テイルズ オブ フェータリアン ー希望を紡ぎ出すRPGー   作:逢月

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 第一部のまとめ……という名の、第一部ネタバレありキャラ紹介+用語解説となります。
 かなりざっくりですが、まとめてみました。興味のある方は読んでいって頂ければなと思います。

 ただし、第一部で判明した情報のみを出している都合上、キャラによってかなり文章量に偏りがあります。あらかじめご了承ください。
 


【コラム】第一部まとめ

 

◯エリック

本名:エリック=アベル=ラドクリフ

年齢:18歳

誕生日:5/19

種族:純血龍王(クラル・ヴィーゲニア)

特殊能力:不明(拒絶系能力)

天性属性:不明

国籍:ラドクリフ王国

 

 本作主人公。片割れの方が目立つ気はしますが、一応正規主人公はこちらになります。呼吸器系の持病あり。

 ラドクリフ王国の第二王子であり、右手に王家の紋章が刻まれています。

 温厚で大人しく、人がして欲しいと思っていることを読み取り、可能な限り実践できるタイプですが、とにかく卑屈な面が大きく、嫌だと思うと顔に出るタイプです。少々思い込みが激しい傾向もあります。

 敵国皇子のノアが嫌で嫌で仕方ない上、追い詰めるとポロッと暴言を吐いてしまうくらいには病んでいるようです。そんなこともあって、彼が第一部の最後辺りでうっかりやらかしたものだから、パーティが真っ二つに割れてしまいました。こんな中、第一部の最後に親友アルディスが今まで散々恨み続けたノア皇子であると確信してしまいました。

 兄、ゾディートのことを尊敬しており、命を狙われたことに対しては酷くショックを受けています。

 

【本編開始時点での関係図】

アルディス:幼馴染、親友、宿敵

マルーシャ:許嫁、想い人、幼馴染

ディアナ:初対面

ポプリ:初対面

ジャンク:初対面

 

【用語解説】

 

*種族

 この世界には筋力の強さと視覚の鋭さを持つ『龍王族(ヴィーゲニア)』と鋭い聴覚と豊富な魔力を持つ『鳳凰族(キルヒェニア)』という種族が存在します。

 それぞれのルーツとなった国の気候が原因か、龍王族(ヴィーゲニア)は褐色の肌に暖色の髪と目、鳳凰族(キルヒェニア)は色白の肌に寒色の髪と目を持つことが多いようです。

 両種族間で子孫を残すこともでき、現時点では混血種が世界の人口比率の大多数を占めています。混血種の場合は血が濃い方の種を名乗ります。綺麗なハーフだった場合も外見はどちらかに偏るので、それに合わせて種族を名乗ります。

 純血種はさらに種族を分けて考えられ、それぞれ『純血龍王(クラル・ヴィーゲニア)』、『純血鳳凰(クラル・キルヒェニア)』と呼ばれています。

 純血龍王(クラル・ヴィーゲニア)は個体差がありますが長い牙を、純血鳳凰(クラル・キルヒェニア)は長い耳(エルフ耳)を持ちます。「覚醒」という現象が起きた後であれば、それぞれ青白く輝く光の翼と実体のある、鳥のような朱い翼を出現させることができるようになります。

 また、純血鳳凰(クラル・キルヒェニア)は人の体内魔力を探知する能力を持ちます。(簡単に言えば、相手の種族を見破る、人間を判別するなどのことができます)

 さらに彼らの目を抉ることによって、力を奪い取れる可能性があるなど、純血鳳凰(クラル・キルヒェニア)はよく分からない体質をしているようです。

 

*覚醒

 人々が大体十歳くらいの時期に迎える、身体の変化のことです。ネタバレしてしまうので詳しくは言えませんが、簡単に言うと、覚醒すると「魔力を使った行為ができる」ようになります。翼を出すのも、後述の特殊能力も魔力絡みの行為になります。

 

(補足)どういうわけか、エリックは覚醒をしていません。本人もこのことは酷く気にしています。

 

*特殊能力

 この世界の人々(時々魔物も該当します)が持つ変わった能力のことです。

 特殊能力は大きく分けて四種類あり、他者の精神など、見えない部分に働きかける『精神系能力』、傷を癒す、病を治すなど身体に働きかける『救済系能力』、相手の動きを封じる、状態異常を付与するといった『拒絶系能力』、移動速度を速める、場所を移動するなどの『補助系能力』が存在します。

