ハイスクールヒーローズ-THE ULTIMATE HERO'S-   作:絶狼ゼロ

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以前は…半年掛かったが、3ヶ月で済んだ。何気に奇跡だ!
というかすみませんでした!!この投稿に達するまで…様々なアニメを見過ぎたり、パチンコを打ちまくったりと、二十歳越えても、学生時代のおバカな生活が悪化まっしぐらな絶狼ゼロです!!
因みに主に打つのは、仮面ライダーシリーズと牙狼シリーズとガールズ&パンツァーと緋弾のアリアと戦国乙女とクイーンズブレイドと魔法少女リリカルなのはです!!
すいません!関係ないですね!
けどライダーと牙狼からは、色々な合体技や設定を採り入れまして、この作品の牙狼も、パチンコが大きく影響しています!
本当なら、ウルトラマンシリーズも上げたいですが、タロウの勝ち星は無い上に、新台として登場したウルトラマンゼロはMAXタイプな為、
“ウルトラマン降臨祭”の年を最後に、MAXタイプが完全撤去された為、省きました(泣)

まあ戯れ言は置いといて、レーティングゲームの決着編とオリキャラ追加に、チートなケンイチ君をご覧ください!!
あともしかしたら、自己解釈が有りますので、お手柔らかにお願いします!

因みにこの作品のD×Dのレーティングゲームでのフェニックスの涙の使用は反則行為という設定です。

OP
ウルトラマンパワード

ED
W-B-X

異次元人ヤプール(スポット)

登場!!

※9月21日、13話の内容を更に更新。


第13話 Gの決着/Uの正義

ライザー

「ハンッ!

漸く出てきたな“臆病者”が。

てっきりリアス達を見捨てたのかと思ったのだがなぁ。」

 

ウルトラマン

「ふんッ。

悪いな、俺が直接戦えば、リアス達の為にならなかったんでな。

リアス達には、極力俺達に頼らないように試練を与えていたのさ。

そして最後の試練を、イッセーに託したが、見事にやってのけた。

だから俺は今此処に立っている。」

 

ライザー

「ふん!そういうことにしといてやろう。」

 

お互いに睨み合い、罵ったり、それをスルーするウルトラマンとライザー。

そしてウルトラマンの後ろでリアス達は、ウルトラマン=ケンイチの勝利を内心祈っていた。するとウルトラマンがライザーに問いただした。

 

ウルトラマン

「それと戦う前にライザー、一つお前に問う。」

 

ライザー

「何だ?」

 

ウルトラマン

「お前はリアスを“どういう風に見ている”?」

 

そう、ライザーがどんな風にリアスを見ているかだった。

もし、ウルトラマンの思っているとおりの大バカ野郎なら許せないが、現実はやはり彼に味方をした

 

ライザー

「知れたことを。

勿論“俺の女の1人に加えることだ”!リアス程スタイルの良い女はそうそうに居ないからな!

それが何か悪いことか?あん?」

やはりライザーは

リアスの

“体目当てだった”!

 

ウルトラマン

「そうか、それを聞けて安心した…。

なら…尚更テメェをリアスに近づけさせるわけにはいかねぇ!!」

 

やはりライザーが、ウルトラマンの思っているとおりの奴であったため、怒りが爆発した!

しかもライザーは、この中継の声が、

リアスの兄にして、

現魔王ルシファーの耳に届いているとは、考えもしなかった。

 

ライザー

「ふん!

何故貴様がそんな事を言う権利が有る!

調子に乗るなよ!

“偽りの最強”がッ!

何故サーゼクス様達が貴様に恐れるのか解らんが、貴様さえ殺せば俺はサーゼクス様に認められてリアスと結婚出来るんだ。だから…貴様にはさっさと死んで貰おう!」

 

ライザーは欲望丸出しの発言をしたり、サーゼクスの苦労を水の泡にするような発言をしたりと、好き勝手に言っていた!

 

ウルトラマン

「ほお…俺を“殺す”?サーゼクスに“認めて貰う”だと?

随分ご大層な言葉を並べるじゃねぇか?

クソ鶏がッ!!」

 

ライザー

「ッ!貴様!

サーゼクス様を気安く“呼び捨て”にするな!!何様のつもりだ!〔んなことはどうでもいいッ!!〕何!?」

 

ウルトラマンがサーゼクスを呼び捨てにしたことに、ライザーは怒りを露わにするが、ウルトラマンはそれを一蹴して続ける。

 

ウルトラマン

「ライザー、テメェさっきサーゼクスに“認めて貰う”だなんてほざいたな?」

 

ライザー

「貴様…まあいい。

それが何だ!」

 

ウルトラマンの言葉に意味を解せないライザー。

そしてウルトラマンは、“ある言葉”をライザーにぶつけた!

 

ウルトラマン

「ほお…“不正した”御身分でありながら大層な態度を取っていられるな?」

 

『ッ!?“不正”!?』

ライザー

「何だと!?

この俺が“不正”をしただと!?」

 

ウルトラマンの言葉に、誰もが耳を疑った!

ライザーが“不正”を!?

 

ライザー

「貴様!?何をふざけたデマを!?

この俺が不正なんぞ…」

 

ウルトラマン

「ならば、“あれは”どう説明付ける!!」

 

ライザーが否定しようとするが、ウルトラマンはある“場所”を指差した!

 

それは…牙狼兄妹に敗れ、翼によってフェニックスの涙の蓋を開けようとする直前で、陰縫いで動きを封じられたユーベルーナの姿が目にいった!

 

ライザー

「はあ?

俺のユーベルーナが何だ?」

 

ウルトラマン

「テメェの女王が

“手に持っている物”は何だ?

何を開けようとしてる?」

 

ライザー

「何ッ!?」

 

ライザーはウルトラマンの言葉に驚き、動揺した!

ライザーもよく確認すると、ユーベルーナがフェニックスの涙の蓋を開けようとする直前であることに、更に焦る!

更に魔王ルシファーも観ているのだから更に焦りが上昇する!

 

ライザー

「(ま゛ッ!?マズい!?まさか奴は、全てを見抜いていたのか!?このままじゃ、俺の無敗記録が全て不正によるモノだとバレてしまう!?)」

 

焦りまくったライザーは…こう言った。

 

ライザー

「し、知らんッ!!

俺はあんな物知らん!」

 

なんと!?

しらを切ったではないか!!

 

ウルトラマン

「ほお、知らねえと?」

 

ライザー

「お、俺はあんな物知らんぞ!!」

 

明らかに動揺しまくりな上、少し前にウルトラマンを薄情者と罵ったライザーだが…どう見ても、ライザーの方が“薄情者”だ!

むしろウルトラマン=ケンイチはリアス達の危機を決して見捨てなかった、正しく勇者そのものである!

 

ウルトラマン

「なら確認して貰うか?リアス、悪いが奴の女王に近づいて、奴の手に有る物を確認してくれ。

もしあれが

“特効薬の類”

なら、ライザーは今まで不正をしていた事になるからな。」

 

リアス

「ッ!ケンイチ、わかったわ!」

 

本来ならプライドがそれを許さないが、他ならぬウルトラマン(ケンイチ)の頼みとあらばと快く引き受け、朱乃と共にユーベルーナに近付く。

当のユーベルーナは、まるで

“この世の終わりを見ている”

かのような表情になっていた。

 

何より

“人間を見下していた”態度ではなく、むしろ

“人間の恐ろしさ”

を知り、固まっているのだった。

 

そしてリアスと朱乃は、ユーベルーナの手から“小瓶”を取り上げ、驚愕した。

 

リアス

「こ、これは!?

“フェニックスの涙”

じゃないのよ!?」

 

リアスの言葉に中継を観ていた親戚や友人の悪魔、更には両家のご家族、そして祐斗と小猫、朱乃、極めつけは、

現魔王

サーゼクス・ルシファーも驚かずにはいられなかった!

ウルトラマンの言う通り、ライザーは…不正していたことになるのだ!因みにアーシアは理解が追い付かず、

ジョーカー、牙狼、雪菜達は確信を持っていたため、驚く事は無かった。

 

ウルトラマン

「リアス、

フェニックスの涙とは、それを使用することでどういう効力を発揮するんだ?」

 

リアス

「簡単よケンイチ、

フェニックスの涙は、使用者のあらゆる損傷を回復する物よ。

そしてコレが造られているのは、ライザーの実家である

“フェニックス家”

しかないわ!」

 

ウルトラマン

「…という事だがライザー、これでもしらを切るか?」

 

ウルトラマンがリアスの言葉を聞いて、確信を持ったが、故に敢えてライザーに質問する。

 

ライザー

「た、確かに俺の実家でフェニックスの涙は造られているが、それでも俺は知らんッ!」

 

製造は認めているものの、やはりしらを切るライザーであった。

ライザーのうざったいくらいに非を認めない言葉に対し、

ウルトラマンは遂にライザーの本性をあぶり出す為に、

“釣り餌”

を垂らした。

 

ウルトラマン

「成る程…つまりはテメェの女王の“独断”という事か?」

『ッ!?』

 

この独断という言葉に、誰もが時間が止まる感覚がした。

ライザーの回答次第では、間違い無く全てを敵に回すことになる。

そう…ライザーが全てを敵に回すか…。

ライザー

「そ…そうだ!!

俺は始めっから何も知らん!

“ユーベルーナが勝手にやった”事だ!」

 

やはり現実は、正しき心を持つ物に味方した。

この言葉を聞いたユーベルーナは絶望した。信じていた主に裏切られたのだから!

 

リアス

「ライザー、あなたってヒトは!!」

 

リアスはもちろん、朱乃達だって同じだ。

女王は王の為に尽くす。そして王は、己の配下全てを愛でる。

それが、この世界の理。

だがライザーは、己の眷属を殆ど捨て駒のように切り捨てた。

右腕である女王ですらも、“用済み”の如く切り捨てたのだ。

 

涼太郎

「あ~あ、言っちゃった~。」

 

鋼賀

「もはや救いようもない愚かな奴だったか…。」

 

コレばっかりは、

涼太郎と鋼賀、勿論雪菜達だって呆れてモノも言えなかった。

 

ウルトラマン

「なら寧ろ合点がいかねえな?

俺がイッセーに授けた技をくらっても尚無傷で立っているお前がな。

オマケに十字架の効力付きでよ。」

 

ライザー

「そ、そんなモノ、今関係無いだろうが!!」

 

ウルトラマン

「大有りなんだよ。

イッセーがテメェに放った技は、ウルトラマンの技なんだよ。」

 

ライザー

「ふ、ふん!

