ハイスクールヒーローズ-THE ULTIMATE HERO'S-   作:絶狼ゼロ

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OP
ウルトラマンパワード



ED
Rebirth-day


※滅茶苦茶グダグダ感があります。

お許し下さい
『土☆下☆座』!


第9話 禁じ手-バランス・ブレイカー-

特訓を始めてから、3日が経った日の朝……。

 

その中で“ある異変”が起こった。

 

ケンイチ

「…………………」

 

櫂ケンイチは今、ある修羅場に直面していた。

 

いや、ある意味では修羅場と言えるだろう。

 

リアス

「ねえケンイチ?

私の胸に、あなたの顔を埋めてみたくないかしら?」

 

朱乃

「あらあら?リアス、ケンイチ君に何を誘惑しているのかしら?男の子は胸が大きい女性が大好きですのよ。ねえケンイチ君?」

 

 

ケンイチ

「いやおい!

ちょっと待て!

突然どったの!?

なんで俺、迫られてるの!?」

 

涼太郎、鋼賀

『プックックックックックックック(堪えた笑)』

 

祐斗

「ケンイチ先輩、なんだかすごいですね。」

 

イッセー

「あ゛~はぁ~!?なんで先輩ばっか!?(泣き崩れ)」

 

アーシア

「い、イッセーさん……(泣)」

 

小猫

「ケンイチ先輩って……歩くフラグメーカーですか…?

雪菜さん?」

 

雪菜

「まあそれなりにね。お兄ちゃんてば、思いの外女の子を殺しにかかる程のフラグメーカーなの。」

 

美琴

「確か中学の頃だったかな?先輩ってね、勝手にフラグを立たせておいて、自分はそのフラグを信じない質だからね~。」

 

「故に、ケンイチさんの虜になった色々な女の子達は、バッサリ断られたの。

そしてケンイチさん曰く、

“心から自分を理解してもらえる人且つ同い年の女の子じゃないと付き合わない”と、自分から決めているということなの。」

 

小猫

「そうなんですか…。」

 

周りは傍観者に徹するなり、笑いを堪えたり、悔しがる者達に分けられた。

 

ケンイチ

「クソッ!?

なんで俺はこんな事になってる!?

雪菜!!助けて!!」

 

ケンイチ君、

まさかの妹に助けを求めた!

 

雪菜

「ハァ、仕方ありませんね。お兄ちゃん。」

 

ケンイチ

「おッ!!」

 

ケンイチは雪菜が助けてくれると思い、希望を膨らませるが…

 

雪菜

「早く“お義姉ちゃん”をどちらにするか決めて下さい!」

 

なんと雪菜の放った言葉は、ケンイチを地獄に突き落とすモノだった!!

 

ケンイチ

「待て待て待て待て待て!?雪菜!!おまッ!?何を言ってやがる!?」

 

まさかの妹の裏切りに、ケンイチはテンパる!!

 

涼太郎、鋼賀

『ケンイチ………………ご愁傷様です(笑)!』

 

ケンイチ

「オイィィィィッ!?涼太郎!?鋼賀!?心友を裏切るかぁぁぁぁッ!?」

更に心友の裏切りにも合い、

 

リアス

「さあケンイチ?

私が一番でしょう?

 

朱乃

「私ですわよねケンイチ君?

なにせ、リアスより私の方が胸は大きいですからね。」

 

ケンイチ

「いやだから!?

なんでそうまでして俺を誘惑するんだ!?勘弁してくれ!?」

 

雪菜

「お兄ちゃん、“ヘタレ”はダメですよ?(兄の反応を楽しみながら)」

 

ケンイチ

「不幸ダァァァァ!?」

 

ケンイチ君、本当にご愁傷様(笑)でございます…。

 

二大お姉さまにモテており、更には可愛い妹まで居るのだからね~。(ニヤニヤ)

 

ケンイチ

「(ピコーン!!そうだ!この危機?を脱出するには、コレしかない!!)

ああ!そうだ!!

イッセー!!

特訓を始めるぞ!!」

 

イッセー

「え?いやでも先輩?」

 

ケンイチ

「問答無用!?

行くぞォォォッ!!」

 

ガシッ!!

