【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち   作:DICHI

147 / 202
今回はデュエルはあるのですが、ちょっと紹介するようなカードがないので、お休みとさせてもらいます。


第143話 闇への使者 チームカタストロフ

遊輝 side

 

 

「・・・・・そうそう。そうやってスタート時にトップスピードにするんだ」

 

「無茶苦茶バランス崩すわね・・・・」

 

「今よりスタートダッシュを成功させるにはこうするしか無いんだ。俺もスバルもこれでスタートダッシュをしているんだから」

 

WRGP初戦から翌日、昨日の勝利の喜びを味わうものの、すぐに冷めて再び予選突破に向けての練習が始まる。遊星たちのグループは今日、チームユニコーンとチームヘルの試合があり、ジャックのDホイールの修理が終わり次第、試合会場に向かうらしい。俺たちはさすがに他の予選リーグを見ている余裕がないので、アカデミアの練習コースで練習をしている。と言っても、昨日出た響とレミは休みを取ってもらってる。次の試合は出す予定じゃないし、休憩を取ることも悪くはない。ここにいるのは俺と奏、あとは恭輔だけだ。スバルは自主練習でシティのコースを使っている。

 

「とりあえず俺も練習したいから先にコースに入って練習しておくぞ」

 

「分かったわ」

 

「恭輔〜、タイムと周回数頼んだぞ」

 

「分かりました」

 

恭輔に測定を頼み、Dホイールを起動させてピットからコースに出る。タイヤを温めるために軽くコースを1周走ったあと、スタートラインに立つ。目の前にシグナルが出て、赤から青になるタイミングと同時にスロットルをフルに回してタイムアタックと周回数の測定を始める。

 

「(・・・・・よし、調子は良さそうだな。この『師匠!!!!止まってください!!!緊急事態です!!』ん?」

 

タイムアタックをしてしばらく、調子が良いことを確認していたら突然前の画面に恭輔の顔がアップで写る。何事かと思い、俺は急ブレーキをかける。そのまま恭輔との通信を続ける。

 

「どうした?」

 

『スバルさんのDホイールがスリップしてしまいました!!』

 

「ハァ!?状況は!?」

 

『響さんからの情報だと、シグナーの能力を使って最小限に被害を抑えたため、怪我は捻挫や擦り傷程度で済み、Dホイールの損傷も少ないそうです!』

 

「そうか・・・・・とにかく今から行くぞ!恭輔たちも後ろからついてきてくれ」

 

『分かりました!スバルさんは病院にいるみたいです!』

 

「分かった」

 

恭輔との通信を切り、俺はDホイールのスロットルを回す。俺の後ろをついてくるように奏とDボードに乗った恭輔は追いかけてくる。

 

 

〜〜(数十分後)〜〜

 

 

「・・・・とにかく、1週間は身体を休ませない」

 

「・・・・分かりました」

 

病院につき、レミの案内ですぐにスバルが診察された部屋に入る。恭輔から聞いた時はマシな方だと聞いていたがどうやら軽い捻挫とむち打ちで済んだようだ。しかし、医者からは全治1週間を言われて何もしないように注意される。

 

「とりあえず無事でよかった。今日はもう大丈夫だ。家で休んでくれ」

 

「はい。ありがとうございます・・・」

 

診察室の部屋から出て、とりあえず病院を後にする。相変わらず平日なのに病院はそこそこ混んでいる。

 

「あんたも災難ね・・・・こんな時にスリップするなんて・・・」

 

「それがよ・・・・何か変な感じがしたんだよな・・・」

 

「変な感じ?」

 

「そう・・・Dホイールで走っていたら突然タイヤが止まったような感覚をして・・・それでバランス崩してスリップしたんだよな」

 

「・・・・・・・・・・スバル、Dホイール何処にある?」

 

「?今は遊星さんのところに預けているぜ。修理してもらわないといけないならな」

 

「ならちょうど良い。遊星の所に行こう」

 

「えっ?でも遊星さん達、今は予選を視察に」

 

「ところがどっこい、あれを見てみろよ」

 

奏がWRGPの予選の試合について話すが、俺は病院のロビーにある1台のテレビに指を指す。そこに写っていたのはチームユニコーンとチームヘルの試合結果だ。

 

