【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち 作:DICHI
というわけで最強カードの紹介〜〜。
恭輔「初めまして。成田恭輔です。師匠である遊輝さんに毎日デュエルの特訓をしています」
こっちでは初登場、恭輔だよ。
恭輔「お正月に師匠が海外に行くって言っていたから僕も行きたかったな・・・・・」
小学生と中学生だけで正月年越しを海外で過ごすのは親からすれば危険かもしれないからね。
恭輔「せっかくの初海外のチャンスだったのにな・・・・・」
じゃあ最強カードの紹介に行きましょう!今回はクイーンマドルチェ・ティアラミス!」
恭輔「★4のマドルチェ専用のエクシーズモンスターです。素材も《マドルチェ》と名のついた☆4モンスターしか使用できません」
エクシーズ素材を取り除くことで、墓地にある《マドルチェ》2枚を選択。デッキに戻して相手のカードをデッキバウンスさせるぞ!」
恭輔「対象を取らない・破壊しない・デッキバウンスという可愛さとは相反する物凄く強い効果です!」
作者がリアルで1年以上も愛用しているデッキだ!(リアルではトーナメントデッキに少しでも対抗するようにガチ構成にしてます)
さて、第80話、別タイトル名「茜のお母さん、暴れる」です
恭輔「第80話、デュエルスタート!」
響 side
「というわけで遊輝ちゃんと龍可ちゃんの寝起きドッキリ&拘束作戦を開始します(ヒソヒソ)」
「「オオオーーーー」」
現在、朝の4時。私はレミと茜のお母さん、すみれさんと一緒に遊輝と龍可ちゃんの部屋の前にいる。すみれさんが昨日の夜、「遊輝ちゃんが逃げないように縛り付けて出掛けるから手伝って」って言ってきて、なんか楽しそうなので参加した。奏と茜は「やらない」、スバルは「そんな時間起きてられない」、龍亞君は「やるやる!」って言いながら予定時間に起きてこなかった。
「で・・・・・なんで龍可ちゃんも対象になってるのすみれさん?(ヒソヒソ)」
「ん?こう言うのは2人同時にビックリさせた方が面白いのよ!(ヒソヒソ)」
・・・・・・やっぱりこの人、性格悪いな(汗)あれいつだったかな?私とレミと奏の3人で話していたところをすみれさんが「映画のチケット手に入れたから観に行かない?」と誘ってくれたけど、目隠しされて挙句には暴れさせないためとかいって手足まで縛って連れて行かれたのが雑誌の撮影場所だったのとか。
「早速潜入〜〜(ヒソヒソ)」
すみれさんを先頭にして私とレミが遊輝達の寝室に入る。ターゲットの二人はお互いを抱き合うような感じでグッスリと寝ている。
「・・・・相変わらず遊輝の寝顔は可愛いよね(ヒソヒソ)」
「これ絶対性別偽っているでしょ(ヒソヒソ)」
「はい準備OK」
「「早っ!?」」
私とレミが遊輝の寝顔を少しイジる、その時間、僅か30秒。
「何でそんな早く準備が終わるの!?(ヒソヒソ)」
「それより何したのですか!?」
「?遊輝ちゃんと龍可ちゃんの足を交差するように手錠で拘束した」
「「・・・・・・・・・・・・」」
掛け布団を少しめくって二人の足の方を見ると、確かに遊輝と龍可ちゃんの足が交差するようになっていて、それぞれの片足を繋ぐように手錠で固定してある。
この人、世界的に有名なファッションデザイナーだよね?何でこんな変な癖持っちゃったのかな?
「さぁ起こすわよ。今回の寝起きドッキリの主役となるのはこれよ(ヒソヒソ)」
すみれさんがポケットから取り出した物、それは白い紙で表紙を隠されたチューブだった。
「??それ・・・・・なんのチューブですか?(ヒソヒソ)」
「見てたら分かるよ。これを遊輝ちゃんの鼻に・・・・・」
すみれさんがチューブの蓋を開けて遊輝の鼻に直接何かを詰め込ん・・・・・うえええええ!?!?
「す、すみれさん!!それは流石に不味いんじゃ!?窒息死するよ!?」
「大丈夫よ。直ぐに起きるわ」
「いったああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
「!?!?!?!?な、何!?キャアアア!!!!!!」
ドスン!!!!!!!!