(リアスと朱乃の波状攻撃から脱出し、イッセーの首根っこを掴む)

 

イッセー

「ええッ!?ちょっと!?先輩!?あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!?」

 

ケンイチは、誘惑と言う名の波状攻撃から逃れるため、特訓を始める為にイッセーを捕まえ、外へ出た。

 

一言で言うなら…………ヘタレッ!!(笑)

 

リアス

「ちょっとイジメ過ぎたかしら?」

 

朱乃

「うふふ、ケンイチ君てば、ワイルドで熱い性格なのに、意外にウブなのですね?」

 

雪菜

「もう、お兄ちゃんてば、ヘタレです。」

 

ケンイチはイッセーを連れて行ったが、

リアスと朱乃にはからかわれ、雪菜にはヘタレと言われていた。

 

 

そしてそのケンイチは、イッセーと共に広場に居た。

 

ケンイチ

「ふう~。あぶねぇあぶねぇ!!

ウルトラマンが美女の誘惑に負けちゃあ、ウルトラマンを名乗れなくなっちまう所だったぜ。」

イッセー

「先輩…羨ましいです…。部長と朱乃さんにあんな事を言われながら迫られるなんて…ハーレム王の道は遠いなぁ…。」

 

ケンイチの光景を見ていたイッセーは、羨ましく思っていたが、ケンイチはこうアドバイスするのだった…。

 

ケンイチ

「イッセー…ハーレムなんて望むなよ。」

 

イッセー

「何故ですか先輩?ハーレム王の何が悪いんですか!?」

 

ケンイチ

「ハーレムになっちまったら…“ヤンデレ”が、起こるからだ…。」

 

イッセー

「や、ヤンデレ?」

 

ケンイチ

「そうだ。

ヤンデレとは…自分の大好きな人を殺したくなる程デレてしまって病んでしまう事。下手をすれば、色々な人達に危害が発生するほどのモノだ…。」

イッセー

「な゛ッ!?

ほ、本当なんですか!?」

 

ケンイチ

「十中八九な…。

特に…雪菜は無いかも知れないが、主に妹が過剰な程ブラコンなら特に有り得るからな…。」

 

イッセー

「そうなんですか…。諦めようかな…?」

 

ケンイチのアドバイスを聞いたイッセーは、己の欲望を諦めるか否か迷った。

 

その時!!

 

ドックンッ!!

 

イッセー

「グワッ!?」

 

ケンイチ

「ッ!?どうしたイッセー!?」

 

イッセー

「解りません!?

急に左手が、燃えるように熱いです!?」

 

ケンイチ

「(もしや!?)………イッセー、その状態で

ブーステッド・ギアを起動させるんだ!」

 

イッセー

「え?どうしてですか?」

 

ケンイチ

「いいから早く!!」

 

イッセー

「はッはい!?

ブーステッドッ!ギアッ!!」

 

ケンイチに言われるがまま、ブーステッド・ギアを起動させたイッセー。

 

するとケンイチは?

 

ケンイチ

「やはりか…。」

 

イッセー

「先輩?何がですか!?」

 

ケンイチ

「今ブーステッド・ギアは、“強い力”に反応してやがる!」

 

イッセー

「強い力?まさか先輩の力に!?」

 

ケンイチ

「ああ。俺の、いや正確に言えば、

ウルトラマンの力に反応してやがる!」

 

なんとイッセーのブーステッド・ギアが、ケンイチに宿る

ウルトラマンの力に反応していたのだ!

 

ケンイチ

「(やはり“あれは”タダの夢ではなかったのか!?)

イッセー!

その状態を維持しろ!いいな!」

 

イッセー

「でも先輩!熱いです!?すげぇヤバい程に『俺を信じろ!』ッ!?わ、解りました!。」

 

イッセーは、ケンイチの言うとおり、その状態を維持する。

 

ケンイチ

「よし、後は任せろ!」

 

そう言うとケンイチは、フラッシュプリズムを取り出して点火させ、

ウルトラマンに変身した!

 

ウルトラマン

「シュワッ!」

 

するとイッセーのブーステッド・ギアが、更に強く反応する!

 

イッセー

「ぐうぅぅぅぅ!?」

 

ウルトラマン

「イッセー、

少しブーステッド・ギアに触れるぞ。」

 

イッセー

「どうするんですか!?」

 

イッセーの問いにウルトラマンは答えた。

 

ウルトラマン

「直接俺の精神を、ブーステッド・ギアに潜り込ませて、

“ウェルシュ・ドラゴン”と話をつけてくる!!」

 

イッセー

「ウェルシュ…ドラゴン!?」

 

ウルトラマン

「そうだ!

