【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち 作:DICHI
というわけでどうぞ。
遊輝 side
ギギギィィ!!!!
「うっし・・・・」
「また派手に吹っ飛ばしたわね・・・」
ルチアーノとのデュエルを終えたのでDホイールを止める。アリアも俺の横に止めて、攻撃を受けて吹っ飛ばされたルチアーノの様子を見にいく。
「・・・・・おうおう、酷いありさまなこと」
「全く・・・・しかしよく出来たアンドロイドね」
「・・・・・・・・(シュゥ〜)」
攻撃を受けて吹っ飛ばされたルチアーノはコースの上で無様にも左足と右手が胴体から外れて、顔の右半分の皮膚が剥がれていた。それらの壊れたところから機械の基盤みたいなものが見えて、そこから白い煙が出ている。アニメでプラシドも似たような事になってはいたが、まさかこいつもこんな事になるとはな・・・・
「あ〜あ、おかげでDホイール壊された弁償の請求ができねぇじゃねぇか」
「そんな物言っても無駄なだけだよ」
「そりゃそうだが気分的には損した気分だぜ」
全く・・・スキエル∞の攻撃を受けた時のボディの損傷が思っていたよりも大きかった上に、ホイールが歪んでいたし・・・止まってから気づいたよ、良くデュエル出来たな。
「それにしても向こうの方はどうなってるのかね〜〜」
『・・・・・生来せよ!!シューティング・スター・ドラゴン!!』
「おっ?もうそんなとこまで行ってるのか?意外と早いな・・・・もっと後だと思った」
「何言ってるのよ。ゴースト全部倒すのに2時間近くかかっているのよ」
「えっ?そんなにかかったのか?」
「遊輝ちゃん、体内時計狂ってるんじゃない?」
うん、それは否定出来ないわ。十何年間、不健康な生活(最近はそうでもないが)してきたせいで、体内時計は狂ってしまっている。
『バカな!!この俺が!!機皇帝が!!やられるのか!?』
『これが最後の攻撃だ!!シューティング・スター・ドラゴン!!スターダスト・ミラージュ!!』
「おっ、最後の攻撃も終わったところか」
「あのモニュメントは・・・・あそこね」
「・・・・近いな。ここからでも見えるじゃないか」
アリアが指差す方向にはシティとサテライトをつなぐレーンの中心に建てられたモニュメントがある。この後の展開が正しければ、あのモニュメントの上にホセのおじいさんが出てくるはずだ。本当ならルチアーノが隣にいるんだろうが、まぁ・・・・見るも無残な事になってるからな。
「双眼鏡、双眼鏡・・・」
「それズルいな〜・・・俺も持って来ればよかったな〜・・・」
「何、視力悪いの?」
「普通。詳しく言えばちょっと悪くなった」
「その男に敗者の情けは要らぬ。そして、そこにいる少年もだ」
それでも1.0以上はあるんだがな・・・そう思いつつ、アリアと会話をしていたら突然、上の方から声が聞こえてくる。少し慌てて声が聞こえた方に向くと、イリアステルの三皇帝の最後の一人・・・・・ホセがいた。その両隣には遊星に倒されて木っ端微塵になったプラシドと俺に木っ端微塵にされたルチアーノが横になっている。
「あいつは遊輝と戦った!?」
「そうだ・・・・この少年もそこにいる奴に挑み、哀れに敗北を喫した姿だ」
「・・・・遊輝!!!お前そんなところにいたのか!?」
「ん・・・・あ〜、クロウか」
対面側のレーンをよく見たら、遊星、ジャック、クロウの3人がいて、さらに3人から少し離れたところにシェリーとミゾグチさんが目に映る。さらにシェリーさんたちの反対側にはレミや奏、響の姿が見える。
「お前たちは一体何者だ!?」
っと、いつのまにか会話が進んでいたのか。全く、せっかちなこと。
「我々はイリアステルの三皇帝、我はリーダーのホセ、そして無様に敗北したこやつらがルチアーノとプラシドだ」
「ホセ!!お前たちはなぜこんな事をしている!?」
「我々は未来を変えるためにやったきた・・・・」
「未来を変えるためだと?」
「そんな物俺たちが作るんだろうが!!お前らに決める筋はねぇ!!!」
「我々は知っている・・・・不動遊星、ジャック・アトラス、クロウ・ホーガン、お前たちが作り上げた未来が破滅に導く事を」
「なんだと・・・・?」
「イリアステルとは神が作り上げた歴史の中で破滅へと導く出来事・組織・街を修正する組織・・・・有史以前から存在をして、この地球上のあらゆるジャンルに浸透をしている」