突然遊輝が飛び起きて大声を出して暴れまわる。隣にいた龍可ちゃんも大声につられて起きてしまった。そして、二人の足はつながっているので、二人ともバランスが上手く取れずにベッドから落ちてしまう。
「い、いたたた・・・・・な、なに?」
「いたいいたいいたい!!!!!!!それに鼻が痒い!!!!!!」
「おはよ〜遊輝ちゃん、龍可ちゃん。グッスリ寝れた?」
「そんな事よりも鼻!!!鼻が!!!!!」
「いたいいたいいたい!!!!!!足が痛い!!!!!!」
「・・・・・・・・・すみれさん、あのチューブ、何が入ってるんですか?」
「唐辛子と山芋を2:1の割合で配合した私特製のイタズラチューブ♪」
「「・・・・・・・・・・・・・・・」」
「さっ、私は遊輝ちゃんと龍可ちゃんを連れて先に今回の会場に行くから。レミ達は後で迎えの車を回しておくから」
そう言って、未だに悶絶をあげている遊輝と両手で耳を塞いでいる龍可ちゃん二人の服の襟を引っ張って、すみれさんは部屋から出て行った。
「・・・・・ねぇ響」
「・・・・・・何?レミ」
「・・・・・私達、必要だった?」
「・・・・・・多分必要なかった。それより」
「「あの人、本当にファッションデザイナーなんだろうか?」」
響 side out
遊輝 side
「は、鼻が・・・・・・むずむずしたり痛かったり変な感覚する・・・・・(ズゥゥ〜〜)」
「こら遊輝ちゃん、そんな下品な行動をしない」
「私も頭がガンガン・・・・・フワァ〜・・・・・」
すみれさんに龍可と一緒に拉致されて今回のファッションショーの会場に入っていく。現在、朝の5時。俺は兎も角どれだけ早くても朝7時少し前に起きている龍可にとってはまだ眠い時間だ。(というか健全な小学生なら午前4時とか絶対に起こしてはいけない時間帯だ)
「龍可ちゃんはこの部屋にいるメイクさんとヘアーアーティストさん、コーディネイターさんにたのんでいるからね」
「分かりました・・・・・・(眠いよ・・・・)」
「遊輝ちゃんは私が直々にメイクとかヘアースタイルをしていくからね〜」
「?すみれさんってファッションデザイナーでしょ?メイクとか出来んの?」
「舐めないでよ〜。私、ファッションデザイナーやる前にメイクとかヘアーアーティストとか色んな職業積んでからこの世界に入ったんだからね」
「ふ〜ん・・・・・・・適当にスルーしたけど、俺が出ることもう決定事項?」
「もちろんよ!あなたを逃がすわけには行かないわよ!!」
「もう諦めて逃げません。だからこの手錠を外してください」
「ダメ、絶対」
「(俺は麻薬かよ・・・・・)」
さっきからこの両手に付けられた手錠がカチャカチャといって鬱陶しいこと極まりない。そのまま逃げようにも手錠の先からロープがあってそれをすみれさんが持っているから下手に逃げれないし・・・・・・・
「さぁここよ。本当なら色んなモデルと一緒なんだけど、まだ私達しかいないわよ」
「えぇそうでしょうね。朝の4時に無理矢理起こされて連れてこられたんだから。しかも本当の出入りは10時からなのに」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「あ〜、早く今日終わってくれないかな〜〜。こんな黒歴史早く忘れたいわ。大体何で俺になるんだよ?他に探せばもっといい人いっぱいいたのに」
「・・・・・・最悪な日?何を言ってるの?今日は貴方に取って最高の日になるのよ?」
「・・・・・はっ?何言ってるんすか?」
「良いわよ・・・・・私の全身全霊に掛けて貴方を見違えさてやるわ!!身も心も女の子にさせてあげるわよ!!」
「(・・・・・もしかして地雷踏んだ?スッゲェ嫌な予感が(汗))」
「さぁ入りなさい!!」
「うわっ!!」
すみれさんに無理矢理手錠を引っ張られてしまい、部屋に入ったところでバランスを崩して転けてしまう。頭を手で押さえてる最中になにやら「カチャッ」って音が聞こえたような・・・・・
「い、いてててて・・・・・・」
「さあそこに座って!!私の実力を貴方に見せてあげるわよ!!」
「へっ?うわっ!!」
またしても手錠を無理矢理引っ張られてしまい引きずられるような感じで地面を這いずり、そのまま鏡の前においてあったパイプイスにドシンッ!と音を立ててしまった。
カチャカチャカチャ・・・・・・・・
「へっ?何今の音?」
「フッフッフッ、さぁ遊輝ちゃん。まずは・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・イヤアアアアアアア!!!!!!!!!!」
遊輝 side out
レミ side
「・・・・・・相変わらずね」
「相変わらずねって茜・・・・あんた、さすがにお母さん止めたら?あれ下手したら命関わっていたのよ?」
「私で止めたら苦労しないよ。第一、私もあのチューブにやられたし」
「貴方もやられたの・・・・・・・・」
現在、ファッションショーの会場となるとある建物の裏口みたいなところでメイクルームまでスタッフについていっている。龍亞君とスバルは今回は関係者の知り合いっていうことなので来ていない。なんでも、ファッションショーが終わるまで関係者以外は絶対に立ち入ってはいけないらしい。盗難防止とかテロ対策みたい。
「それにしても朝4時から良くそんな事するわよね」
「するも何も、私達ただすみれさんが遊輝達に悪戯しているところしか見てないよ」
「あ〜、お母さんならしかねないわね。ああいう時って周りを誘っといて結局自分1人しかしないって。仕事の時は人と相談するのに」
「あ、あれ、龍可ちゃん・・・・・じゃない?髪型変わってるけど」
響が指を指す方向にライトグリーンの髪をして頭に淡いピンクのミニハットを載せた女の子がいた。服も薄いピンク色のお姫様のようなフリルがついたドレスのような服を着ている。
「お〜い龍可ちゃん〜」
「?・・・・・あっ、レミさん」
龍可ちゃんがこっちに気付いて振り向いてくれた。前を見て分かったけど、龍可ちゃんの髪は
「龍可ちゃん可愛いね〜〜、お人形みたいだよ」
「///あ、ありがとうございます」
「・・・・・・変だな」
「?変って何が変なのよ茜?」
腕組みをしながらなんかしかめったらしている茜に奏が質問する。
「確か私達の事務所は今回はカジュアルな春服と少し早いけど夏服を頼まれたような気がしてたんだけど・・・・・・こんなドレス風の衣装なんて聞いてないし」
「そうなの?」
「何処かの事務所の人数が突然足りなくなったとか?」
「そうかな・・・・・私、こういうタイプの服ってあんまり好きじゃないんだよね。実用的じゃないし、動き辛いし」
「私は好きだけどな〜。こういう服って憧れるし」
「持ってたところで使わなかったら意味がないよ。とりあえずお母さんに聞いてみるか。龍可っち、お母さんは?」
「遊輝を連れてあの部屋に入ったのですけど、なんか・・・・・・物凄く雰囲気が」
「雰囲気?」
龍可ちゃんがなんか言いずらそうな表情でとある扉を指差す。その刺した扉は私達が準備する予定になっている部屋であったが・・・・・・・
「・・・・・うん、龍可っちが言いたい事が分かった」
「・・・・・なんだろう、まだ入ってはいけない雰囲気が醸し出している」
なんかこう・・・・・言葉では言い表すのが難しいんだけど・・・・・とりあえず入ってはダメな雰囲気がある。だって周りのスタッフもあの扉から離れていどうしているんだよ・・・・・(汗)
「ふぅ〜・・・・・終わった終わった」
「あっ、出てきた。すみれさ〜ん!!」
「おっ、待ってたよ。さぁ入って入って」
すみれさんに押される感じで私達4人が中に入る。控え室は結構広くて、扉の横にはお祝い用である花が置いてあった。左側にはソファと机があり、なぜかカードが散らばった状態であり、その反対側には恐らく私達が着るであろう衣装が掛けられている。見た感じ、龍可ちゃんと同じようなお姫様のようなドレスの物と茜が言っていたカジュアルっぽい服が掛けられている。
「あれ?遊輝がいない」
「すみれさん、遊輝は?」
「遊輝?そんな子はいないわよ」
「へっ?」
「『遊輝』じゃなくて『優姫』ちゃんならそこにいるじゃない」
すみれさんが紙に書いた『優姫』という文字を見せながら指を指す。その方向には・・・・・・・・・・・・えっ?