お前の中に宿るもう一つの魂だ!」

 

イッセー

「…解りました!

お願いします!」

 

ウルトラマン

「ああ!行くぞ!」

 

ケンイチは意識を集中させ、ブーステッド・ギアに精神を突入させた。

 

ウルトラマン

「此処か…奴が居る場所は?」

 

イッセーの精神世界の中で、唯一炎の包まれた空間が存在しており、ウルトラマンは其処に突入した。

 

すると!?

ドライグ

「最近感じていた強い力の波動は貴様だったか、ウルトラマン!」

 

ウルトラマン

「ッ!赤龍帝ドライグ!」

 

遂にウルトラマンは、ドライグとご対面した!

 

ドライグ

「随分懐かしいなぁ。それで、何のようで俺の宿主の中に入って来た?」

 

ドライグがウルトラマンに問いただす!

 

ウルトラマン

「その前にドライグ!聞きたいことが有る!」

 

ドライグ

「何だ?」

 

ウルトラマン

「何故イッセーの左腕が“ドラゴン化”している?答えろ!」

 

ドライグ

「さあな?」

ウルトラマン

「とぼけるな!

お前は強い力には反応する奴だ!

そうじゃなかったら、イッセーは熱さに苦しむ筈がない!」

 

ウルトラマンは逆にドライグに、イッセーの異変を問いただしていた!

 

ドライグ

「…やはり貴様だけは、欺けないか。

答えは単純だ。

俺の相棒は貴様の特訓を受けた後も、実は自主トレしていたものでな。

思いの外、相棒の急成長に驚いたぜ。

だが相棒には俺の声が聞こえていない。

あのままじゃ、俺の力を存分に引き出せない。

だから無理矢理にでも、“俺の声を届かせよう”としていたものでな。」

 

ドライグは、ウルトラマンの問いにそう語った。

ウルトラマン

「そう言うことか…。

なら、俺が彼奴に呼びかける。

その後で、俺が此処に来た要件を話す。

いいな?」

 

ドライグ

「可能なのか?」

 

ウルトラマン

「俺を誰だと思ってやがる。」

 

ウルトラマンは、一度ドライグから離れて、イッセーに呼びかけた!

 

ウルトラマン

『イッセー!聞こえるか!』

 

イッセー

「えッ!?先輩の声が!?どこから!」

 

ウルトラマン

『イッセー!今俺は精神世界からお前に呼びかけている!!』

 

イッセー

「なるほどそういうことですか。

それで先輩、どうしたんです?」

 

イッセーは、

ウルトラマンが突然呼びかけに驚いたが、ウルトラマンの説明に納得し、何事かと聞いた。

 

ウルトラマン

『イッセー。

今から俺の言うとおりに精神を統一させて、お前自信の精神世界に来い。』

 

イッセー

「わ、解りました…。で、どうすれば?」

 

ウルトラマン

『まず一切の雑念を捨てろ。そして、心を無にし、精神を統一させるんだ。

その後は、俺がサポートする。』

 

イッセー

「は、はい、やってみます!」

 

イッセーは、ウルトラマンに言われた通りに雑念を捨て、一切の欲を封印して、精神を統一した。

そして…

 

ウルトラマン

『良し。見えた!』

 

ウルトラマンは、精神体となったイッセーを見つけ出した。

 

そしてそのイッセーに触れた。

 

イッセー

「ウオッ!?先輩!?」

 

ウルトラマン

「こんな事で吃驚するな。

取り敢えずついて来い。」

 

いや、無茶苦茶な事を言っちゃアカンよ!

 

ともかくイッセーがウルトラマンに言われるがままについて行った。

 

ウルトラマン

「連れてきたぞ、ドライグ!」

 

イッセー

「オオッ!?

此奴が、部長達の言ってた伝説のドラゴン!?」

 

ドライグ

「漸くまともに会話が出来たなぁ、“相棒”。」

 

イッセー

「あ、“相棒”って…まあ一応一心同体な訳だし…ま、良いか。」

 

イッセーは遂に、ドライグとご対面を果たした。

 

ドライグ

「そしてウルトラマン、お前は俺に何のようだ?」

 

イッセーが自分と会話が出来たため、本題であるウルトラマンが来た理由を、ドライグが聞いてきた。

 

ウルトラマン

「ならば聞くぞ?

