を見殺しにしたと勘違いして、父を責めた。

 

それにより、

少女と父の間に大きな亀裂が入ってしまった。

 

そして少女は、

父の静止を振り切り、ただ一人さまよっていた。

 

その時、自分を追いかけている存在に気づき、振り向いた時、異形の存在と黒い骸骨タイツの集団が、己を追っていることに気づき、逃げたのだ。

 

そして今…………………

 

???

「イカカカカ。

逃げても無駄なんじゃなイカ?」

 

???

「ゲソー!

ゲソー!

ゲソー!

イカゲッソー!

小娘!

お前のその隠された力を、我々がイカだく…あいや頂くぞ!」

 

???

『イーッ!イーッ!イーッ!イーッ!』

 

少女

「嫌、来ないで…!」

 

迫り来る異形の怪人と宇宙人、そして黒い骸骨タイツの集団に少女は躓いた瞬間に囲まれた。

 

怪人

「そんなに怖がるな!お前の体さえ貰えれば良いのだ!

その後でたっぷりと可愛がってやるからな!」

 

宇宙人

「イカカカカ!

イカデビル殿、言葉には気をつけた方が良いんじゃなイカ?」

 

イカデビル

「おお、そうだったなイカルス殿!

では、行けえぃ!

ショッカー戦闘員!

小娘を捕らえよ!!」

 

戦闘員

『イーッ!イーッ!』

 

宇宙人と怪人の正体は、なんと

四次元宇宙人

イカルス星人と

イカの改造人間

イカデビルだった!

 

なんという事だ!

 

かつて地球を侵略しようとし、ウルトラセブンによって阻止された宇宙人に、

かつて地球を恐怖に陥れ、世界征服を企んだ悪の秘密結社

『ショッカー』

の幹部、そして忠実な下部の

『ショッカー戦闘員』が、何故この世界に居る!?

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!イーッ!』

少女

「い、嫌!

誰か…(恐怖)」

 

イカデビル

「ゲソゲソ!

誰も来やしないよ。」

 

イカルス星人

「イカカカカ。

さあ、大人しく我が輩達と一緒にくるんだ!我らが“支配者様達”がお前を有効に扱ってくれるさ。

堕天使の力を受け継ぐ、

“姫島朱乃”よ~!」

 

なんと!?

イカルス星人と

イカデビルの狙っていた少女は、

ケンイチの仲間で、

リアスの親友の

 

“朱乃”

 

だった!!

 

朱乃を捕らえようと、

ショッカー戦闘員が徐々に迫る!

 

朱乃

「嫌!誰か!

母様!父様!

 

“助けて”…誰か!

助けて!

誰か!助けて!

 

誰か!助けてぇぇぇぇぇッ!!!!」

 

朱乃は恐怖のあまり、

今は亡き母と、嫌いな筈の父を口にしたが、来てくれる筈が無かった。

 

仮に誰かが来ても、

常識を越えた存在には、誰もが恐怖するだろう。

 

だから、“普通”の人には絶対に助けて貰えないだろう。

 

そう、“普通”の人には。

 

イカルス星人

「イカカカカ!」

 

イカデビル

「ゲソーッ!ゲソーッ!ゲソーッ!

イカゲッソー!」

イカルス星人と

イカデビルの高笑いが響いたその時!

 

ダラァァァァァァッ!!

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!?』

 

乱入者が現れた!

 

朱乃

「えっ?」

 

朱乃は恐る恐る目を開けると、

 

イカルス

「イッカーん!?

何でお前が此処に居るんだ!?

“ウルトラマーン”!?」

 

イカデビル

「イカー!?

ライダーよりももっと邪魔者ではなイカ!?」

 

そう!

朱乃の窮地を救ったのは者は、時空を越えて駆けつけたウルトラマンだった!!

 

即ちあの助けを求める声は、朱乃のモノだった!!

 

ウルトラマン

「おいおい、

イカルス星人と

イカデビルのコンビって、有り得ないだろ?」

 

イカルス星人

「イカーん!

我が輩達をバカにしたな!?」

 

イカデビル

「己ウルトラマン!

聞いて驚け!!

