【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち   作:DICHI

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今回はデュエル無しの普通の日常です。ほんとならデュエルも書きたかったのに、デュエル行く前が長すぎた。何でこんなに多くなったんだ・・・・


第63話 遊輝の1日と新たなる仲間

遊輝 side

 

 

ジリリリリリ・・・・・・ポチッ

 

目覚まし時計が鳴りいつも通り起きる・・・・・が

 

「う、う〜ん・・・・・何だろう。ちょっと頭がボ〜〜としているような・・・・」

 

何かいつもと違って頭が直ぐに働かない。どうしたんだろ?何か悪い物でも食ったのかな?そんな物作った覚え・・・・ないけど・・・・・

 

「何でだろう・・・・・本当にボ〜とするな・・・・今何時だ?」

 

働かない頭を2、3回叩き、枕元に置いてある時計の時間を見る。えっと・・・・・・6時!?

 

「えっ!?もう6時なの!?・・・・あっそうか。昨日目覚ましの時間を間違えたんだ」

 

まぁ・・・・しゃあないか。今日は朝練をしないでさっさと朝ご飯を作ろう。今日はアカデミア午前中までで弁当は要らなかった筈だから少し楽だな。

クローゼットの近くまで行き、パジャマを脱ぎ、アカデミアの制服を着て台所まで移動する・・・・だけど

 

「っとっと・・・・何でこんなにフラフラするのかな?」

 

なんか足元がおぼつかない。右に行ったり左にぶつかったりとやっとの思いをしながら台所に行く。そして冷蔵庫を見て、朝飯を作る。

 

「ふわぁ・・・・おはよう遊輝」

 

眠たい目をこすりながら、龍可が自分の部屋から降りてきた。

 

「お、おはよう」

 

「・・・・・どうしたの遊輝!?」

 

「へっ?」

 

「顔がすっごく真っ赤だよ!!それに汗を凄くかいているし!!」

 

龍可に言われ洗面台にむかって鏡を見ると、確かに顔がちょっと紅くなっていて、汗を大量にかいている。

あ〜そうか。だからなんか顔の周りに雫とか垂れていたのか。でも真っ赤っていうほど赤くもないし、そんな大袈裟に言うほどかな?

 

「・・・・これくらいなら大丈夫か」

 

「本当に大丈夫なの?なんか洗面所行くまでの足取りもフラフラしていたし・・・・」

 

「大丈夫大丈夫。そんなに身体が悪い訳じゃないし、龍可も大袈裟だよ」

 

「そうかな・・・・・・」

 

心配な様子をしている龍可に大丈夫と言い聞かせて台所に戻る。

 

「・・・なぁ、なんか臭わねぇか?」

 

「・・・・そう言われたら少し焦げ臭いわね」

 

「・・・・・・あ!!!ガスコンロの火付けっ放しだ!!!!」

 

急いで戻っても時既に遅し。火を止めてフライパンをコンロから離すと、黒焦げとなった鮭の塩焼きが3つある。

 

「あ〜あ・・・・・なんか今日はボゥ〜としてるな」

 

「おはよう〜・・・・なんか焦げ腐い臭いがするんだけど」

 

「おはよう龍亞。それがね・・・・」

 

「ボゥ〜としてて鮭を焦がしてしまった・・・・」

 

「えっ?め、珍しい・・・・遊輝が料理を失敗するなんて」

 

「今日は何か変だな・・・・トトッ」

 

フライパンを鍋敷きの上に置いて冷蔵庫に向かうが、そのちょっとした距離でも足がふらつく。どうしたんだろう今日?本当に変だな?

 

「な、何か・・・大丈夫遊輝?足元フラフラじゃん。それに顔が赤いし」

 

「龍亞も同じことを言っている・・・・今日はアカデミア休んだら?」

 

「そ、そこまで重病かな?そ、それに、きょ、今日は全体練習で休めないから」

 

な、何でだろう・・・・・舌も上手く回らなくなってきた・・・・・それにさっきより頭もボゥ〜とするし・・・・

「と、とりあえず、今日はご飯と味噌汁とそこらへんの御菜で朝ご飯だな」

 

冷蔵庫の中にある漬け物やご飯に合う御菜を取り出して、味噌汁をお椀に入れ朝ご飯を食べる。

う、う〜ん・・・・・舌の感覚もない・・・・・・味が全然分からない・・・・・・ま、まあその後は普通に(何回か倒れかけたけど)3人で朝にやれる家事を分担してアカデミアに行く準備をする。

 

「鍵を閉めて・・・・・よし行くか」

 

「本当に大丈夫?何か顔がさっきよりも酷くなっているよ?」

 