つまり大したことがないと言うことだ。

つまり貴様も…」

 

ウルトラマン

「あの技は

“宇宙怪獣”を倒せる程の破壊力を秘めていたのにな。

下手したしら…

“宇宙恐竜”だって倒せても可笑しくない物なのにな。」

 

『ッ!?』

 

ウルトラマンとライザーが淡々と言葉を交じり合わせる中、ウルトラマンの言葉に誰もが凍った。

 

あの技は…“宇宙怪獣”や“宇宙恐竜”を倒せると言うことだ!!

 

リアスは涼太郎達に近づいて聞いた。

 

リアス

「涼太郎!鋼賀!

ケンイチの言っていることって本当なの!?」

 

涼太郎

「ああ、嘘偽り無いですぜ、部長さん。」

 

鋼賀

「何よりもケンイチが授け、イッセーが使った技のオリジナルの持ち主は、

ウルトラ兄弟10番目の弟・ウルトラマンメビウスの技にして、無限大の可能性を秘めた栄光ある勇者だからな。」

 

リアスはもう言葉が出なかった。

ウルトラマンが此処まで凄いとは!

だが…こんなのは序の口である。

 

ウルトラマン

「ライザー、コレでも真実を語らないなら、一つ“サシで勝負”しようぜ。」

 

ライザー

「何んだと?」

 

ウルトラマンはもう語る気は無いとばかりに、動いた。

ウルトラマン

「ルールを変更して、俺を倒せたら今の言葉は全て無かった事にした上で、お前のゲームの勝ちだ。」

 

『ッ!?』

 

誰もが耳を疑った!

なんと勝利条件を勝手に変更したのである!

 

ウルトラマン

「グレイフィアさん、良いよな?

コレを観ている連中も、ウルトラマンの力というのを知るには良い機会だと思うがな?」

 

ウルトラマンは天へ向かって叫ぶ。

 

そして帰ってきた言葉が、この言葉だった。

 

グレイフィア

『ライザー様の勝利条件変更、リアス様からケンイチ様へ変わり、ケンイチ様を撃破する事で勝利が確定します。』

 

この言葉に、誰もが驚かずにいられない!

勿論涼太郎達は冷静である。

 

寧ろ…

 

涼太郎

「やりやがったなケンイチの奴。

これじゃアイツの独壇場だなぁ。(笑)。」

 

鋼賀

「まあ…アイツの腕なら寧ろ、“後ろに守るモノがある上でのサシでの勝負”は正しく独壇場だからな。(苦笑)」

 

雪菜

「そうですよ!私の時もお兄ちゃんは護ってくれましたし!」

 

美琴

「そりゃあ、大事な妹が“強盗に巻き込まれて人質”にされてたのに、“大胆不敵”な行動で且つ、被害が出ないよう冷静沈着に強盗を“鎮圧”したんだからね!」

 

「あの時はお兄様も涼太郎さんも苦労しましたね。

只でさえ“貧乏くじ”を引きやすいのですから。」

 

涼太郎、鋼賀

『それを言わないでくれ…。(くれよ…。)』

 

等と会話をしているが、まさか彼らの前世でそんな事件があったとは!?

何よりもケンイチ君、強盗を鎮圧するとは凄まじい過ぎます!?

 

 

ライザー

「貴様ッ!?何を勝手な!?」

 

ウルトラマン

「既に決まった事だ。

それに案外返答が早かったのをみると、サーゼクスは快く引き受けてくれたのだろう。」

 

サーゼクス

『その通りだよ、

ケンイチ君。』

 

リアス

「ッ!?お兄さま!?」

 

ライザーが抗議しようとするが、

ウルトラマンの言葉に、サーゼクスがモニターを出現させて、彼(ウルトラマン)の言葉を肯定した。

 

ライザー

「サーゼクス様!?

そんな勝手は…」

 

サーゼクス

『黙りたまえ、

ライザー君!

私は悲しく思っているよ、君が我が妹と婚約を決めた時は

“不束者ですが悪魔の未来の為ならば”

と言っていた君が実は、“妹の身体目当て”

だとはね。』

 

ライザーの抗議なんぞ一蹴して、サーゼクスはこの中継でのライザーの言と、

ゲーム開始前にて、

ウルトラマン=ケンイチと対談した際に、彼の言葉が本当であった事に悲しくなっていたのだ。

 

ライザー

「な!?何を仰って…」

サーゼクス

「ライザー君、まさか君はこの中継が、

“聞こえていない”

とでも思っているのかい?」

 

ライザー

「ッ!?」

 

全くをもって話しを聞いてもらえず、ライザーは動揺する。

 

サーゼクス

『ライザー君、私達四大魔王は何度も

“人間に対して無礼を働くな”と、

“ウルトラマンの怒りを買うような真似はしないように”と言ったのに、君は私たちの努力を水の泡にするなんてね。

けど、ウルトラマンがとても心が広い方で助かったよ。

彼を敵に回したら私たち悪魔はおろか、“神”や“天使”、“堕天使”だって、彼によって“滅ぼされていた”可能性があるのだから。』

 

ライザー

「そ…そんなバカな!?サーゼクス様!

何故そこまで大袈裟な事を!?」

 

サーゼクス

『解らないかい?

彼は正しくこの世界において、“最強”の存在だ!その力は神を遥かに凌ぐ!

私はそれを、嘗ての3勢力の戦争に参加したときに見たのだ!!

たった一発の

“寸止めだけ”で、堕天使の幹部を叩きのめした“彼の力”を、そして伝説の生物である“ドラゴン”すらも、ウルトラマンの足下にすら及ばない!

この意味が、本当に解らないのかい?』

 

ライザー

「そ!?そんなバカな!?」

 

リアス達

『ッ!?』

 

涼太郎

「何?」

 

鋼賀

「どういう事だ?

何故3勢力の戦争にケンイチが関係している?」

 

サーゼクスの言葉を聞いたリアス達は、衝撃の真実に驚愕していたが、涼太郎と鋼賀は疑問に思っていた。

 

そして、ウルトラマン=ケンイチの愛妹である雪菜は勿論、涼太郎と鋼賀の妹である美琴と翼も同じだ。

 

ウルトラマン

「(さり気なく言わないでくれよサーゼクス…、説明がめんどくせぇじゃねぇか。説明しても信じてもらえるかな?

涼太郎と鋼賀、雪菜達は信じてくれるだろうけど…リアス達はどうかな?)」

 

一方ウルトラマンは、サーゼクスの思いがけないカミングアウトによって、若干頭を抱えていた。

何せ彼が3勢力の戦争に介入したのは、意味不明なタイムスリップ現象である。

だから、あまりにも非現実的な理由であるため、涼太郎達は信じてくれそうだが、リアス達はわからないのだ。

 

サーゼクス

『だがライザー君、

もし君が本当に

“恐れ知らず”

ならば、彼の言う通り君が勝てば、今ままでの彼の言葉は勿論、今ままでの君の言葉を聞かなかったことにしよう。』

 

『ッ!?』

サーゼクスの言葉に、涼太郎達以外の誰もが驚く!

 

 

ライザー

「ほッ、本当ですか!?サーゼクス様!

この男を倒せば!?」

 

 

 

サーゼクス

『勿論だ。

だが、負けた場合は…

“解っているね?”

(怒りを込めて)』

 

ライザー

「も、勿論でございます!サーゼクス様!

私がこんな“デマを言いふらす”上に、“偽りの最強”なんぞに負ける筈がありません!」

 

サーゼクス

『良いだろう。

その言葉を忘れず、

“後悔”しない事だ。』

 

サーゼクスは、ライザーにそう告げた後、リアスの方へ言葉をかける。

サーゼクス

『リアス、君に言わなければならない事がある…。』

 

リアス

「お兄様…?」

 

突然の兄の登場によって驚愕の嵐に吹き荒れて、呆然していたリアスは、サーゼクスの声で現実に戻った。

そしてサーゼクスは、リアスにこう言った。

 

サーゼクス

『すまなかった…、君の未来を決めるような真似をしてしまったことを…。』

 

リアス

「えッ、お、お兄様?」

 

突然の兄からの謝罪にリアスは動揺した。

それもそうであろう。

今回のリアスの婚約を勝手に取り繕った一人である兄が、突然謝罪したのだから。

 

サーゼクス

『私や父上も母上も、

グレイフィアだって、

君の事を信じていなかった訳じゃないのだが、知らずの内にリアスを心配し過ぎたが故に、勝手に未来を押し付けてしまった事に気づけなかった。

けど、このゲームが開始される前に彼と…ウルトラマンと対談したことは、君も知っている筈だ。』

 

リアス

「は、はい…。」

 

サーゼクス

『その時に、こう言われたんだ…。

“リアスの幸せを思っているなら、尚更リアスを信じろ”とね。

その言葉に、私は頭を強打した感覚にみまわれたんだ。

即ち、君を信じていなかった事に。』

 

リアス

「ッ、ケンイチが…そんな事を…!」

 

 

サーゼクスの言葉に、一瞬戸惑った。

ケンイチが、サーゼクスの心を突き動かした事が。

何よりも、リアスの事を思っての言葉であった事に。

 

サーゼクス

『だからリアス、

もしケンイチ君が勝利すれば、私は君が尽くすと決めた相手と結ばれることを許そう。

けど、彼が負けた場合は…未来を縛ってしまうことを許してほしい。』

 

そう言ったサーゼクスは、モニターと共に消えた。

 

リアス

「お兄様…。」

 

リアスはこの時、言いようもない複雑な感覚に見舞われた。

けど、確かなのは…リアスを仲間として信じている事。

そして仲間が真の幸せに成れるのなら祝福する。

だが…仲間が真の幸せに成れないのなら、たとえどんな奴を敵に回してでも、仲間が真の幸せになるまで、守り抜く為に立ち向かう。

それが、

“櫂ケンイチ”

という青年の“正義”だと、遂に知ったリアスだった。

 

彼が自分の幸せを本気で願ってくれている。現に彼は、兄の心を突き動かしたのだから。

 

もうリアスには、

“迷いは無かった。”

 

少し前は彼に恋心を抱き、朱乃と取り合って誘惑したりしたが、今回の彼の行動が、リアスの決意を固めさせた。

 

彼こそが、理想の相手である!

 

ウルトラマン

「じゃあ…“殺り合うか”?ライザー。」

 

ライザー

「ああ、臨む所だ!

貴様のような愚かな

“デマ吹き”に、

この俺が負けるわけがないだろう!!」

 

ウルトラマンの言葉にライザーは、肯定しつつ、炎の翼を広げ、周りに火炎弾を備える!

 

 

ウルトラマン

「それと一つ言っておく。」

 

ライザー

「何だ?いきなり降参か?」

 

バトルを始める前に、ウルトラマンが物申す。

 

ウルトラマン

「“命乞いはするな…”、時間の無駄だからな。」

 

なんと、ウルトラマンらしからぬ台詞であった!しかしそれ程までに、

ウルトラマン=ケンイチは、ライザーへ怒りを爆発させていたのだ!

