火の聖痕が欲しいです!   作:銀の鈴

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第61話「警視庁特殊資料整理室」

 

新たな敵が現れた。

 

──《精霊喰い》

 

僕たち精霊術師の天敵といえる相手だ。並の……いや、一流の精霊術師だとしても《精霊喰い》にとっては唯の獲物でしかないだろう。制御する精霊を根こそぎ喰らわれては、精霊術師も一般人と何ら変わらない無力な存在になる。

 

それこそ《精霊喰い》の許容量を超えるほどの精霊を制御できる超一流の精霊術師――つまり神凪宗家レベルでもなければ戦いの舞台に立つことすら出来ない。

 

こちら側の戦力として数えられるのは、まずは神凪一族の歴史上において最強と謳われる “神凪 重悟” だろう。神凪一族の宗主にして神炎である “紫炎” の使い手だ。そして、神凪に伝わる神器である “炎雷覇” の継承者でもある。炎雷覇抜きでも最強だけど、炎雷覇を持ったら手のつけられない化物にバージョンアップする。ちなみに子煩悩なパパさんでもある。

 

二人目は “神凪 厳馬” だ。和麻兄さんと煉の父親であり、彼もまた “蒼炎” と呼ばれる神炎の使い手だ。厳格な雰囲気のおじさんだけど、意外とお茶目な一面も持っている。

 

三人目は僕の姉貴分の “神凪 綾乃” になる。神凪の御子とか火の御子と呼ばれており、次代の宗主となるのが彼女だ。彼女は神凪の歴史上において最年少で神炎に目覚めた才能に溢れた炎術師だ。綾乃姉さんの “紅炎” と赤カブトは同じ色だったりする。そのため、綾乃姉さんはお揃いだと言って赤カブトのことをとても可愛がってくれている。でも高校生にもなって赤カブトに跨って走るのは恥ずかしくないのかな?

 

四人目として “神凪 和麻” を選ぼう。彼は風術師として世界トップクラスの実力を誇るけど、世界中で賞金首にもなっている。現在は神凪一族が後ろ盾になったと知れ渡りアンタッチャブルな扱いになっているみたいだ。和麻兄さんには扶養家族が二人いる。扶養家族の二人も実力的には文句なしだけど、彼女たちが周囲に与えるだろう被害を考えたら戦力には数えないのが無難だろう。

 

五人目には “神凪 煉” を入れようかな。彼はまだ神炎には目覚めていないけど、あの綾乃姉さんにすら迫るほどの才能の持ち主だから遠からず神炎に目覚めると思う。以前は身の危険を感じるほど彼に慕われていたけど、最近になって彼女ができたお陰で胸を撫で下ろすことができた。どうかこのまま彼女と末永く幸せになって欲しいと切に願う。

 

六人目には僕の操姉さんだ。本当は家庭的でお淑やかな操姉さんを戦力には数えたくないけど、今回だけは例外にしなくちゃいけないだろう。何しろ相手は《精霊喰い》だ。僕らの天敵なのだから操姉さんだけ後方に置いておくよりも最強戦力達と一緒にいる方が安心できる。もちろん、操姉さんの炎術師としての実力は折り紙付きだ。分家でありながら “黄金” に達したその実力は宗家と比べても見劣りはしない。

 

六人目が操姉さんとくれば、当然ながら七人目は紅羽姉さんだろう。世界トップクラスの地術師としての力と異能の力を併せ持つ紅羽姉さんの戦闘能力は、実は炎雷覇を持たない “神凪 重悟” に準ずるほどだ。あと数年あれば、炎雷覇無しの “神凪 重悟” を超えてみせると自信ありげに言っていたけど本気なのかな?

