組み分け式が始まった。
順番に名前が呼ばれていくらしい。
あぁ、どうしよう緊張してきた……。
「ロザリオ・アルナティア!」
「……はぁい」
だるそうな声とともに、明らかにサイズの合っていないローブを着た少女が前に出る。
のたのたと椅子に上がり、ぐでんと海洋生物のように座った。
帽子がかぶされる。
「スリザリン!」
……あらら。
そこまで性格悪そうには見えないのに、実は腹黒かったりするのかな。
まぁいいか。
次々に名前が呼ばれていき、ついに―――
「ラーニャ・ギルティク!」
「はいっ」
緊張したまま椅子に上がった。
「組み分け帽子を……」
「ん? おお、スリザリンだな」
「ちょっ、まだかぶってもないのに!?」
お前絶対に私の顔で判断しただろ!
顔で判断なんかされちゃ困る、絶対、絶対に!
「はいはい、かぶったな? スリザリーン」
わぁあ、と拍手が起こる。
……なんてことだ。
冗談じゃない、スリザリンなんかに入れられたら私はいじめられるに決まってる。
何をやってもとろくさかった私だ、きっと魔法もできないに違いない。
胃がよじれるような思いで、それでもなんとか笑顔を保ってスリザリンの席に着く。
「ねぇ、あの子すっごく美人じゃない……?」
「そうよね、可愛いわぁ……、でもお人形さんみたいで近寄りがたいわね……」
きゃぁあホラ噂されてるよぉ!(←噂が聞こえていない
「あ、あのっ、先輩方!」
「あぁ、はい?」
二人で話していた先輩方に話しかけて、満面の笑みを浮かべる。
くっ、ほっぺたがつりそう!
「えっと、この寮を担当する先生はスネイプ先生?ですよね? どなたですか?」
「あぁ、えっとね……、居た、あそこの先生よ。黒い髪の、無表情な」
「んーっと……、あ、あの方ですか」
本当はだいたいわかっていたけれど、悪い噂が広がらないようにするため注意しなくては。
お母様は同性からの評判が異常に悪くて、ビッチだなんだと言われていたらしいから。
私も気をつけなきゃ。
「ありがとうございました」
「いえいえ。さっきね、貴女が綺麗よねって話してたところなの。この子とね」
「見た目が凛としてたから、ちょっと近寄りがたいかなって思ってたんだけど。話しやすくてびっくりしちゃった」
「そんな……、先輩方のほうが全然綺麗じゃないですか。私なんて大したことありませんわ」
しばらく、先輩方二人とお話しする。
意外といい人たちだった。
スリザリンは怖いって聞いたけど、そうでもないのかな?
「諸君、入学おめでとう!」
…………え?
やばっ、先輩たちと話してたせいで聞いてなかった!
フレッドさんとジョージさんは!?
居た、グリフィンドールのところだ。
いいなぁ……と羨ましそうに眺めていると、二人同時にウインクをされた。
……まぁスリザリンも悪くはないかもしれないし。
いいもん、いいんだもん。
なかなか原作キャラが出せませんが、頑張りたいと思います。