 

ライザー

「ふんッ!

この不死身のフェニックス様が、命乞いをするわけ無いだろうが!!

死ねえッ!!」

 

ウルトラマンの言葉に、ライザーは直ぐに否定した後、周りの火炎弾を統合させて放った!

 

対してウルトラマンは…微動だにしなかった!

 

そして…普通に命中してしまった!?

 

リアス

「ッ!?ケンイチッ!!」

 

朱乃

「ケンイチ君ッ!!」

 

祐斗、小猫

『ケンイチ先輩ッ!?』

 

アーシア

「ケンイチさん!?」

 

リアス達は驚きを隠せなかった!

そしてライザーは、

拍子抜けしたかの如く、高笑いをする!

 

ライザー

「ハッハッハッハッハ!

何だ?随分デカい口を言っていた割に、呆気ないモノだなぁ!

まあ良い、これでリアスは…いや!

リアスとリアスの女達は俺の物に…」

 

ウルトラマンを倒したと確信したライザーは好き放題言うが、皆さんはお忘れではないでしょうね?

 

涼太郎

「あちゃー、こりゃアホな事したな~。

本当に脳みそが小さいな。」

 

鋼賀

「ああ、ケンイチを殺す気でいるなら、

最低でも

“一億九千度”、

最大で

“百兆度以上”の

温度は必要だというのに、高々

“数千度~数万度”

の温度で彼奴を焼き殺そうだなんて、アホ以外の何者でもないな。」

 

雪菜達

『まったくです!』

 

リアス

「えッ!?どういう事!?」

 

涼太郎

「ま、とりあえず見てみれば、解りますぜ。」

 

リアスが聞いたが、涼太郎は論より証拠とばかりに、ウルトラマンを見ろという!

 

すると!!

 

ウルトラマン

「フアイッ!」

 

『ッ!?』

 

ライザー

「ッ!?ば、バカなぁッ!?」

なんと!!

ウルトラマンの声が聞こえたと思えば、燃え盛っていた炎が…一瞬の内に消滅した!!

コレにはライザーは驚きを隠せない!!

オマケに損傷の痕すら無かったのだから!

 

ライザー

「き、貴様!?

何をした!?」

 

ワナワナ震えながらライザーは、ウルトラマンに問う。

 

ウルトラマン

「簡単な事だ。

テメェ程度の炎で俺を消し炭に出来ると思ったか?

最低でも今の温度の“千億倍”

は持ってきやがれ!

それと炎が目障りだから、

“俺の念力で炎を鎮火した”

に過ぎねえ。」

 

そう、ウルトラ念力を使い、己を囲んでいた炎を鎮火したのだ!

リアス

「念力で炎を鎮火って!?そんな事が出来るの!?」

 

涼太郎

「もちコース!

なあ鋼賀、彼奴の

“オリジナル”

は凄かったもんな!」

 

鋼賀

「確かオイルを求めて、米国のオイルの工場を荒らし回った怪獣いたな。

其奴によって米国のコンビナートが辺り一面に火の海になるという地獄の絵地図になったんだが、

彼奴の

“オリジナル”

は犠牲者を出すこと無くその怪獣を撃破し、辺り一面地獄の絵地図となっていたコンビナートの火災を、ウルトラ念力で見事に一瞬で鎮火したんだ。」

 

涼太郎

「そうそう!そういう奇跡的な能力も合わさって、

ウルトラの戦士たちは、人間の理想とする“英雄”だったり、“神”と呼ばれたりするんだ!

まったく凄いもんだぜ。なあ雪菜、お前の兄貴にして、俺と鋼賀の心友はな。」

 

雪菜

「はい!自慢のお兄ちゃんですから!」

 

リアス

「えッ!人間の理想の“神”ですって!?」

 

涼太郎の言葉に有った、

“ウルトラマンは人間の理想とする神”

 

に驚きを隠せず、声を上げた!

 

勿論その声は、全体に響いていた!

 

ライザー

「な゛ッ!?

なんだと!?

貴様が“神”だと!?」

 

ウルトラマン

「おい涼太郎、

余計な事を言わないでくれよ。

別に俺は神を気取る気はないからな。」

涼太郎

「わーってるわーってるって。

けどよケンイチ、実際ウルトラマンを見たとある国の人間たちが、ウルトラマンを、自分達を救ってくれた平和の守り神として、“ノアの神”と呼ばれてるじゃねえか。」

 

鋼賀

「まあ…確かに、死者をマジで蘇らせたり、ウルトラの星でも、あの伝説の英雄と呼ばれる“キング”とか、“慈愛の勇者”と“宇宙の正義”が融合した“レジェンド”とか、

その“慈愛の勇者”と、“光の超戦士”、そして“光の国の若き最強のサラブレッド戦士”が融合した“サーガ”とかは、最早神と言っても過言じゃないのに、その“サーガ”へと融合するきっかけとなった、

“ウルトラマンノア”

に至っては、マジもんの神じゃないか?

“宇宙の守護神”

とか言われている上に、名前に“ノア”と名の付いている時点で、人間の言う

“ノアの神”

じゃないか?」

 

涼太郎

「オマケにその

“光の国若き最強のサラブレッド戦士”

に至っては、絆の力を通して、

“時間さえも操ってしまう”

なんて芸等、最早神だって。」

 

ウルトラマン

「それでも…ウルトラマンは“神”じゃねえんだ。

確かに、“死の概念”を完全に越えてしまったけど、それでもちゃんと死んじまうんだよ。」

 

このウルトラマン(ケンイチ)と涼太郎・鋼賀の会話は、このフィールドは疎か、観戦している悪魔達にも聞こえているため…戦慄が走っていた…!

 

ウルトラマンが人間たちに取って、

“平和の守り神”

だと言うことに!

さらに、死んだ人間を蘇らせたりする事も可能だという事に。

事実、ウルトラ兄弟6番目の兄

“ウルトラマンタロウ”がかつて地球防衛の任に就いた時、彼の前に現れたとある怪獣“リンドン”を討ち倒したが、この怪獣はまさかの“不死身怪獣”という別名を持った再生怪獣であった。

故にタロウと仲間達は、苦戦を強いられ、その戦いの最中、一人の民間人がリンドンによって、悲しい事に犠牲者となってしまった。

だがその時に、奇跡が起こった。

リンドンの前に、

ウルトラ兄弟の義父にして、タロウの実父である、

“ウルトラの父

(ウルトラマンケン)”が現れ、リンドンを一撃で撃破したのだった。

そして次に、その戦いで犠牲者となった民間人に、見た目は花冠の形をし、蘇生の効果を持つ奇跡の力、

“ウルトラクラウン”

を使い、その犠牲者を蘇生させたという、正に

“ウルトラの奇跡”

が起こった瞬間でも有ったのだ。

故に、死者を真に蘇生させる行為は、神に等しい行いであるから、ウルトラマンを神と呼ぶ者も居るのだ。

 

とまあ、このような会話を3人が飛ばし合っていたため、全てがマル聞こえであった。

 

ライザー

「ふ、ふざけるな!?

そんなデタラメな奴が、神でたまるか!?」

ウルトラマン

「テメェも頭が悪い上に耳が悪過ぎだろ。

俺は櫂ケンイチであり、またの名を!

光の戦士、ウルトラマンパワードだ!それ以上でもそれ以下でもねえ!!だから俺は、神じゃない!」

 

ウルトラマンの勇ましい言葉は、あらゆる悪魔達に衝撃を与え、恐怖の念すらも覚えさせた!

 

だが、サーゼクスは漸く“ケンイチ”という青年を理解した。

ウルトラマンはもしかしたら、人間の守護神という考えを持っていたが故に、その力を持つ彼が何故、己の利益になるような事をしないのか。

それは彼が、誰よりも人間として、弱者に手を差し伸べる優しい心と、本当の悪を許さない正義の心を持って居るが故に、力の使い方を解っていたからだ。仮に、ウルトラマンが本当に神の力ならば、その力を扱うのに、正義の心が無ければ、その力は…神は神でも、破壊神の力となるのだ。

 

ライザー

「くそッ!?

そんな筈あるか!?

俺は不死身のライザー様だ!!

あんな偽りの最強なんかに!!」

 

ライザーは焦り見せながら、火炎弾を放つが…。

 

ウルトラマン

「(長引かせるわけにはいかない…ここで決着をつける!)

フアイッ!」

 

なんとウルトラマンは、片手で火炎弾を防いだ!

 

ライザー

「ば、バカな!?

ま、まぐれだ…そうだ!まぐれに違い無い!俺の地獄の業火を片手で防げる筈が無い!!」

 

攻撃を防がれた事で、動揺と焦りから、精神面が徐々に崩れ始めていたライザーは、自己暗示しつつ火炎弾を連続で放つが…、

ウルトラマン

「ダアッ!フアイッ!

シャッ!シュワッ!」

 

ウルトラマンの前には意味を為さない!

交互で片手を振るいながら、ライザーに歩きながら近づいていく!

その歩き方は…正に、

“英雄の歩き方”

だった!

 

攻撃を防ぎながら迫り来るウルトラマンを見てライザーは、恐怖を感じ始めていた!

 

ウルトラマンを敵にするという事が、どれほど愚かか…。

 

己は、神に等しい…いや、神以上の存在と戦っている事に。

 

ライザー

「う、嘘だ!?

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!この俺が、こんな得体の知れない奴なんかにッ!!」更にライザーは、火炎を放つ!

 

対してウルトラマンは、ハンドシャットアウトの体制に入った!

 

ウルトラマン

「ヘアッ!」

 

ライザーの火炎を防ぎつつ、気力エネルギーを利用して両手で吸収する!

 

そして、

マグナムシュートを放とうとするが、

野球ボール程の大きさだった!

 

ライザー

「そんな…バカな!?

俺の…フェニックスの炎が、何故ッ!?」

 

ウルトラマン

「返してやるよライザー、お前の“炎”をよ…

マグナムシュート!

ウルトラストレートッ!」

 

ウルトラマンは、野球ボール程のマグナムシュートを、

野球選手顔負けの凄まじい投球を見せた!

その時速…驚く無かれ、500㎞!?

 

実は彼はまだ全力では無い。

ウルトラマンの姿で全力投球を行えば、“このフィールドに風穴が空く”

だけじゃ生温い!

 

[ライザー・フェニックスを撃破せよ!!(赤タイトル:BGMウルトラマンパワード)]

 

ライザー

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアッ!?

痛い!?熱い!?痛い!?熱い!?痛い!?熱い!?

