【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち   作:DICHI

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今回はデュエル無しです。
この話の改定前は2014年の2月頃に投稿しています。よって、ここでマスタールール3の事を話しています。ご了承ください。にしてもグダグダ・・・・・・・・・・・・

また、今回のグラタンは料理レシピサイト、COOKPADのマカロニグラタンを参照にしています。(ホワイトソースは自分のアレンジです。試してませんが・・・・)


第65話 Let's cooking!遊輝の料理教室!

遊輝 side

 

 

「(・・・・・・・・今何時だ?)」

 

枕元に置いてある時計を確認する。ふむふむ・・・・・・・・3時か。じゃあ起きるか。時計をもう一度枕元に直して身体を起こそうとするが右側が上がらない。

 

「・・・・・・・・あ〜、そうか」

 

何で上がらないのか布団を上に上げて確認してわかった。

 

「・・・・・・・・・・・・スヤスヤ」

 

しっかりと俺の右腕と右足をつかんだ龍可が気持ち良さそうに寝ていた。

そうか・・・・・・・・昨日、いや一昨日だ。龍可と約束して一緒に寝る羽目になったんだ、忘れてた。どうしようかな?めちゃくちゃ市場に行きたいんだが・・・・・・・・

 

「(行ったら行ったでまた地獄を見そうなんだよな)」

 

昨日、抜け駆けしようとしてバレてしまったんだよな・・・・・・・・どうしよう。

 

「・・・・・・・・・・・寝る事しか出来ないのか」

 

どうしようもなく仕方ないので二度寝をすることに・・・・・・・・

 

「(しかし・・・・・・・・可愛いな)」

 

横を振り向くと龍可の寝顔があるのでついつい見てしまう。

 

「(普段は普通の女の子なのに・・・・・・・・何故あんな風になったんだ?俺がこの世界に入ったから?)」

 

まあライトロードを使ったり、エクシーズモンスターを使ったり、アニメでは無かったエンシェント・コメット・ドラゴンもいるし、龍亞も龍亞で既にシグナーとして覚醒しちゃっているし、もう俺の知らないところで龍可も龍亞も色んな意味で成長してるんだな〜〜。

 

「(・・・・・・俺も頑張らねぇと。せめて二人を守る力ぐらいは付けないとな)」

 

龍可の髪を撫でながら決意を固める俺。その時の龍可はなんだか嬉しそうな顔をしていた。

 

 

〜〜数時間後〜〜

 

 

 

「さぁてと・・・・・・・これで材料と器具は揃ったかな?」

 

朝、起きてご飯を食べ家事をする、いつも通りの一日のスタート。そして今日は・・・・・

 

ピンポ〜ン

 

「はいは〜い」

 

ベルの音が鳴り、玄関まで走りドアを開ける。

 

「お待たせ」

 

「よぉ。今回は俺も都合がつけたぜ」

 

「ほんっとようやくだな。何回無理だったんだよ?」

「今回で3回目だから2回だね」

 

「まぁ、こんな所で話をしてないでさっさと中に入ってやろう。あと恭介、確か午後からってメールで送ったはずなんだけど・・・・」

 

「スバルさんが師匠が料理教室をやるからって言うのを聞きまして付いてきました!」

 

「弱ったな・・・・・・・・材料が足りないぞ」

 

「大丈夫です。僕は見学しますから」

 

「ごめんな。次は材料買ってきとくから」

 

そんな会話をする俺たちとはよそに・・・・・・・・

 

「(どう龍可ちゃん。憧れの彼氏と一緒に寝る事は?)」

 

「(//////////////あ、あの、そ、その・・・・・・・・)」

 

「(ヒュ〜ヒュ〜。顔を赤くして)」

 

「(レミ、そんな事聞くのではないでしょ。あれから改善した?)」

 

「(まだ・・・・昨日も抜け駆けしようとしましたし)」

 

「(はぁ・・・・まだまだ改善していく必要はあるわね)」

 

「何言ってるんだお前ら?」

 

後ろでコソコソと何かを話している女子組。何かコソコソ話をするネタでもあるのか?

