キリトの指示のもと、俺たちは再び戦線を立て直し始めた。と言っても、現状動けているのは俺たちH班を除けばキバオウのE班だけ。故に戦線と言うにはあまりにも心許ない。
ボスの相手をするのはキリトとアスナの二人。キリトがタンク兼パリィ役としてカタナスキル――あの武器は『野太刀』というらしい――をいなし、アスナがダメージを稼ぐ戦術を繰り返している。一瞬のミスで瓦解する戦法だが、二人とも恐るべき集中力だ。未だにまともなダメージは受けていない。
そしてE班と俺たち三人はそれぞれセンチネルのタゲ取り。センチネルのポップ条件も変更されているらしく、あの後さらに四匹のセンチネルが壁に空いた穴から湧き出してきた。このままモタモタしていたら時間経過で追加湧きしてくるだろうとキリトは睨んでいる。
「だから、さっさと潰さねえとな!」
タイマンで相手をしている番兵の顔面にソードスキルの乗った片手棍をぶち当てる。漏れ出るような呻き声を聞き流しながら、技後硬直が解けた瞬間にもう一度距離を詰める。余裕を持った安全行動などではなく、被弾も厭わないダメージ重視の行動だ。
ポールアックスの斬撃が左腕を掠める感触に眉をひそめながら、セオリーの喉元にソードスキルを直撃させる。HPの全損を確認して、すぐにその脇を走り抜けた。
敏捷値限界の速度で向かうのは、二人でセンチネルを相手しているマチとイロハのもと。
二人ともこの一ヶ月でかなりのプレイスキルを身につけているが、マチは敏捷重視、イロハは耐久重視で火力そのものが低い。未だに相対しているコボルトのHPはギリギリ半分といったところだった。
「っ! お兄ちゃん、スイッチ!」
俺の接近に気づいたマチが『クロス・エッジ』の二撃目でポールアックスを弾き飛ばす。肩が外れそうなほどはじかれた腕の方向に敵の意識が向いている――おそらくリアリティを求めたただのモーションなのだろうが――すきに間に割って入り、ソードスキルを起動。ライトエフェクトを帯びた得物の先端は鎧の胸当てに阻まれるが、衝撃の反動で互いに数歩後ずさった。仕切り直しには十分な距離だ。
「せんぱい、HP減ってるじゃないですか! 早く回復してください!」
よろめいていた両足を地につけなおしてコボルトに対峙していると、視線だけを右上に向けたイロハが焦った声を漏らす。確かに少々無茶な立ち回りを演じたせいでHPは四分の一ほど減っているが……。
「別にまだまだ平気――」
「ダメです!」
「ダメだよ!」
めちゃくちゃ否定された上に、マチからポーションを手渡された。さっさと飲めということだろうか。
このまま押し問答をしていても仕方あるまい。いつでも動けるように意識だけは二人に向けたまま、渋々ポーションの蓋を開けて傾ける。
トロリと透き通るような赤い液体が口内に入ってきて……思わず吐き出しそうになった。
「マズい……」
ソードアート・オンラインにおけるもっともポピュラーな回復アイテムであるポーションだが、これがなかなか難儀な品物だったりする。まず飲んだら即時回復するのではなく、じわじわと一ドットずつ回復する形式。そして一本飲むと視界内に表示されるクールタイムが切れるまで次が飲めないデメリット。この二つにより、大ダメージを受けると相応の時間、戦線離脱を余儀なくされる。
そして個人的にそれ以上にきついのが味だ。味気ないのに妙な薬品臭さを感じる粗悪な栄養ドリンクのような味。
たかが味と侮るなかれ。その飲みにくさにPOTローテがうまく回らない、なんていうのはもはやSAOあるあるの一つとなっている。
まあ、今回はあくまで保険のための回復。回復しきるまで待つ必要もない。
飲み干したガラス瓶を放り出し、メイスを握り直して構える。コボルトを挟んで盾を構えていたイロハがそれに気づき、パリィを行うために『アニールブレード』に『スラント』のライトエフェクトをまとわせたのを確認して走り出した。