今のイッセーなら、

“バランス・ブレイク”が出来るのか?」

 

イッセー

「バランス…ブレイク?何ですかそれ?」

 

ウルトラマンの問いは、セイクリッド・ギアの最終形態、

 

『禁じ手(バランス・ブレイク)』

 

であった!

 

ドライグ

「ほう?

面白い質問だな、

ウルトラマン。」

 

ウルトラマン

「答えろ!

今のイッセーならば可能なのか!?」

 

ウルトラマンの問いに、ドライグはこう答えた。

 

ドライグ

「流石にソイツは無理だ。

バランス・ブレイカーは、所有者が

“劇的”

な変化に遭遇しない限り不可能だ。

だが、俺達ドラゴンはある意味では例外だ。」

 

ウルトラマン

「例外…だと?

まさかと思うが、

所有者に対して、

“対価”を

求める訳じゃ無いよな?」

 

ドライグの例外という言葉に反応した

ウルトラマンは、まさかと言いながら問う。

 

ドライグ

「その“まさか”だ、ウルトラマン。

俺のように、ドラゴンの意思が宿った神器には、その神器所有者とドラゴンが取引を行い、所有者に力を与える代わりに、その所有者の体の一部をドラゴン化する事で、制限時間は付くが、

バランス・ブレイカーになることは可能だ。」

 

イッセー

「あのォ、先輩?

話が見えないのですけど?」

 

イッセーは、ドライグとウルトラマンの会話についていけずにいた。

 

ウルトラマン

「イッセー…。

解りやすく言うとだな…お前の身体の一部をコイツに差し出す事で、お前は強くなるって事だ。」

 

イッセー

「つッ!強くなれるんですか!?俺が!?」

 

ウルトラマン

「ああ…。

だがそれには条件、

即ち取引が必要だ。」

 

イッセー

「取引…さっき言っていた対価って奴ですよね?」

 

ウルトラマン

「そうだ。

もしお前に、元に戻らないという覚悟を受け入れるならば、お前は強くなれる。

だが…言葉の通り…対価を支払えば…身体の一部はドラゴン化して、二度と元には戻らない。その覚悟が有るか?イッセー!」

 

ウルトラマンの説明を聞いて、イッセーは、よく考えた。

 

今此処で飛躍的強くなることが出来るが、その代償に自分の身体の一部がドラゴン化していく。

もしかしたら何時の日か、

“自分が自分で無くなる”

可能性が大きくなるのだ。

 

だが、イッセーが此処であることを思い出した。

 

イッセー

「(此処で俺が強くなれるなら…!

待てよ、確かあの時、グレイフィアさんがあの焼き鳥野郎の伝言もらった時、

アイツの眼中には、先輩しか映ってなかった!

それに、先輩は言ってた。

先輩達が助けてくれるのは、俺達が必死になっても駄目なときに助けてやる!

って。

だったら、俺は先輩の弟子として、先輩の手を煩わせる事なく、焼き鳥野郎を倒せれば!)」

 

イッセーは決心した。

取引の代償はヤバいが、もしそれで強くなれるなら、ケンイチの手を煩わせる事なく、リアスを守ることが出来る。

だったら迷わない!と。

 

イッセー

「先輩…。決めました!

俺、ドラゴンと取引します!」

 

ウルトラマン

「ッ!?イッセー!

良いのか!?」

 

ドライグ

「ほう?案外潔いなぁ?相棒、何がお前をそうさせた?」

 

イッセーの言葉に、

ウルトラマンは驚き、ドライグは意外だという感じであった。

 

イッセー

「俺…思ったんです。

俺は確かに先輩達はおろか、部長や朱乃さんに小猫ちゃん、そして木場や雪菜ちゃん達に比べれば、明らか弱いって事を。事実ライザーの眷属にいきなり負けました。

しかも部長達から聞いたんです。

あの時、先輩は俺の為にライザーの眷属をぶっ飛ばした上に怒りを露わにしたって。俺、その時こう固めたのです。

“先輩の手を借りる事なく、ライザー倒せれば!”って。

それに先輩は、俺の為に特訓メニューをを考えてくれました!俺が先輩に恩を返せるのは、

“俺が強くなって、ライザーを倒す!”

だって解ったんです!」

 

ウルトラマン

「イッセー、お前…。」

 

イッセー

「だから、覚悟は出来ています!」

 

ドライグ

「良い覚悟じゃねぇか相棒。

どうするよ、先輩殿?」

 

イッセーの大きな覚悟に、ドライグは感服した!

