【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち 作:DICHI
前回のタッグデュエル戦でキメラフレシアの効果を勘違いしていました。キメラフレシアの⑵の効果は相手が攻撃を仕掛けた時も発動するみたいです。
そこで、応急処置程度ですがデュエル描写を書き直しました。読者の皆様に疑問を持たせてしまい、またこのデュエル描写も変だな〜と思わせてしまい申し訳ありません。
今後とも、このようなミスが出ないように努力はしていきますが、また出る可能性も否定できません。その時は感想欄などで指摘してくれたら嬉しいです。
今回は大変申し訳ありませんでした
また、作者は来週の月曜から実習のため、本編の投稿はできません。そのため、久しぶりに番外編を実習中にゆっくり執筆しようかなと思ってます。どんな内容になるかはお楽しみに】
Q,遊輝君の今回のシグナーの能力の副作用の設定は?
A,元々、構想を練っていた時からあったのですが、いかんせん出すタイミングが掴めませんでした。大分遅い形になりましたがようやく出せたって感じです(汗)
Q,今日でこの質問コーナー最後だね。
A,この章、この話で12話目・・・正直ここまで行くとは思ってませんでした。7割ほど番外編みたいなものでしたが、見てくださってありがとうございます。
アリア「いや〜、この章もいよいよエピローグだね」
遊輝「・・・・・・・」
アリア「どうしたのよ、仏頂面して」
遊輝「・・・・・なんで今更この設定をもう一度出したんだよ」
アリア「私は大歓迎だよ。可愛い遊輝ちゃん見れたし♪」
遊輝「言うな!!!」
アリア「じゃあこの章、最後のタイトルコールいくよ!」
「「第139話、デュエルスタート!」」
遊輝 side
「う、う〜〜ん・・・・・・ここ、何処だ?」
なんか偉いフカフカなベッドだな・・・・そう思い上半身を起こす。頭がまだ働いておらず、目をこすり、部屋を見渡してここがどこなのかゆっくりと考える。
「・・・・・あ〜〜、思い出した。ジュノン倒してドーピング能力の副作用で眠くなってベッド借りて寝たんだ・・・・そう言えばアリアも一緒のはずなんだけど何処にいるんだ?」
寝る前の記憶が正しかったら確か俺、アリアに抱き枕にされて寝たはずんだが隣にいねぇな・・・・
「・・・・てか何か俺の声高くねぇか?それにいつも見える景色が低く感じる・・・」
「おっは〜、やっと起きたね」
いつもと何か違う違和感を感じているとアリアが部屋に入ってきた。後ろには恐らくジュノンの使いであろう男の魔法使いが入ってきた。
「あっ、アリア。すまん、今日何日で何時?」
「現実世界で12月31日の午後2時、大晦日だよ」
「っていうことは・・・・25日出発したから今日で7日目か・・・俺丸一日以上寝ていたのか」
「ダイヤから聞いたよ〜〜。生命の能力って思ったり副作用強いんだね。私は昨日の夜に起きたけど」
「仕方ねぇだろ。自分自身の生命力に直接関わるんだから、道具を使ってドーピングしているお前とは訳が違うんだよ」
「まぁ仕方ないよね。ところで・・・・・遊輝ちゃん、何か背が縮んでない?ってか声高くない?」
「・・・・・えっ?」
「ちょっとそこの人、大きな鏡を持ってきて」
アリアが近くにいた魔法使いに部屋の隅に置いてある大きな鏡を持ってこさせる。アリアを俺をベッドの上から下ろす。
「・・・・・・・えええええええええ!?!?!?」
その鏡に写っていたのはアリアから借りた服がダボダボになって引きずっている身長が低くなっている俺だった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『・・・・・・・まぁ詰まる所、マスターは能力を使いすぎて、生命力の枯渇どころか、マイナスになってしまったので身体が退化してしまったんです』
『これは5歳の時のマスターだね。一番女の子に近かった時だよ』
