【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち 作:DICHI
遊星「・・・・龍可が不在だから俺を呼んだのは分かるが、最初に聞いた話の内容と全然違うが?」
いや〜・・・・その話、お蔵入りになってさ・・・・・新しいカードと読者様から頂いたカードを纏めて使おうと思ったら一方的なデュエルになっちゃって・・・・あんまり面白くないんだ。
遊星「確かに、それだったらボツにするくらいの方が良いかもな」
とりあえずお蔵入りっていうことで消去はしていないけどね。新しいカードの紹介は今回の話じゃなくても大丈夫だし、読者様から頂いたカードもこの回に使えば良いし。
もし、面白くなくてもボツの話を見たいという方は作者の活動報告で一言言ってくれたらありがたいです。
遊星「今回の話と言えば、これ、前にも同じよう事をしなかったか?」
あれはね、すぴばるのフリートークから生まれた番外編なんだよ。すぴばる限定でハーメルンだけを見ている人たちは知らないと思ってね。あの話を真面目な方向に持っていったんだ。
遊星「そうなのか」
(・・・・ルーミアかな?)最強カードの紹介に行こう。今回は魔封じの芳香。
遊星「ここ1、2年で急激に見られるようになった永続罠だな。このカードがある限り、お互いのプレイヤーは魔法カードを発動するためには罠カードのように1度セットして、次の自分のターンまで発動する事はできない」
これ以降にセットした速攻魔法も自分のターンが来なかったら、その間の相手のターンにも発動できないよ。また、魔法カード扱いとなるPゾーンはルール上、セットする事は出来ないため、このカードを一枚貼るだけでPモンスターとペンデュラム召喚は封じられるぞ!
遊星「第152話、デュエルスタート!」
スバル side
「お、お待たせしました」
「よっし、じゃあ行こうか。まずはバス停だな」
3月のとある平日、
アカデミアもすでに春休みで、学生は有意義な休みを過ごしている。今日、俺は祈に「水族館に行こう」と誘われたので祈の家の前に来て一緒に行こうと思う。
「水族館か〜、何年振りかな?」
「私も小等部上がってすぐに行ったきりですね・・・・なかなか水族館に行こうとは思わなかったですし」
「そうだな〜・・・・俺も仕事と部活の関係でそんな遠出する機会もないし・・・・今日はとにかく、パァーと楽しもうぜ!」
「は、はい」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「春休みだけど人が少なくて良かったな」
「ちょっと以外でしたね・・・・さすがに平日では行きづらいのでしょう」
バスを乗り継ぐこと1時間・・・
無事に海沿いの水族館に着くことができた。ここの水族館は他の水族館と比べれば大きい方だが、それでも普通の水族館と何ら代わりはない。しかし、シティから一番近くにある水族館なためかなりの集客数を誇っている(とパンフレットには書いてあった)。
今の時期、春休みで人が沢山いて混んでいると思ったが平日だったことが幸いであまり人がいない。チケットを買うために5分ぐらい並んだくらいだ。
「それじゃあ、行こうか。まずは「き、君たち!!ちょっといいか!?」えっ?」
水族館の順路通り、まずはインフォメーションコーナーからエスカレーターで2階に上がろうとした時、後ろからスーツ姿の男性に声をかけられる。男性は走ってきたのか息が上がっている。
「ハァ・・・ハァ・・・」
「あ、あの・・・どうしたのでしょうか?」
「わ、私はこの水族館の副館長なんだが君たちにお願いがあるんだ!」
「お、お願い?」
「とりあえず来てくれないか!?事情はそこで説明する!!」
「・・・・どうする?」
