オーバーロード ~たっち・みーさんがインしたようです~   作:龍龍龍

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番外編
騎士と戦士の鍛錬


 

 嵐のように打ち込まれる刃の連撃を、紙一重でかわしていく。

 体勢や状況的にどうしてもかわせないものだけ、左手に持った盾で弾いた。特殊技術〈攻勢防御(パリィ)〉によって弾かれたその腕は大きく跳ね上がり、隙が生じているように見えたが、しかし連撃は止まない。

 上、真横、袈裟懸け。三方向からの同時攻撃を軽いステップで距離を置いてかわす。

 攻撃者との間にわずかな距離が開く。その瞬間を狙い澄ましたかのように、横合いから魔法が飛んできた。それは通常の〈火球〉であり、はじき返すのに何の苦労もないレベルのものだ。だが、それを弾くことはせず、姿勢を低く取って射線からその体を外した。〈火球〉が一瞬前まで彼のいた場所を通りすぎる――ところを、別の方向から飛来した石礫が爆発させた。

 直撃させるよりはダメージは少なくとも、その爆風に巻き込まれれば無事ではすまない。回避したと感じさせたところで、爆発を浴びせる。術者と投擲者、その連携があってこそのものだった。

 しかし、防御者はそれを軽く上回る。

 体勢を低くするために曲げていた足を伸ばして、前方に向かって一気に加速。〈火球〉による爆風すらも推進力に変え、四つの剣を操る攻撃者に対し、瞬時に肉薄した。驚く様子を見せる攻撃者たち。特に、魔法の爆発と同時に踏み込もうと考えていたのであろう四つの剣を操る攻撃者は対応が一歩遅れた。

 そこに、防御者から攻撃者に代わった者が、その手に握る不思議な形をした剣を縦横無尽に振るう。四つの剣を防御に回し、ありとあらゆる角度からの打ち込みからも対応せんとしたが、四つ剣の防御力をただの一刀の猛攻が撃ち破った。

 ほとんど同時にしか思えないタイミングで四つの剣が同時に弾かれ、隙だらけになった喉元に切っ先――形状からすると切っ先というよりは先端――が突きつけられる。

 しばしの静寂。

 四つの剣を持つ者、コキュートスは静かに腕を降ろし、その場に跪いた。

「オ見事デス。マイリマシタ」

 その口からは冷気がため息のように噴出する。それが彼なりの感服している表現だと知る勝者――たっち・みーは剣をしまいながら慰めるように声をかける。

「いや、見事なのはお前の方だ。この軽くて丈夫なことが取り柄の剣でなければ、お前の剣をすべて弾くことなどできなかった。実に重みのある一撃と手数、そしてそれだけではない技巧……さすがはナザリックでも最高の武器使いだな」

 そう声をかけると、たっち・みーが感じることのできるコキュートスのオーラが、喜悦を表すものに変化したのを感じる。こうまではっきりと見えると逆にたっち・みーの方がむず痒くなるくらいだ。

「勿体ナイ、オ言葉デゴザイマス」

 たっち・みーは次に、少し離れたところで膝をついている二人にも顔を向けた。

「お前たちも見事だったぞ。アウラ、いつの間に石礫を拾っていたんだ?」

 その声をかけられたのは、アウラとマーレだ。

 アウラは鞭を使っていて、その他の武器は持っていないように見えていた。いつのまに拾ったのかと問われ、アウラは正確に答える。

「一度たっち・みー様に転ばされた時です。あの時、とっさに拾っておりました」

 鞭を使った中距離攻撃をアウラは仕掛けていたが、一度打ち込みが甘くなったとき、その鞭を逆に掴まれて引かれ、体勢を崩された時があった。その際、アウラは目の前にあった石礫を拾っていたのだ。転ばしたのはたっち・みー自身だったため、アウラが地面に伏したことをそこまで意識に入れていなかった。三人の連携を一時的に崩した程度の認識だった。

