【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち 作:DICHI
まさか3年連続で文化祭のネタが続くとは思わなかったな・・・・
遊輝 side
「おいおいおい・・・・・去年の前夜祭じゃこんなに屋台は並んで無かっただろ。いくら何でも多過ぎだ」
「焼きそば、フランクフルト、たこ焼きに綿あめ〜〜♪」
「・・・・・・そんなに食べたら太「それ以上言ったら身体の関節を曲げちゃいけない方向に曲げるわよ」ハ、ハイ・・・・・」
文化祭の前日、つまり前夜祭。一昨年までは生徒会の一部の人たちによるパーティーのみだったが、去年からに引き続き俺たちのバンドの2days公演の初日として選ばれた。まぁ詰まる所、これを文化祭の開催として使おうとしている。去年と違って今年は会場となるアカデミアの前に出店が増えたのが気がかりだが・・・・
『そりゃ去年は突然の発表だったから、行政側が土地の貸し借りを許してくれなかったからね。今年はツアー最終公演をやるって元旦に前もって言っていたから、そういう人たちが押し寄せてきたのよ』
っと、レミ談。要するにお客さんがたくさん来るから商売しようと言うことだ。
「んで、何で俺は朝早くからこんな変装をしてお前のお供をしているんだよ」
「祭りだよ祭り!私初めてなんだから!!お供してくれないと!」
「いや、あのな・・・・まだ朝の9時でほとんどの店始まってないんだが・・・」
サングラスを掛けている俺にアリアはピョンピョンと跳ねて前へ走りした。
「あっ!!ベビーカステラやってる!!これ買おう!!」
「お前さぁ・・・・朝飯をついさっきばっかみたいに食っているのによく食べれるな」
「遊輝ちゃんの料理が美味しいからね!そこから胃袋鍛えられたんだから!」
「あとで腹壊しても知らねぇぞ。それはそうと何で俺はサングラス掛けなきゃ行けないんだ?」
「だって変装していないと周りが騒いで面倒臭いでしょ?ライブ当日にアーティストが屋台をウロウロと」
「お前が無理矢理連れ出したんじゃないか。確かに集合は午後だけどさ」
「それと朝早くから連れて行かないと龍可ちゃんが付いてくるし」
「・・・・・・・結局それかよ」
昨日、龍可と龍亞のクラスは文化祭の準備に手間取ったらしく帰ってきたのが夜の9時も回っていた。そのまま二人でご飯を食べて、お風呂に入ってすぐに熟睡だ。俺たちが出て行く時間帯にはまだ起きてすらいなかったから、置き手紙をして出てきた。
「毎度あり」
「んん〜〜!このフワフワの食感がたまらない〜!遊輝ちゃんも食べる?」
「朝飯食ったからいらねぇよ。第一、ライブ終わるまであんまり食べたくない」
「変わってるわね〜、普通は体力つけるために食べるでしょ」
「横っ腹痛くなるから、食っても少食程度だ」
昔からご飯を食べた後、1〜2時間くらいは横っ腹が痛くなる。それに身体が重く感じてあんまり動けない。だから運動やスポーツする前にはあんまり食べたくないのだ。
「あっ!ねぇねぇ!!焼きラーメン!!あれも食べよう!!」
「本当によく食べるな!?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あれから2時間くらい、とにかく食べれるだけ食べたアリアは満足気に一度家に帰った。俺はすでに楽器や荷物を部室に置いていたので、部室へと行く。すでに中にはレミと響、奏の3人が入ってご飯を食べていた。
「う〜〜す」
「おはよう〜〜」
「おはよう〜、ご飯はそこにあるから」
「いらな〜〜い」
「いらないって・・・・あんたはいつも通りね。さすがに食べなさいよ」
「横っ腹痛くなる。この後すぐにリハだし」
「食べ過ぎなきゃ大丈夫よ。それか野菜だけ食べて」
執拗に何かを食べるように迫ってくる。気持ちは分かるがやっぱり動く前だから食べたくない。
「おはよう」
「おはよう〜」
「おはよう、二人が最後よ。って言うわけで何か奢ってね」
「えぇ・・・・勘弁してくれよ。今月お客が来なくてピンチなんだから」
「あんたの事情なんか知らないわよ」
俺のすぐ後に入ってきたスバルと茜、最後に来たので何か奢るように催促する響、全くもっていつも通りの光景だ。なんかもう・・・流石に何回もやっていたら新鮮味が無くなったな、特に今年は。