「こ、困っているみたいですし、聞いてみるだけ聞いてみましょう」
「た、助かるよ!!じゃあこっちについてきて!!」
その男性はこの水族館の従業員のものであろう自己紹介用の札を俺たちに見せてくれて、お願いがあると言ってきた。祈にどうするか聞いたところ、聞いてみようという事になったのでその男性の後を歩く。インフォメーションコーナーの中に入り、そのまま従業員専用の通路へと入って『館長室』という立て札がある部屋の前に立った。
コンコン
「館長、副館長の長野です」
「入りたまえ」
ガチャ
「失礼します。例の件で、代わりになりそうな代役を連れてまいりました」
「うん、ご苦労」
副館長という男に連れられて館長室に入る。中は社長室みたいな豪華な部屋じゃなくて、普通の事務室みたいな部屋だ。
「とりあえず君たち、そこのソファに座ってくれないか」
「は、はい・・・・」
館長と呼ばれる少し初老に入ったであろうおじさんが俺たちにソファに座るよう、言ってきたので俺たちはソファに座る。館長は俺たちとはテーブルを挟んだ向かい側の一人掛けのソファに座った。
「突然、こんな事をしてすまない。実は君たちにお願いがあるんだ」
「お、お願いですか?」
「うむ、この水族館は毎日、アシカショーとイルカショーを行なっている。ところが、今日の午前の司会を担当してくれるアルバイトの子が病気でドタキャンをしてしまって・・・・本来なら他のスタッフを配属したいのだが、生憎誰もいなくて・・・・そこで君たちに司会を頼みたい」
「お、俺たちに!?」
「もちろんタダとは言わない。初めてのことだろうし我々も最大限のサポートは約束する。どうか、やってくれないだろうか?」
「・・・・・どうするよ?」
「わ、私は・・・・その・・・・・」
「俺は祈の言う通りにするぜ」
「・・・・こ、困っている人たちを助けたいです」
「よっし、じゃあ手伝おうか」
「本当か!?誠にすまない。今からスタッフを呼んでくるから、今日一日の流れはそのスタッフから聞いてくれ。おい」
「分かりました」
館長が副館長に指示を出して、副館長は館長室から出て行った。数分後、再び戻った副館長の後ろにはウェットスーツを着た二人の若い女性がいた。
「館長、彼女たちがこの子たちのサポートをしてくれるそうです」
「そうか。では君たち、この子たちをしっかりとサポートするように」
「「はい」」
「では君たち。彼女たちについて行ってくれたまえ」
「分かりました」
「よ、よろしくお願いします」
ソファから立ち上がって俺は館長さんに礼をする。一方、祈は二人の女性に挨拶をする。
「よろしくね、私はかえで。こっちのお姉さんはのぞみっていうのよ」
「のぞみよ、よろしくね。よければ君たちの名前を教えて欲しいのだけど」
「わ、私は櫻井祈です」
「俺は遊城スバルてす」
「・・・・・遊城スバル!?!?もしかして君、バンドグループのSECRETのドラマー!?」
「えっ?そうですが」
「うそっ!?ここでSECRETのドラマーに会えるなんて思いもしなかった!!」
「えっ?うわっ!?」
俺の名前を聞いた瞬間、一人の女性が俺の方に顔を寄せて両手を握られた。
「これのぞみ、スバル君が困っているじゃない。ごめんね、この子SECRETのファンなのよ」
「それはありがとうございます」
「ねぇ!後でサインを「のぞみ!!!」・・・・ブゥ〜」
「さぁ君たち、まずはスタッフルームに来てくれるかしら」
「わ、分かりました・・・・」
「す、スバルさん・・・(汗)」
「大丈夫だ・・・」
正直、ちょっと驚いたけど(汗)
ウェットスーツをきた女性二人に案内されて、俺たちはスタッフルームに入る。中は普通に縦長のロッカーがたくさんあり、化粧台やシャワールーム、着替え用のスペースが確保されている。