「だ、大丈夫だって」

 

くそぅ・・・・・・さっきよりも頭が回らない・・・・・ちょっと意識が朦朧としてるな・・・・・

 

 

ー(アカデミア 中等部1ー1)ー

 

 

「お、おはよう・・・・・・」

 

「おはよう!!」

 

「おは・・・・・ゆ、遊輝!?どうしたの!?すごい制服が汚れているよ!」

 

「い、いや〜・・・・・朝からなんか頭がボ〜〜としててさ・・・・・来る途中に何回か転けてしまって・・・」

 

「大丈夫か!?顔真っ赤だし!!」

 

「だ、大丈夫だって・・・・トトト」

 

自分の机に行くまでに何回か左右に倒れかける。なんか・・・・・意識がなくなりそうだな・・・・

 

「ほんとに大丈夫なの!?保健室に行った方が」

 

キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン

 

スバルが肩を貸してくれて、なんとか自分の席に着いた所でチャイムが鳴ってしまう。もうそんな時間か・・・・

 

「だ、大丈夫だって。今日は午前中だけだからなんのかあるよ」

 

「おい・・・・・滑舌も悪いぞ」

 

「はい皆座って!出席とるよ!」

 

先生が来てしまい、皆席に座ってしまう。と言ってもスバルは隣だけど・・・・・

 

「じゃあこの前やった小テストを返すよ。青木君」

 

「(本当に大丈夫か?顔が大分やばそうだけど)」

 

「(じ、実は意識が朦朧としているんだよ)」

 

「(それダメな奴だろ!何で来たんだよ!?)」

 

「(こ、これくらいの事なら前も経験しているし、行けると)「後ろ!!煩いわよ!!遠藤君!!」

 

「は、はい・・・・・」

 

先生に名前を呼ばれて席を立ち上がる。フラフラな足取りでなんとか先生の所まで行けたけど・・・・

 

「はい。今回も満点よ」

 

「あ、ありがと・・・・・う・・・・・」

 

ドスッ!!!!!!

 

「え・・・・・・遠藤君!!しっかりして!!」

 

「遊輝!?ちょっと遊輝!!!」

 

「誰か!!!遠藤君を保健室へ!!」

 

「は、はい!!!!」

 

遊輝 side out

 

 

レミ side

 

「・・・・・ふぅ〜、もう大丈夫よ。しばらく休んでいれば治るわ」

 

「「「「ありがとうございます」」」」

 

私達4人がかりでなんとか遊輝を保健室に連れてくることができたわ。

・・・・・・何で男の子を運ぶのに、女の子が3人もいるのよ・・・・・

 

「しかし高熱を出していたとはな・・・・・・」

 

「39,6分・・・・・普通ならアカデミアを休んでいるよ。何で気づかなかったんだろう?」

 

『マスター。ちょっといいですか?ブラックとホワイトのご飯は何処に』

 

「あっ、ダイヤ。今はダメだよ」

 

『どうしたのですか?』

 

ちょうど先生も居なくなったし遊輝の事を言いましょうか。ダイヤに遊輝の事を皆で伝える。

 

「・・・・・・ていうことよ」

 

『そうですか・・・・マスターも無茶をしますね』

 

「そこなんだけどさ〜、遊輝は全然高熱だって事に気付かないんか?流石に9,6分もありゃ気づくだろ?」

 

『確かにそうかもしれないのですがマスターは太陽のシグナーです』

 

「それとどう関係があるの?」

 

『マスターは常時太陽使いとしてこの3ヶ月間、普段から6000度近くの太陽でトレーニングや生活をしています。それに太陽のシグナーは100万度近くまでの温度なら平気に耐えてしまうのです』

 

「成る程な。6000度を澄まし顔で扱う奴が39度の熱があるかなんて感覚的に分からなくなるんだな」

 

「遊輝にとって人間の体温がほとんど無いに等しい状況ね」

 

「それじゃ本人も熱かどうかなんて分からないよ」

 

「遊輝!!!!!!」

 

ダイヤと皆で見解していた所で保健室の扉がバンッ!!と大きな音が鳴り、息を切らした龍可ちゃんと何故か笑っている龍亞君が入ってきた。

 

「龍可ちゃん!」

 

「レミさん!!遊輝は!?」

 

「大丈夫よ。治療してもらって今はゆっくり寝ているわ」

 

「良かった・・・・・・」

 

「二人とも授業は?」

 

「遊輝が倒れたと先生に言われたので、許可をもらって来たのです」

 

「めっちゃ遊輝の事を心配してたよ!!走っている途中、ずっと「遊輝!遊輝!」って叫んでいたもん!!」

 