 

このワシ、イカデビルと!」

 

イカルス星人

「我が輩、イカルス星人のタッグ!」

 

イカルス星人&

イカデビル

『名付けて

“デビルスタッグ”

じゃあッ!!』

 

堂々と二体がコンビ名を言うが……センスねぇ~。

 

ウルトラマン

「…安直すぎて、センスねぇ~…」

あまりのセンスの無いコンビ名に、

ウルトラマンは若干呆れていた。

 

イカルス星人

「イッカーん!!

我が輩達をイカらせたら、イカんじゃなイカァ!!」

 

イカデビル

「イカゲッソーッ!!

イカルス殿の言う通りだゲソー!

こうなったら、貴様を倒して後ろに居る

“姫島朱乃”

をイカだく…いや

頂くぞ!」

 

ウルトラマン

「ッ!?“朱乃”だと!?」

 

ウルトラマンはイカデビルの口から出てきた

 

“朱乃”

 

の名前を聞いて驚き、振り返った!

 

朱乃「ヒィッ……」

ウルトラマン

「(間違いない!

俺の知る朱乃の面影があるということは、

此処は、

“朱乃の過去の時間”!

コイツ等に朱乃を渡してしまえば、

間違いなく未来が変わってしまう!)」

 

状況を理解したウルトラマンは、

この時間の朱乃を護る事を決意した!

 

ウルトラマン

「…させるか、朱乃は絶対に渡さねえ!

お前たちの好きにはさせねぇぞ!」

 

イカルス星人

「イカカカカ!

やはり邪魔者だな、

ウルトラマン!」

 

イカデビル

「イカゲソー!

後悔しても遅いぞぉ!

行けえぃ!

ショッカー戦闘員!」

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!イーッ!

イーッ!イーッ!』

 

イカデビルの命令で、迫る!ショッカー戦闘員!

 

朱乃

「い、嫌…」

 

ウルトラマン

「大丈夫だ。

“俺が君を護る”。

信じてくれ!」

 

朱乃

「えっ?」

 

再び迫るショッカー戦闘員に恐怖した朱乃だが、

ウルトラマンが言った言葉に、どういう事か、異常なほどの安心感が出た。

 

ウルトラマン

「……行くぜ?」

 

その言葉と共に、

ウルトラマンはファイティングポーズを取る。

そして……。

 

ビュゥゥゥゥゥンッ!!

 

ショッカー戦闘員

『イーッ!?イーッ!?』

 

普通じゃ有り得ない速さで、ショッカー戦闘員が……全滅した!

 

イカルス星人

「イッカーん!?

ちょっとイカデビル殿!流石に戦闘員は弱すぎるのではなイカ!?」

 

イカデビル

「いやいやイカルス殿!?逆に聞くぞ!

なんだあのバカげた強さは!?

あんなに強いとは聞いてないぞ!?」

 

ショッカー戦闘員が一瞬で全滅したことに、イカルス星人とイカデビルがお互いを責め合っている!

更にウルトラマンがイカルス星人とイカデビルに近づき!

 

ウルトラマン

「フアヤァッ!!」

 

イカルス星人&

イカデビル

『イカー!?

(イカゲソー!?)』

 

渾身のウルトラパンチをくらった!!

 

イカルス星人

「イッカー…じゃなくていったー!?」

 

イカデビル

「イカゲソー…!?

な、なんという威力だ!?」

 

愚痴が零れるが

そんな事お構いなしに、ウルトラマンがバキボキバキボキと指を慣らしながら、迫った!

 

ウルトラマン

「テメェら…覚悟は出来てんだろうなぁ?」

 

明らかにドスが聞いた声だ!?

それもそうだろう。

過去の世界と言えど、仲間に手を出そうとしたのだから!

 

イカルス星人

「イ、イカー!?

せ、正義の味方が

逆リンチとは

イ、イカがなモノかぁ~!?」

 

抗議するイカルス星人だが、

 

ウルトラマン

「か弱い女の子を恐がらせた上に、集団リンチしている奴らが何を抜かしてやがる!」

 

ウルトラマンの言うことはごもっともである!!