ど、どうなっている!?俺の炎も此処まで熱くない筈!?」

マグナムシュートを受けたライザー、醜い程にのたうち回り、驚きを隠せない!

何よりもマグナムシュートによって凝縮され、ライザーが放つ威力よりも増しているため、フェニックスの炎はライザーを燃やす…皮肉ですね。

ウルトラマン

「わざわざテメェをパワーアップさせるために、威力を増してテメェに返した炎だぞ!それをみすみす逃し、モノに出来ねえとはな。

フェニックスが聞いて呆れるぜ!

俺の知るフェニックスは、暗黒の闇の中に燃えたぎる、仲間達と一つになった魂の籠もった希望の炎だが、テメェのはまるで違うな!

子どもが喚くような無駄に炎が燃えるだけの、魂が籠もらない温泉みたいなもんだ!」

 

ライザー

「き、貴様ぁぁッ!?

言わせておけば!?

(そうだ!奴は

“空を飛べん”!

空中で戦えば、俺の勝ちは見える筈だ!!)」

 

ウルトラマンの言葉に、ライザーはギリギリ精神を保ちつつ、怒りを露わにするが、此処でウルトラマンが空を飛べないと考え、空を飛ぶ。なんと愚かな行為だことか…。

 

ライザー

「ど、どうだ!

貴様は空は飛べんだろう?この空中に居る俺に攻撃できるか!!」

 

涼太郎

「あ…こりゃ焼き鳥負けたな。」

 

鋼賀

「ああ、負けだ。」

リアス

「ど、どういう事よ?」

 

涼太郎と鋼賀の、ライザー負け宣言にリアスは思わず聞く。

 

涼太郎

「それじゃあ雪菜、解説宜しく。」

 

雪菜

「はい、涼太郎先輩。

良いですかリアス先輩?お兄ちゃんが変身したウルトラマンは、飛行能力が“マッハ27”なんです!」

 

リアス

「え…ま、“マッハ27”ですって!?」

リアスが雪菜の言葉に驚いたその時!!

 

ウルトラマン

「…やはり本物の馬鹿だ。シュワッ!」

 

ウルトラマンは凄まじいスピードで飛行した!

 

ライザー

「な゛!?貴様!空を飛べないハズでは!?」

 

ウルトラマン

「誰が空を飛べないって?寧ろ空中戦は、俺にとって独壇場そのものだ!!」

 

ライザー

「ふざけるな!?」

 

ウルトラマンの言葉に動揺しつつ、炎を纏った右拳を振るうも、

 

ウルトラマン

「やっぱり止まって見えるぜ…、シャッ!」

 

ライザー

「な゛!?く、クソォォォッ!?」

ウルトラマン

「やっぱりテメェなまくらだ…俺を殺そうなんざ!!

“10万年早いぜッ!!”」

 

ライザー

「ば、バカな!?

グワアアアアアッ!?」

 

右拳を片手で受け止められ、左拳で同じく攻撃するも受け止められて、ウルトラマンの素早い手捌きによってがら空きになった胴体に、平手打ちを放つ!

 

ライザー

「くそ!?くそ!?くそ!?くそ!?ありえん!?

この俺が!?

こんな奴に!?」

 

最早錯乱しているとも言えようライザーは、再び火炎放射を行う。

対してウルトラマンは、

 

ウルトラマン

「シュワッチッ!!」

 

雪菜の言う通り、

マッハ27のスピードで真上へ飛翔!!

 

余りにも、凄まじいスピードに、涼太郎と鋼賀以外は目に見えなかった!

そして、ウルトラマンは前宙一回転して急降下キックを繰り出す、“流星キック”を放った!!

 

ウルトラマン

「ダラアァァァァッ!!」

 

だがコレでも、ウルトラマンは威力を弱めている。

何故ならウルトラマンは、ライザーを“確実に殺す”のではなく、“再起不能になるまで懲らしめる”のだ。

何せ、ライザーは外道ではあるももの、ウルトラマンが“本当の害悪ではない”と判断したまでである。

それにこんな奴を殺せば、サーゼクスと対談した己の思いに反する事になるからだ!

 

ライザー

「ば、バカな!?何時の間…グワアアアアアッ!?」

 

流星キックの直撃を受けたライザーは地面に激突するが、激突の衝撃で、肋を数本骨折したのだ!

 

そしてウルトラマンは、流星キックが命中した後、前宙一回転して着地した。

そしてまた、ライザーに迫る。

 

ライザー

「(こ、こうなったら、あの餓鬼のせいでフェニックスの涙を2つも消費したから、最後の一つを使うしか無い!)」

 

なんとライザー、

フェニックスの涙を隠し持っていた!

左手を内ポケットに入れて取り出そうとするが、

 

ウルトラマン

「ッ!(させるか!!)シャッ!」

 

ウルトラマンはライザーの不自然な動きに気付き、

“マッハ9.99”

の走行スピードで迫り、ライザーを掴み上げた!

 

ライザー

「ぐおっ!?」

 

ウルトラマン

「…やはり、

“フェニックスの涙”

を隠し持っていたか。」

 

ウルトラマンがライザーの内ポケットに手を突っ込み、

フェニックスの涙を見つけ出した!

 

ライザー

「き、貴様ぁ…何故わかった!?」

 

ウルトラマン

「不自然過ぎなんだよ。恐らく、イッセーと殺り合った時は、複数持っていただろうな。」

 

ライザー

「ち、チクショー!?」

ウルトラマンに完全に不正を看破されたライザー。

 

そしてウルトラマンは、フェニックスの涙を放り投げて、

ライザーにこんな言葉をかけた。

 

ウルトラマン

「さてと…ライザー、テメェはよくもリアスの未来を踏みにじり、俺と友の妹たちに手を出し、それだけに飽きたらず、朱乃達にまで手を出し、極めつけは…俺の後輩を焼き殺そうとしてくれたな!!」

 

ライザー

「な、何が悪い!?

コレは“悪魔の未来”に必要な事で…」

ウルトラマン

「テメェの言い分なんか聞く気無えぇぇッ!!!」

 

ライザー

「グワアアアアアッ!?」

 

ライザーは悪足掻きにも、まだ“悪魔の未来”だなんて口にした為、ウルトラマンは豪快な背負い投げでぶん投げた!

 

そしてウルトラマンの目は…怒りに燃えているかの如く、

“慈愛の富んだ青き目”から“悪を許さない正義の紅き目”へと変わっていた!

 

ウルトラマン

「ライザー…覚悟は出来たな?」

 

と言うと、ウルトラマンは両腕に青い稲妻を迸らせ、光エネルギーとスペシウムエネルギーをスパークさせる!!

まさか放つというのか!?ウルトラマン、いやケンイチ君!こんな奴に、

メガ・スペシウム光線を!?

 

リアス

「だ、ダメよケンイチ!!あなたのその技は!!」

 

涼太郎

「まあまあ部長さん、心配しなさんな。」

 

鋼賀

「彼奴は解っている。

殺しはしないさ。」

 

リアス

「で、でも!!」

 

雪菜

「リアス先輩。

先輩にとって、お兄ちゃんは何ですか?

お兄ちゃんを信じていませんか?」

 

 

リアス

「し、信じてはいるけど…」

 

雪菜

「なら、最後まで信じて下さい。」

 

リアスは、ウルトラマンを止めようとするが、涼太郎、鋼賀、そして雪菜に逆に止められてしまう。

そこへ、朱乃が近づいてきた。

 

朱乃

「部長…信じてあげましょう。

私達の“ヒーロー(ケンイチ君)”を。

何よりも、信じることの大切さを教えてくれたのは、他でもないケンイチ君ですわ。」

 

リアス

「朱乃…」

 

朱乃にも説得されて、リアスはウルトラマンを止めるのを断念した。

 

一方ウルトラマンは、今にもメガ・スペシウム光線を発射しそうなほど両手の指を、花開くかの如く、開いたり握ったりしている。

 

ウルトラマン

「もうこれ以上、テメェの声なんざ聞きたくねえ。

テメェに教えてやるよ。不死身も死ねるということを!!」

ウルトラマンが両腕を十字に組もうとしたら!!

 

ライザー

「まッ待て!!

この婚約は、本当に

“悪魔の未来”

に必要なモノなんだぞ!お前のような得体の知れない奴がどうこうしていいモノじゃないんだぞ!?」

 

またも苦し紛れに

“悪魔の未来”

などと口にする!

 

するとウルトラマンはこんな言葉を投げる。

 

ウルトラマン

「ならばテメェは、

“世界の未来が滅びて無くなろうとも、誰かを助け、守れる心”

を持っているのか!!」

 

リアス達

『ッ!』

 

ウルトラマン=ケンイチの言葉は、とあるウルトラマンの歌詞を繋げた言葉であったが、リアス達には響いていた。ウルトラマンは…ケンイチは本当にお人好しだと。

じゃなきゃ、

ウルトラマンになれる筈が無い。

確信を得たからこそ、彼を真に信じる。

 

ライザー

「な…何を訳の解らないこと!?

そんな有るわけが無いだろうが!!」

 

しかしライザーには届かず、最後の全力を持って、大玉火炎弾を放つ!

 

ウルトラマン

「そうか…ならもう、テメェに語る言葉は…無いッ!

シュワァッ!!!」

 

これ以上の言葉は無意味と考えたウルトラマンは、両腕を十字に組んで、メガ・スペシウム光線を発射!!

そして、メガ・スペシウム光線は、火炎弾を撃ち抜き、ライザーに迫った!!

これにより、ライザーやっと悟った。サーゼクスを始めとする四大魔王が、何故ウルトラマンを恐れるのか。

そう…明らかに神を超える存在だからだ。

 

ライザー

「やッ止めろ!?

おッ俺は…俺はまだ、

“死にたくないッ!!”

た、助けてくれぇぇぇぇぇッ!?」

 

遂にウルトラマンという存在に恐怖したライザーは、“命乞いをした”。

あれだけ命乞いはしないと豪語した男とは思えない。

そしてウルトラマンのメガ・スペシウム光線は、ライザーへ真っ直ぐ向かっていったが。

 

ウルトラマン

「フアイッ!」

 

なんとウルトラマンは、ライザーに当たる数メートル辺りで、メガ・スペシウム光線の軌道をズラしたのだ!!

コレによりライザーは、メガ・スペシウム光線の直撃を免れたが、後方の地面に着弾し、凄まじい爆風が起こり、涼太郎、鋼賀以外の者達は顔を覆いつつ、顔を背けた。

そして爆風が晴れた其処には…尻餅着いてへたり込んでるライザーの後ろには、巨大なクレーターが出来ていた。

 

しかも、そのクレーター内は…焦げていた。

 

悪魔陣営の誰もが、戦慄に包まれる中、ウルトラマンはライザーに近づき、胸ぐらを掴んでこう言う。

 

ウルトラマン

「二度とふざけた考えでリアス達に近づくんじゃねえ…(怒)!!