「じゃあ祈ちゃんだったわね。多少見栄え良くするから化粧をして着替えをするわよ」
「は、はい。よろしくお願いします」
「その間にスバルくんも着替えて先にセリフを覚えてもらいましょう。これが模範用のセリフよ」
そう言ってえっと・・・・かえでさんだったかな?から折りたたまれた紙を渡された。俺はその紙を広げて大雑把に紙に書かれた事を読む。え〜と・・・・・
「・・・・長い(汗)」
「それくらい覚えてもらわないと困るわよ」
いや、それでも長い・・・・これ覚えれる気しない・・・(汗)
「もしあれだったら持っていっていいわよ。お客様の前でカンペを読むのは勘弁してほしいけど」
「そうします・・・・(汗)」
多分、祈とかお客さんの前でテンパってセリフ忘れそうだな・・・あいつ、そういうところあるし(汗)。そう思っている間にここのスタッフ専用の制服に着替えていく。Mサイズにしてもらったけど、ちょっとぶかぶかな気もする。
「お待たせ〜。どう?私の自信作よ」
「ど、どうでしょうかスバルさん」
「うん?よく似合っ・・・!?!?」
もう一人のスタッフに連れられた祈の姿を見見た瞬間、俺の胸がドキッとした。今までの消極的なイメージがあった祈とよく合ったのか、清楚な感じで学級委員長とか務めそうな感じの・・・・大人しさという雰囲気が良い意味で引き立った化粧をしていた。
「?ど、どうしたのですか?」
「い、いや・・・何でもない・・・よく似合っているぞ」
「あ、ありがとうございます」
「祈ちゃんは大人しいイメージの子だからね、より清楚により美しい女の子にしてみたわ」
「さあ祈ちゃん、祈ちゃんもこの紙に書いているセリフを覚えてるもらうわよ」
「・・・・・・な、長い(汗)」
「長いだろ・・・・」
「わ、私、お客さんの前で緊張して忘れそう・・・・」
「大丈夫大丈夫、紙は持っていっていいから」
「そ、そうですか」
「さぁ、そろそろ1回目の公演よ。二人とも舞台裏まで案内するわ」
「「はい」」
女性スタッフに案内されて俺たちはスタッフルームから裏道を通っていき、大きなステージの舞台袖に移動する。もう一歩踏み出せばステージへと出て、お客さんが目に見えてくる。
「音楽がなったらあのプールの端に移動するのよ。ここは滑りやすいから走らなくてもいいわ」
「わ、わかりました・・・・」
・・・・♪♪♪♪♪
「なったわね・・・それじゃ、頑張ってちょうだい!」
「いくぞ祈・・・」
「は、はい!」
音楽が鳴ったので、俺たちはマイクを手に取りスタッフに言われたポジションの前に立つ。会場には観客席の6割ほどのお客さんが座っていた。
「皆さん、こんにちは!!!」
『こんにちは!!』
「本日は当水族館のイルカショーにようこそお越しくださいました!!本日の司会を担当することになりました私、スバルと」
「い、祈です!!皆さん、よろしくお願いします!」
『ワアアアア!!!!!』
「それでは本日の主役に登場してもらいましょう!!」
俺のアナウンスによりプールと水槽を繋げる唯一の水路の扉が開かれて、そこから3匹のイルカがステージのプールにやってきた。
「ま、まずは自己紹介からしましょう!!イルカの皆さん、整列!!」
祈のアナウンスにより3匹のイルカがお客さんの前で顔を出して整列をする。
「皆さんから見て左側がネッシー!」
『ワアアアア!!!!』
「続いてラッキー!」
『ワアアアア!!!!』
「最後にポッター!」
『ワアアアア!!!!』
「そ、それでは可愛いイルカ達のショーを開始します!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「・・・・・・・この後も当水族館で有意義な時間をお過ごしください」
「以上でアシカショーを終了いたします。ありがとうございました!」
パチパチパチパチ!!!!!