 

(補足)特殊能力は通常、覚醒後に判明するものですが、エリックの場合は力が漏れているようです。

 

*天性属性

 地、水、火、風、氷、光、闇の七属性の中で、人が生まれながらに持つ属性のことです。ある程度遺伝による規則性があるようです。

 仮に他の属性の素養を持っていたとしても天性属性は最も扱いやすい能力として定着します。また、天性属性以外の素養ある属性は『複合属性』と言います。

 天性属性は覚醒時に判明するため、エリックは自分の天性属性を知らない状態です。そのため、彼のレーツェルは無色です。

 

*レーツェル

 武器などの無機物に魔力を注ぎ込むことで形状を変え、持ち歩きやすくした手のひら大の石のことです。美しい楕円形の宝石を思わせる見た目をしており、色は天性属性に対応して変わります。

 一度レーツェル化された物は作り主が破棄するか、物自体が破壊されない限りは常に石の形状をとります。

 

*ラドクリフ王国

 世界(アレストアラント)の右側に位置する国です。現在はエリックの母であるゼノビア=エヴィータ=ラドクリフによって統治されています。

 領土は本土のスケルツォ大陸と、一応領土になってはいるのですが、不思議な現象ばかりが起こるのでほぼ未開の地と化しているオブリガート大陸で形成されています。

 暖かい気候が特徴的で、分かりやすく言うなら「夏が長くて冬がない」土地です。何故かあまり表には出ていませんが、科学技術に長けています。

 十年前に起きたシックザール大戦に事実上勝利しており、国自体はかなり発展しているのですがかなり治安が悪く、殺人や人身売買がまかり通っているところがあります。また、鳳凰狩りという風習が残っています。

 

 現時点で登場している地名は、

・風の王都 ルネリアル(エリック、マルーシャが住む街)

・ヘリオスの森(ルネリアル近くのアルディスが住む森)

・ローティア平原(エリック達がしばらく彷徨った長い草の生い茂る平原)

・フォゼット大森林(野盗の巣窟となっていた手入れの施されていない森)

・交易の砦 アドゥシール(エリック達が一泊した、ルネリアル以外で最初に訪れた街)

・ラファリナ湿原(マルーシャが攫われ、連れて行かれた場所)

・ケルピウスの泉(霧がかかった時に寄り道した綺麗な泉)

・閉ざされし港 セーニョ(ラドクリフから出る時に訪れた場所)

 

 また、名前のみ登場しているのが、

・科学の拠点 トゥリモラ(ジャンクが物凄く嫌がった場所)

・嘆きの海辺街 ペルストラ(ポプリの出身地)

・魅惑の大都市 シャーベルグ(マルーシャの生まれ故郷)

……と、なっております。

 

*シックザール大戦

 十年前にラドクリフ王国とフェルリオ帝国間で起きた大戦です。

 この大戦以前から両国の関係は悪く、多くの事件が起きていました。ですがシックザール大戦による被害はそのいずれの事件とも比較できないほどに大きく、別の物として考えられています。

 ラドクリフ王国前国王、ヴィンセント=サミエル=ラドクリフの戦死によって戦は一時休戦となり、フェルリオ帝国側に後継者が誕生しなかったこともあって、そのまま十年もの年月が経ってしまいました。

 

*王家の紋章

 王位継承者が利き手の甲刻まれる刺青のことです。その許嫁は鎖骨の中心に彫られます。ただし特に魔力を秘めているというわけもなく、普通の刺青です。

 

(補足)エリックは右手の甲、アルディスは左手の甲に刺青を持ちます。マルーシャは鎖骨の中心にある、と自称しています。

 

*エリックの持病

 原因不明の呼吸器系の持病です。この持病のため、エリックは不定期に激しい咳による呼吸困難に陥ります。

 さらに因果関係は不明ですが、エリックはかなり風邪などに掛かりやすい傾向があります。どうやら免疫力が弱いようです。

 普段は薬で発作の発生を抑えており、それとは別に即効性の薬を所持しています。発作に関しては救済系能力者の治癒術も効果があるようです。

 

(補足)実はエリックは旅に出てからは発作が軽減されています。しかし、ある一定条件下で発作の発生率が急上昇しています。

 

*鳳凰狩り

 前王ヴィンセントが生み出した法であり、風習です。内容はラドクリフ国内にいる純血鳳凰(クラル・キルヒェニア)を捕獲し、城に連れてくれば生死は問わず多額の報奨金を与える……というもの。

 悪しき法ではありますが、国内の混乱を抑えるために今もなお残り続けています。特にディアナはこの風習に酷く苦しめられていたようです。

 

(おまけ)

*主人公?