「・・・・・・・(ゴシゴシ)」
「・・・・・・・・・・これ、本当に遊輝?」
「ええ、もちろんよ」
「・・・・・・・・もう面影すらもない」
「///////い、言うな!!!!!!」
部屋の隅っこになんかいたんだけど・・・・・・・うん、これは凄い。何だろう・・・・・・遊輝って言われても未だに遊輝だと分からない。髪はツインテールで私達がしているのと変わりはなく、顔は薄っすらと化粧をしている。そう、薄っすらとしかしていない。私が遊輝にやった時よりも薄いのに、私の時よりも女の子らしい。服は膝丈までのライトグリーンのギャザースカート、上は淡い水色のセーラー服みたいな物に胸リボンをつけている。
「凄いね・・・・・・ガチで小学生の女の子と間違われるんじゃない?」
「///////俺は男だ!!!!!」
「こら優姫ちゃん!!言葉が悪いよ!!」
「近くで見たらもっと凄いよ。腕と足のムダ毛処理までされているよ」
「うわぁ・・・・・遊輝っちって脇役のはずなのに絶対に主役より目立つよね。ルックス良いし、何より顔」
「服もさながら、何でこんな薄化粧で別人のように見えるんだろう?」
「どう?これが私の腕前よ。さぁ優姫ちゃんはあっちで続き。茜達は私が一気にやるわよ」
「その前にお母さん、龍可っち何であんな服着てるの?」
「あ〜、あれ?知り合いの事務所に手伝ってもらう子が結局インフルエンザを治せなかったから、龍可ちゃんにお願いして貰ったの。龍可ちゃんはだから計3回出るのかな?それと茜達もドレスを着てもらうわよ?」
「えっ!?そんな話聞いてないんだけど!?」
「だって言ってないもん」
茜の驚くような表情に当たり前のように突き出すすみれさん。ほんと、この人は・・・・・・(汗)
「正確に言ったら私も今朝知らされたんだけどね。ファッションショーの後にデュエル大会があるみたいなの」
「デュエル大会?」
「いわゆる初デュエルみたいなものよ。なんか抽選で私のところの事務所が当たったみたいだからね。で、その時の服のテーマが《プリンセス》」
「プリンセス・・・・・良いわぁ〜、憧れるよ〜〜」
プリンセスと聞いた響と奏は少しうっとりとした表情になる。
「それであのドレスってわけ。流石に私も突然だったから荘太君に電話して事務所にあるドレスの衣装を持ってきてもらったのよ。龍可ちゃんも参加してもらうわよ。もちろん、優姫ちゃんも・・・・・ね?」
すみれさんの脅しを入れた目をそらすようにして別の所に視線を移動させる遊輝。あれは徹底的に何かされたわね・・・・・(汗)
「ブゥ〜・・・・あの衣装動きづらいのにな」
「あ、あと何でここにカードが?」
「優姫ちゃんには新しいデッキを作って貰ってるの」
「なんでそんな事を?」
「優姫ちゃんのデッキは色々とマズイでしょ?」
「あ〜、確かに」
最初にエクシーズ召喚をした遊輝のデッキって物凄い有名なんだよね。『世界に一つしかない、エクシーズ召喚をテーマにした魔法使い族デッキ】と【高速エクシーズのドラゴン族デッキ】とか大々的に報道されちゃって。とある番組で「もし遊輝のデッキが売られたら?」ってお題の時に出た査定額にはビックリしたわね。0が10個以上あったんだから。
「だから新しくデッキを作って貰ってるの。エクシーズモンスターは使って良いけど折角だし《可愛いくて童話とかに出てくるようなモンスター》ってテーマを付けてね」
「《童話に出てくるようなモンスター》・・・・・・どんなテーマがあるかな?」
「普通に考えたら・・・・・ナチュルとか?」
「はいはい、あなた達はそんな事よりこっちで準備よ。まずは茜からね」
すみれさんに呼ばれた茜が鏡の前に置いてあったパイプ椅子に腰を掛けると、すみれさんが後ろにつき茜の髪を弄りだした。
レミ side out
龍亞 side
「ファッションショーってつまんないね」
「こら龍亞。大勢の人前でそんな事言うな」
俺とスバルはメインステージの中央にある道みたいなステージの中間にあたる位置にいる。正午ぐらいから始まった1時間半くらいのファッションショーだったけど、正直言って、男の俺には女性のファッションの流行とか凄さが分からなかった。
【ファッションショーの描写?そんなものを書く技術あれば苦労しない】
・・・・・・・何か聞こえたがスルー。むしろ俺はこの後にやるイベントの方がメインだと思ってるよ。
「あとちょっとで龍可たちがデュエルするんだよね?」
「予定だとそうだな。事務所と事務所の団体戦って言っていたし全員出るんだろうな」
この後に行われるデュエル!!これが一番楽しみだよ!!