 

七人目はマリちゃんだ。たぶん本気を出せばマリちゃんが最強だと思う。だけどマリちゃんの正体は実は吸血鬼だから表だって戦ってもらうのは避けたいところだ。吸血鬼とはいっても真祖だから血を吸う必要がなく、人間が無闇に警戒する必要はないんだ。とは言ってもどうしても気にする人は出てくるものだから可能な限り目立つ真似は避けるべきだろう。まあ、後ろにいてくれるだけでも安心感が違うからね。

 

そして八人目にして最後の戦力はこの僕だ。もちろん僕自身の実力などたかが知れている。だけど僕には赤カブトという頼りになる相棒がいる。仲間以外には秘密にしているけど、赤カブトは富士の魔獣の力を得ることに成功している。いくら《精霊喰い》とはいえ生物には違いないから、どう考えても許容量をオーバーしているだろう。

 

この八人で《精霊喰い》と戦えば倒せる可能性は高いと思う。

 

《精霊喰い》は決して無敵ではない。もし無敵なら絶滅(生き残りはいたけど)などするはずが無いからだ。

 

「そうだ、霧香さんにも連絡しておこう」

 

《精霊喰い》は、精霊術師だけの敵ではない。自然に生きる全てのものの敵になる。倒すためになら霧香さんも全力で協力してくれるだろう。

 

いや、むしろ協力するのは僕達の方になるのかな。日本人を害する外敵である《精霊喰い》の討伐は公権力である警視庁特殊資料整理室の仕事だからだ。どうせ戦うならタダ働きは良くないよね。

 

「もしもし、霧香さん。武志ですけど、実は異能者問題の調査中にとんでもないものを見つけまして――」

 

僕は霧香さんに電話をした。

 

 

 

 

大神君からの報告を受けたときは少し笑ってしまった。なにしろ伝説でしかない《精霊喰い》が現れたなど与太話にもならない。それでも話した相手が大神君だったからこそ、私は念の為に調べることにした。もしかしたら《精霊喰い》に似た性質をもつ妖魔が現れた可能性があるからだ。ふふ、とはいっても伝説に残る《精霊喰い》ほどの力を持つ妖魔なんて考えられないけどね。

 

警視庁特殊資料整理室に在籍する術者達のその多くが戦闘能力は低い。その代わりではないけれど、術者としての修行は十分に積んでいる。熟練の多様な系統の術者が揃っているため特殊資料整理室としての引き出しが多いのが強みだろう。

 

伝説に残る《精霊喰い》が実在するのであれば、その存在が自然に対して与える影響は計り知れない。

 

東京都という大都会は、自然の多い田舎と比べればどうしても精霊の活動は弱くなる。だけど弱いからこそその変化を観測するのは容易だった。嵐の海で特定の波を見つけるよりも、凪いだ海で起こる波の方が見つけやすいのと同じことだ。

 

本当に《精霊喰い》ような自然のバランスを崩すものがいれば、精霊そのものは見えない私達でも自然の変化を観測すれば容易く察知できる。

 

「それにしても大神君も心配性よね。いくら綾乃ちゃんの炎を防いだからって、それだけで伝説の《精霊喰い》が復活したかもだなんて――ふふ、まだまだ子供ってことかしらね」

 

大神君は基本的に大人みたいな立ち振る舞いをするけど、時々妙に子供っぽくなるときがある。個人的な依頼を受けているときなどが特にそうだ。きっとその姿が神凪一族としてではなく、大神武志としての個人の姿なのだろう。

 

そんな子供らしい一面は、決して彼へのマイナス評価にはならない。年相応でもあるから微笑ましく思えるし、術者として伝説の存在に関わり合いたいと思う気持ちも理解はできる。

 

「うふふ、でもあまり伝説とか持ち出しすぎると、ほんの数年後には黒歴史になっちゃうわよ」

 

今回の件は将来的な良いネタになるだろう。うん、この際だわ。警視庁特殊資料整理室として大神君の疑念を晴らすために全力で取り組もう。うふふ、数年後が楽しみね、大神君。

 

 

 

 

武志への連絡が終わった後、綾乃達は引き続き新宿の街を楽しげにまわっていた。

 

「次は新しく出来たあのお店に行きましょう」

 

「あっ、噂のとこですよね! クラスの友達も先週行ってみたら凄く良かったらしいですよ!」

 

「でも沙知、あそこってちょっと高級なお店なせいか、中学生だけで入ったらお店の人に嫌な目で見られたとか言ってたじゃない」

 

「もう何言ってんのよ、こっちには本物のお嬢様たる綾乃様がついてるんだから大丈夫だよ!」

 