『な、何という事だああ!!チームユニコーンのファーストDホイーラー、アンドレとセカンドDホイーラー、ジャンが連続でクラッシュ!!最終Dホイーラーにバトンタッチできず、チームユニコーンの敗北だああ!!』

 

「ハッ!?連続でクラッシュ!?」

 

「そんなバカな!?」

 

「というわけだ。遊星の所に行こう」

 

テレビにはチームユニコーンのアンドレとジャンがボロボロの状態で担架に乗せられて運ばれている様子が見て、それをブレオは凄い悔しそうな表情をしている。

 

「いくぞ。クロウがスリップした原因も聞いてないんだ。ついでだからそれも聞きに行く」

 

「私も行くわよ!」

 

「俺も行くぜ!」

 

「お前は家に帰って安静にしてろ」

 

「うっ・・・・・」

 

スバルには家に帰って安静するように言って、俺と響、恭輔と奏の四人で遊星達のガレージへと向かう。

 

 

〜〜(数十分後)〜〜

 

 

「遊星〜〜、スバルのDホイールは?」

 

「遊輝達か。すまない、まだブルーノが調査中だ」

 

遊星達のガレージについて中に入ると、既にスタジアムから遊星達が帰ってきていた。ブルーノはパソコンをスバルのDホイールに繋いでいて、ジャックとクロウは椅子に座っている。

 

「それにしてもおかしいだろ!?いくら何でも立て続けにクラッシュを起こすか!?しかもプロチームが!?」

 

「何か原因があるかもしれないな・・・」

 

「その事で話が変わるんだが・・・・クロウのDホイールのCPUを調べたら変なロックを感じ取っていたんだ」

 

「ロック?ロックって何ですか?」

 

「端的に言ったらDホイールのタイヤに何かが挟まり、タイヤが動かなくなってしまう現象のことだ。クロウのDホイールは恐らくこれが原因だろう」

 

「遊星!!これを見て!!スバルのDホイールのCPUを調べたらクロウと同じ現象が起きているんだ!!」

 

「何だと!?」

 

スバルのDホイールを調べていたブルーノから驚愕の真実を受けて、全員でパソコンを見る。その走行データには確かに高い位置に波を打っていたデータの線が突然ガクンと下に落ちて0になっている。

 

「どういう事だよ!?俺とスバルは同じロックでクラッシュしたりスリップしたっていうのか!?」

 

「多少のデータの誤差はあるけど恐らくそうだろうね・・・・」

 

「Dホイール専用のレーンはセキュリティによって常に整備されている。まさか人為的に・・・」

 

「そんな事どうやって出来るのよ!?走っているDホイールのタイヤに百発百中でロックをする事なんて普通に考えたら無理よ!?」

 

「しかし人為的以外は考えられない。そうでなければ不自然にこの走行データが突然落ちたりしない」

 

「まさか・・・・チームユニコーンのクラッシュもか?となると犯人は対戦相手のチームヘルか?」

 

「ちょっと待ってくださいよ!?もしチームユニコーンのクラッシュ事件が対戦相手のチームヘルだとしたらスバルさんはどう説明するのですか!?その時、チームヘルのメンバーは全員スタジアムにいたのですよ!?」

 

「チームヘルだけじゃないだろ・・・・」

 

「ちょっと遊輝、まさかもう一チームいるとか言うんじゃないでしょうね?」

 

「そう考えるしかねぇじゃねぇか。スバルのも人為的何だろ?」

 

「そうだね・・・・ここまでデータが落ちているとなると人為的としか思えない」

 

「遊輝、お前まさか心当たりがあるのか?」

 

「1チームだけ、な。明日の試合を見ないとわからないが」

 

「明日の試合?」

 

「とにかく、明日またここに集まろう。今度はスバルも来るようにさせる」

 

「ちょっ!?師匠!?」

 

無理矢理解散させて俺は遊星さんのガレージから出る。恭輔は俺の後を追いかけてきた。

 

 

 

 