「・・・・・・にしても遊輝凄かったね」
「確かに。周りのどよめきとか歓声とか他のモデルよりも凄かったな」
「龍可にメールで順番を教えて貰ったとはいえ、最初画面で顔を見た時、『マジで遊輝?』って思ったよ。遊輝の面影がなかったし」
「だな」
遊輝がメインステージでモデルとして登場した時、この会場がどよめきに包まれたんだよ。俺とスバルの隣は実はこの業界の関係者達の席なんだけど、その時に聞こえたのが「あの子何処の事務所所属だ!?」「あそこまでの子は100年に1人の逸材だ!!」「確実にトップスター間違いなし!!」「すぐにでもモデルや女優デビューさせられる!!」とかもう褒めまくってた。2回目の登場時にはトップモデルみたいな歓声と黄色い声が会場全体に響まくって、正直耳が痛かった。
『お待たせしました。双方のモデル達の準備が終わりましたのでこれよりデュエル大会を開催します!』
「やっと始まるみたいだな。デュエルの準備に1時間もかけるなって」
『今回は2つの事務所にご協力いただき、6対6の団体戦を行って貰います。団体戦といっても、普通のデュエルを6回行ってもらうだけです。それでは今回のデュエルに参加してくれる双方のモデルさん達の登場です!!』
司会のアナウンスによって奥にあるメインステージの左右からドレスを着た女の人が6人ずつ出てきた。腕にはドレス姿には似合わないデュエルデスクもセットしてある。
『本日のデュエル大会の衣装のテーマは《プリンセス》、というわけで今回、モデルさんにはテーマにそった衣装を着てもらいました』
MCの紹介でステージにある特大ビジョンや中央ステージの天井にぶら下がっている4つのビジョンから1人1人の全身の姿を写し出される。先に相手の人たちが写し出されて、次に龍可たちの番だ。1人1人ビジョンに映し出されていく。そして最後・・・・・・・・・
『キャアアア!!!!!!!!』
「・・・・・・何あれ?絶対に人形だよ」
多分遊輝・・・・・・何だろうな、顔を赤くして下を向いているから。ツインテールから髪を少しだけって巻いてサラ〜と降ろし、服はピンク色の花とフリルがついたドレスを着ていた。腕には・・・・・・あれなんていうのかな?レースを素材にしたピンク色の物を肘まで通している。両手はその通された物で薄い手袋みたいな状態になっており、靴は少しだけ高さのあるヒールをはいてある。
『ではこれより1回戦を始めます。双方のモデルの代表者はランウェイまでお願いします』
MCのアナウンスで向こう側の人とこっちからは奏さんが出てきてデュエルデスクを構える。
『それでは本年最初のデュエル!スタート!』
〜〜〜1時間後〜〜〜
現在5人目まで終わって最後の大将戦みたいな物の準備をしている。結果は・・・・・うん、なんていうか・・・・・
「・・・・・あいつら、狙ってやっているのか?」
「すみれさんに変なことふきこまれたりして?」
あまりにも一方的過ぎるデュエルで龍可たちが5連勝しちゃった、というか内容が酷い。初戦の奏さんは何を勘違いしたのか【終世】を使って完封勝ち。次の響さんはウォーターフォールを2回もしたよ。茜さんは初手からオピオンを出して次のターンに勝ち。レミさんが一番マシだったな〜。まだ相手と殴り合っていたよ。龍可は・・・・・・・言わなくても良いよね?
「ラストは遊輝か・・・・・・あいつ、完全新作のデッキで行くんだろ?」
「メールにはそう書いてあったしそうなんじゃない?」
「大丈夫か?こんな所でデッキの初陣なんか回しちゃって」
「多分勝てなかったらすみれさんになんかされるよ」
「だな」
『それでは最後の対戦へとまえりましょう!!まずは優子さん!」
MCの紹介で遊輝の相手であろうデュエリストが先にランウェイを渡っていく。
『続いては優姫さん!!』
いまだに顔を赤くした遊輝がデュエルデスクにデッキをセットしてランウェイへと歩く。あれ、本当に大丈夫かな?
