【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち   作:DICHI

75 / 202
最強カードの紹介〜〜。

ジャック「・・・おい、今日の話見たけどこれは必要か?」

うん・・・・・今回は何を紹介すれば良いのか迷った・・・・・

ジャック「・・・・それは必要なのか?」

・・・・・多分必要!!

ジャック「・・・・それとまた遅かったな。何をしていたんだ?」

単純に逃走中の方を執筆していただけだよ。あれとこっち、2作品を一辺にやったら大変だよ。

ジャック「(・・・・ほんとか?)」

最強カードの紹介・・・・・マジでどうしよう?

ジャック「俺に聞くな!!」

えぇ・・・じゃあミラクル・フュージョン!!

ジャック「今、決めたな・・・・自分のフィールド・墓地から融合素材モンスターを除外することで《E・HERO》の融合モンスターを融合召喚出来る」

後半、何もないところからいきなり融合モンスターを持って来れるぞ!!相性が良いのは定番のシャイニングとボルテックだ!!

ジャック「第71話、デュエルスタート!」


第71話 迫り来る影と恋のキューピッドによる恋愛作戦

スバル side

 

 

パリに来て二日目・・・・・・

実は今日は大晦日、街中で新年を祝う準備が進んでいる。そんな中・・・・・・・

 

「ほら遊輝ちゃん!!!もっと胸はって!!!!」

 

「も、もう嫌だ〜〜(涙)」

 

・・・・・ただ一人、すみれさんのスパルタ特訓でファッションショーの練習をしている、ツインテールで化粧をさせられ、赤いスカートに淡い青のシャツ、オレンジ色のコート、そしてウサギの耳みたいなカチューシャを着けられた遊輝。とても哀れだ・・・・・・

 

「めちゃくちゃ鬼だよね龍可?」

 

「えぇ・・・私たちより厳しく指導しているわね」

 

「ほらあごあげて!!来年もずっとスカートで過ごしたいのね!!」

 

「うわあああ!!!!」

 

「・・・・すみれさんの練習もキツいけど」

 

「なんていうか・・・・・遊輝も飲み込みが悪過ぎるよ・・・・・昨日から同じ練習をしているのに」

 

「いや、そういう問題じゃねぇだろ・・・・・・」

 

既に休憩に入っているレミ達は遊輝の飲み込みの悪さを指摘するが・・・・・そういう問題ではないとおもうが・・・・(汗)昨日の様子を皆で龍可に聞きにいったら、まず帰って来たのが夜の11時。しかもワンピース姿らしい。何でも服を全部とられたとか・・・・・・

 

「笑顔!!!またそんな顔をして!!」

 

「うわあああ!!!!!!!!」

 

「・・・・・見ればみるほど哀れだな」

 

「お母さんが久しぶりに本気で指導している・・・・・・・余程気に入ったのね、遊輝っちのことを」

 

「べた褒めでしたね。『100年に1人の逸材』って」

 

「龍可ちゃん・・・・あなたが遊輝をフォローしなかったら、遊輝が堕ちちゃうよ」

 

「よし!休憩!!」

 

「はぁ・・・・・はぁ・・・・・もう嫌だ・・・・・・」

 

「こらっ!そんなところで休まない!!」

 

練習が終わって地面に大の字になり転がる遊輝、そしてそれをまた注意される。徹底的に男としての動作を捨てられて女子にしようとしている・・・・・・(汗)

 

「ふぅ・・・・あっ、いけない。お餅を買っていなかった」

 

「お餅ってあるのですか?」

 

「近くに日本の会社が経営するスーパーがあるからいつもそこで買うのよ。茜、悪いけど買ってきてくれる?」

 

「わかった!じゃあ・・・・・・スバルっち!私と一緒に来て!」

 

「?何でだよ?一人でいけるだろ?」

 

「護衛だよ!護衛!」

 

「何だそれ?」

 

「茜さん、柔道二段とか言ってたよね?何で護衛なんか必要なの?」

 

「えっと、それは・・・・・」

 

「龍亞君、大人の事情に入らないで頂戴。スバル君、頼んだわよ?」

 

もう行く事決まりかよ・・・・・・・

「しゃあねえな。行くか」

 

「じゃあよろしくね!スバルっち!」

 

茜にほぼ無理矢理連れられて、マンションの外へと出てスーパーまで歩く。外では新年に向けた準備が着々と進められており、多くの人が街で買い物をしている。

 

「もう1年も終わりか〜。あっという間だったな」

 