 本作はW主人公Wヒロイン制で進行しています。時々視点がエリックからアルディスに移るのはそのためです。

 一応エリック&マルーシャがメインではありますが、ちょいちょいアルディス&ディアナに持っていかれますし、第二部後半に関しては完全にメインが逆転します。結果的には半々くらいに見せ場ができれば、と思っています。

 

*主人公としてのエリックとアルディス

 エリックは仲間との交流を深めつつ成長していき、アルディスは隠された世界の謎を解き明かす……といった動き方が目立っていきます。つまり第二部はやたらエリックが仲間を男女問わず攻略しています。

 ちなみに「エリックが仲間攻略に失敗すると、その仲間が死ぬ」という謎設定も存在しています。(要は好感度分岐)失敗ルートも番外小説化する予定なので、興味のある方は覗いてみてください。

 

 

◯アルディス

本名:アルディス=ノア=フェルリオ

偽名:アルディス=クロード

年齢:18歳

誕生日:11/19

種族:純血鳳凰(クラル・キルヒェニア)

特殊能力:意思支配(アーノルド・カミーユ)(精神系能力)

天性属性:光(素質は闇を除く全属性)

国籍:フェルリオ帝国

 

 もう一人の主人公。正規主人公より目立つ気がしますが気のせいです。

 フェルリオの皇子であり、偽名は一時期暮らしていた家の名字を借りたもの。実年齢より若干幼く見えます。

 自分を蔑ろにしがちですが、素直で優しい性格。ヴァイスハイトとして生を受けるも、八年前のペルストラ事件の際にポプリに右目を斬られて多くの力を失ったようです。加えて虚無の呪縛(ヴォイドスペル)を受けているため、魔術は基本的に使えない状態と化しています。

 戦時中に嵐の海に落ち、溺死しかけたトラウマから水恐怖症(水の溜まった場所全般と水属性の攻撃術)です。その後、ペルストラに流れ着いて助けられるのですが、二年後に前述のペルストラ事件に巻き込まれてしまいます。

 その時に受けた精神的なショックが原因で、笑うことができなくなってしまいました。このことは本人も酷く気にしているようです。

 ラドクリフ城に残された資料によると、どうやら一つ下の妹がいるようです。

 

【本編開始時点での関係図】

エリック:幼馴染、親友、宿敵

マルーシャ:幼馴染、親友

ディアナ:実は面識あるかもしれない

ポプリ:義姉

ジャンク:初対面

 

【用語解説】

 

*特殊能力『意志支配(アーノルド・カミーユ)

 精神系能力の一種。非常に制限が多く、弱点も多い代わりにかなり強い特殊能力です。主な能力は「特定の相手にテレパシーを送る」、「近くにいる他の能力者の力をコピーし、代わりに発動する(その能力に詳しい知識を持つ必要がある)」、「他者を操る」ことです。

 いずれも術者への反動が大きく、さらに常に術者自身が他の能力と干渉し過ぎる状況に置かれるため、良い影響も悪い影響も受けやすい傾向があります。

 

(補足)アルディスは後述の呪いの影響もあり、作中ではあまり能力を使用しません。ただし元々「他者を操る」能力に関してはかなり苦手としており、使い物にならないようです。

 

*フェルリオ帝国

 世界の左側に位置する国です。現在は統治者不在のまま、民衆による一時的な政治が行われているようです。

 領土は本土のセレナード大陸に加え、コラール大陸、パルティータ大陸、カプリス大陸といくつかの大陸に分かれて構成されています。

 かつては様々な民族による小国が形成されていたようですが、今では銀髪に青い瞳を持つ聖者一族による政治が行われていた……ようでした。(現時点不明確情報)