そして…ウルトラマンも同じだった。

 

ウルトラマン

「イッセー…俺がお前にとやかく言うのは間違っているから言わないがコレだけは言わせてくれ…

“悔いの無い生き方をしろよ。”」

 

ウルトラマンは、

イッセーの覚悟を尊重した!

 

イッセー

「先輩…!

ありがとうございます!!」

 

ドライグ「なら取引を始めるか?」

 

ドライグがイッセーと取引を開始しようとした。

 

ウルトラマン

「その前にドライグ、最後に質問だ。」

 

ドライグ

「何だウルトラマン?まだ有るのか?」

 

ウルトラマンが最後の質問をドライグにしてきた。

 

 

ウルトラマン

「取引でイッセーが

バランス・ブレイカーを発動したとき、今のイッセーの体力で制限時間は最大幾つだ?」

 

そう、制限時間である。

いくらバランス・ブレイクが出来たとしても、それは不完全の力である為、制限時間が掛かるのだ。

 

正に、一部を除く宇宙人系列の

ウルトラマンが、

地球ではその本来の姿が3分間しか

維持できないのと同じである。

 

ドライグ

「そうだなぁ。

今のままじゃあ

長くても“1分間”が限界だ。」

 

イッセー

「短ぇ!?」

 

ウルトラマン

「長くてもか…残りの日数で鍛え抜けば、制限時間も上がるか?」

 

ドライグ

「そりゃあ当たり前だ。

お前さんが相棒に与える特訓の課題は凶悪と言える程のモノだ。

オマケに相棒は夜中にまで独自の特訓をしてやがるから、意外と期待できるぞ?」

 

ウルトラマン

「そうか。

解った、俺からはもう何も無い。

イッセー、後はお前だ。」

 

イッセー

「でもまあ、先輩の地獄特訓を乗り越えれば良い話だし。

それに先輩!

もう覚悟は決まってます!」

 

ウルトラマン

「解った。ならば俺は現実世界で待っているぞ?」

 

そういうとウルトラマンは、光となりて消えた。

 

そこに残ったのは、

イッセーと赤龍帝ドライグだけだ。

 

イッセー

「じゃあ、取引しようぜドラゴン…いや、

ドライグ!!」

 

ドライグ

「良いだろう相棒。

ウルトラマンじゃないが、後悔するなよ?」

 

そういうとイッセーは、ドライグに触れて取引を始めた。

 

 

そして、現実世界にて…

 

ウルトラマンはケンイチに戻っていた。

 

ケンイチ

「………………」

 

ケンイチは1人待っているのもなんだから、その場で座禅をしていた。

 

ケンイチ

「………………」

 

暫く座禅をしていると、ケンイチに異変が!?

 

(座禅による精神世界)

 

リアス

「あん!ケンイチ~。私と貴方で、“合体”しないかしら?(精神世界のリアスがケンイチに乗っかる)

 

朱乃

「あらあらリアス?何をしていらっしゃるのかしら?ケンイチ君と“合体”するのは、私でしてよ?(精神世界の朱乃がリアスを引っ剥がし、朱乃がケンイチに己の胸を押し付けて乗っかる)

ケンイチ

「グッ!?オワッ!?や、止めろ、止めろリアス!朱乃!俺を誘惑するな!?」

精神世界のケンイチは、抵抗しようとするが、相手がいくら悪魔といえど

“女の子”。

 

人間として生きるだけでなく、ウルトラマンとして生きる

ケンイチにとって、

手を出せば、

いくらリ・イマジネーションといえど、

ウルトラマンを名乗れなくなってしまう!

 

リアス

「ちょっと朱乃!?

いくら親友でも

遠慮ってものが有るでしょ!?」

 

朱乃

「あらあら?

真剣勝負に遠慮は禁物ですわ?

王(キング)ともあろう方が何を不抜けた事を?」

 

ケンイチ

「お、おい…俺を無視するな!?」

 

精神世界なのに明らかにケンイチを取り合っている。

おまけにリアスと朱乃のケンイチ争奪戦はヒートアップ所か、デッドヒートしていた!

 

リアス

「何よ!

朱乃のおたんこナス!!」

 

朱乃

「あらあら?

ならリアスは全裸で寝る変態な痴女ですわね?ウフフ。」

 

リアス

「な゛ッ!?

それは貴方も同じじゃない!?」

 

ケンイチ

「いや、せめてそこは嘘でも否定しろよ。つうか俺を無視するな!?」

 

ケンイチ争奪戦は、更にデッドヒートを重ねていく!