「そんな事できるか!!もしそれができるならば、政治家や企業化もお前たちの仲間だと言うのか!?」
「世界中、全ての人間に我々の存在を知る必要はない。我々は必要な時に必要最低限の行動を起こして歴史を修正する。生物の食物連鎖がピラミッドで存在するように、人間社会の権力もピラミッドが存在する。我々はその一番上にいる権力を持つ者に対して少し干渉・修正をしているだけだ」
「なら私のお父様もお母様が殺されたのもお前たちの手によって消されたということか!?」
ここで話を聞いていたシェリーが憤った表情でホセに詰め寄る。だが、ホセはそんな事知らないという表情をしている。
「我の記憶力にも限界はある。歴史の修正など一々覚えてられない」
「なら無理矢理思い出させてあげるわ!!」
シェリーが乗っていたDホイールを急発進させてホセのいるモニュメントの上の方までジャンプ、そのままホセにダイレクトアタックをする。しかし、ホセはシェリーのDホイールを片手で受け止めて、反対側にゴミを捨てるような感覚で放り投げた。
「シェリーお嬢様!!」
ミゾグチさんはDホイールごと吹っ飛ばされたシェリーを救うために急ぐようにDホイールを走らせる。
「・・・・人間とは実に傲慢で欲深い生き物だ。それ故に破壊と創造を繰り返して歴史を作ってきた。しかし、その過程の中にも我々、イリアステルは関与してきた。我々は人間が愚かな道に歩まないように、時にはアドバイスを、時には修正をしてきた。だが・・・・どれだけ我々が修正を繰り返してきても避けきれない道があった・・・・不動遊星の父、不動博士が作ったモーメントだ」
ホセはシェリーを追い払ってやれやれとした表情をしながら話を続け、モーメントの話に話題を変えたところで再び遊星たちの方に目を向けた。
「モーメントは災いを及ぼす・・・・それを知った我々はルドガー・ゴドウィンを使い、ゼロ・リバースを起こした」
「なっ!?」
「ゼロ・リバースだと!?あの事件もお前たちの仕業だと言うのか!?」
「しかし・・・それは全て無駄な努力だった。ゼロ・リバースを起こしたところで世界中のモーメントは歴史上から無くならず、それどころか増え続ける一方だった。だから我々は次なる一手を打つ」
「次なる一手だと?」
「このネオドミノシティを・・・・消滅させる」
「なっ!?」
「なんだと!?」
ホセが言い放った一言でジャック達やレミ達は凄い驚いた表情をしている。当たり前だな、自分たちの住んでいる街を消滅させるなんて言われて平気にしている奴の方がおかしい。
「なぜネオドミノシティを消滅させなければならない!?ここには大勢の人たちが住んでいるんだぞ!!」
「人間のことなど気にしていられない。そんな事を気にしていたら、歴史の修正は出来ない」
「人間の知恵を集めればどんな困難だって乗り越えられる!!」
「ならば見せてやろう。我が見た未来を・・・」
・・・ピキーーン
「ん?何だ?」
突如、上空から光が一瞬だけ光ったのが見えたのでそっちの方に向けると、1枚の巨大な石板がモニュメントの方に落ちてきている。
ズシーーーン!!!!!!!
「ぐっ!?」
「何だあのバカデケェ物体は!?」
遊星やクロウは驚いているが、ホセはその石板に手を触れる。すると石板は光となって消えていき、代わりに5枚のカードがホセの右手に握られている。ホセは自身の腰にあるデュエルディスクみたいなものを起動させて5枚のカードをその上に乗せる。すると、ホセの後ろに第3の機皇帝・・・・・グランエルの姿が見えた。
「なっ・・・・・」
「これが我の機皇帝、機皇帝グランエル∞だ、いけっ、機皇帝グランエル∞」
ホセがグランエルに指示を出して、グランエルは右手を上空に上げる。すると、遊星達の膝がガクッと折れてしまう。残念ながら俺は遊星達と反対側にいるので何が起こっているのか全く分かってない。
「な、何だこれは・・・」
「は、廃墟とかして・・・・何かの物体が」
「これが我の見た未来だ・・・・結局、どれだけ人間が足掻こうとやがて悲惨な未来は訪れる。人間は今までもこうやって地球を脅かしてきた・・・・そんな人間が今まで自然に、地球に対して罪を償い、懺悔を行なったか?」
「こんなもの、俺たちはお前達ほど急ぎすぎなければ回避できる!!」
「まだ分からないのか・・・・ならば証明してやる。我々がやってきた事が正しい事なのか」
「そんな事させない!!俺たちの未来は俺たちの手で掴むんだ!!」
「ならばWRGPを勝ち上がれ。そして我らを止めてみせろ。そして・・・・・・」