 寒い気候が特徴的で、分かりやすく言うなら「冬が長くて夏がない」土地です。

 十年前に起きたシックザール大戦に事実上敗北しており、今もなお帝都は悲惨な状態となっています。

 

 現時点で登場している地名は、

・さえずりの港 ヴィーデ(一瞬だけ描写された、フェルリオ最初の街)

・崩壊の帝都 スウェーラル(もはや瓦礫)

……です。

 

*ヴァイスハイト

 右目に金色の瞳と、全属性の素質を持つ、生まれながらにして魔術能力の高い天才であるとして知られています。

 パーティ内ではアルディスとジャンクが該当します。それぞれ攻撃能力、補助能力に特化しています。

 元々保有する魔力がとても多い上に自力で魔力を生み出すことができる(通常は食べ物などから摂取する必要があるのですが、ヴァイスハイトは体内で魔力を生み出せる)ため、実質無限に魔力を生み出すことができます。

 さらに保有する魔力を睡眠による疲労回復の代わりにする、食事の代わりにするといった、通常ならありえないことを可能とする、その力の強さから疎まれることが多い悲しき存在です。

 純血鳳凰(クラル・キルヒェニア)同様に目を抉れば能力を奪い取れる存在(ヴァイスハイトの場合は右目限定)であるとして、そういった目的で命を狙われることも多々あります。

 また、獣の姿に身体を変化させる能力『獣化』という力を得ているヴァイスハイトも存在します。

 

(補足)アルディスはポプリに右目を斬られ、彼女に闇属性の素質をはじめ、能力の大半を奪われる形となっています……が、素の能力があまりにも高かったため、現在でも彼の魔術能力は高い水準にあります。そんな彼ですが、何故か自分を「偽物」と表現しています。

 

*ペルストラ事件

 八年前、黒衣の龍が自国の街であるはずのペルストラを襲い、街を壊滅させた事件です。実際のところ目的は不明ですが、アルディス及びペルストラの住民達はフェルリオ皇子アルディスという存在がいたからこそ、ペルストラが襲われたに違いないと考えています。

 

(補足)この事件の直後、アルディスはポプリに目を抉られています。彼の中では目の件よりも、その時に言われた『疫病神』という言葉が酷いトラウマになっているようです。

 

*黒衣の龍

 ゾディートが率いる騎士団ですが、国からしてみれば忌まわしき存在ということもあり、公式で認められているわけではありません。

 元奴隷であったり、牢につながれていた人物を組み入れている軍であること、ペルストラ事件の際に暴れ回ったのがこの黒衣の龍であったことから国民からの評判も悪いのですが、正規の王国騎士団が太刀打ちできないほどの強さを持つために放置されてきました。

 しかし、第一部終盤で突如指名手配扱いとなり……?

 

虚無の刻印(ヴォイドスペル)

 ラドクリフ王国が対純血鳳凰(クラル・キルヒェニア)用に生み出した人工魔術です。

 対象に印を刻み、その印に対象の体内魔力を吸わせ、そのまま惨殺するといったもの。また、対象が魔力を用いた何らかの行動を行うとそれに反応して一気に魔力を吸い上げて激痛を与える、内臓器官などを負傷させる(結果吐血する)といった効果も持ちます。

 確かに効果的ではありますが、あまりにも非人道的であることから、ラドクリフ王国ではこれを禁呪としていました。

 

(補足)禁呪とされていたはずが、何故かアルディスはこれをペルストラ事件時に受けていました。この術により、アルディスは魔術を好き勝手に使えない状態となっています。

 

*体内魔力

 体内にある魔力。この世界の人々は血液と一緒に魔力を体内で循環させています。そのため、別名『血中魔力』とも呼ばれています。

 

 

◯マルーシャ

本名:マルーシャ=イリス=ウィルナビス

年齢:17歳

誕生日:7/5

種族:純血龍王(クラル・ヴィーゲニア)……?

