【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち   作:DICHI

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最強カードの紹介!!!

プラチナ「お久しぶりです。プラチナです」

いや〜・・・・・聖刻デッキの出番が無くてごめんね。あれはもう・・・・うん。

プラチナ「分かります。あれは仕方ないですよ」

何故ダークマターが出たのか・・・・ウシルドラゴン強くなって・・・・で、今は聖刻デッキは手元にないから何が何やら・・・

プラチナ「その内別のデッキに変わりますね」

かもね・・・・じゃあ行こうか。

プラチナ「今回はガガガシスター。ダイヤ・パール・サファイアの三兄弟の一番末っ子ですね」

☆2の魔法使い族で召喚時、デッキから《ガガガ》と名のついた魔法または罠1枚をサーチすることができるぞ!!

プラチナ「そして1ターンに1度、フィールドの《ガガガ》と名のついたモンスターを選択してその選択したモンスターとこのカードのレベルはお互いのレベルを足した数字になります」

墓地にガガガマジシャンかガガガパールがいる状態で、サファイアを召喚すればガガガリベンジをサーチして手札1枚の消費でエクシーズ召喚まで行けるというカードだ!!

プラチナ「そしてガガガマジシャンを使えばランク3〜10までのエクシーズモンスターを出すことが出来ます」

まさにガガガデッキの救世主!!
あと、後半グダグダになりました・・・・・すみません。

プラチナ「第69話、ウィーン公演が始ります」


第69話 LIVE FES in ウィーン

遊輝 side

 

 

ウィーン2日目・・・・・・

昨日は晩飯の後に2,3回の通しの練習だけはした。さすがに今日のリハーサルだけで明日のコンサーに挑むわけいかないし。・・・・・・まぁ、会場リハはこれが初めてだという。すっげぇ鬼なんだけど・・・・・

 

「で、どんな所なんだよ?」

 

「全く分からないのよ。とりあえずチケットは直ぐ売れて満員としか教えてくれなかったんだよ」

 

「チケット売って良かったのか?」

 

「響のお父さんがちゃんと手続きを取ってくれているよ」

 

そ、そうか・・・・・・一応コピーバンドがコンサートするんだからな、それくらいはしておかないと。

 

「満員って言ってもどこまで膨らましても1万人が限界よ」

 

「にしてもさすが本物のアーティストが使う会場だぜ。デカイな」

 

「そうだね。まさかこんな所で出来るとは思わなかったよ」

 

俺たちが現在いる場所はコンサートの会場となる場所のいわゆる裏側。色んなアシスタントが明日に向けて準備をしてくれていた。音響からプロデューサー、照明さんやなんとカメラマンまで色々。

 

「こんなに派手な事をしなくて良かったのに・・・・」

 

「まあいいじゃん。ここがやる所だな?」

 

先陣を切って俺がでっかい少し紫よりの赤のカーテンより向こうのステージを見る。・・・・・・・・・・はっ?目をゴリゴリと擦りもう一度確認する。・・・・・・・・はっ?

 

「・・・・おい、これ満員ってほんとか?」

 

「えっ?人数少ないの?5000人?」

 

「違う・・・・」

 

「んじゃあ3000人か?」

 

「違う!」

 

「もっと少ない?1000人?」

 

「違う!!とにかく見ろ!!」

 

あまりにもトンチンカンな答えに痺れを切らしてカーテンを思いっきり開ける。

 

「・・・・・・えっ?」

 

「こ、ここでするのか?」

 

「う、うそ・・・・・」

 

みんな絶句した。

俺たちがやる会場・・・・・・・ステージ自体は中央にありそれを囲むように観客席がある。そしてその観客席の収容人数が俺たちが想像していた人数と違うのが一目瞭然。壁の所にも観客席があり、その壁に行くまでもが自由席としてかなり広く取られている。

 

「さ、360度のステージ・・・・それよりこれ、何人が入るのよ?」

 

「す、すみません・・・・この会場の収容人数は?」

 

奏が近くでセットを組んでいたスタッフに聞く。

 

「あっ、君たちね響さんが言っていたバンドは、今回は・・・・・・4万人だったけ?」

 

「「「「「よ、4万人!?!?!?」」」」」

 

「多分・・・・本当は一回り小さいホールだったけど、結構な人数が来たからここのホールを借りたって・・・・・・ほとんどがヨーロッパ在住の日本人が来ると」

 

「お〜い!こっち手伝ってくれ!」

 

「は〜い!!」

 

手伝いを呼ばれたスタッフはそのまま走って消えて言った。・・・・・・・4万人?