ホセは身体を反転させて俺の方に向いてきた。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・何だ?俺になんか用があるのか?」
「遠藤遊輝、お前は我々の知っている未来には存在しない、謂わば未知なる物体・・・・先ほど、我々は未来を知っていると言ったが、あれは少しばかり語弊がある。お前という存在が我々の知っている未来を少しばかり変えた。お前という存在が我々の知らない未来へと変わる可能性がある」
「・・・・・・・・・・」
「お前は何物かは我々も全てを把握しきれてない。しかし、我々の邪魔をするというならば容赦はしない。それは隣に居る者もだ、アリア・リューベック」
「酷いわね〜・・・・か弱い女の子一人に向かって言う言葉じゃないわよ」
「お前は精霊世界で我々の邪魔をしてきた、その事を忘れたとは言わせないぞ」
「(・・・・お前、こいつらに喧嘩を売っていたのかよ)」
「(向こうが売ってきたのよ。私はそれを買っただけよ)」
ようは売り言葉に買い言葉ね・・・・全く、こいつも短気な事。そしてホセはプラシドのベルトにつけてあった剣を引き抜いて、それを振り抜く。そこに空間の裂け目が現れた。
「・・・・WRGPの決勝で待っているぞ」
そう言い残してホセはプラシドとルチアーノを運んで空間の裂け目の中へと入って言った。
「・・・・ハァ、やっと変な空気から解放されるわ」
「全く・・・・何つうデリカシーのない発言だ」
「じゃあデリカシーのある発言してあげるわよ・・・・明日、一戦交えてもらうわよ」
ホセの話が終わり、深呼吸をしているアリアを見て俺は毒のある発言をしたが、どうやらそれが引き金となってしまい、アリアを少し本気にさせてしまったようだ。
「・・・・・目的は?」
「私の目的のための資料をエンディミオンから奪う。遊輝ちゃんにはまた私の下っ端として働いてもらうわよ」
「・・・・拒否すれば?」
「あの秘密達をバラす」
チッ・・・・弱みを握られるのはやっぱり辛いな・・・・
「明日、噴水広場で12時に来るのよ」
「噴水広場?何でだ?」
「まぁ・・・・後から分かるわよ」
「?」
「じゃあね」
俺の疑問は晴れないままアリアはDホイールに乗ってしまい、何処かに行ってしまった。
「・・・・・何だったんだ?まぁいいか」
「遊輝!!!!」
「うん?・・・・レミ達か、遊星達もいるな。ちょうどいいや、誰かに乗せてもらおう」
「お〜い!!」
アリアが行ってしまった方向とは反対側からレミ達と遊星達がやってきた。
「遊輝!!あんた大丈夫!?」
「俺は全然平気だが、Dホイールがやられた」
「・・・・確かに損傷が激しいな。乗れるのか?」
「さっき点検したらホイールが少し歪んでいた。正直、良くデュエル出来たと思っている」
「仕方ないわね・・・・・牛尾さんあたりを呼びつけてレッカーしてもらおう」
「えぇ・・・牛尾さん以外に頼んでや。あの人にレッカー頼んだらレッカー代取られるんだから」
「文句を言わないの」
「俺のDホイールに乗せよう。一度、スタジアムに戻って皆と話をしよう」
「分かった」
遊星さんが一度降りて、サドルの部分から予備のヘルメットを出してくれる。一方、レミは牛尾さんに電話をかけて俺のDホイールを運んでもらうようにお願いしている。
「・・・はい、お願いします。・・・・すぐ来るって。先に係のセキュリティが来るから、その人が来たらもう帰っても良いそうよ」
「そうか」
「っと、噂を来たら来たわよ」
奏が向こうに見える1台のセキュリティのDホイールを見つけた。すぐに俺たちの近くに止まり、軽く挨拶をしてから俺たちは一度スタジアムに戻る。
〜〜(数分後)〜〜
「よう!」
「あっ!師匠!!」
スタジアムのレースピット席。そこにいたスバル達や龍亞を見つけ、遊星さん達はDホイールを止める。一度、降りてお互いの無事を確認する。
「・・・・そうか、Dホイールの損傷か」
「まぁ、不幸中の幸いなのはそれだけで済んだことだ。全員怪我がなくてよかったよ」
「そうですね」
「それよりもお前ら・・・・龍可どこに行ったんだ?」
「「「「「(((((ビクッ!!!!)))))」」」」」
「?どうしたのよ?突然驚いて?」
クロウが何処にも見当たらない龍可をキョロキョロとしながらスバル達に聞いたが、なぜかスバル達はビクッと反応をして一歩後ろに下がった。
「あ、いや、その・・・」
「?どうしたのよ?」