 

「別に。それより早く教えてよ」

 

「はいはい・・・・じゃあキッチンに行って。今回も材料と器具の横に名前を書いた紙があるから」

 

みんなの背中を押しながらキッチンに行かすようにする。隣の恭介も俺と同じように龍亞や龍可、そして祈を押す。

俺たちの方はキッチンに小等部の方は恭輔以外を除いてベランダに行きデュエルを始める。

 

「本当に向こうでデュエルしなくていいのか?」

 

「僕、師匠の手伝いをしたいんです!!」

 

「それならいいけど。は〜い、今日はグラタンを作っていきま〜す」

 

「やった!!グラタン大好き!!」

 

『キャッ!!キャッ!!』

 

「ホワイト?何で急にホワイトが」

 

「ホワイトはグラタンが好きなんだよ」

 

「・・・グラタンが好きな精霊の赤ちゃんって聞いた事が無いんだけど」

 

「贅沢し過ぎよ」

 

「すんません。じゃあ調理開始といくか。その前にレミと響」

 

「何?」

 

「いいか!!絶対にここにある調味料以外の調味料を使うなよ!!変な物を持ってきて入れるなよ!!!」

 

「何でそんなに大声で注意するのよ!」

 

「お前ら何するか分からんからだ!!」

 

この前ちょっと目を離した隙に鷹の爪を鍋にぶち込みやがって!!おかげで大失敗だよ!!何も分からないのに勝手に色々入れるなって!!

 

「遊輝、この玉ねぎと鶏肉をどうするの?」

 

「え〜と、鶏肉は一口大に、玉ねぎは繊維にそって薄切りに適当な大きさで。みじん切りにしなければ好みの切り方でいいから」

 

「マカロニはどうするんだ?」

 

「後で一緒に煮込むから何も手をつけなくていいよ」

 

え〜と・・・・・・・・洋食をあまり作らないけど確か一緒に煮込んで大丈夫だったな。

 

「ねぇ!!この玉ねぎをどうやって切るのよ!!」

 

「はいはい・・・・・・ちゃんと見ておくんだぞ。まずは半分に切る。で、この繊維が入っている方が包丁の切りたい向き」

 

「ふむふむ」

 

「あとはこの繊維に沿ってこうやって薄く切っていくだけ」

「簡単だね」

 

そう言いながらレミが包丁を持って切ろうとする。・・・・・・・・・・・・ちょちょちょいいい!!!!

 

「ちょっと待てレミ!!」

 

「うわっ!!何よいきなり!!」

 

「何て包丁を持ち方をしてるんだよ!!その持ち方は危ないって先週言ったじゃねぇか!!」

 

レミのやつ、包丁の持つ所をグーで強く握って左手の指なんか思いっきりパーの状態で玉ねぎを持ちやがって!!

 

「いいか。包丁は親指と人差し指で刃元の中央の部分を支えて残り3本の指で持つの。あと左手の使い方!中指と人差し指の第一関節を包丁の側面に当てて押して切るんだぞ。間違っても指は伸ばすなよ!!」

 

「は、は〜い・・・・・・・・」

 

「こ、恐いわよ・・・・」

 

「お前らの包丁の持ち方の方が怖いよ!!怪我するぞ!!」

 

ほんっとハラハラするんだから!!これで怪我したらたまったもんじゃないよ!!

 

「スバル、もうちょっと小さく切りなさいよ。いくらなんでも大きいよ」

 

「そうか?これでも行けそうな気がするけど」

 

「ほんとに?」

 

一方スバルと奏のペアは奏がケーキ作りが得意ということと料理経験があるため、俺がスバルに教えなくても順調に進んでいる。スバルはこの二人と違って単純に料理をしないだけだから、覚えさせたら何でも行ける。まぁ普段からテストは一夜漬けで乗りきれるって言っている奴だから、ちょっと覚えさせたら大丈夫なんだろう。で、俺はというと・・・・・・・・・・・・

 

『キャッ!!!!キャッ!!!!!』

 

『きゃっ!!!!きゃっ!!!!』

 

「・・・・・・・何で急に子守をしなくちゃいけないんだ?」

 

グラタンを作ると言って出てきたホワイトに続き、今度はブラックも実体化して甘えてきた。ダイヤ達は一体何をしているんだ・・・・・・・・

 

「し、師匠?その人形は?」

 

「(・・・しまった。恭輔がいた(汗))あ、あのね・・・これから言う事を信じてくれる?」

 

「はい、師匠の言う事は何でも信じます」

 

「え〜とね「遊輝!!!!助けて!!!!!」ごめん!!ブラックとホワイトの子守お願い!!」

 

「えっ!?ちょ、ちょっと師匠!!!」

 

ブラックとホワイトを恭輔に押し付けて応援の要請があった響達の所に行く。

 