文句が有るなら、何時でも相手になってやるよ。闇討ちだろうと不意打ちだろうと何だろうとな。

だがその過程で、無関係の奴らを巻き込むのなら…お前は、“確実に消す”!!それが嫌なら…絶対に近づくな…!」

 

ウルトラマンの…否、ケンイチの怒りの声はライザーには届いてはいなかった。

何故ならライザーは…“気絶”している上に、“小便”を漏らすという、無様な“失禁”を晒していたのだから。

 

ウルトラマンはライザーから離れると、アナウンスが流れた。

 

グレイフィア

『ライザー様の、戦闘続行不可能を確認。

よって…

“リアス様の勝利”

を宣言します。』

 

グレイフィアのアナウンスが聞こえ、リアスは若干呆然としていた。

 

リアス

「か…勝った…?」

その言葉を言いながら、力が抜けたの如く、地面に尻餅が着いた。

 

そんなリアスに、ウルトラマンは近づいてこんな言葉を贈った。

 

ウルトラマン

「ああ、リアス。

俺の…いや違えな。

“お前たちの勝ちだ”。何よりも、諦めない心を持って立ち向かった、“イッセーが一番の功労者”だからな!

故にリアス…お前の未来は、“本当にお前が決められる未来”になったんだぜ。」

 

そんな言葉を贈りながらウルトラマンは、リアスの頭を撫でた。

人間のケンイチも凄い暖かいが、ウルトラマンとなったケンイチの手の感触は、人間とは違えども、人間の時と同じ暖かさが出ていた。

遂にリアスは我慢出来ず、ウルトラマンに抱き付いた!!

ウルトラマン

「ッ、リアス?」

 

若干驚いたウルトラマンに…リアスは、嬉涙を流しつつ、若干涙声で“感謝の言葉”を贈った。

 

リアス

「“ありがとう…

ウルトラマン”…!

貴方は、私の本当の

“ヒーロー”よ…。」

 

“ありがとう…ウルトラマン”

 

リアスの口から出たこの言葉に、ウルトラマン(ケンイチ)は、心の中でこう思っていた。

 

ウルトラマン

「(まさか…俺が、

“ありがとう…ウルトラマン”

という言葉を貰えるなんてな。何気に、こそばゆいな。)」

 

そう、彼はこの言葉に、嬉しくもこそばゆい感覚であった。

何せ彼にとっては、

“ウルトラシリーズ史上究極且つ

〔Simple Is Vest〕な

『名ゼリフ』”

であるのだから。

 

グレイフィア

『只今を持ちまして、レーティングゲームを終了致します。

尚、リアス様達とライザー様達及び、リアス様の助っ人であるケンイチ様達には、冥界にある控え室への直結魔法陣を皆様方の足元に用意致しましたので、暫しお待ちください。』

 

とグレイフィアのアナウンスが流れた時、皆の足元に白い魔法陣が現れた。

そしてウルトラマンは、リアスに抱きつかれた状態で人間に戻り、ケンイチとなる。

 

それと同時に全員が、

バトルフィールド

『疑似駒王学園』から姿を消した。

 

勿論このレーティングゲームの事は、

沢山の悪魔連中が、

黄金騎士牙狼と仮面ライダー、そしてウルトラマンに対しての色々な抗議やら危険性を口にしてサーゼクスに申し出る者が多いが、サーゼクスが彼等のとんでもないバカが付くぐらいのお人好しな存在である事を説明した上で、彼等は

『人間を護る者』、

『人間を救う者』、

『人間を愛する者』であると説明し、彼等の怒りを買うような真似をしなければ、“もしかしたら”と悪魔達に話して、納得させた。

 

一方、冥界・ルシファード領のとある建物にある控え室にて。

 

涼太郎と鋼賀は清々しい気分でテーブルに置いてあった水で乾杯をしており、雪菜と美琴はハイタッチをして喜んでおり、翼は雪菜達を宥めつつも嬉しそうな笑顔を浮かべていた。

一方朱乃、祐斗、小猫は安心感の余り、腰が抜けており、

イッセーは未だにアーシアの腕の中で眠り続けはいる。

 

そして、我らのウルトラマンことケンイチ君は…リアスお姉様に強く抱き締められて困惑していた。

 

ケンイチ

「あの~リアス?

何時まで、この状態?」

 

リアス

「私の気が済むまで。」

 

ケンイチ

「さ、さいですか…。(勘弁してくれ~、只でさえ“凶悪的に発達”している部分が当たってるんだよ…。)」

ケンイチは今、三度天ご…いや地獄(笑)を受けていた!

オマケに、今は直立状態な上に、高身長のリアスだが、ケンイチはそれを上回るの身長の為、リアスの髪の匂いにも攻撃されているため、何故か精神的にもダメージを受けていた。

 

そんな様子に気づいた涼太郎と鋼賀、雪菜達は何気に楽しそうに傍観者に徹していた。

 

ケンイチ

「(くそ~…マトモに動けねえ…。

雪菜、涼太郎、鋼賀、助けてくれ~。)」

 

テレパシーを使って、妹と心友に助けを求めるが…

 

雪菜

「(お兄ちゃん!

ファイトですよ!!このまま行けば、リアス先輩は私の

“お義姉ちゃん”

に成ってくれますから!!)」

 

涼太郎

「(まあ…ご愁傷様だなぁ~。)」

 

鋼賀

「(ケンイチ、偶には息抜きって意味で戴いておけ。)」

 

ケンイチ

「(何でだ…俺は別に望んだ訳じゃないのに…不幸だ…。)」

当然の如く、心友からは見捨てられ、妹に限ってはエールを贈られた為に、最早大ピンチ!

 

と其処へ、この控え室に誰かが入って来た

 

サーゼクス

「…リアス、宜しいかな?」

 

リアス

「ッ!?お、お兄さまッ!?」

 

魔王サーゼクスの来訪だった。

コレには流石にリアスも、猫の如く飛び跳ねる感じで驚いて、ケンイチから離れた。

 

ケンイチ

「(あ~助かった~、ありがとうサーゼクス。)」

 

リアスが離れた事で、何とか復活したケンイチだった。

そして朱乃、祐斗、小猫は、魔王の突然の来訪に少し慌てながらも姿勢を直して、片足立て膝の体勢の状態になって、敬意を表す。

涼太郎達もサーゼクスに視線を向けたのだ。

 

リアス

「お兄さま…。」

 

サーゼクス

「リアス、まずはゲームに勝利したことに対しておめでとう。ケンイチ君達のハンデが有ったとはいえ、君たち勝利に変わりはない。」

 

サーゼクスは、リアス達を労った。

リアス達は、その言葉に肩の荷が漸く降りた気分だった。

 

サーゼクス

「処でリアス、ケンイチ君とその仲間達と少し話しをしてもいいかな?」

 

リアス

「えっ?ケンイチ達とですか?」

 

すると本題に乗り換えたかの如く、サーゼクスはリアスに、ケンイチ達と話しをしたいと切り出した。

 

リアス

「ですが…」

 

ケンイチ

「構わねえよ、リアス。な、雪菜、涼太郎、鋼賀、美琴、翼。」

 

雪菜

「勿論です、お兄ちゃん!」

 

涼太郎

「おう!何れこうなることは予想出来てたからな。」

 

鋼賀

「ああ、問題ない。」

 

美琴

「あたしもオッケーですよ、先輩!」

 

「無論、断る理由が有りませんから。」

 

ケンイチの言葉に同意した涼太郎達。

 

サーゼクス

「ありがとう。

この度は、我が妹・リアスと眷属達を救ってくれた事についてだ。

本当にありがとう。

君達の中でも特にケンイチ君には、本当に感謝しきれない程のものだ。

何よりも君の言う通り、ライザー君は今までのゲームにおける勝ち星は全て不正によるものだけでなく、リアスの身体目当てで婚約に応じたということに、的を射ていた事には、感謝以外に他ならないよ。」

 

ケンイチ

「当たり前さ。

俺を信じてくれているリアス達を裏切るような真似は…

“決してしない”さ。」

 

サーゼクス

「だがやはり…君にはもう一度聞きたい。

何故そうまでして、リアスの盾になってくれたんだい?

君の意志は、他にも有る気がするんだ。」

 

サーゼクスは、改めてケンイチに問うた。

何故、其処までの思いを持ってまでして、ケンイチがリアス達の為に闘ったのか?

 

ケンイチ

「そう言えば、あの時は時間が押してたから全てを語れなかったな。」

 

そう言うとケンイチは、改めて語れなかった理由を話した。

 

ケンイチ

「さっきも言った事に付け足しだが…

“俺がウルトラマンを名乗る限り、リアス達の期待を決して裏切らない。

リアス達の…『希望』であり続ける”

という事でもあるんだ。」

 

涼太郎

「(お~、あのウルトラの父がウルトラマンメビウスに送った、

“ウルトラマンの意味”を少し弄ったな。)」

 

ケンイチの言葉に、サーゼクスやリアス達は、その言葉に驚きと納得が交差した。

更にケンイチは続ける。

 

ケンイチ

「それに俺は…人間ではなくなったが、“心”は人間のままだ。」

 

リアス

「それはどういう意味なの?」

 

今のケンイチの言葉に、リアスは疑問に思い、問う。

 

ケンイチ

「それはな…

ウルトラマンは本来、“他の種族の心には干渉しない”んだ。

何故なら、ウルトラマンは“光その物”だから。」

 

朱乃

「えッ?ですけど、イッセー君も仰ってましたが、その言葉が本当ならケンイチ君もウルトラマンその物筈…どうしてなのですか?」

 

ケンイチ

「確かにそうだが、さっきも言ったとおり、俺は人間としての“心”を持ち続けている。

つまり俺は、

“光であり人である”ということなんだ。」

 

サーゼクス

「すまないケンイチ君、具体的に言うとどういう事なんだい?」

 

ケンイチの、今の言葉が理解できないサーゼクスやリアス達。

 

ケンイチ

「それはこういうことだ。“己の信じる正義を進む”と言うことだ。

現に俺は、今回のリアスの婚約は、決してリアスが幸せに成れるモノではないと考えていたからこその行動だ。

リアスが本当に幸せ成れるなら、

“介入しなかった”が、幸せになれないと確信したから

“介入したんだ”。」

 

サーゼクス、リアス達

『ッ!』

 

今の言葉に、漸くサーゼクスとリアス達は理解した。

ウルトラマンは光だから、本来他の種族に干渉はしない。

だがケンイチは、人間としての心を持っているから、こうして種族が違くとも、リアス達を…仲間を守る為に、闘う事が出来たのだと。

 