「もうすぐスタッフさんが来てリハが始まるから着替えるんだったら早めに着替えてよね」
「は〜〜い」
「俺は・・・・このままでいいか」
カバンを置いた茜とスバル、茜は着替えのために一度部屋から出て、スバルはカバンの中からバチを取り出してエアドラムをする。
「1曲目はホールの曲からだな?」
「そうよ。あれから入っていくわよ」
「お前そんな事聞かなくても俺から合わせるんだろうが」
「皆さん、リハーサルに入ります。ステージに上がってください」
部室に入ってくるスタッフさん、それを見て全員が椅子から立ち上がる。さてと・・・・今日、明日で長かったツアーも終わるんだ。もうひと頑張りしますか。
「ところで遊輝」
「ん?何だ?」
「何でサングラスを掛けているの?」
「あっ・・・・・・・」
そうじゃん、サングラス掛けっぱなしじゃん・・・・・・まぁいいや。
遊輝 side out
龍可 side
「んん〜〜!!やっぱここのたこ焼き美味しい!!」
「・・・・・・あれ何品目?」
「恐らく、もうとっくに二桁はいってるかと・・・・・」
「た、たしかアリアさん。朝からお昼に掛けても屋台で食べていたって・・・・」
「・・・・・無自覚なのが恐ろしいわね」
私たちの前で嬉しそうにたこ焼きを頬張っているアリアさんを見て、コソコソと話す。あの人、あんなに大食らいだったかな・・・・そう言えば精霊世界に拉致されたその日も確か角煮を3kg以上食べていたわね・・・・
「・・・・大食いの人達ってなんで太らないんですかね?」
「確かに・・・普通あれだけ食べたらすぐに体重が増えるのですが・・・」
「君たち、そこでなにを話しているの?アリアさんに対して失礼な話をしていたらすみれさんお手製の特性イタズラチューブを鼻に突っ込んであげるわよ」
「「「「ごめんなさい!!!」」」」
振り向いてアリアさんが私たちに脅しを掛けてたのですぐに謝った。口元にはソースや青海苔が付いているが何も言いません。これ以上言って二次被害を受けるのは被りたいです。
「そ、それにしてもアリアさん、もうそろそろ行きましょう。中に入るまでに時間が掛かりますから」
「う〜〜ん・・・・仕方ない。あのりんご飴で締めにするか」
・・・・・・本当に良く食べるわね、この人。最初に会った頃とイメージがガラッと変わった・・・・・・
りんご飴を食べ終えたアリアさんを連れてアカデミアのライディングコースに向かう。去年同様、そこにステージが建てられていた。去年と違うとこはメインステージから伸びるセンターステージが付けられたことくらいだ。
「お〜〜、大きいわね〜〜。前に見たアリーナとは規模が違うわね」
「収容人数7万人ですから、ね」
「これだけ大きいステージの目の前の席を取ってくれるなんて太っ腹ね!」
それはまあそうね・・・・・今じゃ遊輝達のバンドの席を取るのはかなりとまでは言わないけど最初の頃と比べると難しくなってしまっている。特にアカデミアの文化祭で行われるライブは・・・・・
『お待たせしました。まもなく開演いたします』
パチパチパチパチ!!!!
女性の人の声が会場全体に響き渡り、拍手が沸き起こる。ステージ、観客席の照明が落ちてメインステージの巨大スクリーンに映像、そして周りのアンプから大音量の音楽が流れ始める。
♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
ゆっくりとした音楽にスクリーンに映っているのは一人の女性。夜、何も無い、草原、そこにポツンと立っていた一人の女性。本当に何もなく、風がザザーと吹いて草原が揺れる。女性は草原に寝転がって星空を見上げる。周りにビルは愚か建物の一つもない星空はキラキラと輝いていてとても綺麗だった。
・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
『・・・・・この星の鼓動、これが私が探し求めていたもの・・・・』
女性の目に映っている星、その星から不思議な音が聞こえてくる。コツンとしたぶつかる音ではなく、まるで星自体が楽器のように周りにある星と共鳴して一つの音を作り出していた。
『この星の煌めき、この星のドキドキ、そしてこの星の鼓動・・・・・・みんなに感じてもらいたい・・・・あの星の鼓動のように・・・・・』
♪♪〜♪♪〜♪〜〜〜♪〜〜〜
パチパチパチパチパチパチ!!!!!!
