インフィニット・ストラトス ~未定~   作:ぬっく~

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第22話

「おらおらッ!! どうしたァ!!」

 

『ッ!?』

 

一夏とオータムの戦闘は一夏が不利になりつつあった。

《リンドヴルム》の唯一の武器である《雷光穿槍》が全く効かない状況下にあり、一夏はオータムに押され気味である。

しかも、先程とは違い気迫が物凄く。そこにかかる力が桁外れになっていた。

 

「(先程の薬か……)」

 

一夏は会話の途中にオータムが飲んでいた薬が頭の中に思い当たる。

一種のドーピングだと判断したのだが、それは一夏の予想を超える力を発揮していた。

 

「あ? なんだ?」

 

ISのハイパーセンサーで確認した所、現在この船には一夏と目の前の女、そして楯無と誰かの四人しか乗っていない。

《星光爆破》で終わらせたい所だが色々と問題がある為、それが出来ない状況だった。

 

『これで行くしかないか……』

 

そう言って、一夏は《支配者の神域》を展開する。

そして、七色の光輪に包まれる。

 

「ッ!?」

 

一瞬で現れた一夏に驚くオータム。

そんな状況で一夏は《支配者の神域》でオータムの目の前に移動し、《雷光穿槍》を放つ。

だが、オータムは既にその対策している為、《雷光穿槍》の効果は今一つであることは言うまでもない。しかし、一夏はその一撃が当たった瞬間、七色の光輪に包まれる。

 

「ガアァァァ!? 何で……電撃……が!?」

 

オータムが目にしたのは、切断された装甲脚だった。しかも、それは常に地面に差し込んでいたやつだったのだ。

 

「地面に到達する前に斬りやがったのか!?」

 

『賭けだったが、どうやらうまくいったようだ』

 

連続での《支配者の神域》は一夏の身体には大きな負担でしかない。

しかも、電撃が地面に流れる前にその装甲脚を切断しないといけないと言った、高難易度の技を一夏は行ったのだ。

普通の身体では、既に壊れていても可笑しくはなかった。

 

『残りの脚も、もらうぞ』

 

「一撃を与えられたかと言って、調子にのるんじゃねぇぞ!!」

 

オータムは装甲脚の先端を開き、銃口を見せる。

 

『《雷閃》』

 

一夏の《雷閃》と同時に装甲脚の銃口から実弾射撃が行なわれる。

だが、そこに緊急コールが一夏の元に届く。

 

『!?』

 

これは楯無が危機的状況に置かれた時のみに発令される物で、滅多に使われることはない物だ。

一夏はすぐさま、オータムの攻撃を回避しながら、楯無の居場所を探す。

 

「(居た!)」

 

一夏はすぐさま、《支配者の神域》を展開し、連続転移移動を行う。

 

「逃げるのかぁ!!」

 

オータムの叫びを無視して、一夏は楯無がいる場所へと向かう。

到着すると、楯無の前にブレードが振り下ろされかけていた。

一夏はすぐさま、楯無の前にいる少女を目がけて、《雷光穿槍》を放つ。

 

「ちっ!」

 

間一髪、楯無に届かず、一夏は大槍でその少女を無理矢理抑え込む。

 

『楯無は今の内に退却しろ!』

 

「そう、させてもらうわ……」

 

ボロボロになってしまった《ミステリアス・レイディ》を楯無は無理矢理起動させ、離脱を試みる。

 

「邪魔をするなぁ!!」

 

少女の周りに飛ぶ、自立機動兵器が一夏を囲む形で止まる。

一夏は少女を抑え込んでいた大槍を手放し、その場を離れた。

 

「ちっ! 感の良い野郎だな」

 

バイザーで隠れた顔だが、少女は一夏とほぼ変わらない位の歳だった。

だが、一夏が最も目にいったのは、彼女が首に提げている物だった。

 

「ん? なんだ、お前も同類か」

 

『黄昏種……』

 

それは、一夏の物と同じ物であり、あのオータムと言う女もしていたやつだった。

 

「なら見せろよ」

 

そう言われ、一夏と少女はお互いにタグを見せる。

そして、同時に驚くことになった。

何故なら、

 

「A0級……」

 

お互いのタグにA/0と刻まれていたからだ。


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