最後のショーの挨拶を終わらせて、俺と祈は舞台袖に戻る。そこにはスタッフさんが紙コップにお茶を入れて待っていてくれた。
「ご苦労様でした。これ、お茶です」
「ありがとうございます・・・さすがにずっと喋りっぱなしは辛いな・・・・」
「そ、そうですね・・・・喉が痛いです・・・」
「この後、私服に着替えて館長室にご案内します」
「分かりました」
スタッフさんに案内されて、スタッフルームに戻り借りた従業員用の服を脱いで私服に着替える。着替え終わった後、スタッフに案内されて館長室の前にやってきた。
コンコン
「会長、失礼します」
「うむ、入りたまえ」
スタッフさんが扉を叩いて、中から館長さんの声が聞こえ俺たちは館長室に入る。
「ご苦労だった。座りたまえ」
「はい」
「君たちもご苦労、昼休憩に入ってくれ」
「分かりました。失礼します」
俺たちを連れてきたスタッフは礼をして、館長室から出て行った。館長さんはそのまま一人がけのソファに座る。
「突然、無理難題を言って悪かった。大きな混乱もなく無事に終わって良かった」
「それはこちらも同じです」
「さて、今回の分の報酬なんだが・・・すまないが君たちとは労働条件を結んでないから給料と言うものは払えない。代わりに今日のチケット代の返却と私からある物をプレゼントしようと思っている」
「あ、ある物、ですか?」
「うむ、しかしそれはまだ手元に無くてだな・・・すまないが夕方まで待ってくれないか?ダメだったら後日、発送させてもらう」
「俺たち、ここの水族館に来たので夕方までなら待ってますよ」
「そうか、では夕方になったら副館長から君たちを手渡し、と言うかたちにしてもらおう。この水族館か近くにある広場にいてくれたら副館長が探してもらうように言っておく」
「わ、分かりました」
「今日は本当にありがとう。こんな事でしかお礼が出来ないのは申し訳ないが・・・」
「いえいえ、大丈夫ですよ」
コンコン
「入りたまえ」
「館長、お二人のチケット代をお持ちしました」
「ご苦労」
館長室に入ってきたのは別のスタッフで、手には封筒が2つ握られていた。館長さんはスタッフから封筒を受け取り、俺たちの前に差し出した。
「これが今日のチケット代だ」
「ありがとうございます」
「あ、ありがとうございます」
「私からは以上だ。あとは副館長が来るまで待ってくれたまえ」
「分かりました。それじゃ俺たちも見学に行って来ます」
「うむ、今日は本当にありがとう」
俺と祈はソファから立ち上がり、館長さんに頭を下げて部屋から出る。そのままスタッフルームとは反対側の道を歩き、インフォメーションコーナーへと出る。
「ハァ〜・・・・肩凝った・・・偉い人と話すのはなれないな・・・」
「そ、そうですね・・・・」
「どうする?先に昼飯食いに行くか?」
「そ、そうですね・・・・近くに商店が並んでますからそこに行きましょう」
「それじゃ、まずは再入場の手続きをするか」
再びインフォメーションコーナーに戻って受付の人に再入場の手続きをして、外に出る。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ふわぁ〜・・・これで終わりか。なんか長くなったな」
「そうですね・・・・1時半過ぎから見て今は・・・4時前ですか」
「まだ副館長の姿も見えないし、そこの広場に行くか」
商店が思っていたよりも並んでいたので昼飯を買うのに時間がかかって、水族館の中もゆっくりと見ていたら気づいたら日が傾き始めている。しかし、まだ副館長が来ていないので俺たちは水族館近くの何もない広場へと移動する。
「どうしようかな・・・さすがに広場で昼寝は出来ないし・・・」
「こ、こんな時間に昼寝なんかしたら風邪ひきますよ・・・・・・」
「しないって、う〜ん・・・・・・じゃあデュエルするか?」
「・・・・・そうですね。やることも無いですし」
「よっしゃ!そうと決まれば早速やろうぜ!」
広場の一角を使い、俺は祈とある程度の距離を取る。デュエルディスクを左腕に付けてデッキをセットしてディスクを起動させる。
「それじゃ・・・・やるか」
「はい!」
「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」
スバル LP 4000 祈 LP 4000
「先行は祈に譲るよ」