 

「・・・・・なぁどうする?結構な大事だぜ?」

 

「どうするもこうするもね・・・・・」

 

「これ一大事だろ?学生バンドが4万人の観客を集めてライブだなんて」

 

何か周りがシーンと重い空気になる。それを変えたのはリーダー、レミだった。

 

「・・・・まぁ良いじゃん!私達の音楽をするだけだよ!!」

 

「・・・そうだね!楽しくやれば良いよ!!」

 

「みんな!!気合入れていくよ!!」

 

「「「「おおぉぉ!!!!」」」」

 

「それじゃみなさん、リハーサルを始めます」

 

 

遊輝 side out

 

 

龍可 side

 

 

「ああ〜・・・・・退屈だな〜・・・・」

 

「そんな事言っても仕方ないでしょ。裏側に来ても控え室にいることが条件なんだから」

 

「だからって控え室に閉じ込めるのはどうなのよ〜」

 

私と龍亞は現在、軽音部の皆が使う控え室で待機をしている。本当なら今日はホテルの中で過ごすはずだったけど、龍亞が「行きたい!!」って懇願するから特別について来たの。

 

「どっちの選択肢をとっても結局は部屋の中で待っていなければダメだったみたいよ」

 

「う〜〜ん・・・・・・じゃあデュエルしよう」

 

「こんな狭い部屋で?」

 

控え室となっている部屋は5人にはちょうどいい感じの大きさだけどソファやテーブルなどがあり、とてもデュエル出来る環境じゃない。

 

「さすがにデュエルデスクは使わないよ。でさ〜・・・・・・」

 

そう言って龍亞がポケットから二つのデッキケースを取り出した。これって・・・

 

「これ遊輝のデッキケースじゃない。どうして龍亞が持っているの?」

 

「遊輝に頼んだんだよ。いつも同じデッキで龍可とデュエルするから飽きちゃうって言ったら特別に貸してくれたんだ!!」

 

「へ、へぇ・・・・・・(汗)」

 

「じゃあ遊輝のデッキでデュエルしようぜ!!あっ、ちなみにどれがどのデッキかは俺も分からないから」

 

「そうよね、同じデッキケースだし。じゃあ・・・・・・・私こっちを取るわ」

 

「んじゃあ俺はこっち!」

 

遊輝の二つのデッキケースから左のデッキケースを手に取り、そして中身を確認する。ふむふむ・・・なるほどね。

 

「おっ!このデッキか!!じゃあシャッフルシャッフル!!」

 

お互いに中身を確認を終えてシャッフルする。そしてデッキをテーブルに置いて、手札を5枚取る。

 

「いっくぞ!!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

龍亞 LP 4000 龍可 LP 4000

 

「俺の先行!ドロー!!」

龍亞 手札 6枚

 

「う〜ん・・・・・・カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

手札のカード2枚をテーブルにセットしてエンドを宣言する。

 

 

龍亞 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「無難なスタートね。次のターンが怖いわね・・・・」

 

「次のターンからどんどん攻めるぞ!!」

 

「じゃあ私のターン、ドロー」

 

龍可 手札 6枚

 

う〜ん・・・・・・ん?このカードって何を落とせば・・・・・・あっ、あのカードね。

 

「魔法カード、おろかな埋葬。デッキからモンスター1体を墓地に送るわよ」

 

「うっわ・・・・・何を落とすの?」

 

「えっと・・・・・・あった。ダイヤを落とすわ」

 

「・・・・・・あぁ、サファイアか」

 

前に遊輝がやっていた、ダイヤかパールを墓地に落としてそれを死者蘇生やガガガリベンジで墓地から速攻召喚をして直ぐに色んなランクのエクシーズモンスターを出すコンボ。これが本当に強いのよ、サファイアのお掛けで簡単にガガガリベンジを持って来れるし。

 

「でもこのターンは動けないから・・・・モンスターと伏せカードをセットしてターンエンド」

 

 

龍可 手札 3枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

伏せモンスター 1体

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 5枚

 

「スタンバイフェイズにトラップ・スタンを発動!このターンの罠カードの効果は無効になるよ!」

 

「じゃあチェーンで和睦の使者。このターン、私のモンスターは戦闘で破壊されずダメージも0よ」

 

「うっわぁ・・・・防がれた」

 

「そのデッキの怖さは私も分かっているんだから」

 

もう分かったと思うけど私のデッキが【ガガガエクシーズ】、龍亞のデッキが【聖刻龍】よ。聖刻龍の展開力はライトロード以上だから警戒していないと直ぐに負けてしまうのよ。

 

「ちぇ・・・・じゃあカードカー・Dを召喚して効果発動。このカードをリリースして2枚ドローするよ。そのままターンエンド!」

 

 

龍亞 手札 4枚→6枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

なし

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

順調に手札を増やして来るわね。このターンも一時的な凌ぎね。何とかしてこのターンで決着を着けれるようなカードを・・・・

 

「私のターン、ドロー」

 

龍可 手札 4枚

 

・・・・終末の騎士。エクストラデッキは・・・・やっぱりこのターンで決めるのは難しいね。

 

「アステル・ドローンを反転召喚」

 

アステル・ドローン 攻1600

 

「そして終末の騎士を召喚」

 

終末の騎士 攻1400

 

「えぇ・・・・そっちも準備整いすぎだよ」

 

「龍亞も準備が出来たのでしょ?」

 

「どうかな〜〜?」

 

「(あの笑顔・・・・確実に次のターンに動くわね)終末の騎士の効果でデッキからパールを落とすわ」

 

『・・・・グスン(涙)』

 

デッキの中からパールのカードを見つけて墓地に送る。そうしたら隣でどんよりとした空気が流れたので横を見ると三角座りで泣いているパールがいた。

 

「ご、ごめんね!!後でちゃんと使ってあげるから!!」

 

『・・・うん!!』

 

な、なんて簡単に変わりやすい心・・・・・・(汗)

 