鋼賀

「(こんどはウルトラマンティガか…確かに、ケンイチはティガよりだと言えるだろうな。)」

 

ケンイチ

「それに何よりも、

俺は“この言葉”を胸にずっと実行してきた。俺が、お人好しと呼ばれる由縁かもしれないが。」

 

サーゼクス「?それは、どんな言葉なんだい?」

サーゼクスは、ケンイチの“言葉”の意味を聞いた。

 

 

ケンイチ

「“優しさを失わないでくれ、弱い者を労り、互いに助け合い、何処の国の人達とも、友だちになろうとする気持ちを失わないでくれ。

たとえその気持ちが…何百回裏切られようと”」

 

サーゼクス、リアス達

『ッ!?』

 

その言葉に、サーゼクス達は言葉がでなかった。

何度裏切られようと…弱きを助け、別の人種と友だちになるという心を、ケンイチは持ち続けているという事だ。

出なければケンイチは、リアスの未来を奪おうとしたライザーに怒りを露わにする必要は無かった筈である。

サーゼクス

「どうして、其処までの思いを持てるんだい?」

 

暫くして、サーゼクスは言葉を発した。

 

ケンイチ

「コレは、俺の“頭の中に雪崩れ込んだ幾つもの世界に居る別次元の俺の記憶”の言葉だ。

光の国の栄光あるウルトラ兄弟5番目の勇者、

“ウルトラマンエース”が、地球防衛の任務を終えて光の国に帰還する直前に人間…特に子ども達にその言葉を託したんだ。

その世界の当時の人間達は…あまりにも醜く、身勝手な人間達ばかりだったんだ。

彼の一つ上の兄に当たる4番目の勇者、

“ウルトラマンジャック”

も人間の醜い心を間近で見てしまっているんだ。なんでもかんでも、

“異星人は地球を侵略者しに来た”

という考えが全てであったが故に、

本当に有効的な異星人を殺してしまった最悪の事件があるんだ。

何しろその異星人は、最初は調査の為に地球にやってきたが、地球の大気に侵されて力を失っていき、遂には乗って来て隠した円盤を起動する事すら出来ない程に弱ったんだ。」

 

ケンイチの口から語られた、人間を救ったウルトラマンが、その過程で知ってしまった人間の残酷な心は、サーゼクス達にも衝撃を与えた。

 

ケンイチ

「そんな弱った彼だけど、一人の人間の少年との出会いによって、彼の運命を大きく変えたんだ。

少年は異星人だろうと無かろうと、彼を懸命に救おうとしたんだ。

自分の持てる全てを持って。

何時しか彼と少年の間には、星と星を越えた“親子”と呼べる程の絆になったんだ。

けど…人間の大人達は、決して彼を相容れず、なんの罪も犯していない上に、抵抗する力すら無かった彼を…一人の警官が放った凶弾によって殺されてしまったんだ…。

その当時、地球を防衛していたウルトラマンジャックは、酷く心を傷めたんだ。彼等は…“異星人=悪”を倒したと正義を気取ったから…。

何よりウルトラマンジャックは、近くいながら、その異星人を助けられなかった事が…一番悲しかったんだ。

ウルトラマンが人間を守るのは、人間があまりにも理不尽な災いから守るのであるのだが、それ以前に弱き者を助け、守るのがウルトラマンの本来の使命なんだ。だから彼を救えなかった事を、今も悔やんでいるんだ。」

 

リアス

「そんな…」

 

朱乃

「どうして…」

 

アーシア

「ひ…酷過ぎます…」

 

祐斗

「何も出来ない上に、身勝手な考えで…そんな…」

 

小猫

「…余りにも…残酷過ぎます…。」

 

ケンイチが語った人間の酷さを知り、途轍もない悲しみに覆われたリアス達。

 

サーゼクス

「けどケンイチ君、ソレでも彼らウルトラマンは人間を、守ったんだね?」

 

ケンイチ

「ああ。

残酷で醜い心を知っても…ウルトラマンは、“ソレだけ”が人間の全てじゃないと知っているからだ。さっき言ったように、彼に寄り添った人間が、いい例だからな。

そしてウルトラマンエースもまた、人間の醜く、身勝手な心を見てしまった。

とある強力な侵略者が、ウルトラマンエースを差し出せと人間に言ったんだ。

そして其奴が姿を眩ました後、人々の間でウルトラマンエースを差し出そうだなんて考えが大きくなったんだ。

何故なら、其奴は…“宇宙最強”を名乗れる程の実力を持っている奴なんだ。

そんな奴の恐ろしさを知ってしまえば、その当時の人間は、その考えが当たり前に成ったんだ。

それに、其奴によって親を殺された子どもも居たから、なおウルトラマンエース追放が大きく成ってしまったんだ。

けどそれが大きな間違いに気付いた時は、後の祭りと成ってしまった…。

其奴に立ち向かったウルトラマンエースは、奴の罠に嵌まり、敗れた。

敗北直前に彼は、SOSの信号を兄たちに送ったが、救援に駆けつけた兄たちもまた、ウルトラマンエース同様に…“生ける死体”にされてしまったんだ。」

 

サーゼクス

「“生ける…死体”!?」

 

リアス

「ど、どういう意味!?」

 

ケンイチの語った

“生ける死体”。

この言葉に、サーゼクス達もまた言葉を失う衝撃を受けた。

 

ケンイチ

「その意味は、相手をブロンズ像に変えると言うこと事なんだ。

故に、平和の守り神であるウルトラ兄弟をブロンズ化して捕らえた奴は、真の目的である地球侵略を開始しようとした。

けど、其処に…ウルトラ兄弟と地球、そして人間を救うために、ウルトラ兄弟の父、即ち

“ウルトラの父”

が駆けつけたんだ。」

 

朱乃

「“ウルトラの父”…。」

 

ケンイチ

「ああ…彼はまず、

ウルトラマンエースを救出したが、光エネルギーを失ったが故に、彼の光は失われたままだった。

その後ウルトラの父は奴に立ち向かったが、長き旅によって蓄積されていた疲労が爆発してしまい、彼もまた危機に陥ったんだ。

そのとき彼は、とんでもない行動に出たんだ。」

 

サーゼクス

「それはいったい?」

 

次の瞬間…ケンイチの言葉で、今までに無い絶句を受けるサーゼクス達。

ケンイチ

「それは…

“己(父)の命を、息子(エース)に繋げる”

事なんだ。」

 

サーゼクス、リアス達

『なッ!?』

 

この言葉にサーゼクス達は、絶句を余儀なくされた。

何しろ、“親が己の命を、子に繋げる”行為は…“子は蘇り、親は死ぬ”ということであった。

 

ケンイチ

「ウルトラの父によって復活したウルトラマンエースは、少ないエネルギーの中で怒濤の反撃に転じ、遂に其奴を撃破に成功したんだ。

そして彼は、兄達を復活させたが、自分達を救うために命を繋いだウルトラの父は…命を落としたんだ。」

 

サーゼクス

「なんという話だ…」

 

ケンイチ

「それ故にこの戦いは、人間達も観ていたんだ。そしてやっと自覚したんだ。

“自分達は恩を仇で返そう”

としていたと。

ウルトラマンとて、親を失えば悲しいんだ。

それが自分たちを救おうしたからこそ、尚更な。

その事を理解し、徐々に人間達は変化し始めたんだ。

そしてウルトラマンエースは、己の最後の戦いの後に、自分の犯した過ちが断ち切れる事を祈って…。」

 

サーゼクス

「“あの願い”を、人間達に託したということなんだね。」

 

ケンイチ

「ああ、その通りだ。」

 

漸く理解したウルトラマンが人間を愛し、守り続けた理由にリアス達もサーゼクスも、最早本当にウルトラマンが神じゃない確信出来た。

それ故に、ケンイチも同じ様にそのウルトラマン達の思いを自ら背負ってその力を行使しているのだと。

 

ケンイチ

「以上が、俺がリアス達を救うために戦った“真の理由”だ。」

 

サーゼクス

「とてもよく理解出来たよケンイチ君。

改めてありがとうを言わせてくれ。」

 

ケンイチの真の理由を聞いたサーゼクスは、深く頭を下げて、再度感謝の言葉を述べた。

 

ケンイチ

「頭を上げてくれ。

別に俺は感謝されたいんじゃないんだから。

ただ守りたかっただけだ。」

 

ケンイチの言葉にサーゼクスは頭を上げる。

 

サーゼクス

「けどやはり、それでは私の気が済まない。何か私の出来る範囲で君に御礼をさせてくれないか?」

 

サーゼクスは、ケンイチに恩返しをしたい為、なかなか食い下がらない。

 

流石のケンイチも此処までされれば無碍に出来ない。

 

ケンイチ

「なら聞きたい事がある。俺達が現れた事以外でここ最近、変わったことや、妙な噂とか無かったか?」

 

ケンイチはレーティングゲームの開始直後に、ザルバから教えられた邪気を探るため、バレないようにゴモラ達を使ってパトロールしたが、問題は無かったのだ。

そのために、外部からの情報を貰おうとしたのだ。

 

サーゼクス

「そういえば…最近こんな噂が上がっているのだが、良いかな?」

 

ケンイチ

「構わないさ。

どんな事なんだ?」

 

自分達の手掛かりに成るか否か不確定要素だが、可能性を賭けて聞いた。

 

サーゼクス

「三大勢力の間でも噂程度なのだが、

はぐれ悪魔の討伐や、天使側や堕天使側で危険人物となった者を断罪する“五人組”の人間なのだが。」

 

ケンイチ

「“五人組の人間”?」

サーゼクスの語られた内容は、ケンイチに大きな疑問を与えられた。

それは勿論涼太郎達とリアス達も同様である。

 

ケンイチ

「何か特徴とかはあるのか?」

サーゼクス

「特徴と言えば、

年齢的に言えば君達と同じくらいで、

一人は“少年”で、

後は“少女達”だったね。」

 

更に語られる謎の五人組の詳細。

お目当ての情報ではないが、興味深い情報なのは確かである。

 

ケンイチ

「他に何か特徴は?」

 

サーゼクス

「彼らを見た者達は、通り名としてこう呼んでいるよ。

『自由の翼(フリーダム)』、

『青き仁のくノ一』、

『流麗の舞威媛』、

『凍てつく狙撃手(スナイパー)』、

『閃光の雷切』

と呼ばれているんだ。

何か君たちと関係は無いかな?」

 

サーゼクスの口から語られた二つ名に、

ケンイチは考え込む。

 

ケンイチ

「(どういう事だ?

俺達以外にも“転生者”が居るのか?