「ありがとうございます!私のターン!」
祈 手札 6枚
「ジェムレシスを召喚!」
ジェムレシス 攻1700
「ジェムレシスの効果発動!召喚成功時、デッキから《ジェムナイト》モンスターを手札に加えます!私はジェムナイト・ラズリーを加えて、カードを1枚伏せてターンエンドです!」
祈 手札 5枚 LP 4000
【モンスターゾーン】
ジェムレシス 攻1700
【魔法・罠ゾーン】
伏せカード 1枚
「行くぜ!俺のターン!ドロー!」
スバル 手札 6枚
・・・よし、早速新しいカードを使おう。
「フィールド魔法、ヒーロー工場を発動!」
「ヒーロー・・・・工場・・・?」
俺の後ろに大きな『H』のマークがついたシャッターが特徴的な工場が現れる。
「ヒーロー工場は発動時、手札のカードを1枚捨てることでデッキから《HERO》モンスターを手札に加えられる!俺はこの効果でE・HERO エアーマンを手札へ!そして魔法カード、ヒーロー・アライブ!ライフを半分払ってE・HERO シャドー・ミストを特殊召喚!」
スバル LP 4000→2000
E・HERO シャドー・ミスト 攻1000
「シャドー・ミストの効果発動!デッキから《チェンジ》とついた速攻魔法を手札に加えるぜ!俺はマスク・チェンジを加える」
「(いきなり万全な布陣・・・・スバルさんが先行だったら大変なところでした・・・」
「そしてヒーロー工場がフィールドに存在する限り、俺の場の《HERO 》モンスターの攻撃力は500ポイントアップする!」
E・HERO シャドー・ミスト 攻1000→1500
「さらにE・HERO エアーマンを召喚!」
E・HERO エアーマン 攻1800→2300
「エアーマンの効果発動!今回は魔法・罠を破壊する効果を使うぜ!」
「それだったらリバースカードオープン!罠カード、激流葬!」
「げっ!?」
「本当ならもっと展開してから使いたかったのですが、下手に破壊されるくらいなら使った方がマシです」
祈が発動した激流葬によってフィールド全てのモンスターが激流に飲み込まれていき破壊されてしまった。
「ぐっ・・・場にHEROが存在しないからエアーマンの効果を使えない・・・なら、俺はフィールド魔法を張り替える!」
「えっ!?」
「フィールド魔法、摩天楼3ーミラージュタウンーを発動!」
俺の後ろにいた工場はガガガと地震のように揺れながら地面に吸い込まれて行き、代わりにフィールドは住宅街がら夜の摩天楼へと変わる。さらにフィールドには濃い霧が立ち上り、幻想的な風景を醸し出す。
「ミラージュタウンの効果発動!墓地の《HERO 》モンスターを1体ゲームから除外して1枚ドローする!俺はシャドー・ミストを除外!」
スバル 手札 2枚→3枚
・・・・・あっ、こいつは・・・・・ここはこれに賭けよう。
「カードを3枚伏せてターンエンド!」
「が、がん伏せ!?」
スバル 手札 0枚 LP 2000
【モンスターゾーン】
なし
【魔法・罠ゾーン】
摩天楼3ーミラージュタウンー (フィールド)
伏せカード 3枚
「(さ、3枚伏せ・・・だけど私の手札にはハーピィの羽根箒があります!)私のターン!ドロー!」
祈 手札 6枚
「スタンバイフェイズ!リバースカードオープン!永続罠、魔封じの芳香!」
「えっ!?」
「これでお互いに魔法カードを使うためには1度セットしなくちゃいけないぜ!」
「そ、そんな!?(これじゃハーピィの羽根箒はおろか、ジェムナイト・フュージョンもブリリアント・フュージョンも使えない!)・・・・ジェムナイト・サフィアを守備表示で召喚!」
ジェムナイト・サフィア 守2100
「カードを3枚伏せてターンエンドです!」
祈 手札 2枚 LP 4000
【モンスターゾーン】
ジェムナイト・サフィア 守2100
【魔法・罠ゾーン】
伏せカード 3枚
フゥ〜・・・・どうやら魔封じの芳香が刺さったようだな。諸刃の剣だが、このカードやっぱり強いな・・・・
「俺のターン!ドロー!」
スバル 手札 1枚
「フィールド魔法、ミラージュタウンの効果により墓地のエアーマンを除外してさらに1枚ドロー!」
スバル 手札 1枚→2枚
「行くぞ!ミラージュタウンのさらなる効果発動!このカードの効果によって除外されて《HERO》モンスターを任意の枚数デッキに戻して、その融合素材となる《E・HERO》融合モンスターを融合召喚する!」