 意識の空白を見事に突かれた形になるたっち・みーは、感心して唸る。

「ほう、なるほど……窮地を逆に活かして反撃の手を増やしていたのか。やるじゃないか」

「ありがとうございます!」

 褒められたアウラが嬉しそうな笑みを浮かべる。

「だが、そもそも鞭の打ち込みが甘かったゆえに、転ばされたことは反省するように。牽制の一撃であろうと、常に神経を張りつめた一撃を心がけることだ」

「うっ。は、はい……」

 最後に、頭を下げるアウラの隣にいるマーレに、たっち・みーは視線を向ける。

「マーレ。魔法のタイミングといい、常に私の死角に入ろうとする立ち回りといい、見事だったぞ」

 見なくても敵の位置が気配で把握できるたっち・みーには、実はあまり意味のない行為ではあるのだが、それでも視界に入っている時と死角に入られた時では意識の割き方が変わってくる。

「あ、ありがとうございます!」

 短くとも純粋なたっち・みーの賛辞。それで喜ばないような者はナザリックにいない。マーレはいつものおどおどした様子はなく、非常に朗らかに笑っていた。

 鍛錬につきあってもらった三人にそれぞれ声をかけたたっち・みーは、手に持っている武器を確認する。いつも身につけている白銀の剣ではなく、模擬戦にしか使えない剣だ。

 通称は竹刀。純和風の香りがするその剣は、武人建御雷がギルドに預けていた武器の中のひとつだ。攻撃力がほぼない代わりに、取り回しのしやすさと頑丈さは群を抜いており、もっぱら鍛錬用の武器として活用されていた。攻撃力が非常に乏しいゆえに実戦では使えないが。

 たっち・みーとしては鍛錬に使えればいいのだから、その性能だけで十分だった。

「しかし、やはりブランクというものは大きいな。もう少し慣らさないとだめか……」

 そういってたっち・みーはため息を吐くが、とてもブランクというものがあるようには思えない。それは実際に鍛錬の相手をした三人全員に共通する想いだった。

 いくら鍛錬であって本気ではないとはいえ、守護者三人を相手にして平然とそれを捌いてみせるたっち・みーは、やはり最強の存在だった。

 

 数年間、ユグドラシルのゲームから離れていたため、たっち・みーは若干のブランクを感じていた。カルネ村で戦ったニグンのような遙か格下ならまだしも、今後自分たちと同等以上の存在が出てこないとは限らない。

 その時に備え、彼は全力で自分の腕を磨いているのである。その中でも特に意識しているのは対複数戦。基本的に敵に対して一人で挑むなどということは、配下が、ナザリックの者たちがいる以上はほぼありえないと考えられるが、戦いの場では何が起きるかわからない。

 万が一の時はたっち・みーが一人で複数の敵を食い止める必要もあるかもしれない。

 ゆえに、たっち・みーは自分の技量をできる限り向上することに努めているのである。

 

 今後の計画を踏まえ、ブランクを少しでも埋めるための鍛錬であったが……たっち・みーは一つ失言をしていた。少し遅れてそのことに気づいたマーレが、ふと小首をかしげる。

「あ、あの、たっち・みー様……気になることが、あるんですけど」

「ん? なんだい……ごほん。なんだ? 疑問に思ったことは遠慮せず、何でも聞くといい」

 マーレに対し、たっち・みーは思わず子供に対する口調になりかけ、咳払いをして上位者としての口調に戻す。この辺りは子育てをしてきて身についている習性なため、気を抜くとついそういう言葉づかいになってしまうのだ。

 マーレはいつもの気弱そうな態度ながらも、たっち・みーの包み込むような雰囲気に安心したのか、気になったことを素直に聞いてくる。

「ブランク、とおっしゃってましたけど、たっち・みー様は『至高なる世界』で、至高の方々でさえ苦戦されるような、戦いをしてらしたんですよね?」

(――――)

 たっち・みーは全身から冷や汗が噴出するのを感じた。その精神力を用いてなんとか無様な声や態度を取ることは堪えたが、大失態である。

 確かに、『至高なる世界』でも戦いを続けていたとするなら、ブランクという言葉が出てくるのはおかしい。

(まずい。完全に無意識だった……ど、どうする?)

