【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち 作:DICHI
A,覇王モードですめば良い方だと思うよ(他人事)
遊輝「////何でカードの紹介もないのにこんな恥ずかしい格好で前書きやらなきゃいけないんたよ!!」←前回と同じ衣装
アリア「当たり前じゃない。前書きもやるって言ったんだから」←同じく
遊輝「////早く着替えたいんだよ!!普通の私服に戻りたいんだよ!!」
アリア「・・・・『魔法少女遊輝ちゃんは口を閉じる』」
遊輝「んんんん!?!?!?んんんん!!!」
アリア「というわけで第129話、スタート!遊輝ちゃん、あっちでお仕置きね」
遊輝「んんんんんんんん!!!!!!」
遊輝 side
「(・・・・・////下半身がスウスウして気持ち悪い。何でこんな目に・・・・・)」
現在、アリアの後ろで飛んでいます。下半身がスカートなので風のせいでスウスウとした感覚がして気持ち悪い。おまけに箒をまたいで乗っているから風でスカートがめくれて凄い大変だ。すでに空を飛び初めて2時間近く経とうとしている。街は抜けて今は見渡す限り一面が木々で覆い尽くされている森の地帯を飛んでいる。
「遊輝ちゃ〜〜ん、遅いよ〜〜。もっと飛ばしてちょうだい〜〜!!」
「ウルセェ!!!下半身に違和感あるし箒なんか持ったら飛びづらいんだよ!!」
「箒は持つんじゃなくて魔法道具の一つとして考えるのよ!!手を離したって大丈夫だから!!」
「落としても知らんぞ!!」
「心配しなくていいわよ!!アリアさんの魔法道具に欠陥品なんてないから!!」
前を飛んでいるアリアがそういうので俺は両手を箒から離す。箒は落ちることなくまたいだ俺の間にしっかりと空を飛んでいた。
「マジかよ・・・・・」
「言ったでしょ!!私は人間でもあり、魔法使いだって!!」
「そもそもの問題で俺、箒必要ないんだって!!」
「ここは空気的に読まないとダメでしょ!!遊輝ちゃんは魔法少女なんだから!!」
「んなもん知るか!!!魔法少女って言うな!!」
「良いから早くスピードあげなさい!!ちょっと話したいことがあるんだから横に並びなさい!!」
「へいへい・・・・・」
アリアに急かされたので少しスピードを上げてアリアの右横に付く。アリアの手には何か分厚い本が左手に持ってあり、右手にはペンを持って何か書いていた。
「何だよその分厚い本」
「これ?魔導書・・・・って魔法使いっぽく言いたかったけど、これは私の日記よ」
「日記!?そんな分厚い本が!?」
「魔力倹約術ってカード知ってる?」
「ちょ、ちょっと待て・・・・古すぎるカードだろ。えっと・・・・魔法カードのライフコストが無くなるやつか?」
「そうそう、こっちでは優秀なものでね、私の書きたいことをこのペンの脳波が拾って勝手に書いて、無限にページが存在するノートなの。私のは劣化版だからこのペンは役立たずで動かないけど」
「ふ〜ん・・・・・ていうかこんな時にお前は何を書いているんだよ」
「何って・・・・日記だよ、今日の出来事を事細かく書くのよ」
「・・・・・ちょっと待て!?ていうことは!?」
「そりゃもちろん、遊輝ちゃんが魔法少女になったことも事細かく」
「やめろおおおおおおお!!!!!それ処分する!!!!」
「『魔法少女遊輝ちゃんの両腕を後ろに回す』」
「この!?えっ!?!?えっ!?」
アリアの右手に触れようと左手を伸ばしたけど、その左手はアリアに触れる寸前で止まり、さらに俺の両手は後ろに回ってしまう。
「ちょっ!?お、お前!?何したんだよ!?」
「うん?暴力的な事をした魔法少女には罰を与えようと思ってね」
そう言ってアリアは俺の後ろに回り、俺の両手を掴んで何かされる。数十秒後、アリアの作業は終わり、俺から離れる。何をされたのか確認したかったけど、両手を離すことができない。