翌日の試合、チームスピード・キングとチームカタストロフはチームスピード・キングのファーストホイール、雑賀さんとセカンドホイーラーのムクロが連続クラッシュによりチームカタストロフが決まった。俺は初戦の日の夜に氷室さんと雑賀さんにお願いして、「デュエルが終わった後にDホイールのCPUを貸してくれ」と言っていたので、試合が終わった後、すぐにCPUを回収。それを持って遊星のガレージに向かった。

遊星のガレージにはアキさんと龍亞・龍可以外のチーム5D'sのメンバー、祈・恭輔以外のチームSECRETのメンバー、そしてチームユニコーンで2回戦で出番がなかったブレオの姿が見えた。ブレオは遊星達に昨日の不可解な出来事について話をしに来ていた。

 

「ほら、ここだ」

 

「・・・・間違いない、クロウとスバルくんと同じ現象だ」

 

「雑賀とムクロの解析も終わった。二人とも、昨日と同じデータが取れた」

 

「つまり犯人は・・・・チームヘルとチームカタストロフの2チームってことか!?」

 

「多分・・・・な」

 

「でも原因は分かるの?あの2チームが直接的に何かをしたという感じはしないけど」

 

「映像に映っているのは・・・・チームカタストロフはヒドゥン・ナイトーフックー、チームヘルはドリームピエロが存在していることだね」

 

「ヒドゥン・ナイトーフックー?何だそのカード?」

 

「ヒドゥン・ナイトーフックー・・・・・攻撃力1600の闇属性、レベル4モンスターとしか分からない・・・・」

 

「一体どんなカラクリがあるん(プルプル・・・)?何だ?」

 

「電話だ。ちょっと抜ける」

 

ガレージの固定電話が鳴ったので遊星は一度抜ける。

 

「それにしてもこのモンスター達で一体どうや「何だと!?」!?び、びっくりした!?」

 

「わかりました!!すぐに行きます!!」

 

「おいどうしたんだ遊星、そんなに慌てて」

 

「アキのDホイールがクラッシュした!!」

 

「えっ!?アキさんも!?」

 

「今、ご両親から電話があって病院に搬送されている。すぐに行くぞ!ブルーノと遊輝はすまないが事故現場に行ってくれ。そこでアキのDホイールのCPUを調べてくれ!」

 

「分かった遊星!」

 

「任せておいて!」

 

「ブルーノ!!後ろに乗って!!飛ばすぞ!!」

 

アキさんの事故を聞いて俺は急いでDホイールの椅子をパカっと開いてもう一個ヘルメットを出してブルーノに渡す。Dホイールに乗って、ブルーノが後ろに乗ったことを確認して、フルスロットルで飛ばす。

 

「びゃあああ!!!!!ゆ、遊輝君飛ばしすぎ!!!!」

 

「うるせぇ!!!黙ってないと舌噛むぞ!!」

 

「そ、そんひゃこと!?!?いったあああ!!!」

 

「ほれみ!!言わんこっちゃない!!」

 

Dホイールの後ろに乗り込んだブルーノがガヤガヤとうるさいことを言って、舌を噛んで悶絶している。そんなことおかまないなしに、俺はスピードを上げて事故現場へと向かった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「着いた!!お〜〜い!!!狭霧さん!!」

 

「・・・・・遊輝君!?どうしたの!?」

 

ギュルルルルル!!!!!

 

「すまねぇ!!!!すぐにアキさんのDホイールのCPUを触らしてくれ!!」

 

「えっ?わ、分かったわ。もうすぐDホイールを回収するところだから」

 

「ブルーノ!!」

 

「分かっているよ、いててて・・・・」

 

狭霧さんにお願いして、アキさんのクラッシュしたDホイールからCPUを取り出して、ブルーノが持って来たパソコンに接続した簡易の外付けのソフトにCPUを入れる。すぐにブルーノが解析を始め、3分後に遊星に電話をかけた。

 

「もしもし遊星!!結果が出たよ!!」

 

『どうだった?』

 

「アキのDホイールからも同じデータが出た!間違いなくホイールが人為的にロックされている!」

 

『!!そうか・・・・分かった』

 

電話で遊星にデータを報告をし終えると、ブルーノは電話を切った。

 