特殊能力:天恵治癒(エルフリーデ・イヴ)(救済系能力)

天性属性:風

国籍:ラドクリフ王国

 

 本作のヒロイン。エリックとペア扱いになる正規ヒロインです。

 七歳より前の記憶が無い(そのため本人は覚えていませんが、生まれ故郷はルネリアルではなくシャーベルグ)、異常に高い魔力の素質、自身の命を削っての治療法を可能とする危険な力……に加え、何故かヴァルガに「試作品」と言われ、挙句スウェーラルでは一時的に純血鳳凰(クラル・キルヒェニア)化、それもどことなくアルディスに似た姿に……と、今までの生活からの変化の振り幅が誰よりも大きかったようです。

 自分自身のことは抑え込んでしまうため、不穏な状態ではあります。

 ただし他者、特にエリックを想うと感情を爆発させやすい傾向があるため、第一部の終盤では結果的にパーティ分裂を加速させることとなりました。

 

【本編開始時点での関係図】

エリック:許嫁、想い人、幼馴染

アルディス:幼馴染、親友

ディアナ:初対面

ポプリ:初対面

ジャンク:初対面

 

【用語解説】

 

*特殊能力『天恵治癒(エルフリーデ・イヴ)

 救済系能力の一種。主に外傷治癒に特化した力を持ち、単純に傷を癒すことだけを考えれば救済系能力の頂点に立つ強い力だと考えられます。

 ただし力が強いだけに術者への影響が強く、力の使い過ぎは危険です。

 また、擦り傷を治す程度の簡易な治癒術であれば、詠唱することなく発動することができます。

 

(補足)マルーシャは早期覚醒が原因で命を削っての治癒術発動(TPではなくHP削って治癒術が可能)が可能です。あまりにも危険だと、ジャンクはエリックに警告しましたがその原因は……?

 

 

◯ディアナ

本名:不明

偽名:ディアナ=リヴァース

年齢:15歳(現時点)

誕生日:12/22

種族:純血鳳凰(クラル・キルヒェニア)

特殊能力:聖歌祈祷(イグナーツ・エリス)(救済系能力)

天性属性:火(光属性の素質もあり)

国籍:フェルリオ帝国?

 

 もう一人のヒロイン。こちらはアルディスとペアになっています。不誠実な語り手技法でひたすら引っ掻き回しましたが、性別は女性。男装少女です。首の後ろに小さな火傷痕が大量に存在します。

 記憶喪失であり、一番新しい記憶は十四歳から始まっているようです。それに加えて両足が動かないという謎の症状を抱えています。原因は記憶が無いために不明。どちらも精神的要因だろうとジャンクは考えています。

 基本的に飛んでいるのは足が動かないため。翼を出せない時や、休みたい時などはチャッピーの背に乗っている。

 三重苦を抱えていることもあり、恐らく精神的にはかなり弱い方です。普段は虚勢を張っています。

 こんな状況にも関わらず、何故かアルディスの護衛役としてフェルリオからやってきたようです。

 記憶喪失に関しては本人が忘れている上からさらに思い出さないように術が掛けられているようです。

 

【本編開始時点での関係図】

エリック:初対面

アルディス:実は面識あるかもしれない

マルーシャ:初対面

ポプリ:初対面

ジャンク:過去に助けられた

 

【用語解説】

 

*特殊能力『聖歌祈祷(イグナーツ・エリス)

救済系能力の一種。純粋な治癒力はそこまでありませんが、毒や麻痺といった、外傷治癒では治しきれない不調を癒す力に特化しています。また、祈ることによって対象の身体能力向上などの効果をもたらす『神託術(オプファリス)』や歌声に魔力を込めて発動させる『聖歌(イグナティア)』といった風変わりな術を使用することができます。

 

(補足)ディアナは記憶喪失ですが、身体が覚えていたようで能力自体は普通に発動させます……が、その能力がどのようなものかは理解できていないようです。

 

*年齢?