「何があったんだ!?」

 

「玉ねぎ切ったら目が染みるよ〜!!!何とかして!!」

 

「・・・・・ゴーグル付けろ」

 

そんな事でいちいち呼ぶな・・・・・キッチンの上にある戸棚からゴーグルを取り出して、響に渡す。

 

「ありがとう〜〜」

 

「何でそんな所にゴーグルを置いているのよ?あんたは必要ないでしょ?」

 

「たまに龍亞が手伝うんだけど、あいつも玉ねぎが染みるのが辛いからゴーグルを付けてさせたんだよ」

 

「凄い凄い!!全然染みないよ!!」

 

「「そりゃそうだろ(そうでしょう)」」

 

ゴーグルを付けて玉ねぎを切っても染みない事に驚く響を突っ込む俺とレミ。

 

「ふぅ〜・・・・こっちは終わったよ。次はどうしたらいいの?」

 

「え〜とな、切った食料とマカロニを目の前に置いている鍋に入れてこっち来て。小麦粉を渡すからそれを入れて玉ねぎがしんなりするまで炒めて」

 

「OK。鶏肉は?」

 

「鶏肉は火が通ってなくていいよ。後で煮込むし」

 

スバルと奏に指示した後、昨日仕込んでおいたホワイトソースの鍋に火をかける。焦げ目やダマにならないよう弱火でゆっくりと混ぜていく。

 

『きゃああああ!!!』

 

「師匠!!黒い方の人形が泣いてます!!」

 

「はぁ!?!?恭輔!!!このホワイトソースをかき混ぜといて!!」

 

「はい!!」

 

慣れない手つきであやしている恭輔にホワイトソースを任せて、ブラックをなだめる。

 

「お〜い、どうしたんよ?いきなり泣いて?」

 

『きゃっ・・・きゃっ・・・』

 

「うん?」

 

泣きながら指を指すブラック。その差した方に顔を向けると・・・・

 

『ベロベロ〜バァ!!!!』

 

『キャッ!!キャッ!!』

 

『じゃあもう1回!!ベロベロ〜バァ!!!!』

 

『クリクリィィ!!!!」

 

『・・・・・・(コクッ)』

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

・・・・変顔をしているブリザード・プリンセスとそれを見て笑うホワイトとハネクリボー、隣で今にも寝そうな顔をしているアース、相変わらず無口なファランクスがいた。

 

「・・・お前ら何をしてるんだ?」

 

『いないいないばぁ!!』

 

「違うだろ!!」

 

『ブラックとホワイトをあやしているの!!』

 

『きゃ・・・・きゃっ・・・・』

 

「逆に泣かしているだろ!!」

 

『ホワイトとハネクリボーは笑っているよ』

 

「一人でも泣かしたらダメだろ!!とにかくやめろ!!!」

 

『え〜〜』

 

「え〜〜じゃねぇよ!!やめろ!!」

 

『ぶ〜〜!』

 

含めっ面しているプリンセスを無視して、ブラックをソファの上に座らせる。

 

「もうちょっとだけ待っといてくれる?もうすぐ出来るから」

 

『きゃっ!!きゃっ!!』

 

ほっ・・・泣き止んでくれたよ。

 

「遊輝〜〜!!早く来てよ!!」

 

「はいは〜い!」

 

響に催促されて直ぐにキッチンに戻る。え〜と・・・・・・二人ともマカロニを入れたか。

 

「小麦粉入れて、炒めた?」

 

「奏に見てもらったから大丈夫よ!!」

 

「・・・・よし、変な物入れてないな」

 

「信用ないの!?」

 

だからカレーに鷹の爪をぶち込んだ人に料理の信用なんかない。

 

「じゃあ次はホワイトソース・・・・・・・・何だが時間が掛かるし、失敗のリスクも高いから前日に俺が仕込んでおいたのをかけて」

 

「え〜、作らないの?」

 

「さっき言っただろ。時間もかかるし、失敗のリスクが初心者には高すぎる」

 

「う〜ん・・・・・・・・このホワイトソース、何か和風っぽいね」

 

「勝手に飲むな。それは白だしを入れたんだよ」

 

「白だし!?」

 

「俺、やっぱり洋食とか向いてないから何でも和風か中華風の味付けになっちゃうの。これも一昨日に思い浮かんで、やってみたら案外上手い事行ったから使ってみようとしただけ」

 