「さあて・・・・これで犯人はほぼ確定だな。チームヘルとチームカタストロフ、両方のチームが犯人だな。共闘していたら面倒クセェことになるぞ・・・」

 

「どうするの?僕たちは僕たちでDホイーラーがいないのに、そっちもそっちでチームカタストロフとの対抗策を」

 

「心配するな。一つ、奇策がある」

 

「奇策?」

 

「ああ」

 

俺が奇策という言葉を言うと、ブルーノは首をかしげた。ちょうどセキュリティがアキさんのDホイールの回収作業を始めていた。

俺たちのDホイールテクニックがまだまだアマチュアである以上、あの奇策を使うしか方法がない。

 

 

遊輝 side

 

 

龍亞 side

 

 

『本日のメインスタジアム1試合目は予選Eグループの最後の試合!!チームSECRETとチームカタストロフの試合だ!!両者共に勝った方が決勝トーナメント進出となる!!』

 

「大丈夫か、あいつら・・・・俺たちや遊輝の予想では俺やアキ、スバルのDホイールをロックしたのはチームカタストロフとチームヘルがやっている。あの闇のカードと言われている訳の分からないカードを使って」

 

「あいつらはデュエルの腕前は確かだがライディングのテクニックはまだまだだ」

 

「心配ないさ!!遊輝があんな奴ら三人抜きして見せるって!!」

 

俺たち、チーム5D'sは遊輝達の予選を見るため、Eグループ最後の予選の試合を見にメインスタジアムに来た。後ろで見ているジャックやクロウは遊輝達のテクニックを疑っているけど、俺から言わしたら遊輝も十分Dホイーラーとしてのテクニックはあると思うんだけどな

・・・・ん?予選?昨日の試合、遊輝のシグナーの能力で怪我を無理矢理完治させたクロウが出場して、チームヘルを三人抜きした。チームヘルの方は1枚のカード・・・・ドリームピエロをファーストホイーラーが必死に守ろうとしたが、それをクロウが阻止してファーストホイーラーの時点でそのカードは受け継ぐことができず、それ以降は何の苦労もなく三人抜きした。

 

「しかし遊輝達はファーストホイーラーを誰にしたんだ?」

 

「あそこで見る限り、怪我をしたスバル君に今日出る予定の奏さん、他のメンバー全員がピットにいるから遊輝君が行くんじゃないかな?」

 

「普通に考えたらそうだろう。あの中でテクニックを一番持っている遊輝が偵察として出ないと、クラッシュして予選敗退という可能性があるからな」

 

「それにしては妙だな・・・」

 

「?妙ってどういう事?」

 

「遊輝のDホイールだ。何故まだピット内の車庫にある?ファーストホイーラーなら既にステージ裏でセットしておかなければならないはずだ」

 

遊星が妙だと言ってきたので龍可が聞き返すと、どうやら観客席から見える遊輝のDホイールが気になるみたいだ。

 

「言われたらそうだな・・・・あいつもDホイールを故障したのか?」

 

「それが妥当じゃないの?現に奏のDホイールが見当たらないしな」

 

遊星の違和感・・・・・ピットには遊輝がいないのに、遊輝のDホイールはピットにある。自分のDホイールではなく奏さんのDホイールに乗ったと皆で予測している。

 

「遊輝・・・・」

 

「龍可も心配性だな〜。そんなに遊輝の実力が信じられない?」

 

「そんな事ないけど、やっぱりあんな怪我を見たら・・・・」

 

『さぁ両者、ファーストホイーラーの登場だあああ!!!まずはチームカタストロフ、ファーストホイーラー、ヘルマアアアン!!!!』

 

龍可の心配をスタジアムの中から1台の黒いDホイールが飛び出す。そのDホイールの登場で観客は歓声とブーイング、それぞれに声をあげる。敵チームのファーストホイーラーはそんな事を気にせず、ゆっくりとコースを走ってスタートラインに立った。

 

『そしてチームSECRET、ファーストホイーラーの登場だああああ!!!!』

 

先にチームカタストロフが出た所と同じ所から遊輝達のチームのDホイ・・・・・・ハッ!?