「暴力的な事をしないように両手を縄で結ばせてもらったよ。その状態でも飛べるんでしょ?」
「くっそ・・・・こんな物能力使えば」
「『魔法少女遊輝ちゃんは太陽のシグナーの能力を使うことができない』」
「なっ!?テメェ!!こ、この!?!?」
アリアが俺の耳元でシグナーの能力を封じるようにブレスレットに吹き込んだがそんな事御構いなしに能力を使おうとした。だが、両手で太陽を一つも作ることが出来なかった。
「無駄無駄、私のブレスレットの魔力は凄いんだからね」
「くっそ・・・・・・・ブレスレットが無かったらこんなことにならなかったのに・・・」
「ブレスレットも何も、遊輝ちゃんが弱いからこうなったのよ。スカート捲れているし」
「こらああああ!!!!!」
「それよりも連絡連絡、グリモワールに着いたらまずは外に繋ぐ門から入れるか調査よ」
「?何でそんなめんどくさい事するんだよ。門ってことは門番がいるんだろ。空から入ったらいいじゃねえか?」
「ところがね〜〜〜、どうやらそうもいかないみたいのよ、これ」
「うん?」
横に並んでいるアリアが俺に1枚の紙を見せる。両手を拘束されている俺は手にとって見ることが出来ないので少し前屈みになる。
「・・・・・グリモワールに謎のバリア?」
「そう、今朝の新聞を切り抜いたんだけどつい最近、グリモワールの外壁の上に強靭なバリアが張られたって話。そのバリアからを突き破ることは出来ないし、今までは空から観察できていたのがそれもできなくなったみたいよ」
「ますますもって怪しいじゃないか・・・・」
「というわけで、外壁には必ず外と繋がる門があるはずだからまずはそこからよ」
「へいへい・・・・・」
新聞の切り抜きと手帳をカバンに直したアリアは代わりに懐中時計を取り出して時間を見る。
「う〜ん・・・・そろそろ飛んで2時間か、一旦休憩に入りましょう。流石に飛びっぱなしだと私も疲れてくるわ。ちょうど川のほとりも見えてきたし」
アリアが森の中にある川を見つけ、そこに向かって下降していく。俺もバランスをとりながらアリアについて行く。
「よっと、到着」
「到着はいいからこの後ろの奴を外してくれ・・・・」
「ダ〜〜メ、まだお仕置きタイム中だよ」
「空中でのバランスが取りづらくて仕方ないんだよ・・・・よいしょっ」
「遊輝ちゃん!女の子が地べたに座ったらダメだよ」
「俺は男だあああ!!!!」
「そんな服着たら女の子にしか見えないよ。とりあえずそこに倒れている木があるからそこでお昼ご飯を食べよう」
アリアに呼ばれたので仕方なく立ち上がって近くに倒れた巨木に腰をかける。アリアも俺の隣に座ってカバンの中から何かが入ったビニール袋を取り出し、その中から弁当と箸を手にした。
「それどうしたんだよ」
「これ?朝出るまでに買ってきたのよ。いや〜、ああいう町の弁当屋って便利だよね。心配しなくてもこのお弁当2人前だから」
「いや・・・・それはありがたいんだけど、俺どうやって食うんだよ、この状態で」
「こうすればいいじゃない」
アリアが袋から割り箸を取り出して弁当の蓋をとる。その中にある卵焼きを半分に割って俺の口に向かって卵焼きを持ってきた。・・・・・・・・まさか、
「お前・・・・・『はい、あ〜ん』でもやるつもりか?」
「もちろん!!はい、あ〜〜ん」
「却下!!!!俺には彼女がいるんだぞ!!!そんな事やったら殺される!!」
「別にここには居ないからいいじゃない」
「そんな事されるくらいなら食べない方がマシだ!!」
プイッと顔をアリアと反対側に向けてご飯を食べない意思を表す。そんな事されたらマジで龍可に殺されてしまう・・・・・
「さすがにご飯は食べなきゃまずいでしょ」
「一食くらい抜いても健康上問題ないわ!!」
「んもう、強情ね〜・・・・『魔法少女遊輝ちゃんはお昼ご飯を食べている間、アリアさんに素直になる』」