「ほんとだ!!ホワイトソースなのに牛乳っぽくない!!」

 

「響、それだとただ牛乳を煮詰めただけみたいでしょ・・・・」

 

「うめぇな。こんなホワイトソースは始めただぜ」

 

「本当に美味しいですね!」

 

「そりゃよかった。じゃあこれを具材が少し見えるぐらいまでかけようか」

 

恭輔からホワイトソースを混ぜるのに使っていたお玉を返してもらい、皆の鍋にホワイトソースをかける。

全員の分をかけ終えたらホワイトソースの入っている大鍋を一度ガスコンロから離す。

 

「次は煮込み。ちょうどガスコンロが4つあるし弱火で木べらで混ぜる。牛乳にとろみがついたら煮込みはOKだ」

 

「は〜い!!」

 

今度は空いたガスコンロの取り合いが始まり、皆でホワイトソースを煮込んでいく。さてと、確か冷蔵庫に・・・・・・・・あったあった。これ入れて煮込んでみよう。合わない訳が無いだろ。

 

「師匠〜、この子達の説明を」

 

「あっ、ごめんごめん。え〜とな・・・・こいつらモンスターなんだよ」

 

「へ〜〜・・・・・・・・・・・・モンスター!?!?」

 

「そう、黒い方がブラック・サン・ドラゴンで、白い方はホワイト・サン・ドラゴン。俺のエースモンスターだ」

 

「モ、モンスターがソリットビジョンが無くても見える!?!?」

 

「実はな、モンスターの一部には精霊が宿っているんだ」

 

「せ、精霊?」

 

「そのままだよ。で、こいつらはその精霊の赤ちゃん」

 

「赤ちゃん!?!?い、いや、それよりモンスターに精霊が・・・・」

 

「え〜とな恭輔、あそこに誰かいるか分かるか?」

 

ブラックとホワイトに釘付けになっている恭輔の目を向こうで騒いでいるプリンセス達の方に向ける。

 

「あそこですか?何も見えませんよ」

 

「(て言うことは恭輔は見えないのか。まぁ普通の人は見えないってエンシェント・フェアリーも言っていたししゃあないな)じゃあ恭輔が見えているのはこいつらが実体化しているからか」

 

「じ、実体化?」

 

「普通、精霊はある一部の人にしか見えないんだ。実際、恭輔は見えてない」

 

「えっ?どうしてですか?」

 

「あそこに実体化していない精霊がいるからだ」

 

それを聞いて恭輔はもう一度じっくりと見るがやはり何も見えていないらしい。はぁ〜とため息をうった後、肩を落とした。

 

「まぁ、そんながっかりするな。精霊が見えないのが普通だから」

 

「そうですね・・・・・・・・それじゃ、何故この子達は?」

 

「実体化は精霊が見えない人でもモンスターの力で見えたり触れたり出来る事。この二人は実体化の能力があるらしいから、こうやって恭輔も持つ事が出来るんだ」

 

そう言って恭輔にブラックとホワイトを抱えさせる。ブラックもホワイトも『きゃっきゃっ』と言いながら、恭輔に抱きついた。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「元気出せって!!精霊が見えなくても、お前のモンスター達はお前を信用してるって!!」

 

「・・・・・・・・はい!!」

 

よし、恭輔も元気になったし俺も自分の分を作っていかないと。え〜と・・・・・・・・マカロニと鶏肉と野菜類をこの鍋にぶち込んで・・・・・・・・

 

「遊輝、みんな煮込み終わったよ」

 

「よし、じゃあ最後の仕上げ。鍋で煮た奴を耐熱皿に移し替えて、簡単に済ますようにピザ用のチーズを手で握ってまぶす。後はオーブントースターで10分焼けば出来上がり」

 

「へぇ〜、以外と簡単なんだね」

 

「・・・野菜の下ごしらえとかホワイトソースとか色んな準備をしていないからそう言えるんだろ」

 

これ作るのにまず玉ねぎや人参の皮むき、鶏肉の筋切ったり、ホワイトソースをずっと煮込んだりとか色々大変なんだから・・・・・・・・

 

「あ〜〜、今日も盛大にやられたわ」

 

「る、龍可さん強すぎです・・・・・・・・」

 

「たまたまよ。今日は本当に運が良かったわ」

 

こっちが仕上げにかかった時にちょうど、龍可達もベランダから戻ってきた。龍亞の言い方からみれば・・・・・・・・

 

