【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち   作:DICHI

24 / 202
今回は最強カードの紹介がありません。話すこともないのでこのまま話へと行きましょう。


第20話 決戦の準備

遊輝 side

 

・・・・・・・・・・ここは・・・・何処だ?なんかどこかの家のベッドの上にいるな・・・・

 

『気がつきましたか?』

 

目を開けて、真っ先に見えたのが横で座っている擬人化したプラチナだった。プラチナが擬人化しているっていう事は・・・・

 

「ここは精霊世界?」

 

『はい、私たちの家にいます』

 

「やっぱりそうか・・・えっと、あの後どうなったの?」

 

『主はアキさんを助け、氷室さん達に託しましたが上からがれきが落ちて、マスターはその下敷きになりました』

 

「・・・それって大丈夫なの?」

 

『幸運な事に、ジャックという人が主を直ぐに助けましたから命に別状はありませんが、頭に当たってしまったので現実世界では今だに意識を失った状態です』

 

「そうか・・・・皆に迷惑を掛けちゃったな・・・・それで何で俺は精霊世界で目覚めたの?」

 

『ダイヤが主に話したい事があるみたいですので、マスターの精神だけをこちらの世界に送りました』

 

「・・・・・・・精神って送るものなの?」

 

『あまり深く考えない方が良いですよ』

 

そうですか・・・・取り敢えずベッドから出てダイヤに会わないと。

俺はベッドから出ようとする。けど、プラチナに止められた。

 

「?どうしたんだ?」

 

『無茶はされない方が良いです。がれきが落ちてきた時に左足の骨が折れましたよ』

 

「えっ、マジ?でもあれは現実世界の話でしょ?」

 

『精神を送ったと言っても現実世界と精霊世界の違いはありません。唯一違う事は、この世界でのデュエルは現実にダメージを受ける事です』

 

へぇ〜、そうなんだ。ちなみに左足は・・・・うん、動かないね。これじゃ止められてもしょうがないな。

どうしよう・・・・・・・・また龍可に怒られるよ・・・・

 

『あっ、マスター♪』

 

『ようやく気がつきましたか』

 

『きゃっ!』 『キャッ!』

 

扉が開いて、パールとダイヤ、ブラックとホワイトが部屋に入ってきた。ブラックとホワイトは俺を見た瞬間に胸に向かってダイブしてきたので、倒れながら受け止めた。・・・・・うん?ようやく?

 

「ダイヤ、俺ってどのくらい寝ていたの?」

 

『現実世界での時間で2日間です』

 

「・・・・・・・マジかよ」

 

完全に俺の命がやばいよ・・・俺、天国に行けるかな?

 

『マスター、そろそろ話してもいいですか?』

 

「あ、あぁ、そういえばそうだったな。いいよ」

 

『シークレットシグナーの試練の時期が近づいてきました』

 

「・・・・・・・俺は今日何回マジを言えばいいの?」

 

何でこんな大事な時に試練なんか受けなければいけないんだよ・・・・

 

『一度レミさんにも伝えなければならないので、このまま現実世界に戻りましょう』

 

「俺だけこの世界に残るという案は?」

 

『ありません。男でしょ?覚悟を決めてください』

 

「それって言い換えれば、死ぬ覚悟をしてくださいって事だよね?」

 

『じゃあ戻るよ〜』

 

俺の言葉を聞かずに、パールが魔法陣を作り俺たちを囲んで光に包まれた。

 

 

ー(病院)ー

 

 

う〜ん、またベッドの上か・・・・

周りの景色から推測すると本当に病院にいるみたいだな。周りにベッドがあるし、左足に包帯が巻かれているし・・・松葉づえがあるから、一応歩く事は出来るのか。じゃあ早速レミの所にでも『ドカーン!!』・・・・何の騒ぎだ?ここ病院だぞ?取り敢えず行ってみるか。俺は松葉づえを使って病室を出て、爆発が起きた部屋に向かう。

 

 

〜(移動中)〜

 

 

・・・・・ここかな?この部屋が1番大きくて、病院の中でデュエルができたから、早速入るか。

 