「え、えっと・・・・このままバトル!まずは終末の騎士でダイレクトアタック!」

 

「手札の速攻のかかしの効果発動!このカードを捨てて、ダイレクトアタックを無効にしてバトルフェイズを終了させるぜ!!」

 

「防ぐよね。じゃあメインフェイズ2に入って、Lv4のアステル・ドローンと終末の騎士でオーバーレイ。えっと・・・・・・・ラヴァルバル・チェインをエクシーズ召喚」

 

ラヴァルバル・チェイン 攻1800

 

「あっ、出た。めちゃくちゃ強ぇ奴」

 

龍亞が強いというこのモンスター・・・・・確かに遊輝が私たちと会って間もない頃はこのカードの強さなんて全く分からなかったけど、今では実感出来る。このカードはものすごく強いわ。色んなカードを墓地に落とせるし、好きなカードをデッキの一番上に置けるなんて汎用性が高すぎるわ。

 

「まずはアステル・ドローンの効果で1枚ドロー。そしてラヴァルバル・チェインの効果発動。オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、デッキの一番上にモンスターを置く効果を使うわ」

ラヴァルバル・チェイン OVR 2→1

 

「これでデッキの一番上に持って来るのは・・・・・サファイアよ」

 

「うっわ〜・・・・・・てことは俺、次のターンに決めないといけないのか」

 

「そう言うこと。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 

龍可 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ラヴァルバル・チェイン 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 2枚

 

 

「俺のターン!ドロー!」

 

龍亞 手札 6枚

 

「(えぇ〜・・・・こんな時に伏せカードを1枚も破壊出来るカードがないし・・・・)聖刻龍ーアセトドラゴンを通常召喚!」

 

聖刻龍ーアセトドラゴン 攻1900→1000

「始まるわね・・・・・何も無いよ」

 

「んじゃあ、アセトドラゴンをリリースしてシユウドラゴンを特殊召喚!」

 

聖刻龍ーシユウドラゴン 攻2200

 

「で、アセトドラゴンがリリースされたからデッキからエレキテルドラゴンを特殊召喚!」

 

エレキテルドラゴン攻/守 2500/1000→0/0

 

「Lv6のシユウドラゴンとエレキテルドラゴンでオーバーレイ!」

 

「えっ!?効果使わないの!?」

 

「・・・・・モンスターがいないんだよ」

 

「そ、そう・・・ドンマイ・・・(汗)」

 

あんなにドローしているのにモンスターが来ないなんて・・・・・・(汗)

 

「き、気を取り直して、Lv6のシユウドラゴンとエレキテルドラゴンでオーバーレイ!エクシーズ召喚!聖刻龍王ーアトゥムス!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス 攻2400

 

「アトゥムスの効果!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いてドラゴン族モンスターを特殊召喚するよ。えっと・・・・・・・レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを守備表示で特殊召喚!」

 

聖刻龍王ーアトゥムス OVR 2→1

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 攻/守 2800/2400→0/0

 

「レッドアイズの効果で手札からプラチナを特殊召喚!」

 

銀河眼の光子竜 攻3000

「さらに手札からガーディアン・オブ・オーダーを特殊召喚!」

 

ガーディアン・オブ・オーダー 攻2500

 

「相変わらず凄い展開力ね。バトルに入るの?」

 

「ちょっと待って、えっと・・・・・あった!Lv8のプラチナとガーディアン・オブ・オーダーでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!No,62 <銀河眼の光子龍皇:ギャラクシーアイズ・プライム・フォトン・ドラゴン>!!」

 

No,62 銀河眼の光子竜皇 攻4000

 

「ぷ、プライム・フォトン!?」

 

「そう!バトル!プライム・フォトン・ドラゴンでラヴァルバル・チェインに攻撃!この瞬間、プライム・フォトン・ドラゴン・・・・・もう面倒くさいからプラチナでいいや。効果発動!オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて、フィールドのエクシーズモンスターのランクの数×200ポイントの攻撃力がアップする!」

No,62 銀河眼の光子龍皇 OVR 2→1

 

「ちょ、ちょっと待って!!えっと今はランク8のプラチナとランク4のラヴァルバル・チェインだから・・・・12!?」

 

No,62 銀河眼の光子龍皇 攻4000→6400

 

「2400の攻撃力アップだ!!いっけえぇ!!エタニティ・フォトン・ストリーム!!」

 

「ま、まま、待った!!!リバースカード、攻撃の無力化!!バトルフェイズを終了させるわ!!」

 

「ちえっ・・・無効に出来ないよ。ターンエンド」

 

 

龍亞 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

聖刻龍王ーアトゥムス 攻2400

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 守0

No,62 銀河眼の光子龍皇 攻6400→4000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

あ、危なかった・・・・・もう少しで負けたわよ・・・・・

 

「私のターン、ドロー」

龍可 手札 3枚

 

「じゃあさっき一番上に置いたサファイアを召喚」

 

『やったーーー!!!一番乗り!!!』

 

ガガガシスター 攻200

 

「あ、相変わらず元気ね・・・・(汗)」

 

『元気でいないと私じゃないから!!』

 

「そ、そう。サファイアの効果でデッキから《ガガガ》と名のついた魔法もしくは罠カードを手札に加えるよ」

 