スクリーンの映像が終わり、SECRETのメンバーがステージに上がって来た。照明が消えて見えにくい状態でも六人の人影が楽器の前に移動したり楽器を受け取ったりしている。そして、ギターの遊輝が一人前に出てきた。それに合わせてスポットライトが遊輝に当てられる。
♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
スクリーンの途中から流れていた音楽と遊輝のギターソロ、この二つが奏でる音楽は深く私たちの心に刻まれていく。星の鼓動、それを表すようにゆっくりとした調でギターソロは続けられた。
♪♪♪〜〜〜・・・・・
パチパチパチパチ!!!!
♪・♪・♪・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
「ウッ!!」
バーーーーン!!!!!
『オオオ!!!!!!』
ギターソロが終わり、観客が拍手する。次にスバルさんがシンバルを叩いてカウントを取り、最初の曲のイントロが始まる。一番の盛り上がる場面で奏さんの雄叫びとステージの照明が一気に灯された。さらに同時にステージの前にある仕掛けが作動して大きな爆発音が会場全体に響き渡った。
1 It's show time! 【B'z】
2 未完成行進曲 【ONE OK ROCK】
3 Emotions 【MAN WITH A MITTION】
♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
『ワアアアアア!!!!!!!』
パチパチパチパチパチパチ!!!!!!
曲が終わって観客は歓声と拍手が沸き起こる。遊輝やレミさんはギターとベースを変えて、奏さんはマイクをマイクスタンドに付けてスタッフからエレキギターを受け取った。
「ありがとうございます。えぇ・・・・今日はSECRETのLIVE Fesに来ていただきありがとうございます」
パチパチ
『奏さ〜〜ん!!!』
『遊輝さ〜〜ん!!!』
「ええと・・・今年もまたアカデミアの文化祭の時期が来て、去年に続いて2dayのライブを行うことが出来ました。これは私たちの力ではとても出来ず、スタッフさんのお力、そして何よりここに来てくださった皆さんの声援のおかげです。本当にありがとうございます」
パチパチパチパチ!!!!
「さて、私たち、SECRETは今年の7月から3ヶ月に渡って初めてのツアーというものを行わさせていただきました。それはもう・・・初めての経験だらけです。全く知らない地域に行って、会場もその場所によってバラバラ。ですが、地元の人達や遠くから来た人達の歓声、これは何処に行っても変わらない、暖かいものでした」
「えぇ・・・・・その中でアンコールとして初めて、アニソンだけのセットリストと言うのを組んでみました。そんなわけでそのツアーの中で人気の高かった曲を続けてやります」
パチパチパチパチ!!!!!
ギターのチューニングを軽くした奏さんは後ろに振り向いてドラムのスバルさんに合図を送る。
♪・♪・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
『オオオオオ!!!!!』
♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
スバルさんのドラムから始まり、奏さんが振り向いてギターのイントロから始まる。
4 God knows 【涼宮ハルヒ】
5 great escape 【cinema staff】
♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
『ワアアアアア!!!!!』
パチパチパチパチパチパチ!!!!!
「ありがとうございました!」
エレキギターをスタッフさんに預けた奏さんはマイクを手にしてセンターステージへと歩いていく。
「えぇ・・・・続いては同じくツアーで披露したSECRETのオリジナル曲を披露したいと思います」
パチパチパチパチ!!!!
「スバル!!」
「1・2・3・4!!!」
♪♪♪〜〜〜
スバルさんの掛け声とドラムの音に合わせて軽快なキーボードの音が流れる。ギターとキーボード、ベースとドラムによる心が弾むような曲だ。
6 ホップステップジャンプ!! 【オリジナル】
7 Show Time! 【オリジナル】
8 Best friend 【オリジナル】
9 Glory days 【オリジナル】
10 Dreaming 【オリジナル】
11 星の風 【オリジナル】
12 ありがとう 【オリジナル】
♪♪♪〜〜〜
パチパチパチパチパチパチ!!!!
「ありがとうございました」
【ありがとう】という曲が終わって、一度ステージの照明は落とされる。スポットライト一つが奏さんに当たり、奏さんはゆっくりとセンターステージに歩いていく。
「えぇ・・・・去年の文化祭では無かったのですが、今年はツアーからセンターステージを設けてもらったので、せっかくですのでみんなで前に出て何曲かやりたいと」
パチパチパチパチパチパチ!!!!!