 

リアス

「こうなったら、

ケンイチ!私を選びなさい!」

 

朱乃

「あらあら?強行手段に出ましたか?

ケンイチ君、

私が一番ですわよね?」

 

リアス

「私に決まっているわよねケンイチ!!」

 

ケンイチ

「止めてくれェェェェェェェッ!?」

 

超絶美女の二大お姉さまが、己の特大の胸を寄せながら、ケンイチに迫る!!

 

最早万事休すか!?

 

現実世界…………………

 

 

イッセー

「先輩?先輩?

(ケンイチの肩を揺らす)」

 

ケンイチ

「ウオッ!?……………あれ?なんだ?夢か?ああ助かったぁ。」

イッセー

「先輩大丈夫ですか?かなり魘されてましたけど?」

 

座禅していた筈が、いつの間にか寝ていたケンイチだが、

イッセーが起こしてくれたのだ。

 

ケンイチ

「いやあワリィな

イッセー。助かったわ。」

 

夢と言えど美女達に問答無用で誘惑されていたとは言えないケンイチ君だった。

 

ケンイチ

「そうだイッセー、

取引は?」

 

イッセー

「決まりました!

俺の“左腕”を完全に差し出して、一時的にバランス・ブレイカーになれます!」

 

ケンイチ

「そうか。もう後戻りは出来ないからな?」

イッセー

「先輩、それは覚悟の上です!」

 

 

ケンイチの言葉に、

イッセーは真面目な顔で、力強く意志を示した。

 

ケンイチ

「よし!

ならば始めるぞ!

早速、発動するんだ。

未完成だが

“バランス・ブレイク”を!」

 

イッセー

「はい!先輩!

行くぞドライグ!!」

 

ドライグ

『良いだろう相棒。試運転だ!』

 

ブーステッド・ギア

『ウェルシュ・ドラゴンッ!

オーバーブースターッ!!』

 

イッセーの言葉に、ドライグは応え、

光と力がイッセーの体を包み込む!

 

全身が左腕の

ブーステッド・ギアみたいに、真っ赤に燃え上がる炎の如き鎧に、体の所々に魔力の塊と言える緑の宝玉が付いており、

頭部は正しくドラゴンと言える程の厳ついモノだった!

 

イッセー

「コレが未完成だけど、俺のバランス・ブレイカーモード!!

 

“ブーステッド・ギア!スケイル・メイル!”

 

だぁッ!!」

 

力強くイッセー言い放った!

 

ケンイチ

「(完成型は確か、ドラゴンの羽がある筈だが、贅沢はいえねぇな。)

よし、ならばイッセー!

 

お前に出来るかどうか解らないが、お前に“一撃必殺技”を伝授してやる!」

 

イッセー

「えっ!?

本当ですか先輩!?」

 

突然のケンイチの言葉に驚いたイッセーだが、ケンイチは構わず続ける。

 

ケンイチ

「ああ。

仮に覚えたとしても、最後の最後まで必ず取って置け。

今のお前には、正に

“切り札”だからな!」

 

イッセー

「解りました!

で、どうすれば?」

 

ケンイチ

「先ずは、ギアの力でパワーを上げろ!

先ずは十回!

時間もない!」

 

イッセー

「はい!

行くぞドライグ!!

ブーストッ!!」

 

ブーステッド・ギア

『ブーストッ!!』

 

ケンイチに言われた通りに、イッセーはパワーを溜める!

 

そして十回目…。

 

イッセー

「ブーストッ!!」

 

ブーステッド・ギア

『ブーストッ!!』

 

ケンイチ

「どうだイッセー?

たったの3日間で、

自分がパワーアップしているのが解るだろ?

俺の修行を受けなかったら、此処までパワーは付けられなかったぜ!」

 

イッセー

「すげぇ。

バランス・ブレイクの恩恵があるとは言え、こんなにパワーアップが出来るなんて!」

 

ケンイチ

「よし!じゃあ本題だ!」

 

イッセー

「はい!先輩!」

 

パワーを溜めた所で遂に本題に入った。

 

ケンイチ

「先ずは右腕を前にして、両腕を胸の前でクロスさせろ。

その後に、左腕のギアにエネルギーを集中させろ。」

 

イッセー

「はい!」

 

イッセーはケンイチに言われた通りにポーズを取り、

エネルギーを集中させた。

 

ケンイチ

「次に、左腕を左の腰に持って行き、体勢を低くしろ。」

 

イッセー

「はい!」

 

ケンイチの指示により新たな構えを取るイッセー。

 

皆さんお気づきでしょうか?