「・・・・・これ、俺負けたかな?」

 

「多分・・・・・ガガガリベンジを手札に加えて、先にガガガボルトを使うよ。その伏せカードを破壊」

 

「あぁ〜、禁じられた聖槍が・・・・」

 

「・・・・あんまり意味が無かったね。装備魔法、ガガガリベンジを発動して墓地のパールを特殊召喚」

 

ガガガガール 攻1000

 

『やっと私も出たよ!!(涙)』

 

『お、お姉ちゃん・・・・・(汗)』

 

・・・な、何とも言えないわね(汗)

 

「あ〜あ・・・・ランク5って今何があるの?」

 

「えっと・・・・・・ヴォルカザウルスとマシュ=マックだけね」

 

「・・・・・ありがとうございました」

 

「あ、ありがとうございました(汗)」

 

頭でこの後の行動を思考した龍亞は自分の負けが確定した事が決まり、机の上のカードを片付け始める。

 

『ええ!?!?もう終わり!?』

 

「う、うん・・・・私の勝ちが決まりだから」

 

この後、サファイアの効果でパールとサファイアのレベルを5にした後、ヴォルカザウルスなら効果を使ってプラチナを破壊して4000バーン、マシュ=マックならパールとマシュ=マックの効果でプラチナを選んで4000バーン。どっちにしろ龍亞が負ける未来が確定なので龍亞が諦めてカードを片付けたわけ。

 

龍亞 LP 4000→0

 

 

WIN 龍可 LOS 龍亞

 

 

「ちなみにさ〜、最後の伏せたカード何だったの?」

 

「これは・・・・・・魔宮の賄賂ね」

 

「・・・どっちにしろ、俺負けていたな」

 

「そうね」

 

「サファイア強いよ〜〜」

 

『ありがとう龍亞君!!!』

 

「サファイア、龍亞は精霊が見えないよ」

 

若干しょげている龍亞にサファイアはお礼を言うけど、龍亞には精霊が見えないのよね。

 

『うぅ・・・・私、何のために出て来たのよ(涙)』

 

「い、いや!!ほら!!パールが出たから勝てたでしょ!!」

 

『私、墓地から蘇生しただけじゃん・・・・・』

 

・・・・・・ダメね(汗)。

 

「いやぁ〜〜、キッツイな!!」

 

「さすがにプロの人たちは違うね」

 

「でも良い経験になったよ!!」

 

控え室の扉が開いてリハーサルに行っていた遊輝達が帰ってきた。

 

「おかえり。もう終わりなの?」

 

「い〜や、一回休憩。昼飯の時間だし」

 

「そう言えばそんな時間だな。昼ごはな〜に?」

 

「ピザを頼んだみたいでもうすぐ来るはずよ」

 

「ピザ!?ラッキー!!!」

 

「皆さん!!ピザが来ましたよ」

 

龍亞がはしゃいで直ぐにスタッフが控え室に入ってきてピザの入った箱を5・6つくらいレミさんに渡した。

 

「いっただきま〜す!!!」

 

「いただきます」

 

「で、午後から通し?」

 

「そうそう。その前にBからでそのまま最後まで」

 

「Bって・・・・・・うわっ、ピアノから?」

 

「そうね。失敗しないでよ」

 

「・・・・・さっきから何を言っているのかさっぱり分からないよ」

 

「私が分かったら不味いでしょ」

 

「えっと・・・・ここからね。ごちそう様」

 

「はやっ!?3枚しか食べてないよ!!」

 

「時間が無いの。先に戻るぞ」

 

「ちょっと待て、俺も行くから」

 

「私も戻るわ」

 

遊輝とスバルさん・奏さんが先に食べ終えてリハーサルへと戻っていった。それに続いてレミさんも響さんもジュースでピザを流し込んで直ぐに後を追いかけていった。

 

「・・・・・早かったわね」

 

「それよりこのピザどうする?さすがにこんなにもいらないよ」

 

「一応、置いておきましょう。もしかしたらまた戻って来るかもしれないし」

 

「そうだね」

 

この後、軽音部のメンバーが帰ってきたのはこの8時間も後だったわ。私達は先にホテルで戻ってたけどリハーサルは夜遅くまでやっていたわ。

 

 

ーー(次の日 会場)ーー

 

 

リハーサルが終わりいよいよ今日、軽音部の海外公演の日。既にライブ開始30分前だけど・・・・・

 

「・・・・これ、何人いるの?」

 

「さ、さぁ・・・・・とりあえず5000とかそんな人数ではないわね」

 

「お、おかしいな・・・・・満員だって事だけは聞いたけどこんなにいたの?」

 

「・・・・・前で良かったね」

 

周りの人の数が凄過ぎた・・・・・・・私達が思っていたよりも1桁は違う。多分・・・・・4万人?私達がいる場所は一番前の特等席。レミさんが響さんのお父さんに頼んでこの席を手配してくれたの。

 

「本当だね。周りの人たち大人ばっかだよ」

 

「・・・・軽音部ってこんなに人気があったのかしら?」

 

「そんな事知るわけねぇじゃん・・・・」

 

あんな事こんなことを推測している内にあっという間に時間が経ち・・・・・・・・

 

・・・・・・・・バッ!!!