『前に言いましたよね?生命のシグナーを使い過ぎるとこうなってしまうと』
「・・・・忘れました(汗)」
『ハァ〜〜・・・・・』
あの後、ダイヤに何で俺の身体が縮んだのか聞いた。端的に言ったらシグナーの能力、生命を司る能力を使いすぎた重い代償みたい。あの最終決戦からドーピング能力を使って自分自身の生命力を極限状態まで上げて戦い続けた結果、今の俺の生命力はマイナス状態であり、その副作用で身体が縮んでしまった・・・・らしい。某小学生探偵アニメみたいな事だな、しかも原因は自分だという・・・・・
「でもその割には遊輝ちゃん、あのデュエルまで平気そうにしていたけど?」
『本来ならその切れる反応が来る前に気づくはずなんですが・・・・恐らく、無意識の内に霊力でカバーしていたのだと思われます。ここまでの副作用が出たということは生命力も霊力も今は何も無いという証拠でしょうから」
「てか、俺そんなに能力を上げた覚えないんだけど・・・・」
『何言ってるんですか。自分で最初から50%以上上げてました。制限時間は30分なのに、マスターはそれを2時間使ったのですよ。むしろこれで生きていることが不思議なくらいです。普通、生命力も霊力も0になるということは死に至ることですよ。マスターのシグナーとしての能力と異常体質のおかげで突然変異みたいな感じで生き残っているような物ですから』
「・・・・・・・・・・・・」
「それで遊輝ちゃんのこの可愛い姿はいつまでなの?」
『能力、霊力、共に満タンまで回復する必要がありますので最低でも1週間、大人しくしておく必要があります』
「無駄に長い・・・・(汗)」
『これに懲りて、今度からちゃんと自分自身で能力を管理してください。今回は自業自得ですよ』
「・・・・・・・・・あい(涙)」
「それにしても可愛いねぇ〜〜。パールが一番女の子に近いって言っていた意味が分かるよ〜。アリアさんのお洋服着せたいよ〜」
「・・・・・うるせぇ(涙)。っていうか現在進行形で着ているじゃないか」
「こんな有り合わせな服じゃなくてちゃんとした服だよ」
『ワハ〜、マスター私よりも小さい〜』
『小さい〜〜』 『チビ〜〜』
「ブラック・・・・今日のオヤツ抜き」
『ま、待って!!!』
ダイヤの説明を聞いている間、抱っこされながら聞いていた。ダイヤに身長で負けて(ていうか俺が普通の状態でも負けてる・・・)、しまいには今はサファイアよりも低い始末・・・・低身長がコンプレックスの俺にとって、この上ない屈辱にしかならない(涙)。今現在、ダボダボな服もアリアが貸してくれた子供用の半袖のTシャツとスカートで何とかなっている。アリアには子供と言われてひょいっと抱っこされている。抵抗しようにも霊力もシグナーの能力も使えない上に、身体能力も5歳児並みに落ちてしまった俺にはアリアの力に敵うことはできない。
「アリアさん、遊輝さん、もうすぐジュノン様が来られます」
「ん、分かった」
「なぁアリア・・・・下ろしてくれ。さすがにこの体勢でジュノンと話すのは恥ずかしい」
「ダ〜メ、遊輝ちゃんはアリアさんの下っ端なんだから。いや、今は下っ端じゃないね・・・・アリアさんの子供だね」
「子供じゃねぇ・・・・・」
「お二人とも、ぐっすり眠・・・・?そちらの子は?」
「あっ、ジュノン。これ、私の子供」
「えっ!?」
「違う!!違うから!!信じるな!!俺だから!!遊輝だから!!」
「えっ!?ゆ、遊輝さん!?」
部屋に入ってきたジュノンは自然に俺のことを誰と聞いてきたが、俺が答える前にアリアが爆弾発言をしてしまったので、俺は慌てて訂正をする。今のジュノンのカードはカードのイラスト通りの服を着ている。
「し、信じられません・・・・人間が退化するなんて・・・・」
『ジュノン様、恥ずかしい話ですが現実の話です(汗)。マスターは能力を使いすぎた副作用で身体が縮んでしまったのです』