最早言葉は不要!!

 

【イカルス星人とイカデビルを撃破せよ!!:パチンコ牙狼風タイトル緑】

 

(BGM:ウルトラマンパワード)

 

ウルトラマン

「覚悟は良イカ?

このイカ共!」

 

イカルス星人

「イッカー!?

セリフを取られたじゃなイカ!?」

 

イカデビル

「イカルス殿!?

そんな事を言っている場合じゃなイカゲソッ!?」

 

ウルトラマン

「フアヤァッ!ダラァッ!! 」

 

イカルス

「イッカー!?…じゃなくていったー!?」

 

イカデビル

「イカゲソーッ!?」

 

ウルトラマンの怒りが、デビルスタッグに炸裂する!

 

パンチ、キック、チョップ、そして投げ技!

 

ウルトラマンの真骨頂たる格闘攻撃のオンパレードに、

デビルスタッグは!?

 

イカルス星人

「イカ~…。」

 

イカデビル

「ゲソ~…。」

 

完全にタジタジだった!!

 

ウルトラマン

「コレで決まりだ!!」

 

ウルトラマンは

両腕を胸の前で水平に構えて、

体勢を低くして、

左手を突き出し、

右手を頭の後ろに持って行くと、

右手に青い丸いノコギリ状の円盤を手にしていた!

 

ウルトラマン

「フアイッ、ヘアッ!ダラァッ!!」

 

そしてウルトラマンは丸ノコギリ状の円盤を2つデビルスタッグに放った!

 

この技は、

ウルトラマンパワードが持つスペシウムエネルギーの切断技Ver.であり、二番目の必殺技、

“パワードスラッシュ”である!!

 

デビルスタッグ

『イカ~!?』

 

デビルスタッグは、

パワードスラッシュの直撃を受けた!

 

イカデビルは縦に真っ二つになり、

イカルス星人は首を見事にぶった切られた!

 

ウルトラマン

「シュワァッ!!」

 

次にウルトラマンは、残ったデビルスタッグの死体に、

メガ・スペシウム光線を放ち、消滅させた。

 

ウルトラマン

「シャッ!」

 

朱乃

「…もしかして、神さま?…」

 

朱乃は、

自分を攫いに来たデビルスタッグを撃破したウルトラマンを、神さまと呼んでしまった。

 

ウルトラマン

「いや、俺は神じゃないよ。

俺も、そして君も、この世界を生きるものだよ。」

 

ウルトラマンはそういった後、

朱乃に近付く。

 

ウルトラマン

「怪我は無いかい?」

 

朱乃

「は、はい…痛ッ!?」

 

朱乃はウルトラマンに怪我は無いかと聞かれ、無いと答えたが、足を擦りむいていたのだ。

 

朱乃

「痛いです。」

 

ウルトラマン

「ちょっと待ってな、

“リライブ光線”!」

 

ウルトラマンは、

擦りむいていた朱乃の足を、リライブ光線で治療した。

コレにより、朱乃の擦り傷は見事に治った。

 

朱乃

「凄い!ありがとう!…えーっと?」

 

ウルトラマン

「俺は光の戦士

“ウルトラマン”、命を愛する者だ。」

 

朱乃

「あ、ありがとう!

ウルトラマン!」

 

朱乃がウルトラマンにお礼を言った途端、ウルトラマンに異変が!

 

ウルトラマン

「ッ!?」

 

朱乃

「どうしたの?

体が光ってるよ。」

 

ウルトラマンの体全身が、粒子のように光りだした!