龍亞 side out
遊輝 side
「(///////は、恥ずかしい・・・・・・・)」
な、何で俺がオオトリ任されるんだよ!!しかも完全新作でテストプレイもしていないデッキで!!負けたら負けたですみれさんに何されるかたまったもんじゃないし・・・・・・いや、何よりも・・・・・
『あの子可愛い!!お人形みたい!!』
『何処の事務所なの!?あんな可愛い子の服私も着てみたい!!』
さっきから聞こえるこの周りの歓声・・・・・・・もう泣きそうになるよ(涙)何で俺、こんな事する羽目になったの?(涙)
「//////あ、あの・・・・・お手柔らかにお願いします」
できる限りの裏声や高い声を使って相手にお辞儀する。相手の方は俺の挨拶を見て愛想無しに「フンッ」と言ってそっぽを向く。
「(何でここ数年間、パリのモデル業界を引っ張った私よりも突然現れたあの子のほうが歓声が上がるのよ!!私のほうが可愛いしルックスもいいし有名ブランドと契約してるのよ!!ここはデュエルで勝って新参者を痛めつけないと!)」
『それでは本日のラストマッチ!双方のデュエリストには良いデュエルを期待しましょう!』
「デュエル‼︎」 「デュ、デュエル・・・・・・‼︎」
優姫(遊輝) LP 4000 優子 LP 4000
「先行は譲ってあげるわ新入りさん」
「あ、ありがとうございます・・・・私のターン、ドロー」
遊輝 手札 6枚
「わ、私はマドルチェ・マジョレーヌを召喚」
マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400
俺のフィールドに持ち手側を生クリームでデコレーションしたような銀のフォークを箒代わりに紫色の魔女が現れる。
「マドルチェ・マジョレーヌは召喚成功時、デッキから《マドルチェ》とついたモンスターを手札に加えます。マドルチェ・バトラスクを手札に加えて、永続魔法、マドルチェ・チケットを発動。カードを1枚伏せてターンエンドです」
遊輝 手札 4枚 LP 4000
【モンスターゾーン】
マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400
【魔法・罠ゾーン】
マドルチェ・チケット
伏せカード 1枚
「(マドルチェ・・・・聞いたことないわね)私のターン」
優子 手札 6枚
「魔法カード、おろかな埋葬。この効果でデッキのミンゲイドラゴンを墓地に送るわよ。そしてサファイア・ドラゴンを通常召喚」
サファイア・ドラゴン 攻1900
「(サファイア・ドラゴン?ていうのことはドラゴン族か?)」
「このままバトル!サファイア・ドラゴンでマドルチェ・マジョレーヌに攻撃!」
サファイア・ドラゴン 攻1900
マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400
遊輝 LP 4000→3500
「うわっ!!(あ、あぶねぇ!!もう少しで素の声が出るところだった!!)」
マジョレーヌが破壊された爆風で少し飛ばされそうになったけど何とか大丈夫だな・・・・・・もしここで素の声出してしまったら・・・・・(ブルブル)。と、こいつの効果発動しないと。
「は、破壊されたマドルチェ・マジョレーヌは墓地に行く代わりにデッキに戻ります」
「墓地に行かない?珍しいモンスターね」
「そ、そしてマドルチェ・チケットの効果を発動します。《マドルチェ》と名のついたモンスターが墓地から手札またはデッキに戻った時、デッキから《マドルチェ》と名のついたモンスターを手札に加えます。私はさっき破壊されたマドルチェ・マジョレーヌを手札に加えます」
「ふ〜ん、まぁ関係ないわ。攻撃力が低いモンスターを手札に加えた所で私のサファイア・ドラゴンには勝てないわ。カードを2枚伏せてターンエンド」
優子 手札 2枚 LP 4000
【モンスターゾーン】
サファイア・ドラゴン 攻1900
【魔法・罠ゾーン】
伏せカード 2枚
「わ、私のターン、ドロー」
遊輝 手札 6枚
「わ、私は魔法カード、二重召喚を使います。まずはマドルチェ・マジョレーヌを召喚」
マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400
「マドルチェ・マジョレーヌの効果でデッキからマドルチェ・エンジェリーを手札に加えます。続いて、マドルチェ・バトラスクを召喚します」
マドルチェ・バトラスク 攻1500
マジョレーヌの隣に右手にポッド、左手にティーカップを持った執事があらわれる。
「マ、マドルチェ・バトラスクは召喚に成功した時、このカード以外に《マドルチェ》モンスターが存在する場合デッキからフィールド魔法を手札に加えます。わ、私はフィールド魔法のマドルチェ・シャトーを手札に加えてそのまま発動します」
バトラスクが紅茶をカップに入れるとそのカップから1枚のカードが出てきて、そのカードが光り出す。光が収まると会場はお菓子の国へと変わり、俺の後ろにお菓子で出来たお城がある。
「マドルチェ・シャトーの効果によりフィールドの《マドルチェ》とついたモンスターの攻撃力は500ポイントアップします」
マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400→1900
マドルチェ・バトラスク 攻1500→2000
「サファイア・ドラゴンの攻撃力を上回った!?」
「バ、バトル!マドルチェ・バトラスクでサファイア・ドラゴンに攻撃します!」
両手のポッドとカップが消えて杖みたいな物に持ち替えたバトラスクがサファイア・ドラゴンに攻撃する。
「甘いわよ!トラップカード、聖なるバリア 〜ミラーフォース〜!攻撃を無効にして攻撃表示のモンスターを全て破壊する!」
「カ、カウンター罠、マドルチェ・ティーブレイクを発動!自分の墓地にモンスターが存在しない場合、相手が発動した魔法・罠の効果を無効にしてそのカードを手札に戻します!」