「副作用・・・・・なるほど、シークレットシグナーの能力ですか」
「?なんでわかった?」
「その痣を見ればわかりますよ。右腕にある痣が剥き出しですから」
「あっ・・・・・」
ジュノンの指摘通り、今俺は半袖のTシャツを着ているので痣を隠していない。・・・・っと、そうだ。
「ジュノン、分かったといえばさ、なんで俺が男って分かったんだ?」
「・・・・・残念ながら操られていた時の記憶はありません。むしろ私はあなたが男だという事に今、とても驚いています」
「・・・・・・・・・・・・・」
「残念だったね遊輝ちゃん♪これから本当に女の子として過ごしていく?」
「嫌だ!!!(涙)」
「そろそろ、こちらの話を初めてもよろしいでしょうか?」
さすがに茶番をしすぎたせいか、ジュノンの後ろにいる側近が水を差した。まぁ、俺としてはもう・・・・・希望も見えないし(涙)
「ジュノン様」
「分かっています。まずはあなた達にもう一度、お礼を言います。操られていた私を救い出し、ディアールや悪魔族・アンデット族達の横暴、そしてエンディミオンの侵略戦争を止めていただき本当にありがとうございます」
「いいよいいよ。アリアさんたちは善意で行動しただけだし」
善意で行動するって言っている奴が世界の王になるとかふざけた事言わねぇよ・・・・
「あの後、捕虜として囚われていた全ての魔法使いを解放させ、悪魔族とアンデット族達を追い払い、私は国民全員に向けて謝罪をしました。今はグリモワールに気づかれた外壁の撤去作業を急ピッチで進めていて、関係各国にこの1年の事について事細かく事情をはなしております」
「ディアールは?」
「今は牢獄ですがこのまま行けば、どれだけ軽くても国外の山奥の何処かで封印になるでしょう。最悪の場合、封印する時に記憶を無くす魔法を使うかもしれませんが、殺生なことはしたくありませんので」
ふむ・・・・まぁ山奥の何処かなら余程のことがない限り大丈夫か。記憶を無くすとも言っているし。
「そして、私自身も国民の皆さんに迷惑をかけてしまいました。私は最後のやるべき事をやり終えた後、この国の王をやめて隠居生活に入ろうと思います」
「やるべき事?」
「この国を王国制から国民が参加する民主主義の社会に変えます。おそらく、どれだけ急いでも2〜3年はかかると思いますが・・・・・」
「良いじゃないの、急に明日から政治体制変わりますとか言ったら混乱してしまうわよ」
「そうだな。2〜3年とは限らず、じっくり審議したり、他の国のアドバイスを聞いてから政治体制は変えた方がいいと思うぞ」
「アドバイスありがとうございます」
「それとジュノン、あんた自身は責任を取るつもりで隠居生活に入ろうと思ってるけど、多分皆そんな事はさせないと思うよ」
「えっ?」
「ほら!これが国民の声だから!」
俺を抱きかかえたまま、アリアはこの部屋唯一の窓を開ける。窓を開けると小さなベランダがあり、そのベランダに行って下を見上げるとグリモワールに住んでいる住民達がたくさん集まっていた。
『ジュノン様〜〜〜!!!!!』
『ご無事で何よりです!!!!』
『戻ってきてくれると信じていました!!!』
「・・・・・・・・・・・・・」
「皆、ジュノンの事を信頼して、元のジュノンに戻る事を信じていたんだよ。誰もジュノンの事を責める奴はいない・・・・って言うのは言い過ぎか?」
「こら遊輝ちゃん。そこは嘘でも言い切りなさいよ」
「確証がねぇだろ」
「かっこ悪いじゃない」
「・・・・・皆さん」
『ジュノン様!!!責任を感じなくて大丈夫です!!』
『我々もジュノン様の多忙を無視してきたのです!!ジュノン様だけが全て悪いわけじゃありません!!』
『この国の王様はジュノン様以外考えられないんです!!』
「・・・・・ありがとうございます。本当にありがとうございます」
この国の住民の声を聞いたジュノンの目にはうっすらと涙が流れていた。そして、顔を手で隠したまま1度部屋に戻る。