「また1killか」

 

「そうだよ!!しかも今回は10連ちゃんで!!」

 

「わ、私も6回ほど・・・・・・・・」

 

「でも祈2勝したじゃん!!」

 

「あ、あれはたまたまで・・・・」

 

「たまたまでも何でもないよ。確かに事故を起こしていたけど、その少しの間に決着を着けた事は自信を持って良いんだよ」

 

「凄いじゃねぇか!!龍可に2勝するなんて!!」

 

「////えっ!?あ、ありがとうございます!!」

 

何故かスバルに褒められた時だけ顔を赤くして素直に喜ぶ祈。良く分からないや。

 

「ねぇ!!それより俺たちの昼ごはんは!?」

 

「今、オーブントースターを使っているからその後」

 

「え〜!!時間かかるじゃん!!腹減ったよ!!」

 

「むちゃ言うな。あれは5個しか乗れないんだから」

 

「だからって〜」

 

「それ以上言うなら後回しにするぞ」

 

龍亞がブツブツと文句を言い始めたので、少し脅しをかけて黙らせる。そんなこんなで10分後・・・・・・・・

 

チーン

 

「出来たみたいだぞ」

 

「早く出して!!」

 

オーブントースターの前に行き、オーブンを開け耐熱皿を載せたトレイを取り出すと、良い感じに焼けたグラタンが5つ出来上がっていた。

 

「うわぁ〜〜、凄く美味しそう・・・・・・とても自分で作ったなんて思えない・・・・」

 

「何言ってるんだ、ちゃんと自分達で作っただろ。さてと・・・・」

 

鍋つかみを両手にはめて、オーブントースターに乗せたままだったトレイを取り出し反対側に置く。

 

「は〜い、出来た。自分達の物を取って試食タ〜イム!」

 

「やった!!!いただきます!!」

 

「待って響!!そのまま触ったら」

 

「あっちいいいい!!!!!」

 

「やっぱり・・・・・・・・」

 

熱々(全く感じないけど)の耐熱皿を素手で触ってしまった響はあまりの熱さにそこら辺でもがく。

 

「別に熱くないと思うんだけど」

 

「それはお前の能力だろ・・・・何触っても熱くは感じないんだから」

 

「それもそうだけど」

 

他のみんなは鍋つかみを使ってテーブルまで自分の分のグラタンを運ぶ。俺はホワイト用に作ったグラタンともがき苦しんで手を冷やしている響の代わりにグラタンを運ぶ。

 

「それじゃ改めまして・・・・」

 

「「「いただきま〜す!!!」」」

 

『キャッ!!』

 

テーブルの上にまとめて置いてあるフォークとスプーンを取り出して、先にレミ達とホワイトがグラタンを食べ始める。

 

「うっまい!!遊輝に作ってもらった物も美味いけど、自分達で作った物は格別に美味いな!!」

 

「本当ね」

 

「そりゃ良かった。ホワイトは?」

 

『キャッ♪キャッ♪』

 

「美味しいか。良かった良かった」

 

チーン

 

「おっ、俺たちのも出来たみたいだな」

 

「随分早いわね?」

 

「あらかじめ、電子レンジで温めていたんだ」

 

「・・・・ブレーカー落ちないの?」

 

「龍可達の両親と電気会社に頼んで上げてもらった」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

奏達が何か知らないけど固まっているから適当に無視して自分達の分を取りに行く。

 

「あいよ〜。龍亞!!龍可!!祈!!恭輔!!出来たぞ!!」

 

「やった〜〜!!!!昼飯!!!!」

 

「わ、私もですか?」

 

「うん、ご飯はみんなで食った方が美味しいからな」

 

「いただきます!!師匠の料理を食べてみたいです」

 

「祈、こっち来て食べよう」

 

「は、はい・・・・」

 

小等部4人もキッチンの方に来てもらい、スプーンやフォークを取り出してその場で食べてもらうようにする。

 

「いっただきま〜す!!!!」

 

「いただきます」

 

「・・・・お、美味しい」

 

「師匠!!凄く美味しいですね!!」

 

みんなが美味しそうに食べているのだが・・・・・・・・う、う〜ん。

 

「思っていたほどインパクトが無い・・・・・・・・足りなかったのか?」

 

「足りなかった?何か加えたの?」

 

「あのホワイトソースに白味噌をちょろっと」

 

「「「「し、白味噌!?!?」」」」

 