「やあっ!」
キン――、と澄んだ音を奏で、センチネルはもう幾度となく見たのけぞり姿勢になる。位置的に喉元は狙えない。ダメージ的に、脚の付け根が最も効果的かと、とっさに判断を下し、距離を詰める。
そして後二歩、いや一歩もあれば自分の間合いに入る――というところで。
「しまっ……!」
「っ――――!?」
その切羽詰まった声は、痛いほどに鼓膜を震わせた。最後の一歩は思わず止まり、声の主、キリトを見やる。
極限を軽く上回る集中力。そもそもがいつまでも続けられるような芸当ではなかった。ギリギリのところでボスのソードスキルを防いだキリトの動きが、無理な体勢も相まって止まってしまっている。
そして、そんな少年剣士を正面から切り伏せようと振り上げられた刃が、鈍く冷たい光を放つ。
脳が揺さぶられそうなほどの警鐘を鳴らしてくる。しかし、フォローに向かおうにも今の俺はセンチネルのタゲを取っている身。下手に動けば余計に戦場を混乱させかねない。どうする。どうする、どうする――。
「ちょっと邪魔するで」
ゴツいブーツをジッと地面に擦り合わせて逡巡させたのも一瞬。目の前に飛び出してきた人影に、声には出さず目を見開く。反応が警戒ではなく驚愕になったのは、その声、その独特のしゃべり方のおかげで、確認せずとも正体に気づくことができたからだ。
その人物、キバオウは俺がタゲを取っていたコボルトを片手用直剣ソードスキル『バーチカル』で牽制してタゲを奪うと、鼻を鳴らしながらボスの方を顎でしゃくる。信頼していたリーダーの死。相当辛いだろうに、その目には凛とした意思が灯っていた。
「雑魚コボルトどもはワイらが全部相手したるわ。あんさんたちはあん生意気な奴のフォローしてきいや!」
「っ――分かった」
返事もそこそこに身体を翻し、コボルトロードへと距離を詰める。遅れてマチとイロハも動き始めた気配を背中で感じた。
これ以上犠牲者を出さない。これは絶対条件だ。ディアベルが死んだことで、動けなくなっているメンバーも多い。ここでさらなる犠牲が出れば、集団は完全に抗うことをやめてしまいかねない。
しかし、いざフォローに入ろうと駆け出したはいいが、さっきまでセンチネルの相手をしていた関係上、ボスとのそもそもの距離が遠い。ステータス限界の速度を出してはいるが、キリトを切り伏せ、彼をかばうようにレイピアを構えたアスナに振るわれようとする野太刀の軌道を妨げることは、マチですらできそうにない。
せめてアスナが致命傷を受けないように祈ることしかできないのか、と小さく舌打ちをして――遠くにいたが故にその大きな影が目に入った。
「ぬ――おぉぉお!!」
血のように真っ赤なライトエフェクトをまとう刀を、深緑の光が受け止める。巨大な両手斧のソードスキル『ワールウィンド』だ。
巨大な得物同士がぶつかり合った衝撃が、骨の髄まで波紋のように伝わってくる。コボルトロードは衝撃のままに大きく後方へと飛びのいたが、黒色の大男、エギルは二歩ほど後ずさっただけでなんとか踏みとどまった。
「つゥ――ッ! なんて重い攻撃しやがる。斧の時の比じゃねえぞ」
笑みとも慄きともつかない表情に頬を引きつらせながら、巨大な斧の柄を握り直す。リーダーのデスという精神的負荷からようやく抜け出したと思ったら、ソードスキルをぶつけ損ねれば自分が死んでいたかもしれないという切迫した状況に遭遇したのだ。恐怖に青ざめる表情エフェクトが出ていないのが奇跡だろう。
しかし、日本人離れした彼の決死の守りのおかげで、最悪の事態を免れることができたのだ。
「ナイスフォロー、エギルさん」