「私には十分過ぎる1年だったよ。今年は仕事が多かったな〜」

 

「そう言えばモデルって言っていたな。でもあの人が所属しているファッション雑誌のだろ?少しはいたわるだろ?」

 

「スバルっち、その考えは甘いよ。現に遊輝っちが大晦日なのにあれよ」

 

「・・・・・・ようはあの人が仕切っているのか」

 

「流石に編集長とか社長には頭が上がらないけど、ファッションのことならお母さんに頼っちゃってるからね」

 

「ふ〜ん」

 

「あっ、ここだよ」

 

「・・・・まだ歩き始めて3分も経ってないぞ」

 

マンションの角を一つ左に曲がり、直線で50mも歩いたところに目的のスーパーがあった。こんなに近いなら護衛なんか付ける必要ねぇだろ・・・・・・

 

「お餅お餅・・・・あった」

 

「はぁ・・・・さっさとお金払って帰るぞ」

 

「は〜い」

 

茜が餅を持ってレジにいき直ぐにお会計がすんだ。

 

「さてと、帰ろうか」

 

「そうだね」

 

茜と二人一緒に外に出る。また同じ道を歩き、マンションに戻る。

 

「にしても俺が付いてくる必要ねぇだろ」

 

「それは・・・!!来た!!」

 

「はっ?」

 

茜が突然身構えて戦闘態勢に入る。

 

ブンッ!!!

 

「どわあ!?!?な、何だ!?」

 

突然、何かが飛んできてとっさに避ける。反対側を見ると手裏剣みたいなものが壁に突き刺さっていた。

 

「な、なんだこれ!?」

 

「そんな事言ってないで次来るよ!!逃げるわよ!!」

 

「ちょ、ちょっと待て!!」

 

茜に無理矢理引っ張られて、行きに来た道と反対の道を走る。その間にも後ろから手裏剣らしき物体が投げてきて・・・・

「逃げるって何処に逃げるんだよ!!」

 

「とりあえず逃げるのよ!!・・・あっ!!」

 

茜が曲がった道の先は行き止まり。マジかよ・・・・

 

「しゃあない・・・・・」

 

ブンッ!!!

 

「ロックガード!!!!」

 

ガン!!ガン!!

 

「えっ!?」

 

地面に拳を叩きつけ、そこから盛り上がったコンクリートが一つの壁となり手裏剣もどきを弾く。

 

「な、何これ!?スバルっちどんな手品をしたの!?」

 

「説明は後だろ!!それより・・・・ようやく姿を表したな」

 

空中に浮遊状態のコンクリートを地面に戻すとその影から黒いハットを被りスーツ姿の紳士らしい男のやつが現れた。

 

「これはこれは、凄いマジックですね」

 

「・・・・茜、馴れ馴れしくしない方がいいよな?」

 

「もちろんよ!!こいつらずっと私のことを狙ってくるのよ!!」

 

「人聞きが悪いですね。私たちは茜さんを私たちの会社に移ってもらうように仕向けただけですよ」

 

「これが人を別の会社に移って欲しい態度かよ。呆れるぜ」

 

「ほう、言葉遣いが悪い子供ですね。親の顔がみてみたいですね」

 

「そういう怪しい事をしているお前こそ親が見たらどうなるんだろうな?」

 

「やれやれ・・・・では、ここはこれでどうですか?」

 

向こうの紳士みたいな奴がデュエルデスクを付けて構える。

 

「私が勝てば茜さんは来て貰いますよ?もちろんあなた方が勝てばここは引き上げます」

 

「よし、なら俺が相手してやる」

 

鞄を持って来ておいて良かったぜ・・・・・鞄の中に入れているデュエルデスクをセットし、腰に付けてあるデッキケースからデッキを取り出してデスクにセットするとオートシャッフルが始まる。

 

「スバルっち、大丈夫?」

 

「心配するな。直ぐに蹴りをつけてやる」

 

「ではやりましょうか」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

紳士 LP 4000 スバル LP 4000

 

「先行は私が貰いましょうか。ドロー」

 

紳士 手札 6枚

 

「ふむ・・・・・私は暗黒プテラを通常召喚します」

 

暗黒プテラ 攻1000

 

あいつの後ろから黒く染まったプテラノドンが飛んできた。暗黒プテラ・・・・・・恐竜族中心か?