「嘘!?」
バトラスクの前に出来た毎度お馴染みのミラフォのバリアだが、隣にいるマジョレーヌが魔力を貯めたつえでそのバリアを叩き割り、バトラスクの攻撃が通る。
マドルチェ・バトラスク 攻2000
サファイア・ドラゴン 攻1900
優子 LP 4000→3900
「続けてマドルチェ・マジョレーヌでダイレクトアタックです!」
優子 LP 3900→2000
「ぐっ・・・・・(新人にダメージを食らうなんてなんて恥!)」
「カ、カードを1枚伏せてターンエンドです」
遊輝 LP 3500 手札 3枚
【モンスターゾーン】
マドルチェ・マジョレーヌ 攻1900
マドルチェ・バトラスク 攻2000
【魔法・罠ゾーン】
マドルチェ・チケット
マドルチェ・シャトー
伏せカード 1枚
「(私が押されている!?冗談じゃないわよ!!)ドロー!」
優子 手札 4枚
「スタンバイフェイズ時、墓地のミンゲイドラゴンの効果発動!自分フィールドにモンスターがいない時、墓地から特殊召喚する!」
「(ミンゲイドラゴンか・・・確実にデカイのが来るな)」
「ミンゲイドラゴンをリリースしてタイラント・ドラゴンをアドバンス召喚!」
タイラント・ドラゴン 攻2900
ミンゲイドラゴンが2体に分裂をして消えていき、茶色を主としたドラゴンが現れてきた。タイラントドラゴンか・・・・・フィールドは一掃されてしまうな。
「バトル!タイラント・ドラゴンでマドルチェ・バトラスクに攻撃!フレイムアゴン!」
タイラント・ドラゴン 攻2900
マドルチェ・バトラスク 攻2000
遊輝 LP 3500→2600
「うう・・・・破壊されたマドルチェ・バトラスクはデッキに戻りますがこの瞬間、マドルチェ・シャトーの効果を発動します!《マドルチェ》と名のついたモンスターがデッキに戻る代わりに手札へと戻ります!さらに永続魔法、マドルチェ・チケットの効果によりデッキからマドルチェ・クロワンサンを手札に加えます!」
「何体モンスターを加えてもタイラント・ドラゴンの前では無力よ!タイラント・ドラゴンは相手フィールドにモンスターがいる時、もう1回攻撃できる!今度はそこの魔女を焼き付きなさい!フレイムアゴン!」
タイラント・ドラゴン 攻2900
マドルチェ・マジョレーヌ 攻1900
遊輝 LP 2600→1600
一度攻撃を放ったタイラント・ドラゴンが今度は標的をマジョレーヌに変えて攻撃する。破壊された反動で足元が少し捻るような感じでバランスをくずしてしまい転けてしまう。
「い、いたたた・・・・(こんな服着てるから余計にバランス感覚がおかしくなってしまうよ)は、破壊されたマジョレーヌもデッキに戻る代わりに手札に帰ります」
「カードを2枚伏せてターンエンドよ(私が伏せたのは魔法の筒とミラーフォース、タイラント・ドラゴンより高い攻撃力を持つモンスターならこれで返り討ち。守備表示なら前のターンから伏せている竜の逆鱗で終わりね)」
優子 手札 1枚 LP 2000
【モンスターゾーン】
タイラント・ドラゴン 攻2900
【魔法・罠ゾーン】
伏せカード 2枚
とりあえずあのタイラント・ドラゴンだけは何とかしないといけないな・・・・伏せカードで何とかなるし持っていけたらこのターンだな。
「私のターン、ドロー」
遊輝 手札 7枚
あっ、最高のカードひいた。これで召喚妨害系じゃなかったら勝てるじゃん。
「速攻魔法、サイクロンを発動して左側の伏せカードを破壊します」
「くっ・・・・(竜の逆鱗が破壊されても痛くはないわね。外れを引いてくれて助かるわ」
「ここで伏せていたカードをオープン!罠カード、マドルチェ・ハッピーフェスタ!手札から《マドルチェ》と名のついたモンスターを可能な限り特殊召喚します!」
「!?さ、さっきから手札を増やしていたのはそのため!?」
「来てください!マドルチェ・マジョレーヌ!バトラスク!クロワンサン!エンジェリー!メッセンジェラート!」
マドルチェ・マジョレーヌ 攻1400→1900
マドルチェ・バトラスク 攻1500→2000
マドルチェ・クロワンサン 攻1500→2000
マドルチェ・エンジェリー 攻1000→1500
マドルチェ・メッセンジェラート 攻撃1600→2100
後ろのお城の頂上から鐘の音色がフィールド全体に鳴り響いて、俺と相手の真ん中にチョコレートと生クリームでコーティングされた特大のウエディングケーキが現れてそれに群がるように手札にいたモンスター達が現れてきた。
「この効果で特殊召喚されたモンスター達はエンドフェイズにデッキに戻ります。そしてマドルチェ・メッセンジェラートは特殊召喚時に獣族の《マドルチェ》モンスターが存在するとき、デッキから《マドルチェ》と名のついた魔法・罠カードを1枚手札に加えます。2枚目のハッピーフェスタを手札に加えます」
「ふ、ふん、何体ならべても結局は私のタイラント・ドラゴンに勝てないじゃない。数をならべても意味がないわよ」
「マドルチェ・エンジェリーの効果を発動します!このカードをリリースしてデッキからこのカード以外の《マドルチェ》と名のついたモンスターを特殊召喚します!マドルチェ・プディンセスを特殊召喚します!」
マドルチェ・プディンセス 攻1000→1500
エンジェリーがウィンクをして消えて、中央に残っていたウエディングケーキの上からお姫様の格好をした女の子が降りてきた。
「(モンスターを変えてもたったの1500じゃない。全く、もう少しちゃんとしたプレイングをしなさいよね)」
「そして私はLv4のマドルチェ・マジョレーヌとマドルチェ・バトラスクでオーバーレイ!」
「ふ〜ん・・・・えっ!?オーバーレイ!?」
☆4 × ☆4 = ★4
「2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!お菓子の国の女王!クイーンマドルチェ・ティアラミス!!」