「///////龍亞!!!!」

「フュ〜〜。彼氏がいる人は最高だね」

 

「///////響さん!!!!」

 

真っ赤にした顔を恥ずかしそうに隠す龍可ちゃん。相変わらず素直じゃないわね〜。

 

「響、やめなさい・・・・・・」

 

「とりあえず俺たちも1時間目の授業は抜けれるから、遊輝が目覚めるまで世間話でもしときますか」

 

「そうね。それにしても・・・・・可愛い寝顔♪寝ている時は女の子だね」

 

響が遊輝の寝顔を見て、頬をツンツンとつつく。確かに女の子だね。ここでコスプレさせたら面白いのに。

 

「随分気持ち良さそうに眠るわね。良い夢でも見てるのかしら?」

 

「遊輝の良い夢ってなんだろうね!?」

 

「遊輝の事だから一流レストランの料理長の夢でも見てるんじゃないの!?」

 

「もしくは宝くじ当てたとか!?」

 

「それも一理あるね、龍亞君」

 

「・・・・・遊輝の寝ている所を初めて見た気がする」

 

遊輝の寝顔を見ていた龍可ちゃんが何気無くふとそんな事を言い出した。

 

「そう言われたらそうだね。俺も見た事が無いよ」

「遊輝って二人と一緒の時間に寝ないの?」

 

「いいえ。私達が就寝する時間にお風呂に入ったりして・・・・」

 

「普段から俺達よりも遅くに寝て、俺達よりも早くに起きているよな」

 

「うん。アカデミアが休みの日は朝日が昇る前に近くの市場で食材探しに行ったりしてます」

 

「さすが料理人を目指す人は違うわね・・・・」

 

「そう言えば遊輝って普段どんな生活をしているんだ?」

 

「確かに・・・・・・・・家事に料理と龍可ちゃんの家で二人のお世話係として働いているんだよね?」

 

「アカデミアが始まった頃からは私達も家事などはしています」

 

「で、アカデミアに来て勉強する、部活する」

 

「奏の店でバイトもしているよ!!」

 

「あとブラックとホワイトのお世話・・・・・どうやって1日を過ごしているのかな?」

 

「これは1回聞いてみたいわね・・・・謎だわ」

 

皆で遊輝の普段の生活の事だけで討論をし始めた。なんていうか・・・・・私もそうだけど、みんなこういう事好きだね。

 

「う、う〜ん・・・・・・」

 

「!!遊輝!!!」

 

龍可ちゃんが遊輝が目覚めた事に気づき、皆も一斉に遊輝の方に顔を向ける。

 

「ふわぁ〜〜・・・・・・・ここ何処?」

 

ズコッ!!!!

 

私達が想像していた事とななめ45度外れた第一声に皆がズッコケてしまう。

 

「お、お前・・・・・何があったのか分からないのか?」

 

「う、う〜ん・・・・・とりあえず何処?」

 

「保健室だよ・・・・」

 

「ふ〜ん」

 

どうやら頭が働いてないらしく、辺りをキョロキョロと見渡しながら頭をコンコンと2・3回叩く。

 

「さ、さっきまでの心配を返してよ・・・・」

 

「?何かあったの?」

 

「あんただよ・・・・・・・ねぇそれよりあんたって普段どんな風に一日を過ごしているの?」

 

「?何でそんな事を聞くんだ?」

 

「ちょっと気になっただけだよ」

 

「ふ〜ん。そうだな〜〜・・・・・・・

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜遊輝のとある一日〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

5:00 起床、そのままジャージに着替えてトレーニング

 

 

「ふわぁ・・・・・・ダイヤ、今日もよろしく」

 

「はい。はぁぁ〜〜!!!!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

ズバッ!!ズバッ!!スカッ!!ドカッ!!

 

「っ、ちょっと当たったなぁ」

 

「大丈夫ですか?何か頭の近くで当たったような感じでしたが・・・」

 

「大丈夫大丈夫。続けて」

 

「はい」

 

 

6:30 朝ごはん・お弁当作り

 

7:00 龍亞・龍可起床、みんなで朝ごはん

 

 

「フレンチエッグとベーコンとサラダとトースト・・・・・・何か最近洋食のメニュー多いな。明日から和食中心にしよう」

 

「おはよう〜〜遊輝」

 

「おっはよう!!!」

 

「・・・・・・龍亞が早起き?こりゃ今日は大雨だな」

 

「なんでそんな事を予測するのよ!!俺だってたまには早起きするよ!!」

 

 

