火の聖痕が欲しいです!   作:銀の鈴

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お久しぶりです。今回はほとんど過去のお話です。


第51話「因果応報」

――内海浩助(うつみこうすけ)

 

聖陵学院に通う生徒なら彼を知らぬ者は殆どいないだろう。

 

彼を一目見れば嫌でもその姿が記憶に刻まれるのだから。

 

一言で彼を表すなら――“太い男”だった。

 

その身体が太かった。

 

その腕が太かった。

 

その足が太かった。

 

その首が太かった。

 

その容貌が太かった。

 

その眼差しが太かった。

 

その吐く息が太かった。

 

そして――

 

 

「街中で暴れる奴らが増えているのか。面白い、その様な奴らはこの僕の筋肉で捻り潰してやる」

 

 

――その思考が太かった。

 

 

 

 

それは数年前の冬のことだった。

 

浩助は何時ものように愛用のカメラ片手に盗撮のモデルを探して学校内を彷徨っていた。

 

「第一目標は、やっぱり神凪さんだよな」

 

学校一の美少女と名高い女子生徒に狙いをつけた彼の行動は速かった。

 

脳にインプットされているローアングルから撮影できる場所と、女子生徒の行動パターンを照らし合わせて割り出したベストショットの位置に素早く移動する。

 

「でへへ、この僕が最高の一枚を撮ってあげるよ」

 

厭らしく笑う浩助は、カメラを構えながら女子生徒が来るのを待っていた。

 

その後ろ姿を好意的に解釈すれば、大物のヒットを辛抱強く待つ釣り人を思わせるものと言えなくもないが、大多数は別の印象を受けるだろう。

 

「おい、変態。そこで何をしている?」

 

「ひっ!? だ、誰だよ!」

 

的確な表現で浩助を表した男――神凪和麻は呆れた目で浩助を見つめていた。

 

「さしずめ盗撮ってところか?」

 

「ぼ、僕の芸術を盗撮なんて下賤なものと一緒にしないでくれ!」

 

「お前、小学生のくせに女子のパンツに興味があるのか? 随分とマセてるな」

 

「ぱ、パンツだなんて言い方をするな! 純白の布地やスカートの奥の神秘とかもっと良い言い方があるだろ!」

 

浩助の本気の怒号に和麻は頭痛を覚える。

 

「はあ、こいつは武志とは別方向の馬鹿だな。おい、今なら引き返せるぞ。正しい道に戻って来い」

 

「何を言ってるんだ! 僕は芸術の道を歩いているんだぞ! 僕の道こそ正しい道だ!」

 

声も高らかに胸を張って宣言する浩助の姿に和麻は回れ右をして帰りたい衝動に襲われるが、今この少年を見捨てれば将来、とんでもない変態を生み出すだろうと我慢する。

 

それにこの極端な意見を持つ少年の姿が、和麻を兄と慕う少年の姿と僅かながら重なった。

 

そんな少年を簡単に見捨てることは和麻には出来なかった。

 

「芸術って言われてもなあ。そうだな、そこまで言うならお前の作品を見せてくれよ」

 

「なんだと、僕の芸術を見たいのか? 本当に?」

 

和麻の言葉は浩助にとって予想外のものだった。

 

今まで自分の芸術に興味を持ってくれた友達は一人も居なかったからだ。

 

まあ、それも無理はないだろう。小学生男子にとって、同じ小学生女子のパンツになど興味は湧かないものだ。もしも対象が大人の綺麗な女性なら早熟な男子なら興味を示したかもしれないが。

 

「本当だよ、だから見せてくれよ」

 

「……よし、いいだろう。部室に案内してやる」

 

少し逡巡しながらも浩助は自分の芸術を見せることを了承する。

 

その時に見せた嬉しそうな表情は年相応で、こいつはまだ間に合うみたいだな。と和麻は心の中で呟いた。

 

 

 

 

「どうだい、僕の芸術は!」

 

見せられたアルバムには明らかに盗撮と分かる小学生女子のパンチラ写真が、ギッシリと挟まれていた。

 

和麻の頭痛は悪化するが、浩助の明るい笑顔を見ると怒鳴りつけて叱る気が薄れてしまう。

 