 

「さらに手札から俊足のギラザウルスを特殊召喚します」

 

俊足のギラザウルス 攻1400

 

「このカードはノーコストで手札から特殊召喚出来ます。しかしその代償で相手はLv4以下のモンスターを墓地から特殊召喚出来ますが・・・・」

 

「先行1ターン目のあんたのターンだから俺の墓地にモンスターは無し・・・と」

 

「その通り。そして私は俊足のギラザウルスをリリースしてマジックカード、大進化薬を発動します。このカードは今後3ターン、私のフィールドに残りその間私はLv5以上の恐竜族モンスターをリリースなしで召喚することができます」

 

「へっ、既に召喚権を使っているんじゃ意味が無いな」

 

「チッチッチッ・・・・舐めて貰ったら困りますよ?私はマジックカード、二重召喚(デュアルサモン)を使用します。これで私は2度目の通常召喚を行うことが出来ます。さらに大進化薬の効果でLv5以上の恐竜族モンスターはリリースなしで召喚出来ます!!いでよ我がしもべ!!超伝導恐獣(スーパーコンダクターティラノ)!!」

 

超伝導怖獣 攻3300

大進化薬のカードからカプセルが飛び出し、そいつが割れて中から強い光が四方八方へと漏れ出す。閃光で見えない光が弱まると電気を帯びた足と手が鋼のティラノザウルスのような恐竜が出てきた。こいつが切り札か・・・・・にしてもこいつの効果何だったけな?デュエルデスクを使って超伝導恐獣を確認して・・・・・えっ?

 

「超伝導恐獣の効果発動!私のモンスターをリリースすることで相手に1000ポイントのダメージを与える!私は暗黒プテラをリリース!」

 

超伝導恐獣が暗黒プテラをかぶり付き、身体からおびただしい電気を発電させて俺に放った。

 

スバル LP 4000→3000

 

「ふふふ・・・・さらに暗黒プテラの効果発動!戦闘以外でフィールドから墓地へ送られたこのカードは手札に戻る!」

 

「そんな!?てことは・・・・・」

 

「そう!!暗黒プテラと超伝導恐獣によるループコンボだ!!これで貴様を敗北にしてやる!ターンエンド!」

 

紳士 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

超伝導恐獣 攻3300

【魔法・罠ゾーン】

超進化薬 (1ターン目)

 

 

いや、うん、その・・・・・・弱いなこのカード。攻撃力がめちゃくちゃ高いのに何でバーンなんだ?しかもこれ使ったら攻撃出来ないし・・・・・

 

「俺のターン!ドロー!」

 

スバル 手札 6枚

 

えっと・・・・・・こりゃこいつ次第で終わるかもな。

 

「魔法カード、天の落とし物!互いのプレイヤーは3枚ドローして、手札を2枚捨てる!」

 

「ほぅ、わざわざ私にドローさせてまで使うとは。余程手札が悪いのでしょうね」

 

スバル 手札 5枚→8枚→6枚 紳士 手札 2枚→5枚→3枚

 

・・・・・・あっ、勝った。じゃあこいつとこいつを墓地に送って・・・・

 

「手札から融合を発動!手札のオーシャンとレディ・オブ・ファイアを融合!現れろ最強のヒーロー!!E・HERO アブソルートZero!!」

 

E・HERO アブソルートZero 攻2500

 

後ろにある壁が凍りつきそいつを突き破ってZeroが現れる。

 

「ふん、手札を3枚使って召喚したモンスターでも私の超伝導恐獣には叶わない!」

 

あいつ、Zeroの効果を知らないのか?まぁ関係ないしそれに・・・・・・

 

「知っておいた方がいいぜ・・・・・それを言う奴は負けるってな!!E・HERO マジカル・ウィッチを召喚!!」

 

E・HERO マジカル・ウィッチ 攻1400

 

「マジカル・ウィッチの効果!召喚に成功した時にフィールドに他の《HERO》がいたらデッキから魔法カードをサーチ出来る!俺はエレメンタル・トリックを手札に加えてそのまま発動!Zeroをリリースして、墓地の天の落とし物を手札に戻す!その代わり、回収したこのカードはこのターン中に発動出来ないけどな」

 

「ふん、せっかく出した融合モンスターを自らの手で墓地に送るとはなん「お前のフィールドをよく見ろよ」何・・・・!?」

 

Zeroが消えた後から冷気が超伝導恐獣を包み込みそのままカチコチに凍る。Zeroの霊がそいつに向かって最後の氷の球を放ち超伝導恐獣は粉々に朽ちた。

 

「ど、どういうことだ・・・・」

 

「Zeroはフィールドから離れた時に相手フィールドのモンスターを全て破壊するんだよ」

 