7:30 龍可・龍亞と分担して洗濯・掃除・片付け

 

 

「じゃあ私、洗濯するね」

 

「頼むわ。さてと・・・・食器洗うか」

 

「俺は掃除掃除!!」

 

「(・・・・・・大抵龍亞が掃除したら、俺や龍可の倍の時間がかかるから、あてにならんのだよな)」

 

〜〜数分後〜〜

 

「え〜と・・・・・あのカードも入れて・・・・」←掃除サボって、デッキ調整

 

「・・・・・・・(プルプルプル)」

 

「あっ遊輝!!片付け終わったの?」

 

「・・・・・掃除せぇやああああ!!!!!!」←鬼火程度の炎をぶつける。

 

「あっちーーーーーー!!!!!」

 

「(またサボったのね・・・・)」

 

 

7:50 家を出る

 

8:15 アカデミアに着く

 

 

「おっはよう!!」

 

「おはよう。相変わらず響は元気だよな」

 

「へへ〜ん、今日は英語無いし!!」

 

「??響、今日は英語があるよ」

 

「えっ!?だって今日は体育、数学、歴史、国語、実技、実技でしょ!?」

 

「お前昨日の先生の話を聞いてないなぁ〜。今日は時間割り変更で理科、英語、家庭、数学、地理、音楽だろ?」

 

「・・・・・・・・あああ!!!!!!!」

 

「・・・・教科書ほとんど忘れたわね」

 

「レミ〜〜、教科書貸してぇ」

 

「無理に決まっているでしょ」

 

 

 

15:30 授業終わり

 

15:50 部活

 

 

「えっと、今日は全体練習からだね」

 

「奏、コード表何処?あれないと海外公演の最初の奴が弾けないんだけど」

 

「昨日ここに片付けてなかったの?」

 

「あっ、あれなら昨日私が持って帰ったよ」

 

「俺も」

 

「なんでドラムとキーボードがギターのコード表を持って帰るんだよ!!!」

 

「「イメージの練習」」

「そんなもの部活中に練習しろ!!!!」

 

 

18:00 バイト

 

 

「ただいま」

 

「今晩は〜」

 

「遊輝君、平日は良いんだよ。わざわざ明日の仕込みの手伝いに来なくても」

 

「いえいえ、どう見ても大変そうなのでね。少しでも手伝ってあげないと」

 

「すまないね」

 

 

19:30 帰宅、夕ご飯は既に龍可が作って、先に二人で食べている。

 

 

「ただいま〜」

 

「おかえり〜〜。今日も仕込み?」

 

「うん。悪いな龍可、平日の間は夕飯作ってもらって」

 

「良いわよこれくらい。いつもいつも遊輝に作ってもらったら私が困るし」

 

「??何が困るんだ?」

 

「えっ!?そ、それは・・・・////(今より料理が下手になって遊輝に嫌われたくないなんて言えない・・・・)」←ちょっと赤い

 

「???変なの」

 

 

19:40 夕飯

 

20:00 片付け

 

20:40 Dホイールの整備

 

22:00 お風呂

 

23:00 精霊世界に行ってブラック・ホワイトのお世話

 

 

『きゃあきゃあ!!!!!』

 

『キャアキャア!!!!!』

 

「痛い痛い痛い!!!髪引っ張らないで!!!」

 

『マスターも子守りが大変だね』

 

「そんな事言うなら手伝ってくれよパール!!!」

 

『無理ですよ。マスターが甘やかしすぎて二人共マスターと遊ばないと寝付けないのですから』

 

「昼間は!?絶対に昼寝するでしょ!?赤ちゃんだよ!?」

 

『ずっと起きてますよ?1日中パールが遊び相手で』

 

『キャアアアアァァ!!!!』

 

「わあああ!!!!!どうしたんだよ!?!?急に泣いて!!!」

 

『・・・・・(甘やかしすぎだよマスター)』

 

 

1:00 現実世界に帰宅→自由時間(主に宿題・パソコン・ギターの練習etc……)

 

3:00 就寝

 

「今日も一日疲れた・・・・目覚ましをセットして・・・お休み〜〜」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

遊輝 side

 

「・・・・・てな感じだけど」

 

「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」

 

えっ?このまま俺?【メタ発言するな!!】・・・・・何か聞こえたけどスルー。いや〜ようやく頭がボ〜としてたのが治ったよ。ちょっと寝たらスッキリしたし睡眠って大事だね。

 

「てかさっきから皆口を大きく開けてどうしたの?」

 

「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」

 

「・・・・・まぁいっか。じゃあ教室に戻《ドスッ!!!》へっ?」

 