「えぇと、何が大丈夫なのかはよく分からないけど、あのお店のオーナーにはパーティーで顔を合わせたときにお店に招待されているからサービスしてもらえるはずよ」

 

「おおっ! 日常会話でパーティーなんて言葉が普通に出てくるなんてやっぱり本物のお嬢様は違いますよね!」

 

「たしかにそうよね。でも綾乃様が出られるパーティーの場合、出席者の方々はお偉いさんが多いからあまり若い方はいないんでしたよね」

 

「うん、お父様と同世代以上が殆どなのよね。はっきり言ってパーティーに出ても全く楽しくないわ。でもお父様が欠席されるときは、あたしのエスコート役 兼 護衛役(男避け)で、武志が付いて来てくれるからその時は楽しめるわね」

 

「へえ、武志とパーティーに出てるんだ。いいなあ、あたしも一度でいいから武志と出てみたいなあ」

 

「大神家主催のパーティーなら武志さんにお願いすればいけると思うけど。でも沙知、あなたダンスは踊れるのかしら?」

 

「ダンス? フォークダンスなら踊れるわよ」

 

「うん、却下。予想通りだわ」

 

「なんでよ! フォークダンスがダメならマイムマイムだって踊れるわよ!」

 

「余計に却下だわ」

 

「え〜ん、綾乃様ぁ、綾がイジワル言うよぉ」

 

「え、えっと。まあ武志ならマイムマイムでも笑って踊ってくれるだろうけど、さすがにそれは止めておいた方が無難だと思うわよ。たぶんその場ではニコニコしてるだろう操の奴に、後で折檻されると思うわ」

 

「はうッ!? あ、あはは、あたしにはホームパーティーぐらいが丁度いいかも!」

 

「そうね、それがいいと思うわ。人には其々身分相応というものがあるもの。庶民が無理をして背伸びをしてもロクなことにならないわよ」

 

「むう、綾が言うことは分かるけど、それでも夢をみるぐらいいいじゃない。あたしはただ一度ぐらい武志とキラキラしたパーティーに出たかっただけだもん」

 

「勘違いしないで、沙知。私は別に否定しているわけじゃないわ。パーティーに出たければ出ればいいわ。でもその為には努力も必要だと思っているだけよ」

 

「努力ってなによ?」

 

「ダンスも踊れない庶民のままパーティーに出ようとしないで、努力をしてダンスを踊れる素敵なレディになってからパーティーに出なさい。てことよ」

 

「おぉっ!? 綾がまともなこと言ってるよ(なんかもっと腹黒なこと言うのかと思ってた)」

 

「もう、私はいつだってまともな事しか言わないわよ」

 

「ふふ、二人ともいつも仲良しよね。ねえ、ホントにダンスを覚える気があるなら教えてあげるけどどうする?」

 

「えっと、いいんですか、綾乃さ――」

 

「よろしくお願いします綾乃様!」

 

「うわッ!? なによ、綾。すごい食いつきなんだけど」

 

「それは当然でしょう。綾乃様に直にダンスを教えてもらえるなんて一生に一度のチャンスよ」

 

「一生に一度のチャンスってオーバーじゃない?」

 

「いいから沙知も遠慮なんかせずに教わりなさい」

 

「ええっと、それは綾乃様のセリフだと思うんだけど」

 

「うふふ、別にいいわよ。それじゃ綾と沙知の二人ともあたしの個人レッスンを受けるってことでいいわね」

 

「はい、お願いします」

 

「えっと、うん。あたしもお願いします、綾乃様」

 

「えへへ、了解したわ。細かい予定なんかはお茶でも飲みながら決めましょう」

 

「あっ、それならお勧めのお店があるんですよ、綾乃様!」

 

「あら、それならそこに行きましょう。沙知のお勧めのお店ね。楽しみだわ」

 

綾乃は楽しげに沙知のお勧めの店に向かって歩き出した。沙知はその後ろに続きながら綾乃に聞こえない小声で綾に話しかける。

 

「(それで、綾はホントにダンスが習いたかったの?)」

 

「(そんなわけないじゃない。私は別にパーティーに出たいとは思わないもの。私が欲しいのはダンスの技術ではなく “神凪宗家の綾乃様に個人レッスンを受けるほど親しい” という客観的な事実よ)」