「なっ!?お前!?」
「はい、あ〜〜ん」
ブレスレットにとんでもないことを吹き込んで俺は慌ててアリアの方に顔を向けたが時すでに遅し。アリアが再び卵焼きを箸で持ち上げて俺の口元まで持ってくる。俺は抵抗して顔を反対に使用とするが全く言うことを聞かず、口を閉じることすらもできない。
「ぐぅぅ・・・い、言うこときかない〜〜・・・・・」
「あんまり抵抗しない方が身のためだよ。何だったらもっと素直にさせてあげてもいいわよ。女の子の心を入れてあげることもしてあげるよ」
「ぐぅぅ・・・・・や、やめろ。分かった、分かったから・・・・・」
「ちゃんと『あ〜〜ん』って言うんだよ」
「わ、分かったから・・・・あ、あ〜〜ん・・・・」
何とかして首を回そうとするが言うことが聞かず、これ以上やったら首の骨が折れそうな上にアリアに脅しをかけられたので、仕方なく口を開けて「あ〜ん」と言った。アリアは俺の口に卵焼きを入れ、それを噛みしめる。
「どう?おいしい?」
「・・・・・うまい」
「きゃあ〜ツンデレ〜〜!!」
「(何がツンデレだよ(汗)ツンデレ要素一つもねぇじゃえか・・・)」
全くアリアに付いていけねぇ・・・・(汗)休憩しているはずなのに疲れが溜まっていく・・・俺が半分食べた卵焼きの残りはアリアの口に入っていき、アリアはどのおかずを取ろうか迷っている。
「じゃあ次はどれが欲しい〜〜?」
「何でもいい・・・・とりあえず休ませてくれよ・・・」
「素直じゃな〜い!!」
「心から素直な事を言いました、大真面目で・・・・・・分かりました、分かりましたからそんな怖い目をしないでください」
「次言ったらお仕置き増やすわよ」
「ハイ・・・・・ご飯が欲しいです」
「ご飯ね。はい、あ〜〜ん」
「・・・・ハァ、あ〜〜ん・・・・・」
何で俺、精霊世界に来て変な女装させられて森の中で敵対している奴と一緒にご飯を食べているんだろう・・・・・・
そんな事を思いつつも、結局アリアに逆らうことができずに2人で弁当を完食、もうしばらく休憩時間が続くのでそのまま川の側まで歩く。パールにはカードから出てもらい、予備の水を組んでもらう。
「フゥ・・・・・疲れたよ。弁当一つ食うのにこんなに体力使ったの初めてだ」
『大丈夫ですか?』
「そう思うなら助けてくれよ・・・・・」
『無理ですね・・・・・このブレスレットの魔力は相当な物です』
「何コソコソ話をしているのよ。変なことするなら君の精霊の魔力も封じるわよ?」
「こんな状態で変なことなんかできるか。ただの世間話じゃ」
川の側で腰を下ろしたところでカードに戻っていたダイヤが現れて俺の隣で同じく座る。後ろで荷物を整理していたアリアには怪しい様子だったらしいけど正直能力を封じられて、両手を拘束されたら何もできやしない。
一方でダイヤは俺の右腕につけてあるあのブレスレットを興味深くみている。ダイヤ曰く、「相当高等なブレスレットで滅多に手に入らない品物」らしい。
『それにしても不思議ですね・・・・先ほどの魔力倹約術のノートといい、ブレスレットといい、箒といい、本当に貴重な魔力道具ばかりです。一体どこで手に入れたのか・・・・』
「人間の俺が知るかよ・・・・にしても下半身違和感しかねぇ・・・・早い所元の服に戻りたい」
『そんな事ないよマスター!』
パチッ!!パチッ!!
服、主に下半身の違和感をぶつぶつと愚痴っぽく言うといつのまにか正面にいたパールが持参しているケータイで俺は撮っていた。
「写真を撮るなパール!!!」
『だってぇ〜〜、こういうマスターあんまり見られないじゃん!』
「こらああ!!!!」
「何してるのよ!!そっち行ったら服濡れるわよ!!『止まりなさい!!』」
ギギギギ!!!!!!!
「わあわあわあわあ!!!!」
バシャーーーーン!!!!!!!