ベッドから降りようとした時、スバルと響が俺の両肩をがっしりと掴みそのままもう一度ベッドの上に押し倒した。

 

「何してんだ?」

 

「何してんだ?それはこっちのセリフだ!!!」

 

「何て一日の過ごし方をしているのよ!!!睡眠時間が2時間って!!」

 

「?睡眠時間が2時間っていつもよりちょっと多いよ。休日は1日中起きているのがザラだし」

 

「い、一日中!?!?」

 

「うん。だってホワイトとブラックを寝かせるのにいつも3・4時間掛かってこっちに戻ってきた頃には市場が開いている時間だから、そのままDホイールで行くよ」

 

「・・・・・・・まさかあんた、ずっと同じ生活をしていないわよね?」

 

「う〜ん、子守は完全にこっちの世界からだけど前世でも同じ生活はしていたよ」

 

というか若干12歳の中学生が赤ちゃん2人の面倒を見るのもどうかと思うけど、これは仕方ない。今更だけど何で俺のシグナーの龍は赤ちゃんなんだろう?

 

「・・・・呆れた。どうりで高熱を出す訳だわ」

 

「えっ?俺、熱あったの?」

 

「・・・・9, 6分だ」

 

「そんなにあったんだ・・・・もう大丈夫だからいいけど」

 

「大丈夫じゃないって!!」

 

「とにかく今日1日は寝ていなさい!!そんな不健康な生活をしているから、高熱を出すのよ!!」

 

「高校生ならこれくらいの生活は当たり前なんだけど」

 

「今のあなたは中等部1年!!精神年齢は高校生でも身体的には中学生よ!!」

 

「もう大丈!?!?(ビクッ!!!)」

 

もう大丈夫・・・・・その一言を言う前にとてつもなく冷たくて、残虐で殺気のある視線を感じた。恐る恐る横を振り向くと・・・・・

 

「・・・・・・・・・(ニコニコ♪♪♪)」

 

もの凄く笑顔(目が笑ってない)龍可が無言で俺を見つめていた。

 

「(!?!?な、何だ、この殺気!?)」

 

「(る、龍可ちゃんの後ろに三幻神がいる!?!?)」

 

「(こ、こんな龍可ちゃん初めて見たよ!?!?)」

 

「(で、出た!!龍可の覇王モード!!)」←龍亞命名

 

な、何でそんなに怒ってるんだよ!?俺、普段通りの生活を言っただけなのに!?

 

「・・・・・寝て♪(ニコニコ)」

 

「い、いや・・・・・・も、もう大「寝て♪(ニコニコ)」は、はい!!!お休みなさい!!!」

 

あまりにもの恐怖にくじけついて、布団を顔をまで掛けて寝たフリをする。こ、恐い・・・・・・普段の生活を言っただけなのに・・・・・

 

「じゃあ皆、戻りましょう」

 

「「「(((戻るの早っ!!!)))」」」

 

「そうだね。もうすく1時間目が終わっちゃうから戻るか」

 

「じゃあね遊輝。授業が終わったらまた様子を見に来るから」

 

「「「(((なんでレミと龍亞((君))はスルー出来るんだ!!)))」」」

 

俺が寝た(フリ)を確認した皆は、保健室を出て教室に戻る。

・・・・・・恐かった・・・・・しかし、

 

「寝ますって言ったけど全然眠たくもないんだよな〜〜」

 

どうしようかな〜〜。保健室のベッドの上で一日過ごす訳にもいかんし。脱走してどっかいこうかな?

 

『マスター・・・・・少しは自分の身体の体調を考えたらどうでしょうか?』

 

「あっ、ダイヤいたんだ」

 

『私はブラックとホワイトのご飯を聞きにきただけですが、前世から同じような生活をしてたらダメじゃないですか』

 

「そんな事言ってももうかれこれ9年近く同じ生活してるんだから、今更変えようなんて無理があるよ。ホワイトとブラックのご飯は冷凍庫のカレーを解凍して食べておいて」

 

『分かりました。9年ということは・・・・・小学3年生からそんな生活をしているとは』

 

「剣道の練習が遅くなって、学校の宿題もして、家のご飯も作ってたらそんな生活に慣れてしまうよ」

 

『ですから身長が低かったのですよ』

 

「それは言うな・・・・・」

 

高校3年に進級する時に、身長が160ちょっとしかなくて、凹んだんだから・・・・・しかしどうしようかな〜〜。本当に脱走してどっかいこうかな?