「じょ、除外されたモンスターをデッキに戻して融合!?」
「俺はエアーマンとシャドー・ミストをデッキに戻して融合!現れろ闇のHERO !E・HERO エスクリダオ!」
E・HERO エスクリダオ 攻2500
除外されていたエアーマンとシャドー・ミストがデッキに戻り、ミラージュタウンの霧が濃くなる。そして、霧が少しだけ薄くなると俺の前にエスクリダオが姿を現していた。
「そして俺はカードを1枚伏せて、手札のE・HERO バブルマンを特殊召喚召喚!」
E・HERO バブルマン 攻800
「バブルマンは手札がこのカード1枚のみの場合、特殊召喚できる!行くぜ!バトル!エスクリダオでジェムナイト・サフィアに攻撃!ダークディフュージョン!」
「さらにバブルマンでダイレクトアタック!バブル・シュート!」
「きゃあああ!!!」
祈 LP 4000→3200
バブルマンの直接攻撃により、祈は少しだけ後ろに後退してしまう。
「うぅ・・・(でも、これ以上の追撃はない。次のターンから融合モンスターを連打すれば・・・)」
「まだ俺の攻撃はおわってないぜ!リバースカードオープン!速攻魔法、マスク・チェンジ!」
「!?(しまった!?シャドー・ミストの効果で前のターンに加えていた!?)」
「バブルマンをリリース!変身!M・HERO アシッド!!」
M・HERO アシッド 攻2600
「バブルマンが墓地に送られたことでエスクリダオの攻撃力は100ポイントアップする。アシッドの効果発動!このカードの特殊召喚成功時、相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!Acid rain!!」
アシッドが上空に自身が持っている銃を撃ちまくる。その銃が重力によって降下していき、祈のフィールドにあった全ての魔法・罠ゾーンのカードを雨あられのように打ち付けて破壊した。
「ぐぅ!!!(こ、これじゃジェムナイト・フュージョンもブリリアント・フュージョンも使えない!!)」
「アシッドでダイレクトアタック!!Acid Ballet!!」
「きゃあああ!!!」
祈 LP 3200→600
「お、おい。大丈夫か!?」
アシッドの攻撃で祈は後ろに飛ばされてしまったので俺は祈の方に駆け寄る。祈は少しお尻を気にしているようだけど、みた感じ頭とかには問題なさそうだな。
「わ、私は大丈夫です・・・」
「そうか・・・・それで、どうする?続ける?」
「・・・・いえ、やめておきます・・・今のアシッドで完全に逆転の目は潰されました」
「そうか、分かった」
祈はデュエルディスクに手を置いてサレンダーの意を示す。それを見た俺はデュエルディスクからデッキを抜き取る。
「伏せカードは何だったんだ?」
「ジェムナイト・フュージョンとブリリアント・フュージョン、ハーピィの羽根箒です」
「・・・・・そ、そうか(汗)」
つまり俺は魔封じの芳香が無かったら負けていたってわけか(汗)。残りの伏せカードも前のターンから伏せていた埋葬呪文の宝札とミラクル・フュージョンだからな・・・・今回は魔封じの芳香に助けられたけど、やっぱりこのカードは諸刃の剣だな・・・・家帰ったら抜こう・・・・・
「マスク・チェンジを完全に忘れてました・・・・私もまだまだです」
「そんな事ないぞ、魔封じの芳香が無かったら負けていたんだから・・・・さすがに激流葬は驚いた」
「それでもです・・・・魔封じの芳香の対策も考えておかないといけませんね・・・何せ同様のカードが復帰してしまいましたから」
「ああ・・・・そうだな」
祈の言う通り、この前の制限改訂であの極悪カードが帰ってきた。あれは魔法カードを多用する俺たちのデッキにはあまりにも不利すぎる。速攻魔法の除去カードを積んでおかないとな・・・・
そんな事を思っていたら水族館の方から副館長さんが走ってきているのが目に見えた。
「お待たせしました。商品が届きました」
「あっ、ありがとうございます」
「いえいえ、お礼を言うのはこっちの方です。今日は本当に助かったよ」
「無事にショーも終えたから良かったです」
「また機会があれば是非来てください」
「分かりました。それじゃ祈」
「は、はい」
副館長に挨拶をして俺と祈はバス停を目指す。そういえばこれ、何なのかな?