「止めて!パパを傷つけたくない!」

 

部屋に入って聞こえたのがアキさんの声。アキさんが大声で叫ぶと、ブラック・ローズの攻撃が男性の目の前で止まった。あ、このデュエルだったのか、もうここまで来たのか。見たかったな〜。

 

「初めて・・・・・力をコントロールできた・・・・・」

 

そりゃ、いままで自分を苦しめてきた力が制御ができたからな。驚くのも無理はないか。

 

「遊星・・・・・終わらせて、このデュエル・・・・・」

 

アキさんの言葉に頷いた遊星が伏せていた最後の伏せカードを使う。

 

「リバースカードオープン!罠カード、シンクロ・ヘイロー!シンクロモンスターが相手モンスター1体を破壊出来なかった時、そのシンクロモンスターの攻撃力を2倍にしてもう一度バトル出来る!」

 

・・・・・なんとまあ使いがっての悪いカード。戦闘で破壊できない状況ってなかなか難しいぞ・・・

 

「今こそ魔女の呪縛を打ち破れ!スターダスト・ドラゴンでブラック・ローズ・ドラゴンに攻撃!響け!シューティングソニック!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500→5000

ブラック・ローズ・ドラゴン 攻1200 (ガード・ヘッジ 効果)

 

アキ LP 3500→0

 

スターダスト・ドラゴンがブラック・ローズ・ドラゴンに攻撃をして、遊星の勝利でこのデュエルは終わった。

デュエルの後、アキさんが両親と和解した。

 

「やっぱりこの印は仲間と繋ぐ絆の痣だよ」

 

龍亞が自分の痣を見ながら言った。

 

「そうだね。この痣は仲間との絆の証だね」

 

「皆この痣によって引き寄せられていく。そして仲間になっていく。忌むべき印ではない」

 

「そうだな。だから俺たちがこうしてここに集まっているからな」

 

「遊輝!?いつ目覚めたの!?」

 

「さっき目が覚めたよ。迷惑掛けてしまったな」

 

龍可の言葉で皆が一斉に俺の方に向く。今ここにいるのは、デュエルをしていた遊星とアキさん、そしてアキさんの両親と龍亞・龍可、ジャックさらにレミもいる。

 

「レミは何でここにいるの?」

 

「あんたが意識不明だっていうから、お見舞いに来たの。そしたらアキさんと遊星さんがデュエルをしてたからここで見ていたの。でもその様子だと心配なさそうね」

 

「あぁ大丈夫。左足が骨折していたのは計算してなかったけど、一晩で治るでしょ」

 

「・・・・・あなた準決勝の時に戦った・・・」

 

「はい、正式な自己紹介はまだでしたね。俺は遠藤遊輝、訳あって今は龍亞と龍可の家で居候の身です」

 

「遊輝、挨拶が固いよ。それに居候じゃないよ。俺たちの家に住んでいるのでしょ」

 

アキさんに自己紹介をしていたら、龍亞に突っ込られた。この場合、居候であっていると思うけどな。

 

「そう、あの時はごめんなさい。あなたを傷つけてしまって」

 

「別に気にしなくてもいいですよ。こうして無事にいますから」

 

アキさんが謝ってきたので、俺は片手をだして左右に振る。

 

「さてと・・・・・遊輝!」

 

龍可が大声で叫んだので、龍可の方に向くと・・・・・

 

「お話しよう(ニコッ♪)」

 

ビクッ!!

こ、これは・・・・・やばい!

 

「あれだけ身体を動かしたら駄目って言ったのに、また骨折したね(ニコッ♪)」

 

龍可が一歩ずつ俺に近づいてくる。

俺は本能で「逃げなくちゃ!」と思っているのに身体が動かない。その上、あまりにも怖すぎるので、松葉づえを離して、余計に動けなくなってしまった。

 

「お、落ち着け龍可!話せば分かる!」

 

「だからゆっくり話そうって言っているじゃん(ニコッ♪)」

 

「うっ!(自分で自分の首を締めてしまった!)レミ!龍亞!助けてくれ!」

 