 

「・・・・・はぁ〜〜」

 

「う〜ん、デッキ改造かな?ちょうど余りのカードも持ってきてるし」

 

「はぁ〜〜」

 

「もしくは携帯で何か調べるかな?」

 

「はぁ〜〜」

 

『そんな事より隣の方を気にしたらどうですか?さっきからため息ばかりついてますよ』

 

「・・・・・それもそうだな。よし」

 

ベッドから降りて、隣のベッドのカーテンを開ける。中には小等部らしき眼鏡を掛けた茶髪の男の子が肩を落としていた。

 

「はぁ〜・・・・・・」

 

「どうしたんだ?さっきからため息ばっかりついて。そんなにため息ついていたら良い事が逃げて行くぞ」

 

「えっ・・・・・でも僕、元々運が無いし・・・・・今日だって朝、階段で転けて捻挫してしまって・・・・」

 

「う、う〜ん・・・・・そりゃ気持ちの問題じゃないのか?」

 

「気持ちでしたらいつも良いようにと心掛けています。でも昨日の学年合同での実技デュエルでも運に見な離されました」

 

「?昨日のデュエルで何かあったのか?」

 

「僕、ここ最近で一番の手札だったのに相手のライトロード使いに5回も1ターンキルを」

 

「・・・・・・・・・・・・(まさかな)それは仕方ない」

 

ライトロード使いで1ターンキルを5回連続で成功させるなんてアカデミアで龍可しかいないな。いや、絶対に龍可だろう・・・・

 

「あ、あのね。もしかしたら俺、そのライトロード使いの子を知っているんだけど・・・・」

 

「えっ?龍可さんをですか?」

 

「(やっぱ龍可だったか・・・・)あの子もね、最初はちょっと後ろ向きだったんだよ」

 

「そうなのですか!?とてもそんな風には」

 

「俺がね色々と言ったんだよ。『好きなカード・好きな戦術で好きなようにデュエルをすれば良い』って。そうすれば自然と強くなっていくんだよ。運もそのうち良くなっていくんだ」

 

「好きなカード・好きな戦術・・・・・」

 

「まぁ・・・・・・・あっこまで化けるとは思わなかったが」

 

「えっ?」

 

「龍可がライトロードを使ってからというものの、誰もが1ターンキルとオーバーキルを受けているから」

 

「そ、そうだったのですか・・・・じゃあ僕の5回の1ターンキルも」

 

「日常茶飯事。そんなに気にしなくていいよ」

 

むしろあれは本気で対策をしないとボコボコにされてしまうからな。5回だけで済んだのがむしろ良いよ。龍亞なんか1日に20回近くの1ターンキルを決められた時があったから。あの時は手札が恐ろしかったな。毎回初手に援軍とソーラー・エクスチェンジがあるんだから・・・・・・

 

「でもさすがに5回も1ターンキルをされたのはちょっとショックで・・・」

 

「なんだったらデッキ改造してみる?俺の余っているカード譲るけど」

 

「い、いいですよ!!」

 

「いいよいいよ。使われていないカードも使われた方が嬉しいからね。じゃあデッキを改造してみますか。え〜と・・・・・・名前聞いてなかったな」

 

「僕、成田恭輔って言います」

 

「恭輔ね。俺は遠藤遊輝」

 

「え、遠藤遊輝!?!?アカデミア五剣士の一人でエクシーズ使いの《星の<魔術師:マジシャン>》って言われている!?」

 

なんだその厨二病みたいな呼び方は・・・・・・そういえばレミはフォーチュン・カップでMCに紹介される時に《龍の姫》って言われていたような・・・・

 

「・・・・・ちなみに聞くけど他の人は何て呼ばれているの?」

 

「葵さんが《龍の姫》、遊城さんが《大地の戦士》、小野寺さんが《水の先導者》、水野さんが《雷の天使》です」

 

うん・・・・・・皆も厨二病みたいな呼び方を付けられているんだ・・・・・・ていうか誰がそんなダサい呼び名を付けたんだよ・・・・・・

俺がそんな事を思っているのを分かっているのか分からないのか、恭輔は嬉しそうに自分のデッキをベッドの上に広げた。

トラパートに切り込み隊長、ガントレット・ウォリアーに大地の騎士ガイアナイトか・・・・・

 

「ふ〜む、戦士ビートか・・・・」

 

「はい。戦士族モンスターはカッコいいのが多いので!!」

 

「そうそう。そんな理由でも好きなカードを使っていくんだよ。さてと・・・・どう改造するかだな・・・・」

 

チューナーは2・3枚だけか。でもこの子のデッキにはシンクロモンスターはガイアナイトだけだから無理にチューナーを増やさなくてもいいか。となると・・・・・・・あれか。

 