「ジュノンももったいないわよね〜。こういう時は手を振るぐらいしないと」
「そうだな・・・・」
「じゃあ私たちも一回部屋に戻ろうか」
「・・・・・なぁアリア。質問があるんだが」
「な〜に、遊輝ちゃん」
「お前さ・・・・・何でこの町を救いたかったんだよ?何で俺を助っ人に呼んだんだよ?」
俺を抱きかかえたまま部屋に戻るアリアに対して、俺はそう質問した。
俺の心に残っている疑問点・・・それはアリアがこの町を救いたかった理由と何で俺を助っ人に呼んだのかだ。確かにディアールがめんどくさいことをして精霊世界が混乱になるのは避けたかったかもしれないが、それでもアリア1人の力なら充分に止めることはできたはず。
「・・・・言ったはずでしょ。私の目的を邪魔する者は誰として容赦しないと」
アリアは俺を抱きかかえたまま部屋に戻り、緊迫した面持ちで俺に返答してきた。
「なおさらだ。ディアールはお前の計画を知らないはずだし、お前より凄い魔法使いとは思わなかった。こんな事、お前は無視しても良かったんじゃないか?むしろこうやって止めた方がデメリットが多い気がする」
「・・・・確かに、遊輝ちゃんの言う通りかもしれない。でも理由はちゃんとある。一つ目は私の目的、もう一つ、この町を救いたかった理由がある・・・・・・」
「何だ?」
「私の故郷を荒らす者が許せなかった・・・・・それだけよ」
「・・・・まぁ良いだろう。じゃあもう一つの質問だ。何で俺を助っ人に呼んだ?別に俺がいなくてもお前1人で十分解決できることだっただろ」
「・・・・・・・めてだから」
「ん?」
「私が生きていたこの18年間、私のことをあれだけ構ってくれるのは遊輝ちゃん、あなたが初めてだったから・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「知っているわよ。トールモンド叔母さんから私の過去の話を聞いていたことを」
「・・・・あれだけ声を荒げたらそりゃ気づかれるか」
あの時の俺はアリアの意外すぎる過去に驚きの連続だったからな。壁に耳あり障子に目ありとはこのことだ。
「だから私は遊輝ちゃんにお願いした。本当に私のことを恐れずに来てくれるか・・・・・そして本当に付いてきた」
「半分無理矢理だけどな」
「それでもよ・・・・遊輝ちゃんは本当に付いてきてくれた・・・・・久しぶりな感覚だったわよ、この1週間、1人で過ごさなかった時期は」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
顔を上にあげると、アリアが少し悲しい表情をしていた。今まで、一度も見せたことのない、悲壮感があるアリアの悲しい表情だ。
やはり、孤独という感情だけはどれだけ魔力を手に入れも脱ぎすてることはできなかったのか・・・・・幼い頃のアリアにとっては環境があまりにも悪すぎたんだろうな・・・・
「・・・・・・これが最後の質問だ。お前さ、本当に世界を乗っ取ろうとしているのか?今のお前のやっている事はそれとは全く真逆のことだぞ」
「確かにね・・・・・・遊輝ちゃんの言っていることが最もだわ。初めて遊輝ちゃんと対峙した、あの時は確かに、100%この世界と人間世界を征服して王になると思っていた。けど、それが今揺らいでいる。これは紛れもない事実よ。でも・・・・・・」
「でも?」
「仕方ないの・・・・・それが私の背負っている運命なんだから・・・・・」
「運命・・・・・だと・・・・・?」
「そう・・・・運命・・・・私に課せられた運命・・・・・」
アリアの顔は悲壮感漂う悲しい顔から覚悟のあるキリッとした顔に表情が変わった。ふむ・・・・・これはまだ何か、ありそうだな。
「・・・・・分かった。俺はお前が止めないという結果さえ分かれば良い。その時は全力で止めてやる」
「言ったわね。返り討ちにして、一生、アリアさんのお人形にしてやるわ」
「それだけはマジ勘弁・・・・・(汗)」