「る、龍可さんは今、ト、トイレに行ってまして・・・」
「そうかトイレか。それは失礼なことを聞いたな」
「じゃあ龍可が戻ってk「遊輝(ニコニコ♪)(ビクッ!!!!!!!)」
龍可が戻って来たら話をしよう・・・・そう言おうとした時、後ろからとんでもない寒気と殺気を感じた。ガクガクと震えて、ネジを回すように首や身体を捻ると、後ろに超ベリーウルトラハイパーアルテメットな笑顔の龍可がいた(目が笑ってない)。そして、龍可の一言を聞いた皆は俺がガクブルと固まっている一瞬の隙に俺の視界から消えていた。
「・・・・・ねぇ、遊輝(ニコニコ♪)」
「は、はい!!なんでしょうか!?」
「ちょっとそこで正座をして(ニコニコ♪)」
「は、はい!!!!」
龍可の圧倒的な圧力にガクガクと震える俺は素直に言うことを聞いて正座をした。
「ねぇ・・・ビジョンに映っていた女性は誰なの?(ニコニコ♪)」
「えっ!?」
「誰なの?(ニコニコ♪)」
「(ビ、ビジョン!?そんなのに映っていたのかよ!?俺はゴーストと戦っている時はずっとアリアと)「遊輝、聞いている?(ニコニコ♪)」は、はい!!!!」
「ねぇ・・・遊輝、O☆NA☆NA☆SHIしよう?」
遊輝 side out
龍亞 side
俺たちは龍可の恐怖から逃れるためにDホイールの倉庫から龍可と遊輝の様子を見ている。
「・・・・もう5時間経つよ。まだ怒っている(汗)」
「おぉ・・・怖い怖い・・・・」
「あんな物、耐えられませんよ・・・・」
「る、龍可ちゃん・・・怒っていたんだね・・・(汗)」
龍可の覇王モードはもう胃が痛くなるよ・・・・(汗)。何で遊輝は毎回毎回あんなことをするのか・・・・何一つ学んでいない。
「あの・・・僕には何で龍可があんなに怒っているのか分からないのだけど」
「ダメだね〜ブルーノさん。恋する乙女にとって、別の女と仲良くすることは禁じ手なのよ」
「何偉そうに言ってるのよ。14年間生きてきて、一度も恋をしていないでしょ」
「いわゆる、彼氏いない歴=実年齢ってやつね」
「奏!!レミ!!それは言わないでよ!!っていうかそれは二人も一緒でしょ!!」
「お前らな・・・・・(汗)」
「で、でも、確かに気になりはしますけど・・・」
響さん達が冗談を言いあっていたが、真面目な話、遊輝と一緒にいた女性は誰なんだろう?すごい息ピッタリだったし。
「遊星達は何か分かる?」
「俺たちも詳しくは知らない。ただ、一つ分かったことはイリアステルは彼女も標的にしていることだけだ」
「あの女、本当に何者なんだ・・・・」
「あっ、龍可っちが帰ってきたわよ」
ゴーストを倒しに行った遊星達に聞いては見たが、案の定と言うべきか詳しい情報は得られなかった。そうしたら茜さんが普通の状態に戻った龍可がこっちに来ていることに気づく。
「皆、待たせてごめんね」
「あっ、うんうん!!全然いいよ!!」
「そ、それで・・・・遊輝は?」
「あそこで寝ているわ」
「寝て・・・・・いや、気絶しているの間違いでしょ(汗)」
「う、うわぁ・・・師匠の背中、汗ビッショリとかいてます(汗)」
恭輔の言った通り、正座したまま気絶した遊輝の背中は大量の冷や汗をかいてしまったせいで、服の背中側は汗でビッショリと濡れちゃっている。っていうかよく5時間も正座したまま気絶できるよな・・・・
「それで龍可ちゃん、あの女性について何か分かったの?」
「それが・・・・遊輝が口ごもったまま気絶しちゃって」
そりゃあんな恐怖にあったら何も言えない上に怖くて気絶しちゃうよ(汗)。
「ただ、小声で『明日の12時・・・・噴水広場・・・・』っていうのは聞き取れました」
「明日の12時に噴水広場?」
「何だ?何かショーでもやるのか?」
「とにかく、明日の12時に噴水広場に行けば何か分かるってことね」
「多分・・・・」
「じゃあ明日の12時に噴水広場に全員で行こう」
「そうですね・・・・そうすれば師匠も話してくれるでしょう」
レミさんの提案に全員が賛成をして、今日は解散となった。
魔理沙「・・・怖いな」
霊夢「あれは・・・・化け物ね」
龍亞「あんなのに耐えられる筈がないよ」
魔理沙「気絶するのも納得だぜ」
霊夢「遊輝にとって・・・・・誰だっけ?あの遊輝みたいな女顔をした奴?」
龍亞「ルチアーノ」
霊夢「そうそう、そいつよりも問題ね」
魔理沙「次回も次回で問題そうだけどな」
龍亞「次回は【遊輝vsアリア2戦目 風の魔法使いと融合の魔法使い】。次回もよろしく!」