「う〜ん・・・・・・・・もっと入れても良かったかな?それとも白味噌の種類を間違えたかな?」

 

グラタンの味見をしながら、食器洗い機の近くにあるノートを手に取る。う〜ん・・・・・・・白だしが入れ過ぎて味噌の味を消してしまったのかな?でもあまり入れ過ぎても牛乳と喧嘩してしまうし・・・・・・・・

 

「う〜ん・・・・・・・・・・・・」

 

「(・・・・自分一人の世界に入ってしまったわね)」

 

「(これすっごく美味しいのに)」

 

「(こ、これで納得しないのですか?)」

 

「(あまり作らない洋食だからだと思うよ。和食とか中華だったら何も悩まないもん)」

 

「(さすが師匠。こういう所でも手は抜かないのか・・・・)」

 

「あ〜〜!!!!!洋食もちゃんと学んでおけば良かった!!!」

 

「今更後悔しても遅いよ」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「美味かった!!」

 

「自分達で作ったら美味しいね!!」

 

「遊輝!食器はどうするの?」

 

「えっ?あ〜、自分達で洗って」

 

「・・・・・・・・せめて楽しく食べなさいよ」

 

「無理」

 

ノートに色々書きながら食べている所を奏に注意されたが断った。だってもう習慣なんだから。

 

ピンポ〜ン

 

「お荷物で〜す!!!」

 

「は〜い」

 

チャイムの音が鳴、龍亞が玄関へと走っていく。しかしどうしようかな?誰か洋食とかフレンチ作るのが美味い料理人おるかな?

 

「お、重い・・・・・・・・だ、誰か・・・・・・・・」

 

「お、おいおい・・・」

 

「よ、よいしょっ、ありがとうスバル!!」

 

ノートを閉じて顔を上に上げると、龍亞が辛そうな顔をして段ボール箱をリビングに運んできた。

「これ、遊輝宛なんだけど何なの?依頼主が英語で書かれて分からないんだけど?」

 

「えっ?俺?」

 

誰からだ?俺宛?しかも英語・・・・・・・・・・・・

 

♪♪♪♪〜♪♪

 

「あっ、メールだ」

 

携帯を取り出して新規で来たメールを見る。差出人は・・・・・・・・神様!?てことはこれの中身は・・・・

 

「・・・・やっぱり。あれほど前日にメールか電話をしろって言ったのに・・・・・・・・」

 

「ちょ、ちょっと遊輝!?」

 

メールの内容を確認して中身が分かったので今来た段ボール箱を持って自分の部屋に持ち込む。

 

「よいしょっと。今回は量が多いな」

 

「ゆ、遊輝。それ何なの?」

 

「うん?前世で出た新弾のパックとかストラクチャーデッキとか色々。今から部屋に運ぶの」

 

「へぇ〜・・・・・!?!?」

 

「な、何だって!?」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさい!!」

 

「ぐへっ!!!!」

 

ドスンッ!!!!

 

「いったああああ!!!!!」

「ゆ、遊輝!?大丈夫!?」

 

「段ボール箱が足元に落ちちゃったよ・・・・あれ、重いよ」

 

「いたた・・・・何するんだよ!?」

 

「そんな事より今あんた、何て言ったの!?」

 

「?今から部屋に運ぶ」

 

「その前!!」

 

「え〜と・・・・前世で出た新弾のパックとかストラクチャーデッキとか色々」

 

「そこよ!!」

 

「て言うことは、それって俺たちが見たこともないカードが入っているって事だよな!?」

 

「まぁそうだけど?」

 

「そのカード見さして!!!!」

 

「ダメ」

 

「何でよ!?みんなで見た方が楽しいでしょ!!」

 

「海馬コーポレーションから新規で来たカードは登録するまで誰にも見せるなってきつく言われているから」

 

いや〜、最初にカードを提供した時めっさ凄い量の書類に目を通さなければならなかったんだから。提供した時のお金の量はもっと凄かったけど。

 

「そんな事ちょっとくらい良いじゃねぇか!!見さしてくれよ!!」

 

「んな言われても・・・・・・・・」

 

「師匠!!僕も見たいです!!」

 

「お前もか恭輔!!」

 

「見たい見たい!!俺も見たい!!」

 

「お前は提供したら直ぐに見せてあげてるだろうが龍亞!!」

 

「兎に角見さしてよ!!誰にも喋らなかったら良いでしょう!!」

 