 

『おおおおぉぉぉ!!!!!!!』

 

今まで付いていた照明が全て落ちた。

 

「始まるぞ!!!」

 

♪♪♪♪〜〜〜♪♪〜♪♪〜〜〜

 

何処からかギター音が鳴り響く。観客もそして私達もそれに合わせて歓声が上がる。

 

「こ、こんな始め方あったかな?」

 

「い、いや・・・今まではトークから」

 

『おおおおぉぉぉ!!!!!』

 

お客さんが歓声を挙げたのでステージの方を見ると・・・・

♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜〜

 

サングラスを掛けてギターを弾いている遊輝だった。す、凄い・・・・・

 

「ま、まさか・・・・・最初のイントロダクションを」

 

「ゆ、遊輝のギターソロ?」

 

「・・・・・かっこいい」

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜♪♪〜♪♪〜〜〜♪♪♪♪〜〜〜〜・・・・・・

 

『おおおおぉぉぉ!!!!!』

 

パチパチパチパチ!!!!

 

観客が遊輝のギターソロに拍手をする。それに答えるかのように右手を突き上げだ。

 

♪!♪!♪!♪♪!!♪♪♪♪〜〜〜

 

『おおおおぉぉぉ!!!!!!』

 

遊輝の右手を合図にドラム音とギター音が鳴り響く。観客は一気にテンションが上がり手を叩く。それを合図にスポットライトがどんどんとスバルさん、響さん、レミさんへとメンバーに当たっていき、一番最後に端に後ろ向きでいた奏さんに当たり・・・・

《せっのでDIVE!!!!!!!!》

 

ドォーーーーン!!!!!

♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪♪♪♪!!!!!!

 

ギター音とドラム音に負けない声の大きさで奏さんが反転して叫ぶ。そしてステージに向かって走り出す。

遊輝やレミさんもそれを見て、スポットライトから外れてステージのふちへと歩みよる。観客もそして私達も一気にテンションが上がる!!こんなに激しいオープニングなんて初めて!!

 

「すっげぇ!!!!!」

 

 

 

Introduction (B'z アルバム 【MAGIC】 より)

 

1 DIVE 【B'z】

 

2 Over DRIVE 【JUDY AND MARY】

 

3 KISS KISS BANG BANG 【いきものがかり】

 

 

♪♪♪♪♪♪♪!!!!!

 

 

銃を打つモーションをした後、奏さんがマイクを持った左手をあげてドラム音が鳴り終わる。

 

「え〜、皆さん!!今晩は!!!アカデミア中等部の軽音部、バンド名、SECRETです!!」

 

『イエエエェェェ!!!!!!!』

 

マイクの持っている奏さんがそのままMCへと入っていく。

 

「元気ですね!!!こっちも元気よ!!」

 

『イエェェェェ!!!!』

 

「・・・・まさかこんなに入るとは思わなかったけどね(汗)」

 

『ハハハハッ』

 

「え〜、皆さんも知らないと思うので先ずはメンバー紹介から!!ドラム!!!遊城〜〜スバル!!!」

 

♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪!!!!

 

「キーボード!!!小野寺〜〜響!!!」

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜

 

「ベース!!!葵〜〜レミ!!!」

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪・・・・・・

 

「ギター&ヴォーカル!!!遠藤〜〜遊輝!!!」

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪!!!!!

 

「そしてヴォーカルとギター!!!私、水野奏!!!!」

 

『わああああああ!!!』

 

「えぇ〜、今日の一夜、皆さんにとって素敵な夜にさせる事を私達は約束します!!」

 

『イエエエェェェ!!!!』

 

「続いては・・・・・皆さんもどう思いますか?憧れの彼氏・彼女との結婚などは?次の曲からはそんな彼女・彼氏に永遠を誓う曲・・・・・・行きましょう。嵐!!!!ONE LOVE !!!」

 

『おおおおぉぉぉ!!!!』

 

・・・・♪♪♪♪〜〜〜♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪

 

スタンドマイクを後ろから持って来た奏さんが次に言った曲はONE LOVE。それを合図に響さんがピアノ伴奏を始める。遊輝とレミさんもピアノ伴奏を確認しながらギターやベースを弾き、奏さんはスタンドマイクの前で皆に手を振る。私達もそれに合わせて手を振り始める。

 

 

 

 

4 ONE LOVE 【嵐】

 

5 SAY YES 【CHAGE and ASKA】

 

6 愛を込めて花束を 【Superfly】

 

7 366日 【HY】

 

8 家族になろうよ 【福山雅治】

 

9 PEACH 【大塚愛】

 

10 life 〜目の前の向こうへ〜 【関ジャニ∞】

 

11 ハネウマライダー 【ポルノグラフィティ】

 

12 以心伝心 【ORANGE RANGE】

 

13 勝手にシンドバッド 【サザンオールスターズ】

 

14 Driver's High 【L’Arc-en-Ciel】

 

15 天体観測 【BUMP OF CHICKEN】

 

♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪♪〜〜〜

 

 

 

遊輝と奏さんのギターで最後を締めくくり、観客から拍手が巻き起こる。

 

『やっぱ天体観測サイコー!!!』

 

『良かったぞ!!!』

 

「ありがとね!!!でもちょっと疲れた・・・・・ヴォーカル交代〜〜!!!!」

 