「これなんだろうな・・・・・よっと」
気になった俺は袋に入っている2つの箱のうち、一つを取って開ける。その中にはキラッと青く光る、イルカの形をした小さな宝石が嵌められたペンダントだった。
「これ・・・・あれじゃね?あの水族館が売っている商品の中で一番高いやつ」
「・・・ほ、ほんとうだ・・・」
「太っ腹だなあの館長さん・・・・これ相当高いやつだったよな」
「確かに・・・・・」
「ほいっ、これ祈の分」
「あ、ありがとうございます」
俺は祈に残りの箱を渡して、箱が入っていた袋をクチャクチャに丸めてポケットの中に入れた。
霊夢「・・・・・何あのぶっ壊れフィールド魔法」
魔理沙「ヒーローのサーチはダメだぜ・・・しかも好きなヒーローを持って来れるって・・・」
祈「ふ、普通に強かったです・・・」
スバル「まぁまぁ・・・(汗)」
霊夢「というわけで読者様からいただいた2枚のカードを紹介するわ。まずは追中命さん」
ヒーロー工場 フィールド魔法
「ヒーロー工場」の①の効果は1ターンに1度しか使えない。
①このカードの発動時の効果処理として、手札を1枚捨てることでデッキから「HERO」と名のついたモンスターを1枚手札に加える。
①自分フィールド上の「HERO」と名のついたモンスターの攻撃力は500ポイントアップする。
魔理沙「このカードの原案は下の通りだぜ!」
原案
ヒーロー工場 フィールド魔法
「ヒーロー工場」の②の効果は1ターンに1度しか使えない。
①自分フィールド上の「HERO」と名のついたモンスターの攻撃力は500ポイントアップする。
②手札を1枚捨てることにより、デッキから「HERO」と名のつくカードを1枚手札に加える
③「HERO」を素材としたシンクロモンスターは相手の魔法・罠・マジックカード・モンスター効果の対象にならない。
霊夢「・・・・・ダメでしょ」
スバル「さすがに作者も②の効果は不味すぎると思って発動時の処理に変えました。これなら1回しか発動しないから」
魔理沙「HERO版竜の渓谷か・・・・しかも攻撃力500アップも何気に強いな・・・ダーク・ロウが2900になる」
祈「な、なかなか突破しにくい数値になりますね」
スバル「③の効果は・・・・HERO自体、あんまりシンクロモンスターを入れないっていうのが現状で、俺もシンクロモンスターはエースのスピリット・ドラゴンとクリスタル・ドラゴンしか入ってないからさ」
祈「つ、次は龍南さんから頂いたカードです」
摩天楼3-ミラージュタウン フィールド魔法
「摩天楼3ーミラージュ・タウン」の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使えない。
①「HERO」と名のついたモンスターを1体墓地から除外することでカードを1枚ドローする。
②①の効果で除外した「E・HERO」融合モンスターカードによって決められた自分の融合素材モンスターをデッキに戻し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
魔理沙「だからさ、ドロー効果のフィールド魔法はダメだぜ・・・・」
霊夢「これも原案を少し変えさせてもらったわ」
原案
摩天楼3-ミラージュタウン フィールド魔法
①1ターンに1度、「HERO」と名のついたモンスターを1体墓地から除外することでカードを1枚ドローできる。
②1ターンに1度、①の効果で除外した「E・HERO」融合モンスターカードによって決められた自分の融合素材モンスターをデッキに戻し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
祈「た、ターン1の制限が名称指定になりましたね」
スバル「いわゆるチキンレースみたいな事を防止したんだよ。このカードの場合、連打すれば融合も出来るし」
霊夢「チキンレースって考えたら確かに強いわね・・・・」
魔理沙「次回も閑話休題、これがラストになるぜ!最後は小等部の面子だぜ!」
祈「じ、次回もよろしくお願いします」