奏さんがセンターステージについた頃にはセンターステージだけにライトが照らされていた。そこには5つの椅子とあれは・・・ガボンって楽器だったかな?
「準備が出来たからみんな来て」
先に椅子に座った奏さん、その声に呼ばれて他の5人もセンターステージへとやってきた。スバルさんはガボンに跨いで、響さんはアコーディオンをスタッフさんから手にした。レミさんと茜はさんはメインステージからアコースティックギターを、遊輝はアコースティックギターのようなエレキギターを持ってやってきた。
「せっかくこっちに来たから、いつも知っている曲をちょっとアレンジしてみました。聴いてください・・・・・」
・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
13 トリセツ 【西野カナ】
14 First Love 【宇多田ヒカル】
♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
パチパチパチパチパチパチ
「ありがとうございました。続きまして、遊輝のターンです」
『ワアアアアア!!!!』
パチパチパチパチ!!!!!
奏さんがマイクをセンターステージについさっき置いたマイクスタンドに立てて、暗闇のメインステージへと消えていく。他のメンバーもメインステージの方へと消えていく中、遊輝だけアコースティックギターを持ってセンターステージのマイクスタンドの前に立った。
「えぇ・・・・・ここからは私のターンということで・・・後ろでは他のメンバーが準備をしなくちゃいけないので、私一人で何か一曲・・・」
パチパチパチパチパチパチ!!!!!
「まぁ・・・何をやろうか結構迷いましてね、ツアーの時はオリジナル曲をやりましたが、あまりにも完成度が低いのでヤメになりました」
『エエエエ!!!!』
「嫌だって・・・・メンバー内でもお客さんの反応でもそこまで良くなかったからさ。それを見ているとまだまだだな〜〜って痛感させられました。そんなわけで今回はこの曲をやってみたいと思います」
♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
丁寧に弾いたギターから奏でられる音はゆっくりと会場全体に響き渡る。いつものPOP要素の音楽ではなく、民謡っぽい感じの音が流れる。
15 海の声 【桐谷健太】
♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
パチパチパチパチ!!!!
「ありがとうございました」
歌い終わった遊輝はギターをスタッフさんに預けて、マイクスタンドは別のスタッフさんが片付ける。メインステージに照明が点いて、メンバー全員がポジションについていた。
♪・♪・♪・♪〜〜〜〜〜
メトロノームのような単調の音が流れ始め、その音に合わせて観客が手を上げて叩く。
♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
「ヘイ!!」
『ワアアアアア!!!!』
♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
遊輝の掛け声と共に次の曲のイントロが始まる。その曲のイントロを聴いて観客は大盛り上がり、遊輝はセンターステージからマイクを握りしめてメインステージへと走っていく。
16 PADDLE 【Mr.Children】
17 カルマ 【BUMP OF CHICKEN】
18 シュガーソングとビターステップ 【UNISON SQUARE GARDEN】
19 Hometown 【オリジナル】
20 素晴らしき世界 【オリジナル】
♪♪〜〜〜!!!!
『ワアアアアア!!!!』
「ありがとうございました」
曲が終わり、遊輝は頭を下げる。後ろのメンバーも一緒に頭を下げてその間に楽器を変えていく。
「それでは次の曲、この曲は名曲中の名曲です。正直言って、この曲を演奏するのはすごく難しいのですが、僕らはこの、ツアーの最終公演にどうしてもこの曲をやりたかったので、この曲を選曲しました。えぇ、この曲のテーマは《深き絆》、歳を取っても、離れ離れになっても、一人で見知らぬ土地に言っても僕らの絆は決して、決して切れない、そんな思いがこもっています」
「僕らがこの曲をこの場面で選んだ理由は2年前、この文化祭のライブが実質、SECRETとしての初ライブでした。そこから2年、僕らは本当に色んなことがありました。もちろん、音楽関係だけでなく、今年はWRGPにもこのメンバーで出場して、優勝することができました」
パチパチパチパチパチパチ!!!!!