『えぇぇぇぇぇ!!!!!』

 

突然のヴォーカル交代宣言で驚く観客。それは私達も一緒だった。

 

「ヴォ、ヴォーカル交代って誰が歌うの!?」

 

「メ、メインが奏さんでサブで遊輝とレミさんで他に「イエェェェェイイ!!!みんな!!!元気か!?!?!?」えっ!?」

 

横を向いて龍亞と話していると、マイク越しの遊輝の声が会場全体に響く。それに答えるかのように観客も盛り上がる。

 

『イエエエェェェイイ!!!!』

 

「良いね良いね!!!ここから2曲はメインヴォーカルとギターが交代!!奏がギターでヴォーカルは俺になりま〜〜す!!!!」

 

『イエエエェェェ!!!!』

 

「う、うそ・・・・」

「ゆ、遊輝がメインヴォーカル!?!?」

 

「えぇ〜・・・・突然ですが皆さんには好きなアーティストとかいますよね!?」

 

『L'Arc-en-Ciel!!!』

 

『B'z!!!!Avril Lavigne!!!』

 

「はい!!ありがとうございます!!まぁ色々上げてくれました。ほとんどがこのバンドでもカバーしています。その中でも今回俺が歌うのは、俺が最も好きなアーティスト!!!多分、在日の日本人なら誰もが知るアーティストです!!」

 

『おおおおぉぉぉ!!!!』

 

「そのアーティストとは・・・まぁ曲で分かると思います!!」

 

『えぇぇぇぇぇ!!!!!』

 

「はいはい!!直ぐに行きましょう!!!」

 

再び響さんのピアノの伴奏で始まる曲。でも今までと違ってロック的な要素の始まりではなくどちらかと言うとポップ的なノリやすい伴奏の始まりだった。観客も自然と手拍子が始まる。

 

♪〜♪〜♪♪♪♪♪!!!!!

 

《オオオォォォ!!!!!!!!》

 

♪♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜〜♪♪♪

 

『おおおおぉぉぉ!!!!』

 

伴奏から続いた曲の流れに観客はさらに盛り上がる。遊輝は両手を突き上げてジャンプを始めると観客も手拍子をしながらジャンプを始める。この曲って・・・・・遊輝が好きな・・・・

「ミスチルだ!!!!」

 

♪♪!!♪♪!!♪♪♪♪〜〜〜♪♪!!

 

 

--------------------

 

 

《・・・・あげるんだ〜〜〜、Yaaa!!!!!》

 

♪♪♪〜〜♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜

 

 

 

遊輝が歌い上げると観客はまた盛大な拍手が巻き起こる。ピアノは鳴り続けて、奏さんとレミさんがギターとベースを持ち替えた所でスバルさんがドラムを叩く。

♪♪♪〜♪♪!!♪♪〜〜♪♪〜〜

 

『おおおぉぉぉ!!!!!』

 

中央に集まった皆を確認して、遊輝が再び両手を突き上げてジャンプする。観客もまたジャンプを始める。そのまま奏さんとレミさんはステージの淵へと歩き始める。

 

♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜

 

遊輝が笑顔になりながらマイクを口から離していく。何で外すの!?それじゃ声が 『・・♪♪♪♪♪♪♪♪』

 

「えっ!?」

 

遊輝がマイクを離しているのに声が聞こえる!?一体誰が・・・・

 

「な、なぁ龍可・・・・皆が歌っているのだけど」

 

「う、うそ!?」

『♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪♪♪♪』

 

観客の手拍子のリズムも早まり、遊輝も手を回しながら観客のためにリズムをとる。みんなが・・・・・・歌っている!?

 

「し、知っているのかな・・・・・俺、分からないのだけど・・・・」

 

「わ、私も分からないわよ!!」

「・・・まぁいいや!!とにかく手を叩こう!!」

 

『・・・♪♪♪♪♪♪♪♪♪』

 

《カモン!!!》

 

『♪♪♪♪♪♪〜〜〜?♪♪♪ ♪♪♪♪♪♪♪♪♪』

 

サビらしき部分で今度はみんな手を大きく左右に振る。私達もそれに合わせて手を大きく左右に振る。

何か楽しくなってきた!!!

 

『・・・・♪♪♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜』

 

《イエッ!!》

『♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜』

 

観客が歌い終わると一瞬だけ楽器の演奏が終わる。その余韻を噛みしめるように確かめたあと遊輝は・・・・・・

 

《さぁいっこうううう!!!!!!!!!》

 

遊輝の雄叫びが会場いっぱいに広がり、もう一度1番と同じ伴奏が始まる。・・・・・まさか、これもう一回1番?

 

《♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜・・・・》

 

・・・・・良かった。2番に入ったみたい。

 

 

 

16 エソラ 【Mr.Children】

 

17 innocent world 【Mr.Children】

 

 

 

・・・・♪♪♪♪♪♪!!!!