「ちょっと待てよ。確か今日はあのカテゴリーのカードを・・・・」

 

いつも入れているデッキケースとは違うデッキケースをベルトから抜き取り、さらに制服の内ポケットに入れてあるもう一つのデッキケースも手に取る。

「そ、そんなに沢山持っているのですか!?」

 

「うん、改造したい時に好きなように改造出来るようにね。え〜と、この辺に・・・・・あったあった。これなんかどう?戦士族だし」

 

「・・・・・これいいですね!!カッコいいですよ!!」

 

「そうか。じゃあそのデッキを元にここにあるカードで改造していこうか」

 

「はい!!」

 

それは始まりの言葉とし、ここからおれと恭輔はデッキ改造に集中する。「これなんかどう?」「いや、これよりかはこっちの方が」「やっぱりこっちの方が・・・・・」

こんな感じであっという間に時間が過ぎて行き・・・・・

 

「で、出来た・・・・・」

 

「お疲れ様。なかなか良い感じにはなったと思うよ」

 

「ありがとうございます!!」

 

「いいよいいよ。さて、あとは試運転だが・・・・・俺とやるか?」

 

「はい!!遊輝さんとデュエルしたいです!!」

 

「良し。今何時だ・・・・・・12時6分。あとちょっとでチャイムがなるな。よし、デュエルデスクを取りにいこう」

 

「僕、デュエルデスクは持ってます」

 

「そうなんだ。じゃあ俺だけか。え〜と、ここのカードをデッキケースに戻して・・・・じゃあ俺の教室に付いてきてくれる?」

 

「分かりました!」

 

ベッドのそばにある靴を履き、先生にお礼の言葉を言って保健室から出る。じゃあ教室に・・・・・ちょっと待てよ。

 

「どうしたのですか遊輝さん?早く教室に行きましょう」

 

先に歩いていた恭輔が俺に気づき後ろを振り向く。確かにこっち行ったら教室に付くんだがすれ違いがあるんだよな・・・・

 

「ちょっと待ってくれ・・・・・悪いがこっちから行こう」

 

「何でですか?そっちから行ったら遠回りですよ?」

 

「いや、今回はこっちじゃないとダメなんだ」

 

恭輔の手を握って無理矢理教室とは反対の方に行く。そうしないと何かあいつらにあって俺の命が終わりそうだから・・・・・・

 

キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン

 

 

遊輝 side out

 

 

奏 side

 

 

「それで今日の練習はどうするの?」

 

「遊輝があの調子じゃ全体練習は来週に持ち越しだね。今日は一応、フリーということにしましょう」

 

「助かった・・・・・俺、BUMPの曲のドラム譜覚えていなかったから」

 

「まだ覚えてないの!?アカデミアデュエル大会が終わって3週間経っているのよ!!」

 

「無茶言うなよ!!あの曲以外と難しいんだから!!」

 

お久しぶりね、奏よ。

帰りのSHRが終わり、皆で遊輝の様子を見に行く途中なの。

 

「海外公演でBUMPの曲やるの!?【天体観測】!?」

 

「それは秘密だよ龍亞君」

 

「ちえっ、軽音部のコンサートのセットリストってほんと教えてくれないな〜」

 

「仕方ないよ龍亞。バレてしまったら私達の楽しみも無くなってしまうよ」

 

「そ、そうですね。当日に曲を教えてもらう方が楽しいですね」

 

私達4人とさっき小等部によって龍亞君と龍可ちゃん、そして祈ちゃんも一緒に保健室に向かう。

 

「でも遊輝もあんな一日の過ごし方をしなくても良いのに」

 

「平日の間はホワイトとブラックはダイヤ達に任せればよかっただろ?」

 

「どうしても自分でやらないと気が済まないみたいで・・・・」

 

「遊輝だったらあり得るわね。責任感が強くてちょっと頑固だから一度決めたら最後まで自分でやってしまうからね」

 

「そうかな・・・・・・家だったらいつもブラックとホワイトのわがままを聞いている親バカみたいなんだけど」

 

「それは遊輝の子守りをしている時の顔ね」

 

「それはそうと・・・・・・何で祈もいるんだ?」

 

スバルが私の後ろにいる祈ちゃんを見て不思議そうに言う。

 

「わ、私も遊輝さんの事が心配で」

 

「そうか。あいつも色んな奴に迷惑を掛けているな」

 

「(あんたも迷惑を掛けているよ。鈍感2人目)」

 

「(何で祈ちゃんのアプローチに気づかないのよ!?)」

 

「な、なんでそんな恐い目で睨むんだよ・・・」

 

レミと響が冷たい視線で睨み、怯えるスバル。うん、完全にスバルが悪い。

 