『おめでとう!!!』
「ありがとうございます。その時、僕らが思うことは、このメンバーで出会えたことは本当に偶然であり、奇跡であると・・・・・そしてこの偶然や奇跡って言うのはこれから先もずっと、ずっとずっと、続いていくんだなと」
「そしてこの奇跡は僕らだけでなく、ここにいる皆さんも一緒です。何故なら、今こうして、こうやって僕らと話していること自体が偶然じゃないでしょうか?」
パチパチパチパチパチパチ
「そんな奇跡をいつまでも、そして僕らとのこの出会いをいつまでも、いつまでも大切にしてほしい・・・・・・そんな思いでこの曲を歌います」
♪・♪・♪・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
『オオオオオ!!!!!!!!!』
スバルさんのドラムのカウントから始まり、奏さんのソロギターが響き渡る。そのイントロを聴いた誰もが歓声を上げて、中には拍手をしたりする人もいた。
♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
21 Brotherhood 【B'z】
『ウイイイイルビイイイイイイイイイオオオオオオオオオオルライトオオオオオ!!!!』
♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!!!
「ありがとうございました!!SECRETでした!!!」
曲が終わって観客の拍手が止まらない中、遊輝は頭を下げる。その間に他のメンバーも楽器をスタッフさんに預けたりしてステージ裏へと下がって行った。
「すっげぇ・・・・【Brotherhood】を歌うなんて・・・・」
「あれは名曲中の名曲だよね。チラホラ泣いている人もいたよ」
「胸に打たれます・・・・最後のロングシャウトもしっかりとやってくれて・・・・」
確かに・・・・私はこの曲を始めて聴いたけどこんなに多くの人を感動させるなんて・・・
パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!
『アンコール!!アンコール!!アンコール!!』
拍手が鳴り止まずにそのまま手拍子へと変わっていき、アンコールの大合唱が始まる。1分ほど続き、メンバーがステージ裏から戻ってきた。
『オオオオオ!!!!』
その姿に観客全員が驚いた。メンバー全員、アカデミアの制服を着ていた。アカデミアの制服を着たライブは2年前の文化祭もあったけど、あの時とは違い今回はキチンと着ていた。遊輝はギターを、レミさんはベースを手にして奏さんはマイクスタンドの前に立つ。
「アンコールありがとうございます」
『ワアアアアア!!!!』
「こうしてアカデミアの制服を着てライブに出るのは始めてだけど・・・・暑い!!!」
『ハハハハハ!!!!!』
「ほんっと、こんなところでYシャツとか着るもんじゃないわよ。それで、アンコール何ですが、私たちは学生バンドとしてずっと前から続けてきました。この学生バンドっていうのは私には特別なバンドだと思ってます。何故ならどれだけ長くてもこうして制服を着てバンド活動をするのは6年だけですから」
「その6年というのはバンドの活動ではすごく短い期間です。だからこそ、学生バンドはこの瞬間を大事に、そして輝きたいと思っています。そこで、アンコールではアニメで活躍した学生のガールズバンドの曲をやりたいと思います」
『ワアアアアア!!!!!』
パチパチパチパチパチパチ!!!
「えぇ・・・・まず最初、このバンドは本当にまだまだ発展途上なんですが、心秘めている思いは誰にも負けていないです。このバンドのヴォーカルは結成当時にこう言いました。『キラキラと輝く星の鼓動を音楽に表したい』っと、スタッフさ〜〜ん」
奏さんのMCの途中、奏さんがスタッフさんを呼ぶ。一人のスタッフさんが一本のギターを持ってやってきた。そのギターを受け取った奏さんは肩にベルトを回してギターを持つ。
『オオオオオ!!!』
そのギターを見て観客は歓声を上げた。奏さんが持ったそのギターは歪な星の形をした赤いギターだった。
「これ分かるの?」
『分かる!!!』
『香澄ちゃんのギター!!!』
「すごいね、本当に分かる人がいたわ(汗)」
『ハハハハハッ』
「これ、すごいお金かかったんだからね。今回のセットリストのために特注したんだから。せっかく、このバンドは歌うパートが分かれているので、私たちも歌うパートを分けてみようと・・・」
『オオオオオ!!』
「歌うよ、みんな歌うよ。レミもスバルも響も、普段はコーラスでしか参加しない人たちも」
『ワアアアアア!!!!』
「それじゃもうみんな分かるよね?今からやる学生ガールズバンド・・・・・【Poppin'party】!!!」
『ワアアアアア!!!!!』
・・・・・♪♪♪〜〜〜
奏さんのMCが終わり、観客が声を上げたところでメインステージの照明が一度落とされてスクリーンに映像が映る。そこに写っていたのは5人の高校生くらいの少女達、浴衣姿を着て、屋台に群がる人混みから抜け出して、そこから裏道に入る。暗い暗い階段を駆け上がると古びた神社が見えて、5人はその神社の裏手に回る。
ヒュ〜〜〜〜・・・・ドーン!ドーン!