(こいつはまだ間に合う。こいつはまだ間に合う。こいつはまだ引き返せる。あいつとは違う。うん、きっと、たぶん、そう信じよう)

 

「あのさ、お前はこの写真を本気で芸術だと思っているのか? それともスケべな気持ちを芸術だと言って取り繕っているだけなのか?」

 

和麻は男同士、腹を割って話をしようと単刀直入に突っ込んだ。

 

浩助が早熟ゆえにパンチラに興味を持っているのなら、それはある程度は仕方ないだろう。それが男というものだからだ。

 

その場合なら盗撮のような他人の心を傷つけるような事は止めさせて、合法的(?)な欲望の処理方法を教えてやればいいだけだ。

 

もしも本気でパンチラを芸術だと考えている場合は……どうしよう?

 

和麻自身はいたってノーマルな嗜好の持ち主のため、パンチラを芸術だとは思えなかった。

 

もちろん、女性の体の曲線などはスケベ心を抜きにしても美しいと思える程度の美意識はあったが、パンチラは……スケベ心しか感じなかった。

 

(まあ、その時はその時に考えるか)

 

案外と適当な和麻だった。

 

「何言ってんだよ。パンチラは芸術だって、隣の家の兄ちゃんが言ってたぞ。その証拠に僕が撮った写真を買い取ってくれるからな」

 

「……その兄ちゃんって、いくつだ?」

 

「高2だったと思うけど?」

 

「そ、そうか……」

 

間違いなくその隣の兄ちゃんの悪影響だった。そして、間違いなくその隣の兄ちゃんは◯◯◯◯だろう。

 

(まったく、どうしようもない奴がいたもんだな。こんな子供をいいように扱いやがって)

 

和麻は本気で怒っていた。

 

身勝手な人間のせいで、一人の少年の人生が台無しになった可能性があった。

 

もしも自分が声を掛けなかったら、間違った方向に進んでいった少年は本物の変態になっていたかも知れないのだ。

 

和麻がアルバムをパラパラと捲ってみたところ、あいつが関係する女子生徒がいなかった事に安堵する。

 

(ふう、もし綾や沙知のパンチラがあったりしたら、俺まで始末されかねんからな。しかしこれであいつにも協力を頼めるな)

 

やはり小学生男子を正しい道に戻すには、同じ小学生男子が適役だろう。

 

“あいつに任せる”

 

この時の和麻は何故か良いアイデアだと思ってしまった。

 

後に和麻は思い知ることになる。

 

“あいつはあいつで別方向に問題があったんだった!!”

 

――と。

 

 

 

 

和麻兄さんに厄介ごとを頼まれた。

 

パンチラ小僧の矯正だ。

 

正直いって男なんて知ったこっちゃ無いんだけどね。

 

でもまあ、他ならぬ和麻兄さんの頼みだから仕方ないよね。

 

それに風牙衆の女の子達がパンチラ小僧に盗撮されたら嫌だから何とかしようと思う。

 

「とりあえず、その隣の家の兄ちゃんはボコっておこうかな」

 

高2ならもう自己責任になるだろう。小学生を使って盗撮させるような奴にかける慈悲はない。

 

そうだ! ついでにパンチラ小僧の矯正にも使うとしよう。

 

盗撮の原因になった兄ちゃんとやらの末路を見せつけて、因果応報を教えてあげれば盗撮もやめるだろう。

 

僕は早速、パンチラ小僧と隣の兄ちゃんを言葉巧みに人気のない場所に誘い出す。

 

お仕置き係には僕よりも被害者となりうる女子の方がいいだろうと思い、知っている女子の中でも一番の武闘派である綾乃姉さんに頼んだ。

 

「そういう事なら私に任せておきなさい。そんな変態共はまとめて矯正してあげるわ」

 

優しい綾乃姉さんは二つ返事で請け負ってくれた。

 

……あれ? まとめて?