「やっと保健室に付きましたよ」

 

「いつもいつもそうだけど保健室の場所が遠すぎるよ」

 

「仕方ないよ響。怪我人が多いのは体育の時だから、グラウンド側に保健室にないと急いで治療出来ないんだから」

 

「失礼しま〜す」

 

龍亞君を先頭にして順々に入っていき遊輝のベッドの前に止まる。

 

「何でカーテンを閉めているのだろう?」

 

「あれだよ。遊輝がぐっすりと眠れるようにと先生が閉めてくれたんじゃないの?」

 

「さすが先生ね」

 

「遊輝〜。ぐっすり眠れた?」

 

龍可ちゃんがカーテンを開け、ベッドを確認する。・・・・・・えっ!?

 

「い、いない!?」

 

「んなバカな!?あいつここで寝ていたはずだろ!?」

 

「で、でもここにはいませんよ?」

 

「さては逃げた!?」

 

「せ、先生。遊輝は何処に?」

 

「遊輝君?あの子なら隣にいた小等部の子を連れてデュエルをしに行ったわ」

 

「な、何だって!?!?」

 

高熱出した人が隣の子を連れてデュエルに行った!?!?なんて非常識な事をやっているのよ!?

 

「やっぱ遊輝が寝ていなかったんだ・・・・」

 

「(正直、あいつがあの後寝るなんて思ってなかったけど・・・)」

 

「それより何処にいるんだろう?デュエルフィールド?」

 

「そ、そこが一番可能性が高いでしょうね」

 

「祈ちゃん、遊輝もバカでは無いからデュエルフィールドみたいな目立つ場所でデュエルをしているとは思えないわ」

 

「じゃあ遊輝は何処に行ったの?」

 

「そう!?!?!?(ビクッ!!!!こ、この殺気は!?)」

 

後ろに強烈な殺気と邪悪なオーラを感じて震え上がってしまう。皆もガタガタブルブルと震えている。後ろを向くと・・・・・・

 

「・・・・私の忠告を無視して遊輝は何処に行ったのかな?かな?(ニコニコ♪♪♪)」

 

超スマイル(目が全然笑ってない)な龍可ちゃんが可愛いしぐさで立っていた。る、龍可ちゃん・・・・・・あなた、何処でそんな恐ろしい技を・・・・・

 

「・・・・レミさん(ニコニコ♪♪♪)」

 

「は、はい!?!?」

 

「実体化の能力、貸して♪♪(ニコニコ♪♪♪)」

 

「だ、だだだ、ダメだよ龍可ちゃん。あ、あああんな危ない事を公共のb「いいから貸して♪♪(ニコニコ♪♪♪)」は、はい!!!」

 

恐怖に負けたレミは直ぐに龍可ちゃんの額に右手を上げて、実体化の能力を龍可ちゃんに渡す。

 

「皆、遊輝を見つけたら直ぐに連絡して来て(ニコニコ♪♪♪)」

 

「「「「「「わ、分かりました!!!!」」」」」」

 

龍可ちゃんの命令で私達は一斉に保健室を出て、全力で遊輝を探し始める。

・・・・・こ、怖い・・・・・・

 

奏 side out

 

遊輝 side out

 

「ヘックション!!!!(ズゥゥ〜)誰か俺の噂でもしてるのか?」

 

まあ多分あいつらだけどここならバレない。いや〜、教室に行く間にあいつらに会わなくて良かったよ。何言われるか分からないからな。

 

「あの〜・・・・・別にこんな森の中でデュエルをしなくてもデュエルフィールドが空いているのに」

 

「いや、こっちじゃないと色々不味いんだ」

 

「そうですか・・・・」

 

今はアカデミアからちょっと離れた所の森の中。デュエルフィールドなんかでやったら目立って龍可にバレる可能性がある。そうしたら・・・・・・・二度目のあの世行きだ(ブルブル)。

 

「じゃあやろうか」

 

「はい!」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 




遊輝「というわけで新しい仲間だよ!!」

恭輔「成田恭輔と言います。よろしくお願いします」

遊輝「恭輔のプロフィール・デッキなどの詳しい情報は次回のデュエル以降に番外編の人物紹介に載せるよ」

恭輔「デュエルも今回にやりたかったです・・・・」

遊輝「まあ何でか知らんがめちゃくちゃ長くなって区切った方が良いと作者が判断してしまったからしゃあない」

恭輔「・・・・そうですね。次回は僕も頑張ります!!」

遊輝「タイトルは【伝説の戦士と最強のOver Hundred No,】次回もよろしくね〜」

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