「あああああ!!!!!私の服が!!!」
パールを捕まえようと川の方に走っていこうとしたから突然足が止まってしまい、前に傾いたバランスが崩れてしまう。そのまま前に倒れてしまい川の中に転けてしまった。
「ゴホッ!!ゴホッ!!」
『あ〜〜あ・・・・』
『ずぶ濡れですね・・・・』
「・・・・遊輝ちゃあああああん!?!?!?」
「じ、事故!!事故だって!!!急に止まっても止まれねぇよ!!手を拘束されてバランス取れないし!!!」
「うるさい!!!!私の服の責任取ってもらうわよ!!『魔法少女遊輝ちゃんはアリアさんのところに来る』」
「えっ!?」
服が台無しにされて怒っているアリアが大声でブレスレットにそう吹き込んで、俺の身体はアリアのところに強制的に行くことになる。
「さぁ遊輝ちゃん・・・・・私の服の罪は大きいわよ〜〜」
「えっ?ちょっ?ア、アリアさん・・・・・(汗)」
「『魔法少女遊輝ちゃんはアリアさんに土下座する』」
「えっ!?わっ!?」
またしても身体が動いて勝手に正座をして頭を地面につけてしまう。その勢いでアタマが地面にぶつかってしまって、痛みが発生する。
「い、いてててて・・・・」
「さあ言いなさい!!『アリアさんの大切なお洋服を濡らしてしまい申し訳ありませんでした!言うことを聞かなかった悪い魔法少女にお仕置きをお願いします』って!」
「だ、誰がそんな事言うか!!!あれは事故だ!!」
「そう・・・・だったらブレスレットに絶対忠誠の言葉を吹きかけるわよ。次いでだから乙女心も入れてあげようかしら?」
「やめろおおお!!!
「だったらさっきの言葉を言いなさい!!さもなければ・・・」
「ぐうぅ・・・・ア、アリアさんの大切なお洋服を濡らしてしまい申し訳ありませんでした・・・・・言うことを聞かなかった悪い魔法少女にお仕置きをお願いします」
「よろしい、まずは忠誠の誓いとして、残り半日はこれを付けてもらうわよ」
アリアは土下座して頭を下げている俺の首元まで近づいて、何やらカチャカチャと言う音を立てる。その後、俺の首に何かが巻かれて「ガチャン」という音が聞こえてきた。少し時間が経った後で一旦俺の元から離れる。
「『顔を上げてよし』」
「・・・・・何だこれって言いたいけど嫌な物を付けやがったな」
顔を上げてアリアの右手に紐が握りしめてあり、その紐の元を辿っていくと俺の首にたどり着く。首の正面には金色の鈴が目に見える。首に巻かれる、ガチャンという音で大体察したがアリアは俺の首に首輪を巻きつけた。
「気分はどう?」
「最悪に決まってるだろ・・・女装させられて服ずぶ濡れのままで首輪巻き付けられて・・・」
「今日の残り半日、遊輝ちゃんは私のペットね。ペットに首輪を付けるのは当たり前でしょ?」
「ぺ、ペット?」
アリアから言われた予想外の一言に俺はキョトンとしてしまった。だってほら・・・・もうこうなる前々からペットみたいな扱い受けていたし(汗)
「遊輝ちゃんは子猫が似合うからこれを付けましょうね♪」
そう言ってアリアはカバンの中から(今思えばあいつのカバンって四次○ポケットだな・・・・)猫耳と腰回りで巻く猫の尻尾・さらには猫の手と猫の足というコスプレグッズを取り出して、俺の頭に猫耳のカチューシャをはめて、腰回りを巻いて猫の尻尾を付けられた。縛られている俺の両手に付けてあったシルクの白い手袋がとられて代わりに猫の手を、靴を脱がれて代わりに猫の足を付けられた。
「ここから遊輝ちゃんは語尾にニャ〜って付けなきゃダメだよ♪『魔法少女遊輝ちゃんは語尾にニャ〜って言う』」