かなりやばい状況なので龍亞とレミに助けを求めた。その助けを求められた人は・・・・・

 

「さあ龍亞君!今から病院の関係者に謝りに行こう!」

 

「そうだね!こんなに騒ぎを起こして部屋をめちゃくちゃにしてしまったからね!皆も手伝って!」

 

「あ、ああ・・・・・」

 

「(いいの?助けてあげなくて)」

 

「(自分の命が欲しいなら見捨てなくちゃいけない時もくるよ。今の龍可は誰にも止められない)」

 

「(そ、そう・・・・・)」

 

「じゃあ遊輝!病院の関係者に謝ってくるから、龍可と二人っきりでおしゃべりしてて!」

 

皆の背中を押しながら龍亞とレミが部屋から出て行った。

・・・・・・・・・これは・・・・・終わった・・・・・

 

「じゃあお話しよう(ニコッ♪)」

 

「・・・・・はい・・・・・・・・」

 

ここから龍可のお話(と言うなの地獄)を見た。どんな内容だって?聞かないでくれ!思い出しただけでも悪夢が頭を巡るから!

1つ言える事は、レミが1時間後に部屋に戻ったら正座をしながら気絶をしている俺を見た事だ。

「あんた骨折しているのにどうやって正座をしたの?」って聞かれたけど、全く覚えていないし、思い出したくもない!

 

 

〜精霊世界〜

 

 

あの悪夢から数日後、病院の騒動の後にシグナー全員でゴドウィンの所に行った。ゴドウィンの館で赤き竜の事、ダークシグナーとの戦いの事を聞いた。基本的には一緒だが、1つだけ原作と違う所がある、龍亞の痣だ。龍亞は龍可と同じ制御装置に2枚同時にカードを飾さなければならない事。つまり2人で1つの制御装置を守る。

俺とレミのシークレットシグナー組はシグナーである遊星たちを守る役目。まあ、伝説だと存在しないシグナーだからな。

 

 

そして俺とレミはシグナーがダークシグナーと戦う前に精霊世界に行って先に試練を受けようということになったからパールの力で精霊世界にきた。現実世界の時間でいうと、皆がサテライトに行く前だ。それで、ダイヤたちの家で準備をしてこれからエンディミオンに向かうところ。

 

 

ふぅ〜、長い説明だな。うん?左足の骨折はどうしただって?だから骨折は一晩で治る怪我だよ。

 

『マスター、そろそろ出発の時間ですよ』

 

「そうか、じゃあブラック・ホワイト行くか」

 

『きゃっ♪』 『キャッ♪』

 

ブラックが俺の左肩、ホワイトが右肩に乗るのを確認したら、家を出る。既に外にはパールとプラチナ、レミ、レミの頭に乗っているファランクスと後ろにレミのシグナーの龍であるフェザー・ウィング・ドラゴンがいた。

 

「で、どうやって行くの?」

 

『飛んで行きます。エンディミオンはこの街から500キロ先にあります』

 

「500キロ!?そんなに離れているの!?」

 

『ですから飛んで行くのです。マスターはプラチナに乗ってください。私たちもプラチナに乗ります』

 

『レミ様は私に乗ってください』

 

俺とダイヤ、パールはプラチナに、レミはフェザーの上に乗る。

 

「すげぇ・・・・・ドラゴンの背中の上に乗ってるよ・・・・・」

 

『それでは行きますね』

 

『しっかりつかまっていてください』

 

プラチナとフェザーが翼を広げ、飛び立つ。あっという間に街が小さく見える。

 

「フェザー、街につくまでどのくらいかかるの?」

 

『約2時間ぐらいです』

 

2時間で着くのか・・・・・2時間!?

 

「ちょっと待て!ていう事は時速250キロで飛ぶということだよな!?俺たち飛ばされるよ!」

 

『その心配はありません。周りを見てください』

 

プラチナに言われ周りを見ると、何かが俺たちを囲んでいる。

 

『そのバリアがあるのでレミ様たちは飛ばされるという事はありません』

 

良かった・・・・・となると2時間もどうやって暇潰ししようかな?