それに…、

自由の翼(フリーダム)だなんて、俺には“G兵器”しか思い浮かばない。

あの“核エンジンを搭載したハイブリッドモンスター”かもしれない。

そして、

青き仁のくノ一…もしや…いや不確定要素が多過ぎる。

だが解るのは…俺達以外にも“転生者”が居るという事だな。)悪いなサーゼクス、せっかくの情報だが、俺達と其奴等は無関係かもな。」

 

サーゼクス

「そうか…ケンイチが知らないとなると、君の仲間達も…」

涼太郎

「ああ、お察しの通りだ。

申し訳ないなサーゼクスさん。」

 

鋼賀

「俺達も、初めて聞いたものだ。

すまない、魔王・サーゼクス。」

 

ケンイチ

「けど興味深い情報なのは確かだ。

この情報の新たな詳細が加わったら、なるべく俺達にも提供してくれると有り難いんだが。」

 

サーゼクス

「勿論さケンイチ君。最優先で君達の下へ届けよう。」

 

ともかく、コレでケンイチはサーゼクスの後ろ盾を得ることが出来て、情報収集の約束を快諾してくれたのだ。

 

ケンイチ

「じゃあサーゼクス、話題を変えて、俺の友とその妹にして俺の後輩、そして俺の妹を紹介しねえとな。」

 

ケンイチは新たな話題として、まだ紹介していない涼太郎と鋼賀、雪菜達の紹介に入った。

サーゼクス

「有り難い。

それと君達も“妹持ち”だったね。もしかしたら気が合うかもしれないね。」

 

ケンイチ

「どうだかな?

そんじゃ先ずは、

俺の妹の雪菜だ。」

雪菜

「雪菜です。

宜しくお願いします !」

 

サーゼクス

「こちらこそ、雪菜。」

 

ケンイチ

「で、俺の友、

左涼太郎とその妹の美琴。」

 

涼太郎

「改めまして、左涼太郎です。

またの名を、

仮面ライダーW及び、

仮面ライダージョーカーだ。

そんでもって、俺の妹。」

 

美琴

「美琴です。

宜しくお願いします!」

 

サーゼクス

「こちらこそ、

涼太郎君、美琴。」

 

ケンイチ

「最後は、同じく俺の友、道外鋼賀とその妹の翼だ。」

 

鋼賀

「ケンイチの紹介に与った魔戒騎士・道外鋼賀、黄金騎士牙狼です。

そして妹の。」

 

「防人にして、鋼賀お兄さまの妹、翼です。

どうぞ宜しくお願いします。」

 

サーゼクス

「こちらこそ。

それと鋼賀君、

“魔戒騎士”とは?」

サーゼクスが鋼賀の語られた魔戒騎士という単語に反応し、質問した。

 

鋼賀

「呼び名としては、ケンイチのウルトラマン、涼太郎の仮面ライダーと同じ総称だ。

そして魔戒騎士は人を闇より来る魔獣から守り、平和の為に戦ってきた者達さ。」

 

サーゼクス

「なるほど。

では涼太郎の仮面ライダーとは?」

 

納得したサーゼクスは次に涼太郎に仮面ライダーの事を聞いた。

 

涼太郎

「仮面ライダーは…元々“改造人間”にされた方が名乗ったモノさ。」

 

サーゼクス

「な、なんと!?

“改造人間”!?」

リアス達

『えッ!?』

 

涼太郎の語られた改造人間という単語に驚きを露わにする。

 

涼太郎

「しかもその人は、本当に凄く稀な人間で将来は約束されたも同然だった。

何せ、“IQ600”で、

“頭脳明晰”で“スポーツ万能”な

“文武両道”の凄い人なんだ。」

 

祐斗

「そんな人物がどうして改造人間に?」

 

確かに、そんな稀な人間が何故改造人間になったのか?

だが、次の涼太郎の言葉は新たな存在を呼び寄せる。

 

涼太郎

「その人は、“拉致”されたんだ。

悪の秘密結社

“ショッカー”にその才能を狙われてな。」

サーゼクス

「悪の秘密結社…

ショッカー…」

 

朱乃

「!?」

 

サーゼクス達は、涼太郎の悪の秘密結社ショッカーという組織に眉を細める中、只一人朱乃は驚愕していた。

そう、8年前…彼女を襲った宇宙人と怪人が多数の手下を引き連れて朱乃を攫おうとしたとき、怪人が手下をこう呼んでいた。

“ショッカー戦闘員”。

そして今理解した。

そのショッカー戦闘員は、涼太郎の言った悪の秘密結社ショッカーの戦闘員だという事を。

 

リアス

「ちょっと待って!

涼太郎、あなた

仮面ライダーは“改造人間”と言ったわよね?」

涼太郎

「確かにそうだぜ、

部長さん。」

 

リアス

「ということは…あなたも!?」

 

リアスの質問に朱乃達とサーゼクスも反応するが、涼太郎はこう返す。

 

涼太郎

「心配しなさんな、

俺は人間でさぁ。

なんせ俺の場合は、人間が科学の力を結集させた上で、仮面ライダーそのものがモデルだから。

そもそも仮面ライダーも、改造人間が全てじゃない。

始まりが改造人間となった人が名乗り始めて、その後を継ぐかのように現れ、次第には改造人間じゃなくても、仮面ライダーと名乗り、戦う者達も現れたのさ。」

 

小猫

「そうなんですか…。」

涼太郎の説明に納得した皆であったが!?

 

ザルバ

『オイ!俺様をスルーするな!鋼賀!ケンイチ!涼太郎!』

 

ザルバが乱入した!

 

サーゼクス

「なっ!?なんと!?指輪が喋った!!」

 

ケンイチ

「(この反応、意外と見飽きたな。)」

鋼賀

「(そう言うなケンイチ。何気に良い反応じゃないか。)」

 

涼太郎

「(そうそう。こうゆうのはお決まりだぜ。)」

 

サーゼクスの驚きを見て、ケンイチ達は各々思っていた。

 

サーゼクス

「鋼賀君、この指輪はいったい?」

 

鋼賀「魔導輪・ザルバ。

俺のパートナーで、邪悪を探しだす、

“心を持った”

探知機だ。」

 

ザルバ

『と言うわけだ。

俺様もよろしくな。』

 

カチカチとやかましい音を立てながら偉そうに喋るザルバに、サーゼクスは困惑しつつも了承した。

 

サーゼクス

「おっと、忘れる所だった。

これからリアスの勝利を祝ってパーティーを用意しているよ。」

 

ケンイチ

「そうか、ならイッセーを起こしとくか。」

 

サーゼクスの、リアスの勝利のパーティーを開くと聞いて、

ケンイチはアーシアの腕で眠り続けているイッセーに向かって歩き出し、

 

ケンイチ

「フッ!」

 

フラッシュプリズムを取り出して、ウルトラマンにもう一度変身して能力を行使する。

 

ウルトラマン

「シュワッ!」

 

カラータイマーに添えた右手をイッセーに突き出し、リライブ光線を放つ。

 

放ち終えた後は直ぐにケンイチに戻る。

そしてタイミングよくイッセーが目を開けたのだ。

 

イッセー

「あれ…俺は…?」

 

アーシア

「イッセーさん!」

 

イッセーが目を覚ました事で、アーシアは強く抱きしめた。

 

イッセー

「オワッ!?アーシア、苦しいよ…」

 

アーシア

「はわッ!?ごめんなさい!イッセーさんが無事で嬉しくて!!」

 

イッセー

「無事…?

ッ!そうだ!

レーティングゲームは!?」

 

アーシアの口から漏れた無事という単語から、レーティングゲームを導き出し、ゲームの行方を聞いた。

 

ケンイチ

「勝ちだぜイッセー。リアス達のな。」

 

イッセー

「本当ですか!?」

 

リアス

「正確に言えば…“ケンイチの御陰”よ。」

 

リアスの言葉に、イッセーは少しうなだれた。

 

イッセー

「そんな…結局俺は先輩に頼っちゃったのかよ…。

先輩に頼らないで、彼奴を倒すって、見栄を張ったのに…。」

 

と悔しそうにイッセーは若干涙を堪えているが、ポロポロ流れていた。

不甲斐ない自分を見かねたケンイチが現れ、ライザーを倒したと思っていたのだ。

それに気付いたケンイチは、イッセーの頭に、

 

ケンイチ

「よっと。」

 

イッセー

「いて。」

 

コツンと軽い拳骨を送り、こう言うのだった。

 

ケンイチ

「イッセー、忘れたのか?俺が戦い参加する理由を?

その条件が“お前に懸かっていた”のを。」

 

イッセー

「え?」

 

ケンイチ

「こりゃ完全に忘れてやがる。

良いか、イッセー?

どんな絶望の中でも、諦めない心を持って立ち向かう勇気を、お前は俺に見せてくれたじゃないか。

倍加が出来なくても、奴に立ち向かってみせた。

己の今持てる全てをもってして。」

 

イッセー

「あ…!」

 

漸くケンイチの言葉でイッセーは、自分の行動を思い出した。

倍加が出来なくても、ライザーに立ち向かった自分の事を。

つまりそのおかげで、ケンイチが現れ、イッセーを救い、ライザーを叩きのめし、リアス達を救った事を理解した。

 

イッセー

「先輩…俺…」

 

ケンイチ

「いいか?この勝利の功労者は、他でもないお前だ、イッセー。まあ、野郎が不正さえしなけりゃあ、俺が出る必要は無かったんだが、野郎が不正したために、俺の手で再起不能なった事は間違いないだろうな。」

 

イッセー

「やっぱり先輩は凄過ぎて適わないです…」

 

ケンイチの凄まじさを改めて知り、イッセーは頭が上がらなかった。

 

サーゼクス

「やあ、初めまして、赤龍帝・兵藤一誠君。」

 

するとタイミングを見計らって、サーゼクスがイッセーに声をかけた。

 

イッセー

「えっと…、先輩?部長?此方の方は?

髪の色からして、部長に似てるんですけど?」

リアス

「まあ、そこまで解ってて解らないなんて。」

 

ケンイチ

「たくぅ…、

リアスの“兄”、

魔王“サーゼクス・ルシファー”だっつうの。」

 

イッセー

「ウエエェェェッ!?まッ!?魔王様!?」

 

ケンイチの言葉にイッセーは飛び跳ねて、“ジャンピング土下座”を行った!?

 

イッセー

「はじ、はじ、はじ、初めまして!?

りりり、リアス様のぽぽぽ、兵士の兵藤一誠で御座います、魔王様!!」

 

明らか、動揺しまくりのイッセーである。

 

サーゼクス

「いやあすまない。

楽にしてくれて構わないよ。

しかし凄い運命だ。

伝説の二天龍の片割れである赤龍帝が悪魔陣営…それも我が妹の眷属になるとは。

そして君を鍛え上げた者が、其方に居るウルトラマン殿…いや、ケンイチ君に鍛えられたんだからね。

驚くなと言うのが無理な話さ。」

 

ケンイチ

「普通に考えりゃあそうだろうな。」

 

イッセー

「せ!?先輩!?