「・・・・滅茶苦茶だニャ〜」
「似合う似合う!!これから遊輝ちゃん、猫として生きたら?」
「絶対に嫌だ!!!・・・・・ニャ〜」
『・・・・お兄さんお兄さん』
『どうした、パール』
『あの2人って実は結構相性が良かったりするのかな?』
『・・・・・そうかもしれない』
「ほら魔法少女遊輝ちゃん!!お散歩行くよ!」
「お散歩って言うニャ〜・・・・」
首輪に紐を付けられて、その紐はアリアの右手に収まって、アリアは森の中に入って行く。そのままじっとしておくと俺の首が絞まってしまうので仕方なく俺はアリアの後ろをついて行くことになった。
〜〜(1時間後)〜〜
「よし、それじゃ出発しますか」
「も、もうすでに疲れた、ニャ〜・・・」
出発と言って荷物をまとめて箒を持つアリアに対して俺はすでに今日一日分の体力を使い果たしたような感覚でうつ伏せにゴロンとなる。歩きすぎだろ・・・・森の深くまで入って、川のほとりまで往復させられて・・・・
「パンツ見えているよ、遊輝ちゃん」
「言うニャ!!!!!」
「そんな体勢で寝るからだよ。また服汚すし・・・」
「つ、疲れんだニャ〜・・・・」
「もう、情けないわね。そんなんじゃ本当に男の子じゃないわよ」
あんだけ命令されてしかもこんな拘束状態の上に歩きにくい猫の足なんか履かされたら誰だって体力もぎ取られるわ・・・・
「もう、とりあえず靴と手袋は乾いたから靴だけは返してあげるわ」
アリアが履かされた猫の足を取って、半乾きの俺の靴を履かせ、前に回り猫の手を外してこれまた半乾きの手袋をはめられる。
「ほらっ!箒持って!行くわよ魔法少女遊輝ちゃん!」
「そ、その魔法少女って言うのやめてくれないかニャ〜・・・」
「絶対にやめない。行くわよ!」
「ひ、人使いが荒いんだから、ニャ〜・・・・」
アリアが箒に跨いで飛び上がり、俺も自分自身の霊力を高めて箒に跨いで飛び上がる。そのままアリアと並んで目的地に出来るだけ近づけるようにスピードをだす。
〜〜(同日 夜)〜〜
辺りが暗くなる前に洞窟の洞穴らしき物を見つけ、1日目はここで野宿となる。両手の拘束は解いてもらい、首輪も外して能力も使えるようにはなったがアリアへの仕返しは出来ずじまい。おまけに頭の猫耳と腰回りの尻尾などの猫のコスプレグッズは外してくれなかった。とにかく、今日はここで1泊するので近くにあった枯れ木や枯葉などをたくさん集めて、俺の能力を使い、火をつけて焚き火をする。晩飯は真空パックに詰め込んで置いた昨日作った料理を開封する。食べるときは邪魔なので手袋を外して、焚き火の上に鍋を置いてその中に昼間に組んで置いた水を入れて沸騰させる。真空パックを鍋の中に入れてしばらくの間温め、フォークを使って取り出し、パックを開けて食べる。
「いや〜、やっぱり遊輝ちゃんの角煮は何度食べても美味しいよ!」
「お前も変わった奴だよニャ〜・・・・角煮が好きな女性なんか聞いたことねぇニャ〜」
俺は真空パックから煮込みハンバーグと温野菜を紙皿の上に出して食べたけど、アリアは相変わらず角煮一択だ。
「角煮があればご飯何杯でもいけるよ!」
「お前の場合は個食すぎニャ〜・・・・野菜も食えよ、野菜も」
「うるさいわね!!私の食事は私の自由なのよ!!猫に言われたくないよ!」
「お前がこうしたんだろうニャ〜!!!!」
誰のせいでこんな語尾を付けられていると思ってるんだよ!!直ったと思ったけど身体がまだ勝手に反応してしまうんだよ!!