 第一話はアルディスの誕生日の一週間後、という果てしなくどうでも良い設定+時間が経たなさすぎる物語進行のせいで、ディアナとジャンクが第一部時点で歳をとりませんでした……。

 キャラ紹介は「物語の過半数を過ごす年齢」を記載しましたので、変な矛盾が生じておりますがご了承ください……。

 

(補足)ディアナの年齢及び誕生日はジャンクの透視によって判明しているものです。本人も知っていますが、あまり実感が持てないようです。

 

*チャッピー

 ディアナが連れている雄の鳥です。かなり大きく、パーティで最も背の高いジャンクを楽々背に乗せられる程度の大きさです。(縦二メートル、横一メートル半くらい)

 元々はジャンクが連れていた鳥ですが、何故かディアナの手に渡ったようです。

 非常に賢く、ディアナの指示にはよく従います。

 魔力を扱うこともできるようで、特殊能力『瞬光疾風(カールヒェン・ヨシュカ)』を持ちます。マスコット兼乗り物。

 

*特殊能力『瞬光疾風(カールヒェン・ヨシュカ)

 補助系能力の一種。脚力を高め、自分を含む対象の移動速度を上げます。かなりシンプルな能力ですが、その分とても扱いやすく、術者への負担が少なくて済むのが特徴です。

 

 

◯ポプリ

本名:ポプリ=クロード

偽名:ポプリ=ノアハーツ

年齢:20歳

誕生日:4/20

種族:龍王族(ヴィーゲニア)

特殊能力:秩序封印(ヴァルデマール・フレイヤ)(拒絶系能力)

天性属性:闇

国籍:ラドクリフ王国

 

 アルディスの事実上の義姉であり、八年前の事件の際にアルディスの右目を斬りつけた張本人です。皮肉にもその際に彼の力を奪い取る形となり、優れた魔術師として戦うことができるようになりました。

 事件の際に左足に酷い火傷を負い、歩行困難となってしまったのですが、彼女自身はそんなことよりもアルディスを気に掛けているようです。

 ジャンクとは過去に彼をダークネスと間違え、魔術をぶつけて以来時々行動を共にしているようです。何故かケルピウス絡みの話題になると対立します。

 実はペルストラ領主の娘。勿論後継候補なのですが、彼女自身はペルストラの現状を知らない状態です。

 本当の姓を名乗ると何らかの不利益があるようで、かつていたという孤児院の名前から取って「ノアハーツ」姓を名乗っています。ただし別に「クロード」姓が嫌いなわけでは無さそうです。

 

【本編開始時点での関係図】

エリック:初対面

アルディス:義弟

マルーシャ:初対面

ディアナ:初対面

ジャンク:付き合ってはない

 

【用語解説】

 

*特殊能力『秩序封印(ヴァルデマール・フレイヤ)

 拒絶系能力の一種。能力としては対象の動きを封じる、毒や麻痺といった状態異常を付与するなどのシンプルなものが代表的ですが、ある程度強い能力者になると遠く離れた対象に何らかの影響を与え続けることができる、物体の形状を簡易的に変化させることができる……といった物騒なことができるようになります。

 ただし強い力の場合は失敗すれば全て自分に跳ね返ってくるなど、大きなデメリットも存在します。

 また、拒絶系能力者全てに当てはまる話ですが、他の能力者との相性があまり良くないために、治癒術や支援術が若干効きにくい傾向があります。(精神系能力者は逆)

 

*ケルピウス

 ポプリが幼い頃に見たという、強い癒しの力を持つ聖獣です。神話によると恩返しをする習性があるそうな。

 ヒレがあちこちに生えている(耳は大きなヒレのような形状、手足に小さなヒレ、魚のような尾ビレ)という話から、恐らく水属性の聖獣だと考えられます。

 ジャンクが「いるはずがない」と言い続けてポプリを怒らせていましたが、存在しているとアルディスに言われてしまいました。そして第一部の最後で本当にいたことが判明しました。

 

 

◯ジャンク

本名:クリフォード=ジェラルディーン

偽名:ジャンク=エルヴァータ

年齢:22歳(現時点)

誕生日:1/8

種族:鳳凰族(キルヒェニア)

特殊能力:透視干渉(クラレンス・ラティマー)(精神系能力)

天性属性:水(素質は全属性)

国籍:ラドクリフ王国

 

 まさかの無免許医で、ダークネスによく似た容姿を持つ怪しい人です。精霊術を扱いますが、精霊術師(フェアトラーカー)ではなく神格精霊マクスウェルの配下『精霊の使徒(エレミヤ)』という存在でした。マクスウェルの指示を受け、ラドクリフ王国を徘徊していたようです。