みんなが目を輝かせながら迫ってくる。

う、う〜ん・・・・・まぁ、ここで開けてもバレないだろう。

「分かったよ。今回は特別だぞ。龍可、ハサミ持ってきて」

 

「やった!!!!!最新のカードが見れる!!」

 

「騒ぐな。下に迷惑だぞ」

 

「どんなカードがあるの!?エクシーズモンスターばっかりして!!」

 

「そんな訳ねぇだろ、じゃあ開けるぞ」

 

龍可からハサミを貰って段ボール箱に貼り付けているガムテープを開け口に沿って切れ目を入れる。

切れ目を入れた所から手を突っ込み段ボール箱を開けると、山積みにされた新弾のパックが箱で半分、ストラクチャーデッキや雑誌なとで山積みにされたのが半分入っている。

 

「結構多いわね」

 

「提供しようと思うとどうしても全種類いるからね。じゃあ1人1箱開けていこう」

 

「やった!!で、パック名は・・・・・・・・ぷ、ぷ、プリ」

 

「プライマル・オリジンって呼ぶんだよ」

 

「早速開けていこう!!」

 

「・・・・いきなり凄いのを当てたぞ!!しかもNo!!」

 

「早いなおい!!」

 

スバルが開封1パック目からいきなりNoを当てたと言って大喜び。え〜と・・・・・・・・No,62、て言うことは

 

「これ、何かプラチナに似てなく無い?」

 

「いや、まんまプラチナをNo化したカードだ」

 

「強いな〜〜。ランク8だけど攻撃力4000にオーバーレイ・ユニット外したら攻撃力が上がるのか」

 

「でもプラチナを素材して無かったらダメージは半分だね・・・・」

 

「ライフが4000のこの世界だったら十分役に立つよ。これなら聖刻のデッキじゃなくてもプラチナを出せるよ」

 

「そう言えば今日はダイヤ達見かけないね」

 

「そうなんだよ。今日は全員で何処かに出掛けているみたいんなんだよ。ホワイトとブラックは子守で家に残っているけど」

 

『きゃっ!』 『キャッ!』

 

せめて2人が喋れてたらな苦労しないのにな・・・・・・・・黙々とみんながパックを開けて行く。「エクシーズモンスター当てた!!」とか、「これ強いわね!!」とか見たこと無いカードに色々と反応していく。

 

「おっ、ガガガの新しいモンスターだ」

 

「何々・・・・・ガガガシスター・ね、どうなのこれ?」

 

「めっちゃ強い。ランク10までエクシーズモンスター出せるし、魔法カードとかサーチ出来るんだぞ」

 

「へぇ〜」

 

「これ手に入れたんならちょっとデッキ改造して《ドドド》とか《ゴゴゴ》とか抜いて《ガガガ》中心に組んでみようかな?色んなランクもだせるし」

 

『強いって言ってくれてありがとうマスター!!』

 

「どういたしまして・・・・・・・・??誰??」

 

パックを開けていた時、突然誰かに声を掛けられたような気がして周りを見る。皆も何か聞こえた感じがするらしい。

 

「誰か俺に話しかけた?」

 

「私違うよ」

 

「俺も違うぜ」

 

「私と龍亞もこっちでパックを開けていたわよ」

 

「となると誰が・・・・」

 

『私だよマスター!!!』

 

「うわっ!!」

 

辺りをキョロキョロしていると目の前に突如、何かが出て来て腰を引く。淡いピンクと白がシマウマ状にした帽子を被り、牛乳色のマントみたいな物にフリルの付いたスカートにピンク色のリボン・・・・・まさか・・・・

 

「ガ、ガガガシスター?」

 

『そうだよマスター!!やっと魔法学校を卒業して帰って来たよ!!』

 

『マスター♪ただいま』

 

『ただいま帰りました』

 

『主、ブラック達のお世話ありがとうございます』

 

シスターが大喜びしている隣にパールとダイヤ・プラチナも姿を現した。

 

「ま、魔法学校?そんな学校が精霊世界にあったの?」

 

『うん!!私、いっぱい勉強して大学を卒業したよ!!』

 

「だ、大学!?どう見ても見た目小学生なんだけど!?」

 

『ぶぅ〜!!!これでも15よ!!』

 

『シスターは飛び級で大学を卒業したのです』

 

そりゃ凄いね・・・・・しかしとても15とは思えない見た目や服装なんだけど・・・・・

 

「凄い元気いっぱいな精霊だな」

 