 

なんとなく意思の疎通が上手くいっていない気がするけど……まあいいか。

 

結果良ければ全て良しと言うもんね。

 

人気のない裏山で正義の執行を行うことにした。

 

 

 

 

それは酷い状況だった。

 

年下の少女にメッタ蹴りにされる男子高校生。

 

通常なら年齢差、体格差を考えればあり得ない状況だろう。

 

だが、現実には男子高校生は抵抗らしきものは何も出来ずにただ耐えるのみだった。

 

「ゲボッ!? ゴホッ、ゴホ、も、もうゆる…して……」

 

「触るな、この変態!」

 

「ガハッ!?」

 

男子高校生は少女の足に縋り付き許しを請うが、少女は無情にも彼の顎を蹴り上げる。

 

「兄ちゃん!? も、もうやめてくれよ!! これ以上されたら兄ちゃんが死んじまうよ!!」

 

そんな光景を見せられていた浩助は、悲鳴のような声をあげる。

 

「ど、どうしてこんな酷いことをするんだよ!!」

 

地面にうつ伏せに倒され、背中を踏みにじるように足で抑えつけられて身動きの取れない浩助は、自分を踏みつけている少年に憎しみの声を向ける。

 

「あれあれ、先に女子達に盗撮だなんて、その人格を傷付ける真似をしたのは君達の方だよね。その報いを受けたからって、恨むのは筋違いじゃないかな?」

 

「ふざけるなっ!! たかが盗撮ぐらいでどうして暴力を受けなきゃいけないんだよ!!」

 

ふざけた物言いの少年に浩助は切れる。

 

たかが盗撮、たかが写真なんかでここまでの暴力を受ける謂れはないと浩助は吐き捨てる。

 

“ミシリ”

 

次の瞬間、浩助は自分の体が軋む音を聞いた。

 

「ぐうぅ!? や、やめて……せ、背骨が折れ…」

 

今まで感じたこともない激痛に浩助の意識は飛びそうになる。

 

「たかが盗撮って言ったね。確かに君にとってはたかが盗撮なんだろうね。でも撮られた側の気持ちを考えた事はあるか? 人に見られたくない姿を写真に撮られる気持ちを考えた事はあるのか? その心の痛みを考えた事はあるのか?」

 

激痛に耐える浩助の耳に少年の辛辣な言葉が飛び込んでくる。

 

「君はさっきどうしてこんな酷い事をするんだって言ったよな。それなら逆に僕も聞こう。どうして君は女子が苦しむ盗撮という酷い事をしたんだ?」

 

「そ、それは……僕は芸術だとおもっ…ギャア!?」

 

浩助が答えようとすると踏みつける力が強まり、彼は再び悲鳴をあげる。

 

「ああ、分かっているよ。ただの遊びだったのだろう? 芸術という名の遊びだ。盗撮をする際のバレるんじゃないかというスリルが楽しかったんだろう。盗撮した写真と引き換えに兄ちゃんから貰える小遣いが嬉しかったんだろう」

 

「そ、それは……」

 

自分でも気付かないフリをしていた本当の気持ちを当てられた浩助は、何も少年に返す言葉がなかった。

 

何も言い返せない悔しさに歯をくいしばる浩助はふと気付いた。

 

浩助と少年が喋っている間も続いていた少女による高校生へのお仕置きの音が、いつの間にか聞こえなくなっていたのだ。

 

恐る恐る二人の方に目を向ける浩助。

 

「ひいっ!?」

 

そこには、これまで暴力とは無縁に過ごしてきた浩助にとって、信じられないほどの悲惨な状態になった兄ちゃんが横たわっていた。

 

その倒れている兄ちゃんのすぐ隣では、先ほどまで悪魔のような表情で暴力を振るい続けていた少女――神凪綾乃が清々しい笑顔になり満足そうに兄ちゃんを見下ろしていた。

 

「心の痛みは他人には分からない。でも、人には想像力ってものがあるよね。あの兄ちゃんが受けた体の痛みが、盗撮をされた女子達の心の痛みと同じだと想像すれば、君にも自分が行った罪の重さが分かるんじゃないかな?」

 

真っ青になった浩助の耳元で少年は呟いた。

 

小さい声だったが、その低い声は浩助の魂にまで染み込んでいく。

 