「お二人とも、ご連絡です。お二人の勲章を授与する式をやるみたいです」
「そんな物いらないわよ」
「俺もパス、善意でやった意味がなくなる」
「お気持ちは分かりますが、ジュノン様も国民もお二人の事を英雄として扱っております。形だけの出席だけでもお願いします。返還はその後でも私がお手伝いしますので」
「ジュノンもしょうがない奴だな・・・・」
「仕方ないわね・・・・・遊輝ちゃん、行くわよ」
「へいへい・・・・・・降ろしてくれ」
「ダ〜メ♪」
「まずは服の正装をお願いします」
「あっ、遊輝ちゃんも女物でね♪」
「嫌だ!!!」
「えっ?そちらの方は女性では?」
「俺は男だあああああああ!!!!!!!!」
またしても間違えられたので俺は絶叫をする。アリアに降ろすように催促したがこれも断られ、俺とアリアは魔法使いに誘導されてまずは式に出席するための身支度を整える。
〜〜(数時間後)〜〜
「何でタキシード着るのよ。ドレス着なさいよ、ドレス」
「絶対に嫌だ!!!」
係の者に手伝ってもらって、俺とアリアは正装に着替えた。アリアは水色のドレス、俺は黒のタキシード服だ。
「にしても・・・やっぱりタキシードは違和感あるな・・・・」
「男物の服を着て?」
「違う!!こういう正装は普段しないからだ!!」
普段、正装という正装はアカデミアの制服を着るくらいだし、そのアカデミアの制服もだんだん私服化してきたからな・・・・最初の頃は前ボタン閉じていたけど、今じゃ龍亞やスバルたちと同じく平気に前ボタン開けているし・・・・おかげでこのタキシードが窮屈に感じる。
「お二人共、ご準備が整いました。これから式典が始まります」
「は〜い♪」
「へ〜い」
「よいしょっと♪」
使いの魔法使いに呼ばれて、支度部屋から出ようとしたが、またアリアに抱っこされてしまった。
「・・・・・・・拒否権は?」
「無い♪」
「デスヨネ〜」
「よろしいのですか?」
「うん♪これでいく♪」
「わかりました」
拒否権を聞いたら笑顔で無いと言われて、思わず心に思ったことを口に出す。ブレスレットのことがあり、拒否権が無いとは分かっていたけど、あんなに清々しく言われるとは思わなかった。
「では、こちらの扉の前でお待ちください。まもなく式が始まりこちらの扉が開きますのでご入場ください」
「は〜い♪」
・・・・♪♪♪♪〜〜〜〜〜
係の者に案内されて、大きな扉の目の前で待つ。しばらくすると、部屋の中から楽器の音が聞こえてくる。そして、目の前の大きな扉がゆっくりと開いた。
「それじゃ、お願いします」
「は〜い、じゃあ遊輝ちゃん。行くわよ」
「へいへい・・・・・」
結局アリアに抱っこされたまま、俺たちは部屋の中にゆっくりと入る。扉からジュノンがいる場所はレッドカーペットが引かれて、そのレッドカーペットの両脇には王国関係者の魔法使いがたくさんいて、綺麗に整列して拍手をしている。そのままアリアはゆっくりと歩いて、ジュノンの前で止まる。
「・・・・・・このまま続けてよろしいのですか?」
「大丈夫♪」
「全然大丈夫じゃないですけど、抵抗できないです(涙)」
「・・・・・・そ、それでは、グリモワールを救ってくれた若き二人の魔法使いの勲章の授与式を始めます(汗)」
少々苦笑いのジュノンの掛け声で式が始まる。それに合わせて再び演奏隊が楽器を鳴らして鳥が部屋から外に飛び出す。
「では、勇敢な2人の魔法使いにグリモワールの勲章を授与します」
一人の魔法使いが盆みたいな者に二つのケースを乗せてジュノンの所まで運ぶ。ジュノンはその内一つのケースを手に取り、蓋を開ける。その中には緑と赤で彩った首掛け用の紐がついたメダルが入ってあり、ジュノンはそれを取り出してアリアの首にかける。ついで、もう一つのケースを開けて同じメダルを俺の首にかけてくれた。
「勇敢な二人の魔法使いに盛大な拍手を!!!」
パチパチパチパチ!!!!!!!!!!