そして彼が作った隙の間に、プレイヤー側の戦線も整い始める。エギルのパーティメンバーであるB班の面々に俺たち三人。全体の四分の一にも満たない九人と心許ないものだが、そもそも今まで二人で戦況を維持していたことを考えれば、十分すぎる増援と言えよう。
「むしろ遅すぎたんだがな。ダメージディーラーにいつまでも壁役の真似事されたんじゃ、タンク職の立つ瀬がねえや」
「いや……ほんと助かったよ」
エギル達は力ない笑みを浮かべるが、キリトは似たような笑みを浮かべて礼を言うだけだった。
信用していたリーダーが死んだ。現実の戦いでも大将が落ちれば集団は乱れるのが常であることを考えれば、彼らの反応が普通だろう。
そんな状況の中で俺が動けたのは、偏に客観的にしかこのレイドを見ていなかったからというなんとも自分勝手な理由であるし、そんな俺に引っ張られる形でイロハやマチも動くことができた。アスナはそもそも死を受け入れてるのだろうし、一番の傷心かもしれないキバオウはキリトに焚きつけられ、自身のパーティがセンチネルを引き受けていたからこそ、ある種の正義感から奮い立った。
ではキリトは? 今そのHPゲージをギリギリにしている少年剣士はなぜ動くことができたのか。最も近くでゲーム内の死を目の当たりにしたにも関わらず、なぜ。
答えを探すように、膝をついた彼を盗み見て――一人、誰にも悟られることなく納得した。
瞳の奥に、別の意思が見えた気がしたから。
ディアベル。あんたは死んでもなお、リーダーであり続けるんだな。
クリアが最優先。この世界から二人を脱出させることができるのなら、誰が死のうが、他人がどうなろうが関係ない。
けど、そうだな。その強い意志には、不思議と力を貸したくなってしまうのも無理はないのではないだろうか。
「とにもかくにもキリトが今回の鍵だ。回復が終わるまで持ちこたえなきゃな」
……それが結果的に、俺の目的にも繋がるはずだしな。
「ボスの後ろには絶対立たないように! 全方位攻撃が飛んでくるぞ!」
離れたところで回復しているキリトから指示が飛んでくる。アルゴの攻略本でカタナスキルについて知ってはいるが、やはり実経験に勝るものはない。なんとか、ではあるが、俺たちはコボルトロードの攻撃を凌いでいた。
ロードの前方にエギル達タンク職が盾を構え、ボスのソードスキルを受けきっている。パリィや回避と違ってどうしても攻撃の余波によるダメージは発生するが、余裕に余裕を持たせたPOTローテのおかげで、かなりの安定しているように見える。
「くっ……!」
H班唯一の盾持ちであるイロハも前方防御の担当だ。ガタイのいい集団の中にいると頭一つ二つ小さいその姿は一瞬心配に思えてしまうのだが、アバターの体格など所詮は現実の投影に過ぎない。タンクビルドのステータス振りをしている彼女は、衝撃に身体を震わせながらもその役目を十分に果たしている。
「たあっ!」
「それっ!」
そしてボスの周囲を飛び交う二つの影。アスナとマチの高機動ペアが敵を翻弄しながら、硬直のタイミングを狙いソードスキルでHPを削っていく。危険な役目にマチを当てるのは正直気が引けたが、ダメージソースは少しでも多い方がいい。
そして俺はというと――
「ハチ、水平薙ぎが来るぞ!」
「りょう、かいっと!」
マチたちにヘイトが集まった結果、正面から逸れて飛んできたボスのソードスキルをいなす任務を請け負っていた。エギルたちの【威嚇】スキルでヘイトの分散は可能だが、クールタイムがある以上スキルの連発はできないからだ。
巨大な野太刀をパリィなり回避でいなすのはなかなかに骨が折れる。こんなことを十回以上、それも連続で繰り返していたというのだから、恐れ入る。同じことをやれと言われたら、五回も持たないだろう。
まあ、時たま飛んでくる程度だから、なんとかなっているわけだが。
「アスナとマチは深追いするなよ! 一撃ぶつけたらすぐに離れるんだ!」