 

「(うーん、それがどういう価値をもつのかよく分かんないけど、あたし達の為になるんだよね)」

 

「(ええ、そうよ。でも沙知は余計な事を考えずに素直に綾乃様にダンスを習っていればいいわ。細かいことは私が考えるから安心してなさい)」

 

「(うん、分かったわ。えへへ、やっぱり腹黒なことは綾に任せておけば安心だよね)」

 

「(誰が腹黒よ!)」

 

「(しまった、声に出てた)」

 

「(もう、にやけながら言ったら確信犯だってバレバレよ)」

 

「(えへへ、二人で頑張ろうね)」

 

「(うふふ、そうね。色々と頑張っていきましょう)」

 

「もう二人とも遅いわよ、置いていくわよ!」

 

「待って下さい、綾乃様!」

 

「綾乃様、そんなに慌てなくてもお店は逃げませんよ」

 

知らず知らずの内に早足になっていた綾乃を慌てて追いかける沙知と綾。三人の少女達は楽しそうに雑踏の中へと消えていく。

 

 

 

 

新宿の街を楽しげに歩く三人の少女達。そんな彼女達を息を荒げて見つめる怪しい人影があった。

 

「ハァハァ、あやタンがあんなに楽しそうに笑っておる。なんと尊いのだ」

 

「おい、最重要任務だと言うから出向いてやったが、これ(覗き)のどこが最重要任務なんだ」

 

人目を避けるようにして少女達を覗いていたのは、神凪重吾と神凪厳馬であった。トリップしたかのように幸せそうな重吾と違い、厳馬は不機嫌そうであった。

 

「どこがだと、どこも何も全てが最重要任務だろうが、儂の可愛い可愛いあやタンを見守る任務以上に重要な任務など神凪に存在せんぞ」

 

「今さら貴様の親バカなんぞどうでもいいが、それに私を付き合わせるな。第一、貴様とて宗主の仕事があるだろう。綾乃が心配ならいつもの様に大神家の小僧に監視させれば済む話だろうが」

 

重吾は娘に近づく男を警戒していた。その為、綾乃本人が弟のように思っていて、尚且つ親戚でもある大神武志を監視役(男避け)に雇っているのは周知の事実であった。

 

「ふむ、武志か。あやつは今日はデートだから無理。とか抜かして断りおった。なにがデートだ、整理室のバイトをしとる事ぐらい知っとるわい。同じバイトなら宗主である儂のバイトを優先しろって話だ。お主もそう思うだろう、厳馬よ」

 

「うむ、バイトで娘の監視をさせる宗主を見限らぬ小僧の事は、中々に愉快な男だと認めておるぞ」

 

武志を信用している重吾の様子に厳馬はニヤリと笑う。厳馬が見たところ、武志の方は子供の頃から変わらぬ風だが、綾乃の方は子供の頃とは少々違う目で武志を見ているように感じていた。もちろん、面白いから重吾には言うつもりは厳馬にはなかった。

 

「何の話だ! それにお主はどちらの味方だ! 合法的にあやタンを見守れるバイトなど本当なら儂がずっと独占したいわ!」

 

「合法……本当に合法か? 言っておくが、貴様がストーカー規制法で逮捕された場合、『あいつはいつかは捕まると思っていました。だからあれだけやめとけって言ったのに……もしも過去に戻れるなら今度こそ殴ってでも止めてやるのに』と、インタビューには答えるぞ」

 

「崇高な親子愛をストーカー呼ばわりするな!」

 

洗濯機は別になった。お風呂は湯を入れ替えられる(順番がどっちが先でも入れ替えられる)。車では一人分空間をあけて座られる。鍋は取り箸を絶対に使わせられる。手を握れば本気で払われる。肩を揉めば痴漢扱いされる。お小遣いをあげるときは満面の笑顔を見せてくれる。そんな日々を送る重吾にとって見守ることは拒否されない(気付かれていない)親子愛を実感できる大切な行為であった。

 

「ふん、何でもいいが、そろそろ本気で帰ってもいいか? 綾乃の監視なら戦力過多にも程があると言うものだぞ」

 

