インフィニット・ストラトス ~未定~   作:ぬっく~

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第33話

一夏が緊急治療室に運ばれる前。

静かな朝を迎えていた時に、外が騒がしくなっていることに気付いた箒が廊下にでる。

朝練をしようと起きてたら、なにやら騒がしくなっていたのだ。

 

「聞いた? 織斑くんが倒れたんだって」

 

「うんうん。先生たちが凄く慌てていたよね」

 

騒ぎに駆けつけた女子たちが廊下で一夏のことを話していた。

そして、同時に箒が一夏が倒れたことを耳にしたのだ。

 

「(一夏が倒れただと!?)」

 

箒の行動は速く、すぐさま一夏のいる部屋へと駆け出した。

 

「きゃ!?」

 

駆け出した箒は他の生徒にぶつかるも無視する。

程なくして、一夏の部屋に着くと、教師から生徒たちが集まっていた。

 

「一夏!」

 

「この先は立ち入り禁止だ。下がれ」

 

箒が教師のバリケードを通り抜けようとするが、止められた。

 

「退け! 私は一夏に用があるんだ!」

 

「ダメだ。今は部外者を入れることは出来ない」

 

「なんだと……」

 

頭に血が上った箒は教師の忠告など無視して突破を試みようとするが、その肩を掴まれる。

 

「あんた何をしようとしているのよ」

 

箒の肩を掴んだのは、鈴だった。

鈴の後ろにはセシリアもおり、一夏が倒れたことを聞き、その場に来たら箒が教師と口論をしているのを目にし、強行突破をしようとしていたので、鈴はそれを止めたのだ。

 

「貴様には関係ない! 私は……」

 

「強行突破なんて、考えはやめなさいよ。そんなことをすれば、最低でも謹慎されるつうの」

 

「っ……」

 

箒は舌打ちするも、鈴とセシリアは呆れてものが言えない。

 

「織斑が倒れたそうだな」

 

「「!?」」

 

いきなり背後かけられた声に、驚いて振り返る鈴とセシリア。

そこに立っていたのは―――ラウラだった。

 

「なっ!? あ、あんたいつの間に!」

 

「そう警戒するな。今のところ、お前たちに危害を加えるつもりはないぞ」

 

「し、信じられるものですか! 再戦というのなら、受けて立ちますわよ!?」

 

二対一で負けたということが鈴とセシリアの懐疑心を強くしていた。しかし、それに対してラウラはしれっと言葉を返す。

 

「あのことは、まあ許せ」

 

さらりとそう言われ、鈴とセシリアは一瞬何を言われたのかわからずに呆けてしまう。しかし、すぐさま持ち直した。

 

「ゆ、許せって、あんたねぇ……!」

 

「はい、そうですかと言えるわけが……!」

 

「そうか。では私は一夏を追うので、これで失礼するとしよう」

 

そう言って本当にすたすたと歩き始めたので、今度は鈴とセシリアが慌てて止めた。

 

「ちょっ、ちょっと待ちなさいよ!」

 

「そ、そうですわ! 追うって、どこに居るのかしっていますの!?」

 

一夏が倒れた騒ぎは既にそれなりの時間が経っており、既に部屋から運び出された後だったのだ。

 

「緊急時なのだ。行くとしたら、あそこだろう」

 

そう言ってラウラは、その場所へと歩き始めた。

鈴とセシリアはその後を追い、箒もついて行く。

 

「皆も?」

 

ラウラが向かった先は緊急治療室だった。

だが、そこには先客がいたのだ。

 

「シャルルさんもですか」

 

「うん。あんだけの騒ぎだもの、きっとここだろうと思ってね」

 

シャルルも一夏が倒れたことを耳にし、部屋へは向かわず、ここに来たのだ。

そして、痺れを切らした箒は、そんな二人の会話など無視して、緊急治療室に入る。

 

「箒さん!」

 

「ちょっと待ちなさいよ!」

 

箒の暴走を止められなかった鈴とセシリアは箒の後を追うように、緊急治療室に入る。

 

「僕たちも」

 

「ああ」

 

シャルルとラウラもその後を追うのであった。


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