クイーンマドルチェ・ティアラミス 攻2200→2700
ウエディングケーキの消えた所にブラックホールが出来て、その中にマジョレーヌとバトラスクが吸い込まれていき、爆発する。中から出てきたのは椅子に座った少し年老いた冠を被っている女王様だ。女王が出てきたことで周りにいるマドルチェ達の姿勢もピンと背筋を張っている。
「エ、エクシーズ召喚!?そのデッキ、エクシーズ召喚が出来るの!?(だ、大丈夫!!攻撃力は大した事ないわ!)」
「クイーンマドルチェ・ティアラミスの効果を発動します!オーバーレイ・ユニットを一つ取り除いて、墓地の《マドルチェ》と名のついたカードを2枚選択します!私はマドルチェ・エンジェリーとオーバーレイ・ユニットで外したマドルチェ・マジョレーヌを選択します!」
クイーンマドルチェ・ティアラミス OVR 2→1
「そのモンスターをデッキに戻しますがこの時、マドルチェ・シャトーの効果で手札に戻ります」
遊輝 手札 2→4枚
「ふん、墓地のモンスターを戻した所で何の意味があるのよ」
「クイーンマドルチェ・ティアラミスの効果はまだ続きます!この時、戻したカードの枚数まで相手フィールドのカードをデッキに戻します!」
「・・・・・・・えっ!?デッキに戻す!?」
「私は貴方の伏せカード2枚を選択します!」
ティアラミスが持っている杖が光り出して、その光がタイラント・ドラゴンと相手の伏せカードを包み込む。一瞬だけ強く光って、光が収まる伏せカード2枚はなくなり代わりにお菓子で作られた模型がそこにあった。
「あっ・・・・・えっ・・・・?」
「さらにマドルチェモンスターが墓地から手札に戻ったので永続魔法、マドルチェ・チケットの効果でデッキからマドルチェ・ホーットケーキを手札に加えます」
遊輝 手札 4→5枚
〜〜〜〜〜〜〜〜
「ねぇ、私の見間違いじゃなかったら遊輝このターン、実質2枚しか消費していないよ?」
「何あのデッキ・・・・・墓地肥やさないからそこまで強くないって思ってたらどんどん手札が増えていくよ」
「あれは敵に回したくないわね・・・・しかもあのエクシーズモンスターの効果って多分、相手のカードを対象に取ってないよ?」
「見た目はすごく可愛らしい格好なのにね・・・・・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ぐっ・・・・・(何度出しても攻撃力でタイラント・ドラゴンを越えなければ意味がないわよ!」
「さらにクイーンマドルチェ・ティアラミスでオーバーレイ・ネットワークを再構築します!」
「!?さらにエクシーズ召喚!?」
クイーンマドルチェ・ティアラミスが一つの球体となり再びできたブラックホールに
★4→★5
「エクシーズ召喚!お菓子の国のお姫様!マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モード!!」
マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モード 攻2500→3000
ティアラミスから消えてブラックホールから代わりに現れたのは、隣にいるプディンセスと同じ容姿のお姫様だ。違う点は、普通のモンスターはホワイトクリームの様なものでデコレーションされた白いドレスだけどエクシーズモンスターの方はチョコ色のドレスとなっている。
「あっ・・・・・えっ・・・・・」
「バトルです!マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モードでタイラント・ドラゴンに攻撃です!」
エクシーズモンスターの方のプディンセスがタイラント・ドラゴンをウィンクする。プディンセスのウィンクを貰ったタイラント・ドラゴンはメロメロになってそのまま倒れてしまう。
マドルチェ・プディンセス・ショコ・ア・ラ・モード 攻3000
タイラント・ドラゴン 攻2900
優子 LP 2000→1900
「マドルチェ・メッセンジェラートでトドメのダイレクトアタックです!」
優子 LP 1900→0
WIN 遊輝 LOS 優子
『決着!勝者は優姫さん!』
MCの一言で会場がボルテージが一気に上がる。とりあえず勝ててよかった・・・・・負けたら何されたか分からないよ。全く・・・・・・「負けた人は明日その格好でプロモーションの写真撮影」とか言われてもうイヤだったよ。なんか相手放心状態のままだけど・・・・・まぁ良いよな。
〜(翌日)〜
「あ〜・・・・・黒歴史の1日だったよ・・・・・」
「まだそうやって喋っているからマシじゃないの?」
「マシになるかよ・・・・・昨日の出来事は二度と思い出したくない」
龍可と一緒に朝飯を食べにいくため茜達の部屋へと向かっている。
昨日はあの後マジで大変だった・・・・・・あのデュエルの後に個人用の写真とか突然言われて1人大体5分、俺なんか10分も掛けられたよ・・・・・その上でバレないようにとか言われて帰りの服がスカートだったし・・・・・
「ハァ・・・・まぁ明日の夜には日本に帰るしせっかくだから今日と明日で観光しないとな」
「そうね」
「あっ、やっと来た。遊輝っち、ちょっとこっち来てよ」
「?どうしたんだ?」
部屋に入っていきなり茜に呼ばれたので俺と龍可は茜についていく。連れて行かれたところはリビングですでに龍亞達も部屋にいた。そして、その部屋の中央にあるテーブルにはたくさんの手紙や封筒の山がある。
「?これ何?」
「全部遊輝っち宛」
「俺?なんかしたか?」
「凄い凄い!!これ全部モデル事務所からじゃない!!」
「Ma○rilyn・M○AJR PARIS・・・・・・パリのモデル事務所に日本のモデル事務所からも来てるわよ」
響やレミは届けられた手紙を手にしてなんか色んな名前みたいなのを言っている。
「これ、何か分かる?全部貴方へのスカウトよ」
「はっ!?」
すみれさんが言った言葉に呆気を取られてしまった。何!?スカウトって!?どういうこと!?
