スリザリン生の優雅な生活   作:モンコ

1 / 13
ラーニャの性格は変わりませんが、回を重ねるごとに悪役の演技がうまくなっていきます。
よろしくお願いします。


新入生・ラーニャ
ラーニャ・ギルティク


「ふぅ……」

 

ホグワーツ行きの列車の中で、ため息をつきながら、少女は窓の外を見る。

 

(……私、ハッフルパフに入りたい)

 

少女の名はラーニャ・ギルティク。

名門中の名門、ギルティク家の次女である。

黒い艶やかな髪、長い睫、みどりの瞳がその証だ。

 

(私なんて、きっと落ちこぼれてしまうわ……。お母様のご学友のスネイプ先生は、とても厳しい方だと聞いたし……)

 

悩ましげに頬杖をつく美少女の姿は、まるで一つの絵のようだった。

 

「よーっす」

「お隣、じゃましていいかい?」

「あ、ああ。どうぞ」

「あんがとさん」

 

二へへ、と笑いながら双子の少年が入ってきた。

燃えるような、赤い髪である。

 

「お名前は?」

「フレッド・ウィーズリーだよ。こっちはジョージ。見てわかるとおり、双子さ」

「そちらは?」

「ラーニャ・ギルティクと申しますわ。よろしく」

 

にっこりと笑って、握手をする。

 

私自身でそんなつもりはないのだが、私はどうも顔が怖いらしい。

「綺麗ですね」「可愛らしい」とはよく言われるし(こんな言い方をするとナルシストっぽいが)、鏡を見てもそこまでひどい顔ではないように見える。

だがしかし、どうも、なんというか……顔が、悪役っぽい。

悪そうに見える。

ふわふわとした白いドレスよりも、シックな黒いドレスがしっくりきてしまうのだ。

 

だから、第一印象でちゃんと笑顔を見せ、悪い印象をもたれないようにしなくてはならない。

 

「ギルティクって言えばお嬢様じゃん? すげぇな」

「そんなことありませんわ。特に私は。今年新入生なのですけれど、貴方がたも?」

「そうなるな。ははは、同級生だ」

「キミ、どの寮に入りたいの?」

「そう……ですわね、私は、ハッフルパフがいいです。家族はみんなスリザリンなのですけれど、スリザリンって、ちょっと怖くて……」

「ふぅん? 俺はグリフィンドールがよかったんだけど……、こんな美人がいるなら、ハッフルパフにしようかな」

「あっ、ずるいぜジョージ」

 

 

しばらくして、列車がとまった。

 

あの二人がいるならグリフィンドールもいいかなと、少し思った。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。