「もちろん私のブレスレットの魔力はまだ続いているからね。私がここに吹き込まない限り遊輝ちゃんは一生その語尾のままだけら♪」
「ぐぅぅ・・・・・」
「まぁでもやめさしてあげても構わないかな・・・・」
「!?ほ、本当ニャ!?」
「どうしようかな〜〜?」
「お、お願いします!!直してくださいニャ!」
何としてでもこの語尾を直してもらうようにアリアに頭を下げる。アリアはこれを見てニヤっとしていたが俺には見えてなかった。
「そんなにやめてほしいなら誠意を見せてほしいな〜」
「見せます!見せますニャ〜!」
「じゃあ今日一緒に寝よう♪」
「・・・・・・・ニャッ?」
アリアから言われた予想外すぎる一言に俺はつい「ハッ」って言って顔をあげ、キョトンとした。アリアの顔はニヤニヤとしている。
「・・・・え〜と、もう一回言ってもらえますニャ?(汗)」
「聞き分けの悪い魔法少女ね。今日一緒に寝よう♪」
「・・・・何でニャ?(汗)」
「いいじゃない♪アリアさんの気分なんだから♪」
「・・・・・・・・・・」
もう突っ込まんぞ・・・・(汗)一瞬、「俺は彼女がいるんだぞ!!」ってツッコミたかったけど、何があっても絶対に突っ込まんぞ(汗)。突っ込んだら負けのような気がしてきた・・・・(汗)
「あっ、そうそう、今日来た服は返してもらうわよ。明日は別の魔法少女の服を着てもらうから♪」
「・・・・いや、それだったら俺今日着る意味なかったニャ〜〜!!!!!」
「はい、君が突っ込んだからアリアさんの勝ちね♪」
「何で人の心を読んでるんだニャ〜〜〜!!!!」
大声を出して盛大に突っ込んだがアリアには読めていたらしく、すぐに笑顔でそう返してきた。何で俺の周りには人の心を勝手に読める奴ばっかりなんだよ!!!
「それは君の顔が凄く表情に出やすいからだよ」
「だから人の心を勝手に読むニャ〜〜!!!」
この後、家から持ってきたタオルを使って組んだ水を含ませて身体を軽く洗って寝巻きに着替えて、寝袋を取り出す。アリアも洞穴の奥の方で寝巻きに着替えた。猫のコスプレグッズと猫の語尾を言わなきゃいけない魔法は一緒に寝るという条件を飲んだので、解放してくれた。すでに焚き火の火は消して、あとは寝袋の横にあるランプを消せばこの辺りは一気に真っ暗になる。
「ハァ・・・・」
「じゃあ遊輝ちゃん♪寝よう」
「・・・・一応、聞いておくけど、お前明日以降の自分の寝袋の分は?」
「無い♪」
うん、知ってた。何となくだけどそんな事言いそうな気配がしていたよ。
「ああもう、明日以降はこれ使え。俺は地面で寝る」
「何言ってるのよ。明日以降も一緒に寝るんだよ。『魔法少女遊輝ちゃんは今日・明日・明後日アリアさんと一緒に寝る』」
「・・・・・それズルくね?」
アリアがブレスレットにそう吹き込んで、俺の身体は自分の意思とは反して勝手にアリアが先に入った寝袋の中に入る。思わず呟いてしまったがもう遅い。俺が寝袋に入ったところでアリアはランプを消してファスナーを閉じてしまう。辺りは真っ暗になるが寝袋が一人用なのでお互いの身体や顔が密接になるため、顔だけはしっかりと見える。アリアは寝袋の中で俺の身体を抱き枕のように身体全体で抱きしめる。
「あったか〜い!遊輝ちゃんのシグナーの能力のおかげで身体ポッカポカ♪」
「俺は湯たんぽかよ・・・・」
「外は冬で寒いんだし、これくらいして暖を取らないと♪」
「ハァ・・・・・もういいや。寝よう」
もう何をされても抵抗できないので今日一日のことを忘れようと俺は目を閉じた。
〜〜(3日後)〜〜
「あとどのくらいだ!?」
「10分くらいよ!」
あれから3日後・・・・・
アリアに振り回されながら何とかグリモワールの街までアリアの目測であと10分くらいの距離まで来ることが出来た。アリアとは横に並走しながら飛んでいる。
今日も今日とてアリアの服を無理矢理着せられている(『この素晴らしい世界に祝福を』のめぐみんの服の色違い。アリアは黄色、遊輝は赤)。というかこのブレスレットのせいで反抗すらできない。
「にしてもこのマント何とかならんのか!?飛びづらくてやりづらいんだけど!?」