 常に目を閉じているのはヴァイスハイトであるためで、何故か名字呼びを嫌がる、閉所・暗所恐怖症を持つなど色々抱え込んでいます。さらに何故か両手首に拘束痕のような物を持ち、左目はほとんど見えていないようです。

 常に能力を発動させているために同系統能力者のアルディスとの間で再々共解現象(レゾナンストローク)を暴走させています。その都度彼は精神的なダメージを受けているようです。

 ヴァイスハイトですが、混血であるためか性格のせいか、あまり攻撃魔術は得意としていません。その代わり、何故か治癒術が使える上に瘴気を浄化できる謎体質の持ち主であるようです。

 

【本編開始時点での関係図】

エリック:初対面

アルディス:初対面

マルーシャ:初対面

ディアナ:過去に助けたことがある

ポプリ:付き合ってはない

 

【用語解説】

 

*特殊能力『透視干渉(クラレンス・ラティマー)

 精神系能力の一種。対象の本質を視る……というとてもシンプルな能力です。大きく分けて生体透視(生き物を透視する。感情や体内の状態を視る、など)と物質透視(生き物以外の物を透視する。本を開けずに中を読んだり、機械の扱い方を読んだりする、など)に分けられます。この世界の七割がこの能力に目覚めますが、残念ながら扱いが非常に難しいため、その半数は発動することさえできないそうです。

 

(補足)ヴァイスハイトであることも理由ではありますが、つまりジャンクは例外中の例外です。

 

精霊術師(フェアトラーカー)

 精霊と心を通わせ、彼らの力を借りて魔術を発動させる者の総称ですが、基本的には、下位精霊を従えている人々のことを指します。

 全ての人間がなれるわけではなく、精霊達、特に下位精霊が使っている精霊言語を聴き取り、理解できること(そもそも普通の人には聴こえないモスキート音のようなものである上に、理解するには特殊な絶対音感もしくは音を即座に判別するための膨大な知識が必須となる)が条件となるためにかなり珍しい存在です。

 

(補足)ジャンクは素質はしっかりあるのですが、実際に訓練して精霊術師(フェアトラーカー)になったわけではなく、マクスウェルに精霊を従える力を借りているだけのようです。

 

*下位精霊

 詳細は不明ですが、意思を持った魔力の小さな塊であると考えられています。見た目は直径十センチから十五センチほどの小さな光の球体に見えます。

 実は喋るのですが、精霊術師(フェアトラーカー)の素質を持つ人々にしかその声(音)は聴こえません。そのため、素質を持つ人間を見つけると珍しがって傍に寄りたがる習性があります。

 下位精霊は音を好むため、精霊術師(フェアトラーカー)は何らかの音を媒介に彼らを使役します。

 

*神格精霊マクスウェル

 七大精霊ノーム、ウンディーネ、イフリート、シルフ、セルシウス、レム、シャドウを従える精霊のことです。この世界のどこかにいるようですが、現時点では所在は不明です。

 七大精霊のうち、レムはアルディスと契約を結んでいます。

 

(補足)ジャンクの「あるお方」、「あのお方」は十中八九マクスウェルのことを指しています。どうやらジャンクはマクスウェルに可愛がられていたようです。

 

精霊の使徒(エレミヤ)

 神殿から動くことのできないマクスウェルの配下として動く人間のこと。彼らはマクスウェルの力の一部を貸りて何らかの使命を果たすために世界を巡ります。守秘義務が存在する辺り、どうやら規定が厳しいようです。

 現時点ではジャンクが精霊の使徒(エレミヤ)であること以上の情報はあまり出ていません。

 

共解現象(レゾナンストローク)

 精神系能力者同士、救済系能力者同士など、同系統能力者が傍にいると発生する現象です。

 簡単に言うと、視えにくいものが視えやすくなる、治癒術の効果を上げるなど、互いの能力を高め合うのです……が、ヴァイスハイト同士でもあるアルディスとジャンクの場合は能力を高め過ぎてしまい、視るつもりが無かったものまで視えてしまうといった『暴走』現象が時々発生しているようです。

 

*瘴気

 シックザール大戦以降、どこからか流れ込んでくるようになった汚染物質(のようなもの)を指す言葉です。ジャンクは無意識のうちにこれを浄化していたようです。

 小さな子どもや老人、そしてエリックのように身体の弱い人間に悪影響をもたらすものでもありますが、最も影響を受けるのは精霊達なのだとか。

 