パリィによって発生する隙は、スキル硬直よりも長い。これが通常の戦闘なら、パリィした俺以外で殴っていたに違いないが、追撃を行うのはマチとアスナだけ。それも一撃離脱を徹底していた。
ひょっとしたらまだβ時代からの変更点があるかもしれない。もう一人の犠牲者も出さないためにも、指揮役であるキリト自身警戒に警戒を重ねているのだろう。
先駆者の指示は的確で、今のところタンク職の面々のHPも半分以上をキープしている。マチやアスナに至っては速度を活かしたプレイングで一度もバーゲージを減らしていない。
ただ……。
「おいおい、いい加減倒れてもいいんじゃないのか!?」
先ほどまで行っていた二人での戦闘同様、誰かが少しでもミスをすれば一気に瓦解してしまいかねないギリギリの攻略。しかも、安全重視故のDPSの低下。ボスのHPはなかなか減らず、一向に終わらない戦闘への焦燥感。
十秒が嫌に長く感じる。ひょっとしたらボスは自動回復スキルを所持しているのではないかとHPを確認するたびに錯覚してしまう。タンクプレイヤーの一人が【威嚇】スキルに乗せて張り上げた文句は、その場の全員の思いを代弁していた。
――このままじゃ、やばいな。
そんなことをつい考えてしまったからだろうか。
「あっ……」
標的をアスナに向けて身体を反転させたコボルトロード。その動きについて行こうとした壁役の一人が、足をもつれさせて倒れてしまった。
倒れ込んだ場所は――ボスの真後ろ。
「早く動け!」
キリトが張り上げた声は間に合わない。
ギラリ、と。コボルトロードの眼が凶悪な光を帯びたように見えた。
目の前にあった二メートルはゆうに超える巨体が、ありえない跳躍をしてみせる。最高点で止まった身体は大きく捻られ、エネルギーを野太刀を構えた左腕に集中させているのが分かった。
あの巨体が再び俺たちと同じ場所に降り立つと同時に、またあの技を、今度は射程内で見ることになるのだ。
全方位カタナスキル『旋車』を。
完全に反応が遅れた。思いっきり後方へ飛んだところで、射程外に逃げることは不可能。ガードでどれくらいHPを残せるだろうか。残せたところでスタンにかかってしまえば、あまつさえ追撃の標的になってしまえばどの道終わりか。
ならいっそ。マチかイロハの盾に――
「う、おああっ!!」
思考が空回りしそうなほど巡っていた頭に、聴覚を通して咆哮が飛び込んできた。
その短い叫びを伴って、俺の横を駆け抜ける黒衣の影。
一層最強の片手用直剣を担いだ少年剣士は、膝を限界まで曲げて身体を沈み込ませる。黄緑色の光を放ち始めた『アニールブレード』を一瞥し、その双眸を空中の敵に向ける。
それもほんの一瞬。膝をバネにした俺より一回りは小さい身体は――飛翔した。
ボスめがけて砲弾のように光の軌跡が伸びていく。ソードスキルによる補正でもかかっているのだろうか。明らかに常の動きよりも速い。
やがて、飛行機雲のように伸びた光がコボルトロードに届き、鈍い斬撃音がフロアを震わせる。血のように紅いライトエフェクトが消え去り、バランスを崩した巨体はそのまま床に激突した。
「ハチ以外、全方位から囲んでフルアタックだ! 最大火力を叩き込め!」
「ッ――!」
なぜ。ボスが転倒のデバフにかかっていることに気づき、攻勢に踏み出そうとしていた両足を床に縫い付けながら、キリトの指示に内心疑問を抱く。そうしている間にも、他のプレイヤーたちは獣人の王を取り囲み、防戦の鬱憤を晴らすように各々ソードスキルを打ち込む。
幾種ものライトエフェクトが溶けあい混ざりあい、本来の倍近い色の放流を倒すべき相手へと注ぐ。残り三割を切っていたボスのHPゲージは目を見張る速度でその残量を減らしていた。
そんな中で一人考える。
なぜ、俺だけフルアタックから外されたのか。