この事態にウルトラマンは悟った。

彼が過去でやるべき事はもう無い。

現実世界に帰れる事を意味していた。

 

ウルトラマン

「どうやら、俺は帰る時が来たようだ。」

 

朱乃

「えっ?帰っちゃうの?」

 

ウルトラマン

「ああ、俺の本来居るべき“場所”にな。」

 

 

ウルトラマンの言葉に、朱乃は不安のあまり泣きついた。

 

朱乃

「いや!一人にしないで!一緒にいて!」

 

初めて会った存在であるにもかかわらず、朱乃はウルトラマンに一緒に居てほしいと泣きついた。

 

ウルトラマン

「すまない…。

俺の力じゃあ、

どうやっても無理な代物なんだ。

故に、俺を待っている人達が居る。

だから、本当にすまない…。」

 

朱乃

「やっぱり…私は、黒い天使の子どもだから、

“いらない命”なのかな?」

 

朱乃は泣きながら、己の出自を悔やんでいたが、

 

ウルトラマン

「この世に、いらない命なんて存在しない。」

 

朱乃

「えっ?」

 

ウルトラマン

「たとえどんな事があろうとも、いらない命は存在しない。

どのような生まれ方をしても、必ず誰しもが生まれた意味があるんだ。

“希望”

を棄てちゃダメだ!」

 

朱乃

「希望…?」

 

ウルトラマンの言葉は、閉ざされた朱乃の心に一筋の光を射し込ませた。

 

ウルトラマン

「俺と君が出会ったのは、偶然か必然かはわからない。

故に出会いがあるから別れが来るが、

それは永遠ではない。

別れがあれば、また出会いは訪れる。」

 

朱乃

「あ…。」

 

ウルトラマンの言葉に、朱乃は少しだけ悟れた。

 

ウルトラマン

「だから、何時の日かきっと、俺達はまた会える。

その日まで、この名前を覚えておくんだ。」

 

朱乃

「名前?」

 

ウルトラマン

「そう。

“リアス・グレモリー”という名前を。」

朱乃

「リアス・グレモリー?」

 

ウルトラマン

「そうだ。

この名前を持つ少女が現れたら、

その子を警戒せずに、

その子の言葉を受け入れるんだ。

そうすればきっと、希望の未来が、君を待っている。」

 

朱乃

「本当に?」

 

ウルトラマン

「ああ、本当だ。

約束する。」

 

朱乃

「うん‥。」

 

ウルトラマンの説得により、朱乃は希望を取り戻しつつあった。

 

ウルトラマン

「それじゃあ、

リアス・グレモリーという名前は消さないように、“記憶を封印”しなきゃならないから、少し良いかな?」

 

朱乃

「どうして?」

 

ウルトラマンの言葉に当然疑問を持つ朱乃であるが、

ここでウルトラマンが“来た場所”を教えた。

 

ウルトラマン

「俺は、そう遠くない“未来”から来たんだ。」

 

朱乃

「未来から?本当に?」

 

ウルトラマン

「ああ、この粒子になりつつある体が証拠さ。

故に、未来から来た者が過去に干渉し過ぎると、未来が変わってしまうんだ。

だから、此処で起きた出来事は、封印するんだ。

君を襲った宇宙人と怪人、そして君を助けたウルトラマンを封印するんだ。

ただその封印する過程で、リアス・グレモリーという名前は封印しない。

解るよね?」

 

朱乃

「な、なんとなく…。」

 

朱乃は、ウルトラマンの言葉を少しだが理解した。

確かに未来の者が過去に干渉すると、その過去が変わり、未来も変わってしまうのだから。

 

ウルトラマン

「よし、じゃあ始めるよ。」

 

ウルトラマンはそう言うと、朱乃の頭に触れて“記憶の消去”を行う。

 

すると

 

朱乃

「本当に、また会える?」

 

朱乃が不意に聞いてきたのだ。

そんな彼女にウルトラマンは、安心させるためにこう言った。

 

ウルトラマン

「ああ、勿論だよ。

なんせ君は、

“オカルト研究部の副部長”で、

俺の“友だち”で、

リアス・グレモリーの“心友”(←ケンイチが使う場合)なんだから!!!」

 

朱乃

「?」

 

ウルトラマン

「何れ解るよ。

そろそろ終わるかな?」

 

ウルトラマンは朱乃にそう言うと、

今の言葉を含む記憶消去を終わらせた。

 

ウルトラマン

「よし、コレでOKだ。後は俺が目の前で消えたら、自動的に行われるから。」

 

朱乃

「本当に、行っちゃうの?」

 

ウルトラマン

「ああ、だからまたな。“朱乃”!