 マーレの指摘でそのことに気づいたのか、アウラやコキュートスからも疑問に思っている気配が感じられた。ここで嘘をついたなどと思われては、忠誠心にも影響が出る。

 そう感じたたっち・みーは、全力で頭を回転させて答えを絞り出そうとした。しかし黙っているばかりでもいられなかったため、答えを待つマーレに対して当たり障りのないことをいった。

「そうか……言葉が足りていなかったな。すまない」

「い、いえ! 少し気になっただけなんです! ご、ごめんなさい!」

 たっち・みーに頭を下げさせたということの方が大事なのか、マーレは大慌てで頭を下げる。たっち・みーはそんなマーレの頭に手を伸ばし、優しく撫でてやった。

「マーレ。お前が頭を下げる理由はなにもない。むしろ気になったことをきちんと口に出せたことはすばらしい。お前だけじゃなく、これは皆に伝えて欲しいのだが、何か疑問に思ったり、不思議に感じたり、悩みが生じたら、私でもモモンガさんでもいいから、必ず声に出して聞くんだ。事情があって、答えられないことはちゃんとそう応える。だが、疑問に感じながらも自分の中で抱え込んではいけない。それは逆にナザリックの利益を損ねることになりかねないのだからな。納得がいかない時は、納得がいくまで人に尋ねるという癖を身につけなさい。どうしてもそれがしにくいというのなら、仲間に相談するのもいいだろうね」

 たっち・みーはそういって守護者たちに言い聞かせながら、頭をフル回転させてマーレの問いに対する答えを導き出した。思わず口調が乱れはしたが、その甲斐あって矛盾のない答えを導き出す。

 守護者たちが自分の言葉に了解するのを、満足げに受け入れつつ、改めてマーレの質問に答える。

「さて、マーレ。お前が疑問に思ったことだが……私が正確なことを言っていなかったのが悪かった。『至高なる世界』という場所では、直接的な戦いをすることが困難なのだ」

「こ、困難……ですか?」

「そうだ。お前たちが向こうの世界で存在できない、という話はしたな? 向こうの世界はそういった特殊かつ強力な法則で縛られている。ゆえに、私のようにこちらでは最強に近い力を持っていても、それは意味を成さない。向こうではむしろ『意思の強さ』というものが重要になる」

「意思の強さ……ですか?」

「そうだ。これと決めたことをやり遂げる意思力。信念を貫き通す強固さ。そういったものが向こうでは武器になる。だからこそ、こちらでは強固な存在である私たちも、それに関係なく存在が危うくなってしまうところだったんだ」

 そういってたっち・みーは締めくくる。答えを聞いた守護者たちは、得心のいった表情になり、さらにその視線に宿す尊敬の念を強くした。

(の、乗り切った! 危なかった!)

 たっち・みーはなんとか無事にやり過ごせたことを確信し、ほっと一息を吐く。

 あとでモモンガとも話を合わせておこうと、心に刻むのだった。

 なお、この時の説明は瞬く間にナザリック中を駆け巡り、「至高の御方々は、単純な強さだけではなく、その意思力も至高なるものである」、「至高の御方々は配下の声に耳を傾けてくださる慈悲深き方々であり、相談せずに疑問を抱え込むことこそ不敬である」という話となり、より強い尊敬と信愛の念が全員から発せられることになるのだった。

 

 数分の休憩を挟み、鍛錬を再開しようとしたとき、闘技場にアルベドを伴ったモモンガが現れた。

 即座に跪いてそれを受け入れる守護者たち。たっち・みーは気楽な様子でモモンガに向けて手をあげる。

「やあ、モモンガさん」

「たっちさん、お疲れ様です。今日も精が出ますね」

 モモンガのいつも配下に見せている支配者然とした鷹揚な態度は鳴りを潜め、実に気安い朗らかな調子の声を発する。

 最初、たっち・みーはいくら自分に対してとはいえ、そんな穏やかな態度や雰囲気を頻繁に見せてはモモンガの威厳が薄らいでしまうのではないかと危惧していたが、いまのところその様子は見られない。