「私の服にケチをつけないでよね!あんたの小さいサイズの服を探すのに苦労しているんだから!」
「小さいとか言うな!!」
こんな感じで飛んでいるときはお互いにヤジの飛ばし合いだ。全く・・・・よくここまで来れたもんだよ。
「見えてきたわよ!!」
「・・・・あれか・・・確かに外壁に覆われて変なバリアを張ってるな」
アリアが指を指す先には大きな円形状に作られた外壁が見えて、その外壁の上にはドーム状に貼られた緑色のバリアらしきものが貼られてあり、そのバリアからは中を見ることはできない。
「まずは門を探すわよ!」
「分かった!」
まずは外の世界とグリモワールを繋ぐ門を探すため、俺とアリアはここで別れる。アリアは左側を、俺は右側を壁沿いに飛んでいく。
「・・・・全く見当たらんな。まさか外の世界と関係を絶ったというはずはないし・・・」
『マスター、あそこの壁だけ微妙に膨れ上がってます』
「うん?あれ?・・・・・普通だったら通過していたところだぞ、こいつを使って連絡するか」
上空を飛んでいるとダイヤが見つけた外壁の微妙な膨らみ、他に怪しい所も見当たらないのでとりあえずブレスレットを使ってアリアに連絡する。場所は・・・・そろそろこっちに来そうだな。ブレスレットの赤の輝く部分を押す。
『?もしも〜し!』
「見つけた。場所は分かるんだろう?」
『・・・なるほど、もう直ぐ着くわ』
ブレスレットで場所を把握したアリアは通信を切る。数十秒後、アリアはやって来てとりあえず作戦会議のため門の正面が見える森の茂みに隠れる。
「私が見て回った限り門らしき物は見当たらないし、どうやらあれが唯一の正門ね・・・・」
「見張りは・・・・いない?」
「いや、見張りを付けてないみたいね。あれ見て」
アリアが門の上の方を指す。そこには謎の魔法陣みたいな模様が彫られてある。
「あそこが恐らく防犯カメラみたいなシステムをしているんでしょうね」
「おいおい・・・・あんな所にあったら侵入は難しいんじゃねぇか?」
「分からないわね・・・・でも確かあの魔法陣なら・・・・いけるかも」
「ハッ?どうやって?」
「私の記憶が正しければ、という話だけどあの魔法陣は恐らく・・・・」
「お、おいアリア?」
「付いてきて、私の予想が当たれば恐らく攻撃はしてこないわ」
そう言ってアリアはカバンの中からデュエルディスクを取り出して茂みから立ち、門の前に移動する。堂々と歩いて門の前に立つと上にあった魔法陣が赤く輝いた。
「言わんこっちゃない・・・・魔法陣が反応したぞ」
「大丈夫よ」
「(何が大丈夫なんだよ・・・・・)」
魔法陣が赤く輝いて俺たちの前にソリッドビジョンのような技術で人が現れる。その人は緑色のフードを被り、顔は見えないが服は緑色の魔法使いのようなローブの服を着ていて、左手には杖を持っている。
「何だあれ?」
「あれが門番代わりよ。この門、そこらへんの凡人では分からないようにして、こうやって分かった人に対して投影技術で門番が現れるのよ」
「ふ〜ん、で、どうするんだ?」
「もちろんこれよ。勝ったら入れるわ」
「おいおい、勝って入れることは出来るかもしれないけど、向こう側は街に入ってきたこっちを警戒するぞ。こういうのって敵側は監視するんだろ?」
「心配しなくていいわ。その対策はデュエル後よ、まずはこのデュエルね」
アリアはデュエルディスクを起動させる。相手も左手を突き出して、杖が光る。魔法使いの前には5枚の石板が空から降ってくる。
「いくわよ!」
「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」
遊輝「////なんで毎回毎回こうなるんだニャ〜・・・・」←このすばのめぐみんの服&猫のコスプレ
アリア「私のいうことを聞かないからだよ」←同じく
遊輝「ハァ・・・・・早い所この章終わって欲しいニャ〜・・・・」
アリア「私的には今の魔法少女遊輝ちゃんは面白いからずっと続けてもいいけど」
遊輝「嫌だ、ニャ〜・・・・・」
アリア「じゃあ次からはグリモワールに潜入するわよ!『魔法少女遊輝ちゃん、締めの挨拶を言いなさい』」
遊輝「ぐうぅ・・・・ここまで読んでありがとうございましたニャ〜〜・・・・」