 

『チームSECRET、ファーストホイーラーは何と何と!!!昨年発売されたDボードを乗りこなす今大会最年少Dホイーラー!!成田恭輔!!!!』

 

「何だと!?」

 

「きょ、恭輔がファーストホイーラー!?」

 

スタジアムに出て来たのは遊輝でも奏さんでもなく、Dボードに乗った恭輔だ。後ろのコードに恭輔のデュエルディスクを接続していて、ジャンプして登場した恭輔はDボードの出力を高めてコースを1周してスタートラインに立った。予想外の登場に観客から驚きと歓声の声が上がる。一方、恭輔の登場に驚いたのは観客だけじゃない。チームSECRETのベンチも騒がしい様子になっている。

 

「おいおいおい!?!?遊輝のやろう何考えてるんだ!?」

 

「確かにWRGPのルールにはライディングデュエル出来る物としか言われてなく、一言もDホイール以外の物で参加は出来ないとは書かれていたが・・・・・」

 

「まさか恭輔をファーストホイーラーとして使うとは・・・・」

 

「しかし、Dボードのスピードが問題だな・・・・・・」

 

「どういう事?」

 

「Dボードのスピードは通常のDホイールよりも半分以下のスピードに抑えられている。この周回制のコースで周回差がつけられる大会の特別ルールで相手のSPCが増加してしまう。

 

「そうなってくると大変なことになるぞ・・・・」

 

『さあお互いに牽制しあって気合は十分!!予選Eグループ最後の試合が始まるぞ!!』

 

MCの掛け声により、ファーストDホイーラーの二人の前に電子版のシグナルが現れる。カウントが進むたびに赤のシグナルが消えていく。

 

『行くぞ!!』

 

「「ライディングデュエル!!アクセラレーション!!」」

 

恭輔 LP 4000 ヘルマン LP 4000

 

シグナルが青になった同時タイミングで恭輔と敵のDホイールは同時タイミングでスタートをする。

 

「なっ!?」

 

「は、早っ!?」

 

「俺に付いて来ているだと!?」

 

敵のDホイーラーは恭輔が自分と並走されていることに驚いている。Dボードは子供でもライディングデュエルが出来るように開発されているのでスピードは抑えられている・・・・遊星の言葉を聞いていた俺には今の恭輔のスピードは信じられなかった。だってDホイールのトップスピードをDボードが出しているんだぜ・・・・

 

「くそっ!!こうなったら・・・・」

 

「おっと!!その手には乗りませんよ!!」

 

ブオオオオオオ!!!バン!!!!

 

「な、何ぃぃ!?!?」

 

敵のDホイーラーは恭輔に近づいて接触しようとする。しかしその行動を呼んでいた恭輔は敵のDホイーラーと距離を取るように横にスライドするように避け、壁に当たりそうなところで重心を一気に前に置いてDボードのバランスを前に傾ける。当然、Dボードは前に転けたけど恭輔はその反動をつけて重心を前にしたままジャンプ、綺麗な円を描くように一回転して敵のDホイーラーよりも前に出る。そのまま第一コーナーを恭輔が取った。

 

「先行は貰いました!僕のターン、ドロー!」

 

恭輔 手札 6枚

恭輔 SPC 0→1 ヘルマン SPC 0→1

 

星因子(サテラナイト)ウヌクを召喚!」

 

星因子ウヌク 攻1800

 

「星因子ウヌクの効果発動!デッキから《テラナイト》モンスターを墓地に送ります!星因子デネブを墓地に送り、カードを3枚伏せてターンエンドです!」

 

恭輔 手札 2枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

星因子ウヌク 攻1800

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「チッ、攻撃力が高いモンスターに伏せカード3枚か・・・・俺のターン!ドロー!」

 

ヘルマン 手札 6枚

 

恭輔 SPC 1→2 ヘルマン SPC 1→2

 

「・・・・・カードを1枚セット、そしてヒドゥン・ナイトーフックーを召喚!」

 

ヒドゥン・ナイトーフックー 攻1600

 

相手のDホイーラーが伏せカードを1枚伏せた後に1体のモンスターをフィールドに出した。そのモンスターはマントを羽織り、右手の代わりに鉄のフックが装着している。

 

「来たか・・・・」

 