ケンイチ君がイッセー君に与えようとしている

必殺技の“モデル”が?

 

ケンイチ

「よし!次で最後だ!

頭でイメージしろ。

左腕を突き出してエネルギーをビームとしてぶっ放せ!

解らなかったら、

俺のスペシウム光線を思えばいい!」

 

イッセー

「左腕を突き出して…エネルギーを解放し…先輩のスペシウム光線のようなビームを…ぶっ放す!!」

 

ブーステッド・ギア

『エクスプロージョンッ!!』

 

イッセー

「どわあぁぁぁぁッ!!」

 

ギアの音声と共に、

イッセーは左腕を突き出した!

 

次の瞬間!

 

突き出した左腕から、一直線に強烈な魔力の光線が発射された!

 

それは、彼の持つ技、

“ドラゴン・ショット”

を明らかに上回るモノだった!

 

その一撃は、木々を凪払うかのように突き進み、山頂に直撃した。

 

イッセー

「ハァ、ハァ、ハァ、」

 

ブーステッド・ギア

『ブラストッ!』

 

イッセー

「えっ?何だって?

ウオッ!?」

 

魔力の光線を発射してから少し間を空けた後、ブーステッド・ギアから聞き慣れない音声が出た瞬間、バランス・ブレイクが強制解除された。

 

イッセー

「身体が動かねえよ、先輩?どうなってんだ?」

 

ケンイチ

「(まだまだだな)

率直に言えば、

修行が足りん!だな。

今の強力な一撃に、魔力は足りても、

体力が足りないという事だ。」

 

イッセー

「くっそぉ。

まだまだかぁ。」

 

イッセーは己を悲観するが、ケンイチは“こんな”言葉を贈った。

 

ケンイチ

「そう悲観するなよイッセー。

俺は吃驚したぞ?

まさか一回言っただけ

“ウルトラマン”の技を会得した奴を。」

 

今のケンイチの言葉に、イッセーは耳を疑った!

 

そう、ケンイチが授けた技は、

ある“ウルトラマン”の技だった!

 

イッセー

「えっ!?

い、い、今の技って、

先輩の技なんですか!?」

 

ケンイチ

「いやそう言う意味じゃなくて、

“ウルトラマンの1人の技”をだ。

さっき教えた技は、

“ウルトラマンメビウス”という、

ウルトラの星の中でも、義理堅く、とても厚く、勇気と絆で結ばれた栄誉ある称号、

“ウルトラ兄弟”

の1人でな。

そんでお前に教えた技のオリジナルを持つのが、

彼なんだ。

技名は

“ライトニング・カウンター”、及びゼロ距離で放つ

“ライトニング・カウンター・ゼロ”

だ。

彼はこの技を

左腕にあるブレスからエネルギーを解き放ち、左腕を突き出して、ライトニングの名の通り電撃のビームを遠距離とゼロ距離で放つモノだ。

前者は強烈なダメージを与えたが、

後者は全身頑丈な鎧で出来た怪獣を撃破した程のモノだからな。」

 

ケンイチの説明に、

イッセーは驚かざるを得ない!

 

イッセー

「お、俺そんな凄い人の技を会得したんですか!?」

 

ケンイチ

「ああ、丁度お前のブーステッド・ギアも左腕だからな。

丁度良いと思ったからだ。」

 

イッセー

「ありがとうございますッ!!先輩!!

俺、更に精進したいです!」

 

ケンイチ

「良し!じゃあ少し休憩したら、また特訓だ!

次は近距離戦闘の特訓だからな!」

 

イッセー

「はい!」

 

イッセーはケンイチから学んだ新たな技と共に、更に強くなることを決意した!!

 

とそこへ?

 

リアス

「ケンイチ!?

イッセー!?

一体何かあったの!?

尋常じゃないほどの魔力を感じたと思ったら一部が焼け野原になっているじゃない!?」

 

リアスがイッセーの尋常じゃない魔力に反応してやってきたのだ。

 

ケンイチ

「リアス!

いやなに、イッセーに“切り札”を伝授したんだ!

一撃必殺を。

な、イッセー?」

 

イッセー

「はい!

部長!先輩から伝授してもらった技は凄いです!!

レーティング・ゲームで披露しますので、楽しみにしていてください!」

 

リアス

「そ、そうなの?