 

 

▼敵陣営▼

 

 

◯ゾディート

本名:ゾディート=カイン=ラドクリフ

年齢:30歳

身長:179cm

体重:65kg

種族:不明

特殊能力:不明

天性属性:不明

国籍:ラドクリフ王国

 

 騎士団『黒衣の龍』の騎士団長であるエリックの兄。さらさらとした長い黒髪に銀色の瞳をした、中性的な容姿の持ち主です。

 エリックとはあまりにも似ていない上に容姿が容姿なので、恐らくエリックとは異母兄弟で彼自身は混血種であると考えられます。外見はやたら若々しく、二十代前半から二十代半ば程度に見えます。

 前王ヴィンセントを殺した疑いを掛けられているのですが、真相は闇の中です。

 

 

◯ダークネス

本名:不明

年齢:不明

身長:183cm

体重:70kg

種族:鳳凰族(キルヒェニア)

特殊能力:透視干渉(クラレンス・ラティマー)(精神系能力)

天性属性:氷

国籍:不明

 

 騎士団『黒衣の龍』の副団長。空色の短い髪と、目隠しをするように顔の大半を覆う黒い布が特徴的な男性で、外見年齢は二十代前半です。

 ゾディートの執事で、彼の指示に対してはかなり忠実に従います。敬語が使えないわけではないのですが、非常に口が悪いため、基本的には乱雑な口調で喋っています。元々は牢につながれていたようですが、詳細は不明です。

 エリック達の前には足技を駆使した格闘技と精霊術師(フェアトラーカー)特有の精霊術を使用して立ちはだかりました。

 ポプリとは何らかの因果関係があるようです。

 

 

◯ヴァルガ

本名:不明

年齢:不明

身長:187cm

体重:84kg

種族:純血龍王(クラル・ヴィーゲニア)

特殊能力:不明

天性属性:不明

国籍:不明

 

 黒衣の龍に所属する兵士。少し癖のある短い茶色の髪に紺色の瞳をした、見た目三十代前半くらいの男性……なのですが、彼は前王ヴィンセントの側近という経歴を持ち、その頃から一切変わらない彼の見た目を気味悪がる人々は大勢います。

 本業は研究職のようですが、何故か剣と弓を手に戦場に出ていくこともあるようです。シックザール大戦にも参戦しています。

 

 

◯フェレニー

本名:不明

年齢:不明

身長:174cm

体重:62kg

種族:純血龍王(クラル・ヴィーゲニア)

特殊能力:不明

天性属性:闇

国籍:不明

 

 黒衣の龍に所属する娘。外見年齢は二十代後半くらいです。さらさらとした短い赤毛と、猫のような茶色の瞳が特徴的です。

 魔術はあまり得意では無いようで、魔力を指先に集めて爪を作る、ナイフを作るといった風変わりな戦い方をします。また、魔術が得意では回ないことから純血龍王(クラル・ヴィーゲニア)であることが想定されます。

 かつては死刑囚であったようなのですが、ゾディートによって牢から出されました。囚人生活が長かったようで、そのためか口調はかなり乱雑。

 しかし、彼女がどのような罪を犯したかは誰も知りません。

 

 

◯ベリアル

本名:不明

年齢:不明

身長:112cm

体重:21kg

種族:純血鳳凰(クラル・キルヒェニア)

特殊能力:天恵治癒(エルフリーデ・イヴ)

天性属性:地

国籍:不明

 

 黒衣の龍に何故か身を置いている純血鳳凰(クラル・キルヒェニア)の少女です。腰に付く程度の長さに伸ばされた薄紫色の癖のない髪と、丸い濃紫の瞳を持ち、見た目は六、七歳程度に見えますが、彼女の場合は発育不足の可能性が考えられます。

 純血鳳凰(クラル・キルヒェニア)らしく、魔術を用いた戦いを得意とするようです。ただし前衛ができないわけでは無いようで、ディアナのように空を飛びながら巨大なハンマーを振り回して戦うこともできるようです。

 常にびくびくしており、特にヴァルガに対しては酷く怯える傾向があります。


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