(背中を向け、呟く)8年後にな。」

 

ウルトラマンはそう言うと、朱乃に背中を向けて、歩きながら、光の粒子になっていった。

 

そして朱乃の記憶には、宇宙人と怪人、そしてウルトラマンに関する記憶は無くなった。

だが、一つだけ覚えていたモノがあるそれは、

“リアス・グレモリー”という名前だった。

 

それから暫く経った日、朱乃はリアス・グレモリーと出逢い、半ば強引に近かったが、彼女に拾われ、彼女の家族に娘同然の扱いを受けただけでなく、リアスと友情を育んだのだった。

 

-----------

 

そして未来………………

 

ケンイチ

「……ん?フワァァァァ…、夢か?

夢にしちゃあリアルだったなぁ~。しかしなんちゅう夢見てんだか。」

 

ケンイチは深夜に起きた。

 

時間は深夜0:30。

 

ケンイチ

「ふう…ん?」

 

ケンイチがベッドから起きようとしたら?

 

雪菜

「スゥ、スゥ、スゥ、……」

 

なんと雪菜ちゃん、

ケンイチが風呂に入っていないにも関わらず、ケンイチのベッドに潜り込んでいた!

オマケに可愛らしい猫の人形、“ネコマタン”の人形を抱きながら、兄のベッドで寝ていたのだ。

 

ケンイチ

「全く勘弁してくれよ雪菜…。

いい歳して兄と一緒に寝るのはよぉ。」

 

とケンイチは愚痴を零しつつ、水を飲みに部屋を出た。

 

調理場で適当に水を飲み、戻ろうとしたその時?

 

ケンイチ

「うん?あれ、

リアスと朱乃じゃねぇか?」

 

偶々窓を見たら、リアスと朱乃が2人で話していたのだ。

ケンイチはコレを見て、

“やっぱり女の友情は、仲睦まじいな。”と思いつつ、部屋に戻った。

 

しかしケンイチはこの時、予想していなかったであろう。

 

実は朱乃は、リアスに相談していたのだ。

 

リアス

「どうしたの朱乃?

相談なんて珍しいじゃない?」

 

リアスが聞いてみると、朱乃の顔が、なんとも言えない、深刻な表情をしていた。

 

朱乃

「リアス、この話、笑わないでもらえますか?」

 

リアス

「あら、ヒドいこと言うわね?親友の話を聞いて笑うのは、本当に可笑しな話を聞いた時よ。

で、どうしたのよ?」

 

朱乃

「実は先程、昔の夢を見ていたのですが、

その夢が少し妙なのです。」

 

リアス

「どんな風に妙なの?」

 

朱乃

「私が“怪物に攫われそうになった”夢なのよ。」

 

リアス

「えっ?どういうこと?」

 

朱乃から語られたモノは、確かに妙だった。

 

朱乃

「でも、それだけじゃ無いのよ。

私はあの頃、今より無力の子どもだったから、ただ逃げるしかできなくて、でも途中で躓いて包囲されて、もうだめって思って、母様やあの“男”に助けを求めてしまったの。

でも母様は殺されて、あの“男”は母様を見捨た上に、私を助けに来てくれなかったの。」

 

リアス

「朱乃、それ…本当に“夢”なの?」

 

朱乃

「解らないわ。でも本当に妙なのは、此処からなの。

その時私は、誰かに助けられたの。」

 

リアス

「その“誰か”っていうのは?」

 

朱乃

「…“ケンイチ君”だったわ。」

 

リアス

「えッ!?

け、“ケンイチ”が!?」

 

朱乃の言葉に、リアス驚愕した!!

 

リアス

「本当にケンイチなの!?見間違えじゃなくて!?」

 

朱乃

「ええ、間違い無いわ!何より、彼以外に“ウルトラマン”は居ないわ!」

 

なんとケンイチによって封印されていた記憶が、丁度8年先の未来で、朱乃の脳裏に蘇ったのだ。

 

リアス

「もしそれが本当なら、朱乃は彼に“救われてた”という事よね?」

 

朱乃

「ええ、しかも私に“リアス”の事を教えてくれたのも、

ケンイチ君よ。」

 

リアス

「何ですって!」

 

やはりコレも驚く!

