インフィニット・ストラトス ~未定~   作:ぬっく~

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寒い!!
外を見れば、雪降っているし!?

※内容を読み返して、前回投稿した話を一部ですが、変えさせていただきました。


第16話

簪とデートの約束をして、数日が過ぎた時だった。

掲示板にクラス対抗戦の予選表が提示され、一夏の初戦相手が判明する。

一夏の初戦は二組。鈴が相手だった。

 

『ねぇ、一夏くん。初戦の相手って、一夏くんの知り合いなんだよね?』

 

『まぁ、そうだな。幼馴染……だな』

 

一夏は整備室で相棒である『リンドヴルム』の最終調整を行なっていた。

セシリアの時は不完全な状態で稼働させてしまったが、今回のクラス対抗戦は完全な状態で動かすために、時間をかけて仕上げる。

 

『ふ~ん』

 

『冷やかしに来たなら、仕事をしてくださいよ。楯無さん』

 

一夏の隣で座る更識楯無が空中ディスプレイで一夏と会話をしていた。

 

『それはそれよ。今日は従者の中でも最強である君の監視を兼ねているんだから』

 

『…………』

 

一夏は耳が聞こえないから、常に一人で居ることを避けなければならない。

そのため、常に簪かのほほんさんが傍にいる。

稀に楯無がいるが、従者の虚さんに連れて行かれてしまうのは余談だが。

 

『チェックはこれで終了ですね』

 

一夏は全ての項目を確認して、問題ないことを確認する。

展開していたISを待機状態にし、腰に下げた。

 

『クラス対抗戦頑張りなさいよ』

 

『ああ』

 

楯無はそう伝え、一夏は共に整備室を出た。

 

 

 

 

「今年の対抗戦の目玉は断然、織斑一夏くん!」

 

「彼の試合を観たいと生徒は数多……」

 

「けれど客席は試合前予約で既に満員状態」

 

アリーナの影で二人の生徒が見るに怪しい話をしていた。

 

「そーこーで! 何人かの生徒から座席券を買い上げたってわけよ」

 

「ふむ」

 

「後はこれを、希望者に一万程で売りつける……どう?」

 

「美味しい話ですなぁ……」

 

そんな話をしている生徒の後ろから悪魔が近づいていることも知らず……

 

「ほう……その話」

 

気付いた時には遅かった。

生徒はブリキ音を立てながら後ろを向く。

 

「私にも是非、聞かせてほしいものだ」

 

悪魔……もとい、織斑千冬がいたのだ。

その後、悲鳴が響き渡ったことは言うまでもなかった。

 

 

    ◇

 

 

「あっ、いたいたー! 織斑せーんせ! 聞きましたよ~」

 

「……職員室に何の用か? 黛」

 

「じゃーん! 対抗戦の取材許可を貰いに来たんです!」

 

黛は織斑先生に取材許可書を渡す。

 

「ってそれより織斑先生に聞きたい事が……。試合前予約で客席が取れなかった人に座席券を売ろうとした輩がいるらしいじゃないですか。噂によると首謀者達は織斑先生に制裁を下されたとか……。彼女達は何日も部屋から出ず、おまけに部屋からはうなされるような声が聞こえるとか……。一体何をしたんですか~?」

 

「人聞きの悪い事を言うな。厳重注意をしただけだ」

 

その答えに山田先生は苦笑いをする。

 

「そんなくだらない事を聞きに来たのか?」

 

「ああ、いえ。それも質問の一つではあるんですが、今年の対抗戦は例年にない目玉がありますから、新聞部も大々的に特集してるんです。それで試合直前の号に織斑先生のインタビューを載せたいと……」

 

「……目玉……か……」

 

織斑先生はため息を吐く。

 

「何も面白い事は言えないぞ」

 

「何でもいいんですって! 教師にして実の姉! 絶対読者は期待してるんですから~!」

 

「そうだな……アレは女子のようにISの教育を受けていない。ほんの数か月ISに触れただけ……。そんな人間が果たしてどこまで戦えるのか、興味深いところではあるな」

 

「ふむふむ、なる程。で?」

 

「“で”?」

 

黛の最後の言葉が解らなかった織斑先生は聞き返してしまう。

 

「いや……だからですねぇ。アイツならきっとやれる! とか、怪我しないか心配だなぁ……とか姉目線の意見ですよ!」

 

「あ……それは私もちょっと気になります」

 

「でしょー! 姉弟の微笑ましいエピソードを一つ……」

 

織斑先生には何故か弟に関しては結構敏感であることを彼女らは知らない。

 

「どうやら二人とも、私に厳重注意されたいようだな……」

 

「い……いいえ!!」

 

「めめめ滅相もありません!!」

 

「まったく……黛! 用が済んだなら教室に帰れ」

 

「ああ、待ってください~! あと一つ」

 

黛は最後の質問を聞く。

 

「凰さんも一夏さんの幼馴染なんですよね? 昔から知っている子が相手と言う事で、何か思うところがあれば……」

 

「ああ、そうだな……。よくもこう懐かしい顔が集まったものだ。凰 鈴音……それに、篠ノ之………………」

 

「「織斑先生?」」

 

「いや……少し昔の事を思い出しただけだ……」

 

 

 

 

そして、その日が訪れた。

クラス対抗戦。その第三アリーナで一夏と鈴はISを展開して、試合が始まる時を待っている。

 

「両者……試合開始」

 

アナウンスから流れた試合開始の合図に両者が動いた。


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