「あいつが雑賀とムクロ、そしてスバルをクラッシュやスリップに追い込んだモンスターだ。恐らく、昨日のドリームピエロと同じように何かしらの仕掛けがあるのだろう」

 

「これでターンエンド!」

 

 

ヘルマン 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

ヒドゥン・ナイトーフックー 攻1600

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「僕のターン!ドロー!」

 

恭輔 手札 3枚

 

恭輔 SPC 2→3 ヘルマン SPC 2→3

 

「(・・・・・・ここは師匠の助言通り、何もせずに攻撃してみましょう)バトル!星因子ウヌクでヒドゥン・ナイトーフックーに攻撃!」

 

手札を見た恭輔は少し考えた後、何も仕掛けずにそのままバトルフェイズに入る。恭輔の命でウヌクはヒドゥン・ナイトーフックーに攻撃を仕掛けた。

 

「掛かったな!ヒドゥン・ナイトーフックーの効果発動!相手がこのカードに攻撃を仕掛けた時、このカードと攻撃を仕掛けてきたモンスターの表示形式を変更させる!」

 

ヒドゥン・ナイトーフックー 攻1600→守0

星因子ウヌク 攻1800→守1000

 

ヒドゥン・ナイトーフックーと攻撃を仕掛けたウヌクがそれぞれ守備表示になる。

 

「さらにヒドゥン・ナイトーフックーは自身の表示形式が変わった時、相手に800ポイントのダメージを与える!」

 

恭輔 LP 4000→3200

 

表示形式が変わったヒドゥン・ナイトーフックーが右手のフックみたいなもので恭輔に攻撃をする。攻撃を受けた恭輔は少し左右に揺れたがすぐにバランスを取り戻す。

 

「(ケケケケッ・・・・食らいやがれ、闇のカードを!!)」

 

「(師匠の言っていたことが正しければ・・・・!!!これですね!!)とうっ!!」

 

「なっ!?」

 

攻撃を受けて、地面を見ていた恭輔は次の瞬間、Dボードを左に移動させる。その瞬間、その一瞬だが、わずかに何かのフック状の物が地面から生えているのが見えた。

 

「おい遊星、今のは・・・・」

 

「間違いない・・・・昨日のドリームピエロと同じ原理だ。ドリームピエロも自身の手であり、さっきチラッと見えたあのフック状の物・・・・」

 

「あれはヒドゥン・ナイトーフックーと同じ形をしていたな・・・しかしあくまでも予想だ。まだ確証を得たわけじゃない」

 

「つまり、恭輔のこれから次第ってことね・・・・」

 

遊星とクロウの推測に龍可は結論を出す。あのヒドゥン・ナイトーフックーの本性を暴き出すためにはファーストDホイーラーの恭輔の頑張りが必要みたい。恭輔・・・・頑張れよ。




フラン「ねぇねぇ、お兄様はなんであの子にしたの?」

遊輝「俺らのチームの中で一番小回りが利いて、かつタイヤが小さいからだ。恭輔は龍亞に次いでDボードのテクニックがあるのも選んだ一つの要因だな」

魔理沙「それにしても何で遊輝が行かなかったんだぜ?」

遊輝「別に行っても良かったんだけど、万が一俺が負けた場合、後続で続くものがいなくてさ・・・・・恭輔がセカンド以降だと奇襲性に欠けるし・・・・それでファーストDホイーラーに任せた」

恭輔「初戦が終わってすぐに呼ばれて何事かと思いましたよ・・・・思えばWRGPの始まる3日前から師匠と特訓をしていましたしね。主にスピードに慣れることに」

遊輝「そうしないと間に合わないだろ?」

フラン「ところで、何であんなにスピード出せたの?」

遊輝「俺が魔改造した」

恭輔「聞こえがよいように聞こえますけど、違法改造です(汗)」

魔理沙「私的にはあれくらいスピードを出さないと迫力がなくてつまらないと思うぜ」

恭輔「慣れるのには時間かかりますよ。バランス感覚をつかむのに・・・・」

フラン「次回はチームカタストロフとの続きだよ!」

遊輝「【闇のカード ヒドゥン・ナイトーフックー】。次回もよろしくね」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。