 

「ねえ遊輝、せっかくだからあんたが前に生きていた世界の話をしてよ!」

 

レミが突然こんな事を言って来た。

前世の話か・・・・・まあ暇潰しにはなるな。

 

「じゃあ俺の前の世界のデュエルの話をしようかな」

 

「この世界とは違うの?」

 

「全然違うよ。まずソリッドビジョンなんて無いからね」

 

「ソリッドビジョンが無いの!?」

 

「あぁ、俺のいた世界は机の上でデュエルをしてたからね」

 

「それって迫力がなくてつまらないんじゃ・・・・・」

 

「確かにこの世界の人から見たらつまらないかもね」

 

愛想笑いをしながらレミに返した。

実際、この世界で龍亞と初めてデュエルした時、龍可に冷静なプレイングとか言われたけど、内心ものすごく喜んだからね。

 

「後は・・・・・カードの価値観だね」

 

「カードの価値観?」

 

「そっ、例えばこの世界でブルーアイズの値段はいくらぐらいだと思う?」

 

「ブルーアイズ?そんなの最低でも数百万はするでしょ。伝説のデュエリストだった海馬瀬戸が持っていたのだから」

 

「そうだろ。ところが前の世界だとブルーアイズは100円単位で買えるんだ」

 

「嘘でしょ!?伝説のカードが100円単位なんて!」

 

「ほんとほんと、むしろドラグニティのシンクロモンスターの方が高いよ。ヴァジュランダなんか1000円は超えるから」

 

「・・・・・ちょっと嬉しいわね」

 

「それと神のカードも売っているよ」

 

「神のカードって、あの【オシリスの天空龍】【オベリスクの巨神兵】【ラーの翼神竜】?」

 

「そっ。ここの世界と効果は違ったけどな。

 

ラーの効果を見た時に「これはないだろ」っと思ったのはいい思いでだな。

 

「・・・何かこうして聞いていると、あんたの生きていた世界は何でもありそうだね」

 

「そんな事ないよ。こっちの世界にあって、前の世界にないカードなんていっぱいあるよ」

 

天の落し物とか、パワーツールの/バス、基本的に強すぎてOCG化できなかったけどね。

 

「へぇ〜、ねぇもっと詳しく聞かせて」

 

「いいよ」

 

俺とレミは、前世の話を交えながらデュエルの事を話した。時間はあっという間に過ぎていき・・・・・

 

『着きました。ここが試練を受ける場所です』

 

プラチナとフェザーが地面に降り、俺たちはプラチナとフェザーから降りる。

目の前には、神秘の力を感じる門があり、周りにはたいまつがある。

 

「ダイヤ、ここって本当にエンディミオンなの?」

 

『正確に言いますと、エンディミオンから少し離れた所にある山の中です』

 

「なるほどね。それで俺たちとデュエルする相手は?」

 

『目の前にいます』

 

ダイヤに言われて俺は門の方に向くと、黒いコートを着た暗い感じの人が2人立っている。

 

『1人ずつデュエルをして、あの試練が用意した幻影に勝てたらシークレットシグナーの能力を授かることができます』

 

「OK、どっちが先に行く?」

 

「私が行くわ、早く能力を授かりたいし」

 

「じゃあ俺は後だね。頑張れよ」

 

「もちろん!」

 

俺はダイヤたちとある程度離れ、レミが幻影に近づく。幻影の1人が前に出ると周りに白い幕が張られた。

邪魔ができないようにするためだな。

 

「さあ行くよ!」

 

「デュエル‼」 「デュエル・・・・・」




レミ「ブルーアイズが100円単位だなんて信じられないな・・・・・」

遊輝「あっちの世界はレアカードというより役に立つカードの方を皆が欲しがるからな。例えば・・・・強欲で謙虚な壺とか」

レミ「あれって特殊召喚止まるでしょう?だから使いずらい感じがするのだよね」

遊輝「ところがどっこい、特殊召喚多用するデッキでも、あのカード入れた方が結果的に良く回るんだよ」

レミ「ふ〜ん」

遊輝「次回は俺とレミの試練だな」

レミ「【シークレットシグナーの試練】次回もよろしく!」

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