ジュノンの大きな掛け声で、この場にいる全ての魔法使いが拍手をする。それに答えるように俺とアリアは手を振った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ふわぁ〜・・・・・・ねっむ」
「ご飯美味しかったね♪にしても眠いって・・・まだ8時だよ」
『今のマスターは身体が5歳児ですからね・・・・無理はないです』
その後、ジュノンにメダルを返還した後、食事会に誘われて少し早めの夕食を取り、現在夜の8時。ラメイソンを出て夜のグリモワールの町を歩いている。服はアリアから借りたあり合わせの子供っぽいTシャツとスカート、それだけじゃ今の俺には寒いのでモッフルコートを着ている。アリアはジュノンの時と戦った魔法少女の服ではなく、学校の制服みたいな服を着ている(魔法少女育成計画のスノーホワイト)。
いつもならもっと活発になる時間だが、もう眠くて仕方ない。これも副作用の一種なんだろうなぁ・・・・
『マスター、今は無理をなさらずに」
「そうだな。はぁ〜・・・全て解決したしそろそろ現実世界に戻るか・・・何とか正月はみんなと一緒に過ごせそうだな。早い所帰って寝よ・・・・・・」
「何言ってるの。まだ遊輝ちゃんは帰れないわよ」
「・・・・・エッ?」
「私、出発する前に言ったわよね。『遊輝ちゃんは2週間、アリアさんの下で働いてもらう』って♪」
「・・・・・イヤイヤイヤ!!!!全部解決したじゃんか!!!もう俺の必要性ないだろ!!!」
「まだまだ♪次の1週間はアリアさんのお人形として、アリアさんの可愛いお洋服とか着てもらったりこの町のお買い物に付き合ってもらうから♪それに遊輝ちゃん、ブレスレットがある限り、アリアさんの命令は絶対だよ」
「うっ!?」
「さらにさらに、その身体、どうやって説明するつもり?今ここで止まっておけば、みんな遊輝ちゃんの可愛い秘密をバレずに済むんだよ」
「うっ!?」
「というわけで・・・・・・あと1週間よろしくね♪魔法少女遊輝ちゃん♪」
「いやだあああああ!!!!!」
ーーーー二人の魔法使いの精霊世界の冒険は終わった
ーーーーしかし
ーーーーこの出来事から数ヶ月
ーーーー仲間として戦った二人の魔法使いは
ーーーー同じ精霊世界という舞台で
ーーーー世界の命運をかけた戦いを始める。
アリア「可愛いわね〜。遊輝ちゃんの5歳の時ってこんなに可愛い子供だったんだね」
遊輝「/////もう嫌だ・・・・恥ずかしい・・・・」←普通の姿
アリア「あの時は楽しかったよ♪アリアさんのお洋服何着せても可愛かったし、女の子の仕草とか覚えてもらったりとかして」
遊輝「/////思い出したくない・・・・・すぐに記憶から消去したい・・・・」
アリア「何言ってるのよ!可愛かったわよあのセリフ!『私は魔法少女遊輝ちゃん、可愛いお洋服が大好きな5歳の女の子です!』って」
遊輝「///////うわああああああ!!!!!!」
アリア「というわけで4.5章はこれで終わり。アリアさんはまたしばらく休暇となるよ。第5章からいよいよWRGP編。果たして、遊輝ちゃんのチームはどうなるか!?そして初代チャンピオンに輝くのは!?次回も楽しみに待っていてね〜」