なら良いのだけど?

それよりお昼を朱乃と一緒に作ったから、特訓はまた後で良いかしら?」

 

ケンイチ

「えっ!?もうそんな時間か!?

よしイッセー!戻るぞ!

腹が減っては戦は出来ん!だからな!」

 

イッセー

「了解です先輩!!」

 

と言うとケンイチ達は別荘に戻った。

 

そして戻ってきたのだが………、

 

ケンイチ

「…………」

 

朱乃

「ケンイチ君。

はい、あ~ん。」

 

リアス

「ちょっと朱乃!?

いくら親友でも抜け駆けするなんて、遠慮しなさいよ!!」

 

朱乃

「あらあら部長?

もしかして妬きモチですか?

みっとも無いですわよ~。」

 

リアス

「なッ!?なんですって!?

もう!!朱乃の、

おたんこナス!!」

 

ケンイチ

「(なんかデジャヴを感じる…)

つうか…オデノゼイ゛ジン゛ハガリガリダア゛ア゛ア゛ア゛ッ!?」

 

まさかの昼食時に

ケンイチを取り合うリアスと朱乃に、

ケンイチは完全に精神が参っていた。

 

涼太郎

「全くケンイチはよ~。彼奴ばっかし良いとこ持って行きやがって!

オデダヂヲ゛!!

オンドゥルルギッダノガ!」

 

鋼賀

「お、おいおい涼太郎!ケンイチもそうだが、オンドゥル語になってるぞ!?」

 

ケンイチと涼太郎は、まさかのオンドゥル語発言をしてしまった!

 

勿論イッセーは泣き崩れており、

アーシアを除く雪菜達は傍観者に徹していた。

 

雪菜

「リアス先輩と朱乃先輩…“どっちも”お義姉ちゃんになって欲しいです。」

 

美琴

「いや雪菜!?流石にそれは無茶でしょ!?」

 

「確かに美琴の言う通りよ雪菜(苦笑)」

 

雪菜

「やっぱりそうでしょうか?

悪魔だから出来るかなと思ったのですが?」

 

雪菜達はとんでもない会話をしていた!

 

雪菜!?君は意外に欲張りじゃないか!?

 

因みに祐斗と小猫は大人しく食べていた。

 

朱乃

「はい、ケンイチ君。」

 

リアス

「朱乃の好きにはさせないわ!

ケンイチ!あーん!」

 

ケンイチ

「誰か助けて…(精神ボロボロ)」

 

ケンイチ君。

 

ご愁傷様です!

 

 

ところ変わって、

此方は冥界の魔王の領地の一つ、

 

『ルシファード領』

 

にて、

 

その領地のトップにして現魔王ルシファーであり、リアスの実兄である

 

“サーゼクス・ルシファー”

 

は…頭を抱えていた。

 

サーゼクス

「ライザー君。

君はなんて事をしてくれたんだ…。」

 

以前、妹のリアスと、妻のグレイフィアの報告を聞いたとき、リアスの報告は冗談だろうと思っていたのだが、グレイフィアの報告を聞いて確信したのだった。

……"ウルトラマン"……

 

 

この単語をリアスから聞いたとき、まさかという考えがあったが、グレイフィアの

 

“魔王を超え、

ミカエルやアザゼル所か、神すら上回る光の力を持つ者が、レーティング・ゲームに助っ人として参戦すると。

そしてリアスのその協力者がウルトラマンであると”

 

という事には

悩みのタネ以外ほかなら無かった!

 

もしウルトラマンが、自分達悪魔を人類の敵と見なしたら、

間違い無く全滅は免れない。

 

しかも、ライザーが無知な事に、

ウルトラマンの前で怒りを買っただけでなく、ケンカをふっかけたのだから、頭を抱えるのは当然だ。

 

サーゼクス

「さて…どうしたモノか。」

 

サーゼクスは、なんとかウルトラマンに出会った時に、どう対応すべきか、悩んでいた。

 

 

 

果たして、冥界の運命は!?

 

 

つづくッ!!

 




次回予告

“ザルバナレーション”
(BGM:W-B-X)

まさかケンイチがモテモテになっちまうとはなぁ。

まあ取り敢えず、
特訓も終了で
レーティング・ゲームだな。

負けるなよ皆!!

次回! 開幕!

鋼賀!涼太郎!
翼!美琴!雪菜!
人間の力を見せてやれ!!

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