いくら何でも魔王様相手にそんなフランクな!?」

 

イッセーは、魔王相手にタメ口で話すケンイチにつっこむが、

 

サーゼクス

「気にしないでくれたまえ兵藤一誠君。

私個人としては寧ろフランクに接してくれた方が嬉しいだよ。」

 

ケンイチ

「それに、俺は年の近い相手に堅苦しい態度を取るのが苦手なんだよ。」

 

イッセー

「つまりお互いの利害が一致したということですね。」

 

ケンイチ、サーゼクス

『その通り。』

 

ハモる程に利害の一致が発生した為、イッセーは溜め息を漏らす。

 

ケンイチ

「取り敢えずイッセー、今からサーゼクスが用意してくれた会場に行くぞ。

リアス勝利の祝いと言うことで、飯だ。」

 

イッセー

「え?でも(ぐぅ~)あ…」

 

流石のイッセーでも遠慮しようかと思ったが、タイミング良く腹の虫が鳴ったのだ。

ケンイチ

「決まりだな!

案内宜しく、サーゼクス!」

 

サーゼクス

「了解したよケンイチ君。リアス達も構わないね?」

 

リアス

「は…はい、お兄さま。」

 

リアスも、ケンイチがここまで型破りでフランキーな男だとは、考えてもみなかった。

 

しかし皆さん思い出してください。

 

ケンイチ君はウルトラマン、光の勇者です。

対してサーゼクスは、四大魔王一角・ルシファーである。

即ち“勇者”と“魔王”の関係とも言える上に、お互いがフランキーな野郎だということである!!

 

という訳で一行は、パーティー会場へ向かった。

一方、異次元空間………

ヤプール

「全くメフィストめ、怪獣の死体の中に生きたままの怪獣を寄越すとは…。

死体さえあれば良いのだが、まあ良い。

奴らと戦わせて、倒した所が運の尽きだ。」

 

邪悪の権化である本物の悪魔・ヤプールの謀略が…迫っていた。

 

更に一方、冥界のとある場所にて…、

 

その場所2人の少女と1人の男の“人間達”が居た。

 

???

「まったくもう、彼奴ったらいつも面倒事に首を突っ込んでくれて…もう仕様がないったらありゃしないわ。」

 

???

「まあまあ、“紗矢華さん”落ち着いてよ。“シノン”も手伝ってよ!」???→シノン

「止めた所で止まらないわよ“キラ”。」

 

紗矢華

「そうよ!

私と“雪菜”だけじゃなく、“涼太郎達”や“鋼賀達”まで巻き込んじゃって!」

 

キラ

「だからヒートアップしてるから抑えてって!」

 

等と会話をしていた。しかも紗矢華と呼ばれる少女の口から、“涼太郎達”や“鋼賀達”、そして“雪菜”という名前が飛び出していた!

 

更に其処へ新たな少女が二人やってきた!

 

???

「こらこら、仲間内で揉めないの。」

 

???

「やっと“ケンちゃん”達の居場所を特定しんたんだから、

再開する前にそんなに揉めてたら呆れられちゃうよ?」

 

紗矢華

「あ、お帰りなさい。“ユカさん”、“刀華さん”。

でもですよ、“ケンイチ”ったら毎度毎度…」

 

ユカ

「だからもうストップ!」

 

刀華

「そういうのは、

“ケンちゃん”達に会ってから言ってね。けど程々してあげてね。“ケンちゃん”は罪悪感を感じやすいから。」

 

紗矢華

「解ったわよ刀華さん…。もう、覚えていなさいよ!“ケンイチ”!」

 

取り敢えず口論は静まったが、彼女達の口からやはり“ケンイチ”という名前も飛び出していた!

 

もしや関係者なのか!?更に刀華なる少女はケンイチを“ケンちゃん”と呼んでいた所をみると、かなり親しげである!

キラ

「すいません、助かりました、“浅野先輩”、“彩辻先輩”。」

 

ユカ

「なんかごめんね、“ヤマト君”。

貧乏くじ引かせた感じになっちゃって。“シノン”も、少しはヤマト君を手伝ってあげたら?」

 

シノン

「“姉さん”、私は被害を受けたくないだけなの。」

 

ユカ

「もう、可愛げが無いんだから。

そんなのじゃ、“涼太郎”に振り向いてもらえないわよ?」

 

シノン

「別に…そんなのじゃないわよ。」

 

刀華

「はいはい、もうこの辺にして、早く“ケンちゃん達”に会いに行きましょう。」

 

紗矢華

「そうですね、一発殴んないと気が済まないですよ!」

 

シノン

「取り敢えず、合流しないと始まりませんから。」

 

ユカ

「“ノア様”には本当に感謝しきれないし、ていうか3人とも信じらんない位のイケメンになってるっていう話だし。」

 

キラ

「それを言うなら、僕も同じですよ。

“女顔”の男子って、結構コンプレックスに成りやすいですし。」

 

刀華

「兎も角行きましょう。吃驚させてあげましょう。」

 

4人

『うん。(はい。)』

 

取り敢えず会話を終えた5人は、冥界にあるルシファード領へ足を運び出した。

果たして、彼女達は、ケンイチ達の関係者なのか!?

 

刀華

「(待っててね!

私の大好きな“恋人”のケンちゃん!)』

 

更に同じ頃、冥界の別の場所にて…、

 

???

「確か、この世界に“ケンイチ”さんと“ユッキー”達が居るんだよね?

“志緒”ちゃん。」

 

???→志緒

「そうね、“ノア様”の言葉通りなら、別行動中の“紗矢華”や“刀華”さん達ももう冥界に居る筈だしね。

ねえ“ラクス”さん、なんか今更だけどゴメンね?

本当なら“ヤマト”君と一緒の方が良かった筈なのに。」

 

ラクス

「いえ、そんな事はありません。

離れていても、私と“キラ”はずっと通じ合っておりますし、何よりも贅沢を言うつもりは有りませんから。」

 

志緒

「やっぱりどうもお嬢さまの家柄出身とは思えない位に、肝が据わっているわよね、“唯里”?」

 

唯里

「うん、見習わないといけない所が沢山有るよ、志緒ちゃん。」

 

先程の刀華達5人と同様の、ケンイチ達と関係があると思しき少女達が待機していた。

其処に…、

 

???

「唯里ちゃん、志緒ちゃん、ラクスちゃん、待たせてゴメンね。」

 

唯里

「あ、“葵”さん!

間に合いましたね!」

 

真剣を帯刀し、特効服を着用し、胸囲にサラシを巻いた、

朱乃に負けない青みがかかった黒髪を持つ大和撫子な少女が現れた。

 

志緒

「そんなに待ってませんでしたよ、葵さん。」

 

ラクス

「はい、まだまだ時間はコレからですから。」

 

「ありがとね。

そういえば志緒ちゃん、唯里ちゃん、ラクスちゃん、

“浅葱”に“庄一”君、“勝也”君は?」

 

唯里

「もう直ぐ来てもいい頃なんですけども…」

 

志緒

「まあ、わざわざ“浅葱”さんが前線でデータ収集しなくてもと思いますが、

“勝也”君はともかく、“庄一”はもしかしたら…」

 

等々、彼女たちが何やら話していると…?

 

ブロロロロロォォォォォォンッ!!

 

???

「ワアァッ!?

怖い!?落ちる!?

出過ぎ出過ぎ!?

スピード違反で逮捕されちゃいますよ!?

“庄一”さん!」

 

庄一

「しょうがないよ、“勝也”君!

遅刻したら急ぐのは当たり前でしょ!」

勝也

「遅刻したのは庄一さんが夜食のお弁当を皆の分作ってきたからじゃないですかぁ~!?」

 

此方に凄まじい速度で向かってくる一台のバイクと、そのバイクに跨がった2人の少年がやってくる!

 

ラクス

「あらあら、噂をすればなんとやらですね。」

 

唯里

「あはは、やっぱりお弁当作って来てたんだ。」

 

志緒

「はあ…庄一、夜食は要らないって言ったじゃない、全く。」

 

庄一

「いやいや志緒ちゃん、“腹が減っては戦は出来ぬ”だよ!

“備えあれば愁い無し”とも言うしさ。」

 

「まあ兎に角、後は“浅葱”よね。」

 

新たな少年、庄一と勝也が来た事で、最後の1人を待つ六人。

そして…。

 

???→浅葱

「ごめ~~ん、遅れちゃった!?

もう何気に冥界広過ぎよ、もう!」

 

最後の少女が現れた。

 

「あ、きたきた。」

勝也

「あ、“暁”先輩!」

 

庄一

「“浅葱”さん!

遅かったですね。

何か調べてましたか?」

 

浅葱

「まあね、色々と此処が珍しいからね!つい寄り道して来ちゃった。」

 

志緒

「浅葱さんも相変わらずですね。」

 

唯里

「それじゃあ全員揃った事ですし、葵さん、生きましょう。」

 

「そうね、それじゃあ早いとこ、刀華達と合流して、“ケンイチ”達の下に行きましょう。」

 

浅葱

「ええ。」

 

唯里達

『はい。』

 

やはり、彼等もケンイチ達と関わりが有るようだ!

枝分かれした道が、一つになろうと言うのか?

答えは、ケンイチ達しか知らない…。

 

ズデッ!!

 

勝也

「痛いッ!!」

 

庄一

「あ、大丈夫、勝也君?」

 

勝也

「だ、大丈…ギャアアアアッ!!

顔が汚れた!?

近くに!?近くに湖が在った筈ッ!?」

 

庄一

「勝也君、そんな大袈裟な。」

 

志緒

「はあ…幾ら彼が年下でも、情け無いわね、“潔癖症”だなんて。」

 

唯里

「もうちょっと、しっかりして欲しいかな、“ウルトラマンゼアス”」

 

ラクス

「あらあら、困りましたわね?」

 

 

葵、浅葱

『はあ、先が思いやられるわ…。』

 

つづくッ!!

 




次回予告
(ザルバナレーション)
[BGM:牙狼~SAVIOR IN THE DARK~]

遂に決着が着いたレーティングゲーム!
だがその平和も一瞬、嘗て無い最悪が降りかかる!!

大変だ!!怪獣軍団と大ショッカーの襲来だ!!

マズいぜ!?
ヤバいぜ!?
ピンチの連続に、
ウルトラマンが!?

次回!新章突入!
襲来!異次元の悪魔・ヤプール編第一章!
[激突!ヤプール軍団VSパワード軍団]!!

ゴモラ達!!闘ってくれるのか!?

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