『クリクリィ!!』

 

『ハネクリボーだ!!初めて見た!!』

 

「ほんと元気ね・・・・・・・・」

 

『・・・・・・・・』

 

『私ああいう子と気が合いそう!!』

 

「姫様だけど頭は子供だね!」

 

『響に言われたくない!!』

 

「何でよ!?!?」

 

「勉強出来ないからに決まっているでしょ」

 

『・・・・・・・・・(スヤスヤ)』

 

「・・・・さ、さっきから師匠達は何をしているのですか?」

 

「何か新しい精霊が来たみたいらしいけど、俺たち見えないから分からないんだよ」

 

「そ、そのようですね」

 

精霊が見えない龍亞・祈・恭輔の3人はテーブルの方に固まって黙々とパックをめくり続ける。俺たちもパックを黙々とめくり続けて・・・・・・・・

 

「終わった〜〜。いや〜長かった」

 

「凄い量ね」

 

龍可の言う通りソファの前にあるテーブルに束ねられたカードの量はもの凄く高い。

 

「本当ならここから仕分けなくちゃいけないけど、今日はここまででいいや」

 

「それにしてもまたライトロードの新規が来たよ〜。しかもチューナーやシンクロモンスターまで付いて!!ディフォーマーの新規はないの!?」

 

「残念ながらない」

 

「そんな〜」

 

ディフォーマーの新規は今後出ないと思うな〜。今回は過去のカテゴリーの新規カードが多かったけど、これにディフォーマーが無かったらもう望みないな。

 

「あとはこの雑誌だね」

 

奏が手に取った雑誌は皆で読んでいる。俺は前々に知っていた内容だからいらなかったんだけど。

 

「この・・・・・・・・新しい召喚方法、ペンデュラム召喚って」

 

「完全にエクシーズの次、つまり新しい召喚方法だよ」

 

「へぇ〜、今度はペンデュラム召喚か。色々あるわね〜」

 

「あと、前世の世界はルールが変わるみたい」

 

「えっ!?それ本当!?」

 

「次のページにあるばすだよ。先行ドロー無しとかダメージステップの変化とかフィールド魔法の重複ありとか」

 

「・・・・・・・・本当だ。私達のルールと大きく変わっている」

 

「フィールド魔法重複はありがたいよ!!これだったらいつでも竜の渓谷がはれるし!!」

 

「フィールド魔法を使う人にとっては嬉しい裁定よね。私もちょっと嬉しいし」

 

「先行ドローなしか、ちょっと痛いな」

 

「で、でも、それはそれでアリじゃないでしょうか?」

 

「そうかもしれませんね。先行は攻撃出来ない以外のデメリットも無いですし」

 

「人それぞれだよ。さてと、じゃあ今日はお開きだな」

 

「そういえばもう良い時間だね」

 

「また来るね〜」

 

「師匠、ありがとうございました!!」

 

「じゃあな!!」

 

ソファでくつろいでいた恭輔や祈も立ち上がり、雑誌をテーブルに置いて皆は帰っていく。さて、食器を片付けて晩飯の準備をしないと・・・・・・・・

 

『マスター!!私にも名前頂戴!!』

 

「うわっ!!いきなり出てくるなよ!!」

 

『だってお兄さんやお姉ちゃん、フォトンさんだってマスターに名前を付けて貰っているのよ!!私だけ仲間外れとか酷いよ!!』

 

「う、う〜ん、そうだな〜・・・・・・・・じゃあサファイアは?」

 

『サファイア・・・・・・・・良いね!!じゃあ今日から私はサファイア!!』

 

「はいはい、サファイア、よろしくね」

 

『よろしくマスター!!』

 

サファイアが消えていったことを確認して、今日の晩御飯を考える。

 




今回は私が後書きに登場で〜す。

遊輝「にしてもグダグダだったな・・・」

もう二度と料理レシピを教えるような話は執筆しないと決めたね。

遊輝「改定前から読んでくれている人には分かるけど、改定後から読んでくれている人々に改めて説明すると、この小説の舞台設定は5D's、そこにエクシーズモンスターがあるからマスタールール2でこの小説は執筆されているんだ」

一応、今後もマスタールール2でデュエルは進められるけど、実験やちょっとした閑話などではマスタールール3を適用する場合があります。

遊輝「そういう事だから注意してくれよな。次回は【野球大会ととある子の不幸な1日】よろしくね〜」

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