「貴方の女装した姿はとてつもない評判よ。どの会社も是が非でも君を手に入れたいと思っているの」
「絶対に嫌ですよ!!!!何で女装してモデルしなきゃいけないんですか!?!?」
「ええ、だから断りをいれたわよ」
「ほっ・・・・・・・」
「だってね・・・・・・・・・」
すみれさんから断りをいれたという言葉で胸をなでおろす。次のすみれさんの衝撃的な発言を聞き入れずに・・・・・
「貴方は私の事務所の専属モデルになってもらうから☆」
「・・・・・・・・・・・・・えっ?」
「だからね・・・・ファッションモデルとの契約じゃなくて、ファッション雑誌や服のデザインをしてくれる会社とは契約したわ☆社長も大喜びだったわよ☆」
「いやいやいやいやいやいやいや!!!!!!!!!!ちょっと待ってください!!!!!何勝手に契約とかしちゃってるんですか!?!?!?」
「・・・・・あはははははは!!!!!おっかしい!!!!女装した遊輝で契約成立って!!」
「「「「うわぁ・・・・・すごく負けた感じがする・・・・・」」」」
すみれさんの仰天発言で取り乱してしまう。俺の後ろでは他人毎のように腹を抱えて笑う龍亞、何故か凄い負けた雰囲気をだすレミ達。
「ねっ、あとはこの契約書にサインしたら終わり」
「しません!!!!!!」
すみれさんから契約書を奪い取ってビリビリに破く。
「んもぅ・・・・勿体無いことしないでよ。じゃあこっち」
「だからしません!!!!!!」
「あら・・・・・貴方に断る権利はないのよ、優姫ちゃん」
「////////優姫ちゃんって呼ばないでください!!!」
「あら、私は可愛いと思うけどな、優姫ちゃん♪」
「////////うわあああ!!!!!!!!」
散々弄ばれた俺は顔を真っ赤にして部屋から逃げるように出て行く。
「逃げたわね・・・・・・・まぁいいわ。それよりも、レミ」
「?何ですか?」
「あのね・・・・・・・・・・・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「////////はぁ・・・・・はぁ・・・・・もう・・・・トラウマになりそうだよ」
一人逃げ帰った部屋で毛布で頭を丸めてさっきの事を忘れようと必死に頭をぐるぐると回すが、なかなか忘れない。
「////////冗談抜きであんなのにサインしたら俺の人生ヤバい事になってしまうって」
「まぁそうだよね。一生嘘を付いてモデル業しなくちゃいけないからね」
「!?!?れ、レミ!?」
突然聞こえた声に驚いて後ろを振り向くとレミがいた。何か凄い顔をニヤニヤとしながら・・・・・・
「な、何・・・・・」
「いやねぇ、ちょっとあんたにお願いがあるんだけど〜〜」
「お、お願い?」
「これからさ〜、出し物とかでやる時にあんたには率先して色々とコスプレやら女装を頼みたいんだよね〜(ニヤニヤ)」
「な、何でそんな「ちなみに私、すみれさんの番号知ってるんだ〜〜」!!!!」
「すみれさんがね〜〜、『電話して遊輝ちゃんがOKって言ったら次の日からモデルとして働いてもらうから』って頼まれてね〜。私が連絡係になったんだよね〜(ニヤニヤ)」
携帯の画面を見せながら俺に脅すかのように話しかけるレミ。話の内容を察した俺はもう顔面蒼白に近い状況だ。
「まあね・・・・・私もそこまで鬼じゃないからさ、ねっ?」
そう言って俺の肩にポンっと叩く。
「何か企画でコスプレしてもらうときは率先してもらうからね」
「うっ・・・・・・・・」
「その時はよろしくね」
「うっ、ううう〜〜〜〜〜・・・・・・・・」
携帯を見せつけられ、完全に弱味を握られてしまったレミに俺は小さく頷くことしか出来なかった。
響「やっぱりこの衣装いいな〜、憧れる〜〜」←水色のドレス姿
茜「私はやっぱり嫌いだな・・・・・動き辛くて仕方ない」←黒色のゴズロリみたいなドレス
レミ「茜の気持ちは分かるけど、やっぱり一着はこういうの欲しいよね〜」←緑のプリンセスドレス
奏「龍可ちゃんはどう思う?こういう衣装?」←黄色の花があしらえたドレス
龍可「う〜ん・・・・やっぱり一生に一度はこういうのを着てみたいな〜とは思います。私も憧れはあるので」←白いウェディングドレスみたいな衣装
レミ「そう考えたら龍可ちゃんが一番良いよね。ウェディングドレスじゃない」
響「そうそう!!彼氏もいるんだし、本当に似合ってるよ!!」
龍可「///あ、ありがとうございます」
奏「それじゃ今回の遊輝のデュエル、振り返りましょう」
茜「・・・・あのデッキってあんなに手札増えるの?」
響「あれは嫌だね・・・・・・手札が尽きずに次のターンも手札から大量特殊召喚でしょ?」
レミ「オーバーキルにも程があるよ・・・・もちろんあのフィールド魔法と永続魔法があったからああいう状況にはなったんだろうけど」
龍可「童話のような世界観で結構効果は強いわ・・・・」
「「「「「((((龍可ちゃん(龍可っち)は童話の世界とか関係なく相手を泣かしているからね))))」」」」
茜「次はパリの観光よ。いよいよレミっち達の海外旅行にも最終日」
レミ「【軽音部、海外遠征最後の日】。次回もよろしくね」