「な、何だと!?だ、だか貴様は既に通常召喚をした!!次のターンになれば私の手札にある2枚目の超伝導恐獣を使えば!!」

 

「魔法カード、ミラクル・フュージョン!墓地のオーシャンとレディ・オブ・ファイアをゲームから除外して、E・HERO ノヴァマスターを融合召喚!」

 

E・HERO ノヴァマスター 攻2600

 

Zeroが消えた冷気が今度はマグマへと変わり、マグマだまりの中からノヴァマスターが現れる。

 

「さぁ計算の時間だ。1400と2600を足して4000で引いたら?」

 

「ぜ、ゼロ・・・・」

 

「その通り!バトル!マジカル・ウィッチとノヴァマスターでダイレクトアタック!」

 

マジカル・ウィッチとノヴァマスターが一斉に相手に向かって攻撃する。

 

「く、来るな!!!うわあああ!!!!!!」

 

紳士 LP 4000→2600→0

 

 

WIN スバル LOS 紳士

 

 

デュエルデスクを片付けて相手を見てみると気絶していやがった。

 

「弱えな。あれだけの攻撃を受けて気絶するなんて」

 

「スバルっち、強いね。最初はあのコンボビックリしたけど・・・・」

 

「いや、あれ、そこまで凄いコンボじゃないと思うな」

 

遊輝の聖刻龍や龍可のライトロードと比べたらあれくらい別に対したこと無いな。前者二つは何か対策を打たないとそのターンに負けるって言っているようなものだからな。

 

「にしても・・・・こいつ何だ?」

 

「家に帰って説明するよ。今は家に帰ろう」

 

「ちよ、ちょっと待てよ!!」

 

気絶した紳士みたいな怪しい男を横にして茜が早足で帰るので俺も急いでデュエルデスクを直して茜を追いかける。にしても・・・・・・・・あれは一体・・・・・・・・・・

 

 

   スバル  side out

 

 

遊輝  side

 

 

「本日の練習は大晦日なのでここまで!!」

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・死ぬ・・・・・」

 

「こら!!!そんな姿でベンチに座らない!!」

 

「え、えぇ・・・・これくら「そう・・・新年もスカートを履きたいのね」すみませんでした!!」

 

やっと地獄の練習が終わってベンチでだら〜んと座ったら、また茜の母さんに怒られてしまった・・・・

あの人、レミより鬼畜、鬼、外道・・・・もう嫌だ〜〜(涙)

 

「ただいま!」

 

「はぁ・・・ただいま・・・」

 

「おかえり茜。今日は?」

 

「やっぱり・・・・」

 

「・・・・そう。大晦日ぐらい静かにして欲しいわね」

 

「?何かあるのですか?」

 

「いや違う龍可・・・・『何かあった』じゃなくて、『何が起こった』だ」

 

「どういうことスバル?」

 

「・・・・・そうね。もうみんなに言った方がいいわね」

 

茜の母さんが何かを決心したように腹をくくり、ポケットの中に手を忍ばせ一枚の手紙を取り出した。

 

「全てはこれから始まったの」

 

茜の母さんが一枚の手紙を俺たちに見せる。

 

「『栗城茜をこちらによこせ。さもなければ貴様らのモデル、及びファッションショーを妨害する』・・・・」

 

「マジで言っているのこれ!?」

 

「最初は私も冗談だと思って無視してたのよ。でも次の日に内のモデルがいきなり3人も骨折して・・・」

 

「さ、3人が同じ日に・・・」

 

「しかもその骨折の仕方が車に惹かれるという事に共通しているの」

 

「なるほど・・・・この手紙はデマじゃ無いことを証明したのか」

 

「そう。その後も私の所に嫌がらせの電話や手紙が入ったり、壮太君ところなんか爆竹を投げ込まれたのよ」

 

「酷い・・・・・」

 

「ついにはここ3日に茜にまで手を出すようになって・・・・」

 

「そこまでして茜を手に入れたいってどんな所よ」

 

「あまり良い噂が流れてない事務所だよレミっち!!事務所の儲けばかり考えてモデルさんを酷使させては病気にさせてしまいには切り捨てるのよ!!」

 

「ひでぇ・・・・」

 

「つまり金稼ぎしか頭にないのか」

 

ふ〜ん・・・・今の内に着替えに行って・・・・・・みんなの目を盗んで、庭から脱出し部屋から自分の服を奪取して借りている部屋に戻る。

 

「はぁ・・・・やっと着替えられる」

 

『主、今の話どう思います?』

 