 むしろそういう友人に対する態度を見せるモモンガが、崇拝する存在でありながらも、共感を覚えられる存在であるとして、親しみを感じている様子も見られる。支配者として締めるところさえ締めれば、逆にいい傾向なのではないかとたっち・みーは考えていた。

 ただ、問題が生じていない一番の原因は、そんな態度を取っている相手がたっち・みーであり、彼らのいう『至高の存在』であることが大きいのだろう。もしもモモンガがその態度をこの世界の一般人に対して取っていたら、ナザリックの者たちの感情も大きく違ってくるはずだ。

(ほんと、慕ってくれるのは嬉しいが、それはちょっと困るな)

 実際、以前助けた王国戦士長のガゼフ・ストロノーフからその報酬が送られて来た際、それと一緒に手紙が送られてきていた。そこには丁寧な文面で助けてくれたことによる感謝と、今後無理のない範囲で手紙のやり取りをしたいという申し出があった。

 王国戦士長とのコネクションはいつか役に立つと考えていた二人は、その申し出を受け、王国戦士長と手紙のやりとりをすることにした。書く内容には気をつけなければならないため、二人で相談することにしていたが、基本的にはたっち・みーが表に立ってやり取りをすることにしている。

 しかし、当たり障りのない文を書いてそれを運ぶようにメイドに頼んだ時、そのメイドは非常に複雑な表情でそれを承った。たっち・みーが見たオーラからは、不満や嫉妬の感情が感じられた。ただの手紙を渡すという行為でさえそうなのだ。直接会って親しい態度を取ろうものならどんな感情を抱かれるかわかったものではない。

(どうにもコネクションを作りづらいというのが問題だな……)

 たっち・みーはそう感じて息を吐いて、頭を切り替える。

 ここにモモンガが来てくれたことは、ちょうどよかった。

『モモンガさん、実はちょっと話を合わせておきたいことが……』

 つい先ほどあったことを守護者たちに聞こえないよう、〈伝言〉を用いて説明しつつ、たっち・みーはモモンガと話を始めた。

 

 

 

 

 モモンガとたっち・みーが親しげに話し始めたのを受け、その場にいた守護者たちは邪魔をしないようにそっと距離を置いて控えた。

 アルベドは相変わらず慈愛に満ちた顔でそんな二人の様子を見守っている。コキュートスは鍛錬で使用した剣を手入れし、アウラとマーレは興奮気味に先ほどの鍛錬の内容を話し合っていた。

「やっぱたっち・みー様はすごいよね! あたしの鞭がかすりさえしないんだもん」

「ぼ、ボクが魔法を使おうとするとすぐ反応なさって……プレッシャーがすごく、まともに撃てなかった……〈魔法攻勢防御〉は使わないってわかってたのに、撃つのがすごく怖かったよ」