 

この曲が歌いおわり、遊輝はお礼を言う。観客も色々と歓声を上げる。

 

「えぇ・・・歌ってくれてありがとうね!!!最高!?」

 

『最高!!!!!!』

 

「良いね!!!俺も最高だよ!!!じゃあ、ここでメインヴォーカルとギターをもう一度交代!!再び奏に戻るよ!!!」

 

後ろのスタッフからギターを受け取り、マイクは奏さんに手渡す。

 

「みんな!!!遊輝の歌、どうだった!?」

 

『めちゃくちゃ良かった!!!』

 

『最高!!!!』

 

「ありがとね!!!!!!」

 

「こらっ!!!早く準備しなさい!!!」

 

『ハハハ!!』

 

「全く・・・・いよいよ終盤だけど、まだまだ元気ーーー!?!?」

 

『イエエェェェェ!!!!!!』

 

「じゃあどんどん行こうか!!!」

 

・・・♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜・・・・・・

 

今度はスピーカーから独特の音楽が流れる。ドラムでもピアノでもない、電子音が強い音楽。そしてこれを聴いた観客はさらに盛り上がる。

これって・・・・・・・

 

「イチブトゼンブだ!!!!!」

 

《ウッ!!!!!!》

 

奏さんの雄叫びとともにドラム音が会場に響く。観客も軽くジャンプをしながら、手拍子を始める。

 

 

 

18 イチブトゼンブ 【B'z】

 

19 LOVE LOVE LOVE 【DREAMS COME TRUE】

 

20 世界に一つだけの花 【SMAP】

 

 

「えぇ〜、これが本日最後の曲となります」

 

アコースティックギターを持った奏さんが観客の前で最後となるMCを始める。

 

「最後の曲は・・・・応援歌かな?皆さん誰だって挫けたり、挫折したり、色々な試練があります。時には『限界かな?』と思う時が来るでしょう」

 

最後のMCにみんな、黙って奏さんを見つめている。

 

「でも立ち止まらずに一歩ずつ進めば、新しい未来、新たな可能性が見つけてくると思います。栄光への架橋は辛く、長い道のりです。それでも挫けず、前を向いて渡りましょう・・・・・・ゆず、栄光の架橋」

 

パチパチ

 

・・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪

 

観客からの拍手を浴びて、響さんが最後のピアノ伴奏へと入った。アコースティックギターを弾いた遊輝と奏さんが合わせながらマイクの前に立つ。

 

 

 

21 栄光の架橋 【ゆず】

 

 

 

・・・・♪♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪♪♪♪♪

 

パチパチパチパチ!!!!!

 

最後に響さんのピアノの伴奏が終わり、全員が楽器を置いて前に来る。観客からの大きな拍手を見ながら、5人は手を繋ぎ、頭を下げた。

「「「「「ありがとうございました!!!!!」」」」」

 

『ワアアアアァァァァ!!!!!!!!!』

 

観客からの歓声を後ろに軽音部は舞台から退けた。

 

「終わった・・・・のかな?」

 

「今回はあっという間だったよ!!今まで一番だったよ!!」

 

「そうね。じゃあ、会場から出て・・・・・」

 

『・・・コール』

 

「えっ?」

 

『・・・ンコール!!アンコール!!!アンコール!!!!』

 

「えっ!?ちょ、ちょっと!?」

 

「あ、アンコール!?」

 

『アンコール!!!!アンコール!!!!アンコール!!!!』

 

突然のアンコールに私と龍亞は戸惑ってしまう。

 

「あ、アンコールって・・・・今まであったかな?」

 

「た、多分・・・・・無いわよ」

 

『アンコール!!!!アンコール!!!!アンコール!!!!』

 

《・・・・・・トゥッルトゥ、トゥッルトゥ》

 

『おおおおぉぉぉぉ!!!!』

 

歓声のアンコールの声でもみ消されそうな小さい声が会場に若干だけど、響き渡る。

 

 

《トゥッルトゥッル、トゥッルトゥッル・・・・・・》

 

 

ステージの真ん中から奏さんが出てきてそのまま歌う。みんなはステージの脇から出てきて楽器を演奏する。

 

 

 

22 ライオン 【遊助】

 

23 蕾 【コブクロ】

 

24 粉雪 【レミオロメン】

 

25 みらいいろ 【Plastic tree】

 

 

「えぇ・・・・まさかアンコールでノンストップメドレーをやるとは思いもしませんでした(汗)」

 

『ハハハハ!!』

 

「まぁ・・・・次が本当に最後です」

 

そう言って、後ろにいたスタッフからギターを手に取り簡単に音を出して合わせる。

 

「えぇ〜、この曲も栄光の掛橋と似ています。先ほどの栄光の掛橋の紹介と一緒なのですがそれを追加する形で・・・・・・その栄光への掛橋は果てしなく長い道のりです。どれだけ前に進んでも高い壁にぶつかります。でも、高い壁であればあるほど登った時は気持ちいいものです。栄光の掛橋を渡り切る・・・・そんな終わりなき旅は今も続いています・・・・・・Mr.Children、終わりなき旅」

 

 

・・・・♪♪♪〜〜♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜〜♪♪♪♪

 

奏さんのソロギターから始まったこの曲。ドラムもキーボードも今までの勢いのある演奏ではなく、ゆっくりとした、長い時間を旅しているかのような曲になっている。

 

 

 

26 終わりなき旅 【Mr.Children】

 

 

 

 

「終わり・・・・な〜き・・・・・た〜〜び・・・・・・」

 

再びギターソロへと移り、その後にスバルさんのドラムが鳴り響く。その長くしかし何故か心が打たれる伴奏はみんなを虜にして行った。

 

「・・・・・えぇ、以上で今日のLIVE FESは終わります!!3時間ちょっとのお付き合い、ありがとうございました!!」

 

「「「「「ありがとうございました!!!!」」」」」

 

パチパチパチパチ!!!!!!!