いったいどういう事なのか?

答えは単純だが、そう簡単に理解出来るモノではなかった。

 

朱乃

「でもリアス、私はあの時、ケンイチ君があの時助けてくれたという事を認識した時、私、胸が熱くなってしまいましたの。」

 

リアス

「それって、まさか!?」

 

朱乃

「ええ、彼の事が、

“好き”になってしまったようですの。」

 

なんと朱乃が、恋を、それもケンイチに対して恋心を抱いたのだった!

 

リアス

「…でも、もし本当の話なら、私は

ケンイチに“感謝”しなくちゃならないわね。」

 

朱乃

「リアス…」

 

リアス

「だって朱乃、もしあの時ケンイチが朱乃を助けてくれなかったら、“今”の朱乃は無いわ。

何よりも、“親友”にだってなれなかったのだから。」

 

彼女たちにとって、本当かどうかは定かではない。

だが、もし本当なら、ケンイチが朱乃を助け、リアスの存在を教えたから、今この時まで、リアスと朱乃は、“かけがえのない親友同士”なのだから。

 

 

朱乃

「そうですわね。

本当に感謝しきれませんわ。なにせ、数日前も助けられましたし、故にあの時もケンイチ君は助けてくれました。」

 

リアス

「でも意外ね?

あなた、祐斗は兎も角、イッセーを除いて“男は嫌い”だなんて言っていたのに。

 

朱乃

「うふふ、涼太郎君と鋼賀君も素敵ですけど、ケンイチ君は意外と私の“好み”の方ですわよ?

私の“正体”を知ってか知らずか、今でもケンイチ君の“あの言葉”が、胸に響いてます。」

 

リアス

「どんな言葉よ?」

 

朱乃

「ケンイチ君曰く、『俺たちは友だちであり、仲間なんだ。

仲間を助けるのは当然じゃないか。』

との事ですわ。」

 

リアス

「良い言葉ね。

でも朱乃?

ケンイチを“譲る”つもりは無いわよ。」

 

朱乃

「あらあら?

リアスもまさか、

ケンイチ君に?」

 

最早ガールズトーク状態である。

(↑by.作者)

 

リアス

「だって、あんなに心から自分よりも仲間のために闘えるなんて、普通に考えて、ライザーなんてクズと改めて思える程にケンイチは素敵と思うわよね?」

朱乃

「ええ、まったくですわね。というより、あの男とケンイチ君を比べては、ケンイチ君に可哀想ですわ。あんな外道とケンイチ君では天と地の差ですわ!」

 

リアス

「うふ、ごめんなさい朱乃?私もミスったわ。確かに天と地の差よね。」

 

などと2人ガールズトークは、ケンイチに関する事で盛り上がったのだ。

その中で、ライザーがどれだけ快く思われていないのかが、明白であった…。

 

リアス

「そろそろ寝ましょうか?流石に夜更かしは、女の敵だからね?」

 

朱乃

「ええ。

でもリアス、

相談に乗ってくれて、ありがとうございます。お陰で決心がつきましたわ。」

リアス

「どう致しまして。

それと、私も負けないわよ?朱乃。」

 

2人は最後に、ちょっとした挑戦状を叩きつけ合う。

 

朱乃

「では、お休みなさい。」

 

リアス

「ええ、お休み。」

 

そして2人は、部屋に戻っていった。

 

ケンイチの見た夢が、現実世界に大きな影響をもたらした。

 

そしてその影響で、

 

二人の少女は、

ウルトラマンに恋をしてしまったのだ。

 

ウルトラマンよ、

ケンイチよ、

コレは君が望んだ事なのか?

 

それは彼しか知らない…。

 

つづく!

 




次回予告
BGM:牙狼~SAVIOR IN THE DARK~(サビ)

ザルバナレーション

特訓もいい感じに進んでいるな。

ん?ケンイチ、何をやっているんだ?
イッセーのギアに触れて…何?取引だって!?

まるで解らん!

次回 禁じ手
-バランス・ブレイカー-

おいおいイッセー!?見違える覚悟じゃねぇか!?

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