「アレガ至高ノ方々ノ中デモ随一ノ力……感服イタシマシタ」

 コキュートスは深々と息を吐く。途端に冷気が彼の座る場所の周囲を凍らせた。

「たっち・みー様は御怪我などなさっていないかしら?」

 アルベドがそう確認してくるのに対し、コキュートスは軽く頷く。

「無論ダ。私ガ使ッタノハ、普段私が使ッテイル物ト、攻撃力以外ハホボ同ジ物。シカシ、コノ程度ノ攻撃力デハ、御方ノ防御ハ貫ケヌ」

 コキュートスはこの鍛錬のために、普段なら見向きもしないような武器を持ってきていた。その剣の性能は、普段の彼らからすればガラクタにも等しい程度の価値しかない。

 当然、たっち・みーが着ているような、ワールドチャンピオンの鎧に傷をつけられるような代物ではなかった。アルベドはそのことを把握して、頷いた。

「それもそうだったわね」

「ソレニシテモ……改メテ感ジタノダガ、たっち・みー様ハ恐ロシイ」

 そのコキュートスの言葉に、守護者たちが反応する。

「ちょっと、コキュートス。それってどういう意味? 恐ろしいって……」

「お、お強いのは事実ですけど、恐ろしいって、わけじゃ……」

「場合によっては不敬な発言よ?」

 責めるような響きのある三人の声に、コキュートスは落ち着いて応じる。

「アノ御方ガ使ッテイル『竹刀』トイウ剣ハ、攻撃力ガ皆無ノ剣ダ。ソレユエ、私ガ使ッテイルコノ剣ヨリモ相手ガ傷ツク恐レハナイ」

「それはそうでしょうね。いくらたっち・みー様でも、『竹刀』でコキュートスの体を傷つけることはできないでしょう」

「ダガ、最後二切ッ先ヲ突キ付ケラレタ時、私ハ思ワズ『恐怖』ヲ感ジテイタ」

 コキュートスの素直な告白を受け、三人はざわめく。

「それは……つまり、『竹刀』を脅威に感じたということ?」

「アア、ソノ通リダ。たっち・みー様デアレバ……アルイハ本当二『竹刀』ヲ用イテ私ヲ倒スコトガ可能ヤモ知レン」

「そ、それはいくらなんでも……言い、過ぎ……じゃ……?」

 マーレの声は自身なさげに尻すぼみに消えて行った。あるいはたっち・みーであれば。それも可能かもしれないと思って。

 至高の41人最強の存在。

 その途方もない実力を感じ、その場にいる誰も感服し、尊敬の念を強めていた。

 

 

 

 

「〈上位道具創造(クリエイト・グレーター・アイテム)〉」

 モモンガがその魔法を唱えると、その体を重厚な全身鎧が包む。漆黒の戦士がその場に現れていた。

 たっち・みーはその姿を見て、ほう、と声をあげる。

「魔法で生み出したものであれば、魔法詠唱者であっても装備できるわけですね」

 その質問にモモンガはアイテムボックスの中から二つの剣を取り出しながら頷く。

「ええ。この世界においても、装備できるものは取得した職業に制限されてしまいますが……これならば問題ありません」

 二本の大剣を取り出したモモンガは、それを軽々と振り回す。その様子からは暴風のような威圧感が滲み出ていた。少なくともこの世界のレベルであれば、相当な脅威を感じることだろう。

「なかなか壮観ですね」

「あはは。お世辞だとわかっていても、たっちさんにそう言ってもらえると嬉しいですね」

 モモンガはそういって笑う。たっち・みーは少し苦笑した。この世界の者からすれば、モモンガのただ力で振り回している大剣であっても脅威に感じるだろう。しかし、たっち・みーのレベルからすると、それはただ力任せに剣を振り回しているだけで全く脅威には感じなかった。

「今後、万が一魔法を封じられた時のために備えておこうかと。たっちさん、お相手をしていただいても構いませんか?」

 二本の剣を構え、モモンガが尋ねる。たっち・みーは快く頷いた。

「もちろんです。お相手いたしましょう」

 盾と剣を構えるいつものスタイルでたっち・みーは立つ。

 二人は闘技場の広いスペースを活かして向かい合い、そして軽い模擬戦を開始した。

 モモンガが思うままに二つの剣を振るい、たっち・みーはそれを受けつつ捌きつつ戦士としての立ち回りのアドバイスをし、ちゃんとした鍛錬の形式にはなっていた。

 しかし、傍で見ていた守護者たちにから見れば、二人はまるで楽しくじゃれ合っているようであったという。

 

 なお、のちにこの時のことは居合わせた守護者から、仕事のために居合わせなかった守護者に語られた。

 そして、その光景を直に見られなかった守護者たちが悔しがって、慟哭の叫び声をあげるという一幕もあったりしたのだが……それはまた別の話である。

 

 

 

 







改訂点(2015/09/03)
・ブランクに関する守護者視点での矛盾に対する言及を追加。




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