 

もう一度、皆で手を繋ぎ頭を下げてお礼を言う。観客からも「ありがとう!!」の言葉が投げかげている。

 

「・・・・凄いわね」

 

「・・・・・絶対プロでしょ?」

 

「・・・・間違い無いわね」

 

「この後どうするの?」

 

「確か会場から出て、このホールを道の沿って歩いたらスタッフしか入れない場所に当たるからそこにこれを見せて入るのよ」

 

龍亞に今朝遊輝から貰ったスタッフ用のカードを見せる。これは今朝、遊輝から貰ったもので、「関係者の部屋に入る時はこれを警備員に見せるんだぞ」って言って私に渡してくれたの。

 

「じゃあ行こう!!」

 

「ま、まって龍亞!!今行っても混んでいるからもう少し待ちましょう!!」

 

「えぇ〜〜!!突っ込めばいいじゃん!!」

 

「周りは大人よ!!私たちが突っ込んでも押されてはぐれてしまうだけよ!!」

 

「大丈夫だって!!行こう行こう!!」

 

「ちょ、ちょっと!?引っ張らないで!!!」

 

龍亞に無理矢理引っ張られて、大混雑している出口へと龍亞が走る。でも、周りには私たちよりも体格の良い大人が何百人、何千人といるので案の定、もみくちゃにされて・・・・・・

 

「つ、疲れた・・・・ハァハァ・・・・」

 

「だ、だから後でって言ったのに・・・・・・」

 

「Pass please」

「あ、は、はい・・・えっと・・・・はい」

 

「・・・・・OK」

 

警備員にスタッフ専用のカードを見せて中に通る許可を得る。未だに息が上がっている龍亞を連れて皆がいる控え室に行く。

 

「えっと・・・・ここだわ」

 

「みんな〜〜!お疲れ〜〜!!」

 

「あっスバル!!!そのステーキ私の!!!」

 

「取ったもん勝ちだ!!!」

 

「早く食べないと自分の分が無くなるぜ」

 

「そう言いながら遊輝も取らないで!!私のステーキ〜〜〜!!!!!」

 

「奏、カレー食べる?」

 

「食べる食べる。そのサラダも・・・・」

 

皆、中にある控え室で食事をしていた。夜の9時を回っているのに・・・・・・

 

「あ〜龍可。何か食べる?」

 

「わ、私良いわよ(汗)そ、それよりこんな時間なのに良く食べるわね?」

 

「食べないと持たないんだよ。1回ライブをするだけで消費カロリーめちゃくちゃ多いから」

 

「流石に私も食べておかないと倒れてしまうわ。このカレー美味しいわね」

 

「響のお父さんが紹介してくれただけあってどれもこれも美味いな」

 

「そりゃそうよ!!!龍亞君は食べる?お寿司あるよ!!」

 

「マジ!?食べる食べる!!!!」

 

お寿司という単語に飛びついた龍亞はさっきの疲れが嘘のように俊足で響さんの所へと行く。

 

「いっただきま〜す!!!!」

 

・・・・・何で皆、こんな時間にあれだけ食べられるのかしらね?(汗)

 

 

 

〜〜(翌日 ウィーン国際空港)〜〜

 

 

「・・・・・よし、じゃあこれが飛行機のチケットだ」

 

響さんのお父さんが私たちの代わりに受け付けをしてくれてチケットを手渡してくれた。

 

「ありがとうパパ!!」

 

「良いって。昨日のコンサートも大成功だったし、ほらこれ」

 

響さんのお父さんが皆に手渡した新聞・・・・・・そのトップページの端っこだけど、軽音部のメンバーの写真が掲載してあった。

 

「・・・・・・何て書いているの?」

 

「【日本から来た学生バンド 一夜で行われた熱くさせるライブ!!】だとよ」

 

「あまり上手くない新聞記者ね(汗)」

 

「ま、まぁ、俺たちがこうやって新聞に載っているんだから良いじゃねぇか」

 

「それもそうね」

 

「間違いなく有名になるな。さぁ、飛行機へと乗り込もうか」

 

響さんのお父さんを先導に、私たちは飛行機へと向かって歩き始めた。

 




龍亞「・・・・・プロだよ」

龍可「・・・・・プロね」

レミ「プロじゃないからね!!!私たち、アマチュアの学生コピーバンドだから!!(汗)」

スバル「あんなに集まるとは思わなかったけどな・・・・(汗)」

龍亞「4万人って・・・・有名アーティストがやるライブと一緒じゃん」

奏「去年、かなり人気って聞いていたけどあそこまで膨れ上がるなんてね・・・・・」

響「夢にも思わなかったよ」

スバル「もう俺たちのやることは・・・終わったよな?」

レミ「えぇ、あとは観光よ。花の都!!パリで!!」

響「タイトルは【花の都の邪念を導く姫!!】」

奏「新しい仲間が出てくるよ!」

遊輝「次回もよろしくな!!」

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