「うむむ、そうは言うが、最低二人はいないと有事の際にナンパ男を倒す役が足らぬからな」

 

「ん? 私が倒す役なら貴様は何をするんだ」

 

「儂はナンパ男に怯えるあやタンを慰める役に決まっておるだろう」

 

「ほう、なるほどな。ナンパ男に怯える綾乃という異常現象は、親バカの幻想でしかあり得ぬ。という根本的な問題にさえ目を瞑れば納得のいく配役ではあるな」

 

呆れた厳馬が発した言葉など耳に入っていない重吾は、薔薇色の未来を夢想する。

 

「震えるあやタンの細い肩を優しく抱き寄せる頼もしい儂。『パパ、すごく怖かったの』震える声、そして涙で潤んだ瞳で儂を見つめるあやタン。『もう大丈夫だ。不貞の輩はあの通り野蛮さだけが取り柄の厳馬の奴が叩きのめしているからな』ホッと安心するあやタン。『男なんてやっぱり野蛮で嫌いだわ』儂の腕の中で安心したのだろう。あやタンの口から可愛らしい文句がでる。『パパも男だが、パパのことも嫌いかな?』儂の言葉にハッとなるあやタン。『パパのこと嫌いなわけないじゃない! パパは違うもの! パパは野蛮な男とは違うもの! パパはっパパはっ』慌てすぎたのだろう。あやタンは自分の気持ちを上手く言葉に出来ないようだ。『はは、すまないな、パパが悪かったよ。ほら、いつもの可愛い笑顔を見せておくれ』慌てる様子が可愛くてつい笑ってしまったのがいけなかったのだろう。あやタンは少し頬を膨らませる。『ふんだ、パパなんて嫌い…………

なんてウソ。大好きだよ、パパ ♡』それは一瞬のことだった。あやタンは儂が気を緩めた隙をついて素早く顔を寄せて――頬を啄むような口付けをした」

 

「気は確かか、重悟よ」

 

── 神凪厳馬、本気で他者を心配したのは、息子(和麻)の行く末を心配して以来、人生で二度目のことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




綾乃「父親がストーカーって、もう頭が痛くなってきたわ」

紅羽「よかったわね。本編の綾乃は気付いていないからストレスフリーよ」

綾乃「何の慰めにもならないわよ!」

紅羽「うふふ、まあ家庭の事情は置いておくとして、そろそろ原作の最終巻に突入ね」

綾乃「そうね、上手くまとまればいいんだけど相変わらず予定は未定の状態なのよね」

紅羽「ところで、最近作者が気付いたことがあるのよ」

綾乃「最近気付いたこと?致命的な設定ミスとかかしら?」

紅羽「違うわよ、そんなのがあればこっそりと修正しているはずよ」

綾乃「それもそうよね。それなら何かしら?」

紅羽「風の聖痕は小説が発売されているでしょう」

綾乃「そんなの当たり前じゃない。その小説の二次小説がこれだもの」

紅羽「ええ、そうね。それでね、小説は外伝もあるでしょう」

綾乃「知ってるわよ、キャサリンは外伝からきてるもの。アニメ版だと本編に登場してるけどね」

紅羽「マンガ版もあるのを知っているかしら?」

綾乃「マンガ版は知ってるけど読んではいないわね」

紅羽「イラスト集はどうかしら?」

綾乃「知ってるわよ。中身は見たことないけど」

紅羽「ドラゴンマガジンに載っていたイラストで小説には載らなかったイラストもイラスト集には載っているのよ。懐かしい火吹き綾乃をもう一度見たいわよね」

綾乃「見なくていいわよそんなの!」

紅羽「それでね、いよいよ本題なんだけど」

綾乃「うん、なにかしら?」

紅羽「風の聖痕のテーブルトークがあったのよ。それもルールブックとリプレイ集の二冊も発売されていたの」

綾乃「ええっ!? 本当なのそれはっ!!」

紅羽「やっぱり綾乃も知らなかったのね。作者も最近知ったから仕方ないことだけどね」

綾乃「テーブルトーク……テーブルトークって何かしら?」

紅羽「そこからなの!?」

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