神社の裏手に回ると、花火が打ちあがっていた。誰もいない、5人だけのために打ち上げられたと思うような花火が鮮明に映っていた。
・・・・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
スクリーンの映像の花火の音に合わせて奏さんのアカペラが始まる。アカペラが終わるとギターとドラムの音が鮮烈に聞こえ、アンコールが始まった。
♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
22 夏のドーン! 【Poppin'Party】
23 Happy Happy Party! 【Poppin'Party】
24 前へススメ!【Poppin'Party】
25 キラキラだとか夢だとか〜sing girls〜 【Poppin'Party】
♪♪♪〜〜〜♪♪〜〜〜♪♪〜〜〜
『イエエエエ!!!!』
パチパチパチパチパチパチ!!!
「ありがとうございました!」
奏さんが頭を下げる。そしてギターとベースのメンバーが次の曲のために楽器を変えていく。
「それじゃ次の学生ガールズバンドを紹介するよ」
先にギターを変えた奏さん、今度はある意味普通のエレキギターを持っていた。
「このバンドを知っている人は絶対に多いよね。アニメソング史上、私たちの中では伝説と言ってもいいガールズバンド、このアニメが視聴されていた当時、軽音楽ブームまで引き起こし、数々のヒット曲を生み出したバンド・・・・・・【放課後ティータイム】」
『オオオオオ!!!!』
「緩い感じでどこか頼りないのに、音楽を奏でる5人の高校生と不思議と見とれてしまう。・・・・っていうところで紹介は終わって行くよ!!』
『オオオオオオオオ!!!!!』
♪♪!!♪♪〜〜〜♪♪〜〜〜
「3・2・1!!!」
♪♪〜〜〜♪♪〜〜〜♪♪〜〜〜
26 GO!GO!MANIAC 【放課後ティータイム】
27 ぴゅあぴゅあはーと 【放課後ティータイム】
28 ふわふわ時間 【放課後ティータイム】
29 Don't say "Lazy" 【放課後ティータイム】
♪♪〜〜〜♪♪〜〜〜
『ワアアアアア!!!!』
「ありがとうございます!!」
奏さんが頭を下げる。放課後ティータイムの演奏になってからメンバーは楽器を変えずに演奏をしているためアンコールはスムーズに進んでいった。
「それでは最後の曲になります。放課後ティータイムの最後を飾り、今日のライブの最後に相応しい曲だと思います」
♪・♪・♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
30 天使にふれたよ 【放課後ティータイム】
♪♪♪〜〜〜♪♪♪〜〜〜
パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!
「ありがとうございました」
『ワアアアアア!!!!!』
最後の曲が終わり、奏さんが頭を下げる。スタッフさんにギターを預けて、残りの5人と一緒に前に出た。
「本日は本当にありがとうございました!明日もライブがあるから明日来る人は頑張って起きてね」
『アハハハ!!』
「それでは今日はどうもありがとうございました!!SECRETでした!!」
パチパチパチパチパチパチ!!!!!
奏さんがマイクで話した後、6人全員で手を繋ぎ万歳をした状態から下におろして頭を下げた。そして、6人はステージ裏へと下がっていった。
レミ「あっつい!!!」
響「あんな照明がバンバン当たるステージで制服なんか着たくないわね・・・」
霊夢「そんなに暑いの?」
遊輝「あのステージ用の照明はパワーが違うから当たるだけでも暑いんだよ。んで持ってYシャツっていうのがまた熱を貯めやすい素材でな・・・・」
魔理沙「へぇ〜、私には到底関係ない話だぜ」
レミ「でもまぁ・・・次の日のライブでようやくツアーが終わるよ。長かったわ・・・」
遊輝「というわけで次回、【最後の文化祭】。あまりにもデュエルの話が無いからなんかここで入れようとしているらしいぞ」
霊夢「次回もよろしくね」