「何で警察とかに連絡しねぇの?って聞きたいけど恐らく向こう側が手を張ってるだろうな。あんなブラック企業の事務所を警察が見逃す筈がないし」

 

『私としては許すまじき行為ですね。働くだけ働かせて自分達のところにしかお金を入れないっていうことが』

 

「そう言えばプラチナも芸能人だったな」

 

『同胞として許すません』

 

「心配しなくてもあいつらなら「よしみんな!!茜を守るよ!!」・・・ねっ?」

 

服を着替え終わり窓を開けて庭を上から見下ろすとレミを中心にみんなで拳を空に突き上げていた。

 

『・・・・大丈夫そうですね』

 

「だろ?」

 

「あっ!!遊輝っち!!」

 

「こら!!!勝手に着替えたらダメでしょ!!」

 

「練習終わりって言ったのそっちじゃないですか!!!」

 

『(・・・・相変わらずですね)』

 

 

〜(その夜)〜

 

 

「じゃあお休み〜」

 

「お休み!!」

「お休み。遊輝、戻りましょう」

 

「は〜い・・・・」

 

時間は夜。本当なら大晦日だからこのまま除夜の鐘・・・・って言いたいけどここはパリ。除夜の鐘なんてない。で、茜の母さんが既に寝てしまったので今回はこのままお開き。今年は寝て新年を迎える事になった。

 

「あっ!遊輝っち!!」

 

「ん?茜、どうした?」

 

「ちょっとお話があるから来てよ!!」

 

「なんだ・・・・悪い龍可、先に戻っといてくれ」

 

「分かったわ」

 

茜に呼ばれてしまったので先に龍可を部屋に戻して俺は茜の部屋にへと行く。

 

「おじゃましま〜す」

 

「そこのイスに座ってよ」

 

茜に案内され、ソファの隣にあるイスに座る。茜の部屋はこの古いマンション同様の木造の落ち着いた感じの室内にはバランスが合わないピンク色の小さいソファと茶色に塗られたベッド、他に勉強机や鏡台などがある。

 

「で、話ってなんだ?」

 

「遊輝っちって龍可っちのことをどう見てるの?」

 

「龍可のこと?別に・・・・仲間だと」

 

「本当に?最近何か変わったんじゃないの?」

 

最近・・・・・・・あぁ、そうだ。

 

「そう言えは、最近龍可のことを見るとなんかドキドキするような・・・・・」

 

「やっぱり〜。遊輝っちは龍可っちの事を意識しているじゃん〜」

 

「へっ?何のこと?」

 

「疎いね〜。つまり遊輝っちは龍可っちの事を異性として気にし始めているのよ」

 

「お、俺が・・・・龍可に?」

 

「そう!!龍可っちのことを!!」

 

お、俺・・・・・・龍可に・・・・・

 

「だってそうでしょう?龍可っちの事をみてすごくドキドキするのでしょう?」

 

「た、確かにそうだけど・・・・でも」

 

「じゃあ、仮に龍可っちがスバルっちとか他の男と付き合ったら遊輝っちはどう思う?」

 

る、龍可が・・・・他の男と付き合う・・・・・頭の中で龍可と全く知らない男が付き合うところを思い浮かぶ・・・・・何だろう、凄く腹が立つ・・・

 

「・・・嫌だ。そんな事思いたくもない」

「でしょう〜。てことは遊輝っちは龍可っちのことが好きなのよ」

 

茜がテレビを付けてたまたまやっていた日本の番組を見つけそれを見る。お笑いの番組らしく直ぐに笑ったけど、今の俺はそんな状態じゃない・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・そうか、俺、龍可のこと・・・・・好きなんだ・・・・・




遊輝「俺・・・・・龍可のこと・・・・好きなんだ・・・・」

茜「(何かすっごい遠目・・・・経験したことが無いのかな?)」

遊輝「好きなんだだな・・・・最初は助けられてばっかだし・・・・・」

茜「ほら〜。そうやってずっと思うんでしょ?」

遊輝「・・・・・うん・・・・」

茜「じゃあ・・・・龍可っちにちゃんと思いを伝えないとね」

遊輝「そうだな・・・・」

茜「前向きに!!逃げちゃうよ!!」

遊輝「・・・・そうだな・・・・」

茜「(・・・だ〜めだ)次は・・・・新年明けていきなり大騒動ね」

遊輝「えっと・・・・【恋のキューピッドの恋愛相談と突然の襲撃】・・・・・」

茜「(無関心すぎるでしょ・・・・・よっぽどきにしてるのね)次回もよろしくね」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。