「女子はか弱く守るべき対象だよ。だって分かるだろ? 何しろ男子が守ってあげなきゃ、女子が自分で自分を守るためにあそこまでするんだからね。ある意味、同じ男子を守る為にも女子のことは男子が守ってあげなきゃいけないよね」

 

少年の言葉に浩助は、兄ちゃんのショッキングな状態を目に焼き付けながら魂の奥底から肯定した。

 

そんな浩助の様子に少年は満足そうに頷いた。

 

「矯正は成功みたいだね」

 

「あら、ちゃんと体に分からせてあげなきゃ直ぐに元に戻っちゃうわよ」

 

「えっと、そうだね。綾乃姉さんがそう思うならそうだと思うよ」

 

「ちょっ!? それってどういう意味なの!?」

 

不穏すぎる二人の会話に、恐怖に震えていた浩助も思わず声をあげる。

 

「うふふ、もちろん君へのお仕置きタイムが始まるって意味だよ」

 

綾乃の可愛い笑顔での発言に浩助は絶望する。

 

一縷の望みをかけて、浩助は少年へと目を向ける。

 

少年は合掌していた。

 

「い、嫌だ! 兄ちゃんみたいになりたくない!!」

 

浩助は震える足を無理矢理に動かしながら逃げ出す。

 

「うふふ、逃げたりしたら罪が重くなっちゃうわよ」

 

「もう諦めなよ。自業自得だと思って、全てを受け入れたら楽に……はならないか、あはは」

 

「あら、罪を償えば気持ちは楽になるんじゃない?」

 

「なるほど、そういう考え方もあるよね」

 

「ほら、あの高校生も罰を受け入れて清々しい気持ちになってるわよ」

 

「えっと、僕の目にはピクピクと死ぬ間際の虫みたいに痙攣しているように見えるんだけど?」

 

「心の目で見るのよ! 彼は感謝しているわ。罪を償うチャンスを与えてもらった事にね」

 

「心の目って……綾乃姉さん、昨夜のテレビは何を見たの?」

 

「えへへ、たぶん武志と同じだと思うよ」

 

背後から聞こえてくる、二人の軽いからこそ恐ろしく聞こえる会話。

 

あいつらにとって、自分の命など何の価値もないと理解してしまう。

 

軽い気持ちで行った行為(盗撮)が、こんな最悪の状況に繋がるなんて誰が考えるだろうかと、浩助は必死に逃げながら纏まらない思考を巡らせていた。

 

「だ、誰か助けて……!!」

 

浩助は助けを求める。

 

「ダメよ、貴方は罪を償うのよ」

 

「ひい!? ぐわっ!?」

 

真後ろから聞こえた声に咄嗟に振り向こうとした瞬間、浩助の体は宙に舞い地面に叩きつけられた。

 

その痛みに目を閉じた浩助だったが、途轍もない嫌な予感に襲われて、痛む体を無理矢理に捻って体を動かす。

 

“ドスン”

 

接していた地面が震えるほどの勢いで、先ほどまで浩助の頭があった場所に綾乃の足が踏み下ろされた。

 

(本当に殺される)

 

見上げた浩助が見た綾乃の顔は、武志と喋っていた時とは別人だと思うほどに冷たく醒めていた。

 

綾乃の背後にいる武志はというと、真面目な顔で十字を切っていた。

 

(お前はさっき拝んでいただろう!? 祈る相手ぐらい統一してくれよ!!)

 

もう、自分でも何を考えているのか分からなくなっている浩助だった。

 

「ふん、次は避けんじゃないわよ。避けたら余計に罪は重くなると思いなさい」

 

無情な綾乃の言葉に浩助はもう抗うことを諦めた。

 

高く上げられる綾乃の足を絶望に染まった瞳で浩助は黙って見つめる。

 

(僕は何を信じれば良かったのかな)

 

最後に浩助はそう思った。

 

 

 

「何をやっとるか!! お主らは!!」

 

 

「ウゲ、雅人叔父さま!?」

 

 

「何がウゲだっ!! 一般人相手に暴力を振るう馬鹿がどこにいるか!!」

 

 

「お待ち下さい、雅人叔父さま! これには深い理由がありまして、ほ、ほらっ、武志も何か言って……ああっ!? 自分だけ逃げないでよ!! 私も連れて行って!!」

 