HP――安全圏。武器耐久値――まだまだ使えるくらい残っている。集中力――割と限界に近いが、それは他のメンバーも同様のはず。
フルアタックのメンバーから外される理由は見当たらない。そもそも、全力攻撃ならわざわざ火力を落とす必要もないはずだ。
「まだまだあああ!!」
一人黙考する俺をよそに、ライトエフェクトと斬撃音だけが支配する空間で、中空に浮かんだボスのHPが二割を切る。その減少速度はなおも衰えない。
人型MOB特有のバッドステータス、転倒。この状態の間は反撃を食らうことはなく、技後硬直解除後になんの気兼ねなくもう一度ソードスキルを叩き込める。
斧、曲刀、直剣、短剣、細剣、十を超える各々の得物が再び光を帯び、ボスの身体にデジタルチックな赤い傷をつける。
HPはさらに減り、一割を割り込んだ。あと少しでボスの身体は他のMOBと同じようにポリゴン片となって砕け散る。
しかし――
「っ! これ、足りない!」
全損に、届かない。転倒状態から脱したコボルトロードが再び跳躍すべく、膝に力を込め始める。このままでは、無慈悲な全方位攻撃がこの場にいるメンバー全員を喰らうことだろう。
キリトは――動けない。ソードスキルを放った直後のディレイのせいで、分かっていても対処できない。
キリトだけではない。全員がこれで終わらせるため、がむしゃらに攻撃していたのだ。
今この場で、この危機的状況をなんとかできるのは。
できる……のは……?
「ハチ!」
「そういうことかよ!」
キリトの声に反応したのか。それとも自分で答えに至ったのか。今となっては自分でも分からない。
分からないが、気が付いた時には俺の身体は、跳躍しようとする獣人の真上にあった。俺の存在に気づいた敵の瞳が、驚愕するように、あるいは敵意をむき出しにするように歪む。
「墜ちろぉ!」
その眼光を跳ね返すように、急速に接近してきた獣面の眉間にソードスキルを直撃させた。棍特有の鈍い打撃音と共に、右腕にしびれるほどの反動が返ってくる。
短い呻き声を漏らしたコボルトロードは、そのまま真下へと落ちていく。ほぼ確実にまた転倒状態になるだろうし、場合によってはスタンのおまけつき――まあ、転倒とスタンが重複しても意味はないのだが――だ。どの道勝負は決まっただろう。
「キリト!」
まあ、そこまで待ってやるつもりはないのだが。
「GJ! アスナ、行けるか?」
「大丈夫」
直後、墜落したコボルトロードめがけて一筋の流星が奔った。この数日幾度となく見てきた『リニアー』が倒れた巨体の腹部に刺さる。
「うお、おおおおおおおお!!」
そしてそれを追うようにキリトが『バーチカル』を放つ。雄たけびと共に振るわれた正真正銘全力の剣は、赤黒い肌をしたモンスターの腹部に大きな真一文字を描いてみせた。
既に残り五パーセントもなかったボスのHP。それがこの連撃を受けて残るはずもなく――
「うご、おおあァッ」
最後に断末魔のような遠吠えをあげ、第一層フロアボス『インファルグ・ザ・コボルトロード』は、その身体をポリゴン片へと変えて散ったのだった。
――Congratulations.
ボスが砕け散った地点の空中にでかでかと現れた攻略完了を示す表示を見て、思わず身体を硬いフロアの床に投げ出した。
まだ百分の一。道のりは未だ長いことに変わりはないが。
ようやく、クリアへの確かな一歩を踏み出したのである。
ようやくコボルトロードが倒れてくれました。予想以上に長かったです。
戦闘シーンをもっとリアルに描きたいないぁと思いながら、なかなかうまくいかないジレンマ。
あと、この攻略自体は原作(プログレ)の流れを大きく変えたくないと思っていたので、何度も書いては消してを繰り返してました。
とりあえず次の話が終われば一区切りかなと。牛歩ペースですが、今後もよろしくお願いします。
それでは今日はこの辺で。
ではでは。