 

「こらっ、お主ら待たんか!!……まったく、逃げ足だけは早い奴らだな」

 

 

浩助を襲う直前で綾乃の足は止まった。

 

その奇跡を起こした声の主は、悪魔のような綾乃達を一喝すると追い払ってくれた。

 

「あ、貴方は……」

 

「しっかりしろ、坊主」

 

悪魔達がいなくなり、気が抜けた浩助の意識は遠くなる。

 

「もう大丈夫だぞ。今は休むといい」

 

浩助は遠くなる意識の中、力強く自分を抱きしめる人の男臭い笑みに見惚れていた。

 

 

 

 

――大神雅人(おおがみまさと)

 

それが、僕を本当の意味で救ってくれた恩人の名前だった。

 

今となっては、ただの変態だったと分かる隣の兄ちゃんも大神師匠の指導を受けて真人間になった。

 

この僕も大神師匠の指導のお陰で、人としての正道に戻ることが出来た。

 

「よいか、男とは背中で語るものだ。余計な言葉など不要よ」

 

そう言って見せてくれた背中は筋肉で大きく盛り上がっていて逞しかった。

 

「よいか、女子供は守るものだ。その為のこの腕よ」

 

そう言って見せてくれた腕は筋肉に包まれていてビール瓶のように硬く逞しかった。

 

「よいか、男とは一歩一歩堅実に人生を歩いていくものだ。その為のこの足よ」

 

そう言って見せてくれた足はパンパンに詰まったハムのような筋肉に覆われていて逞しかった。

 

「よいか、男とはどのような理不尽に襲われようとも跳ね返すものだ。その為のこの体よ」

 

そう言って見せてくれたポージングは世界レベルでも戦えるほどの筋肉キレキレで逞しかった。

 

師匠と比べれば、パンチラなどになんの魅力があると言うのだろうか?

 

僕は師匠に近付きたい。

 

その想いを胸に師匠の地獄のような筋肉トレーニングに耐え抜いた。

 

数年間の地獄トレーニングを乗り越えた後、僕の体は見違えるような筋肉に覆われていた。

 

「見事だ、浩助よ。もう俺が教える事はない。あとは己で筋肉を磨いていくがよい」

 

「大神師匠……ありがとうございました!!」

 

涙で見えない大神師匠の姿。だけど、僕には分かった。大神師匠も僕と同じように泣いてくれていることが。

 

師匠、見ていて下さい。

 

僕は師匠からいただいたこの筋肉に恥ずかしくないように生きていきます。

 

男らしく。

 

逞しく。

 

そして、師匠のように。

 

筋肉いっぱいに生きていきます。

 

だから師匠……

 

疲れた時は、その腕の中で休ませて下さいね。

 

 

 

 

「うむ、少々教育に失敗してしまったようだ。ほとぼりが冷めるまで海外にでも行くかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




紅羽「良かったわね、今回は綾乃の出番が多いわよ」
綾乃「いや、なんて言うか、今回の話って何なのよ?」
紅羽「四巻でのエピソードでしょう?」
綾乃「ううん、そうじゃなくて、なんだか今回の私って嫌な奴っぽくない?」
紅羽「敵対した相手に容赦がないのは原作でもここでも同じでしょう?」
綾乃「うーん、そう言われるとそうなのよね」
紅羽「視点が敵側だとこんなものよ」
綾乃「そうなのかなあ」
紅羽「それに今更よね、この話での綾乃は悪役寄りでしょう?」
綾乃「そんな訳ないでしょう!!」
紅羽「うふふ、冗談だから怒らないでね」
綾乃「ったく、ところで浩助とかいう変態って、こういうキャラだっけ?」
紅羽「ちょっとしたキャラ改変ね。原作と同じだと面白くないでしょう?」
綾乃「でもこれって、キャラの立ち位置が変わってない?」
紅羽「雅人叔父さまとは師弟関係だけど、貴方達とはどう考えても非友好的だと思うから大丈夫よ」
綾乃「じゃあ、この先、敵に回るわけ?」
紅羽「それは時の運ってやつね」
綾乃「いつもの様に先のことは考えてないわけね」

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