【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち   作:DICHI

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最強カードの紹介〜〜。

ダイヤ「お久しぶりです」

いや〜・・・・・色々と大変だよ。デッキ製作が

ダイヤ「何でそっちなんですか(汗)」

前回の前書きでも言ったけど創作意欲がすごくてね・・・・マジ財布が軽くなる

ダイヤ「お金の管理をしっかりやらないからでしょ」

やってるって。これ今月、これ来月って決めて。

ダイヤ「(本当ですか?)」

最強カードの紹介に行こう!今回は閃珖竜スターダスト!」

ダイヤ「漫画版5D'sの決闘竜の1体、遊星が使っているモンスターです」

1ターンに1度、フィールドのカード1枚をあらゆる効果・戦闘から破壊を1度だけ免れる事ができる!

ダイヤ「本家のスターダストと違って、場にモンスターが残りますから、その後の防御という面でも優秀です」

あと、こいつ何気に光属性なんだよな。サポートカード豊富だよ。

ダイヤ「第122話、デュエルスタート!」


第122話 遊星vs鬼柳 仕組まれたデュエル

遊輝 side

 

 

「ふむ・・・・・これをこうしてっと・・・・よし」

 

ウェストから借りたピストル型のデュエルディスクの操作を確認する。こいつはなかなかに凄い変形型デュエルディスクだな・・・・スバルに見せたら喜んで分解しそうだな。

 

「あの・・・・」

 

「ああごめんごめん。こいつで充分役立つよ。最も、使わない事を願いたいけどな」

 

「そうだね・・・・・」

 

「どうする?俺としては危険な場所には連れて行きたくないんだが・・・・」

 

「・・・・僕はそれでも見たいです。遊輝さん、僕は昨日の夜、ラモングループの下っ端の話を耳にしました。遊星さんと鬼柳さんがデュエルをするのでしょ?」

 

「・・・・・ああ」

 

「僕は見たいです!サティスファクションのリーダーとその仲間のデュエルをこの目で見たいです!!」

 

「・・・・・分かった。ただし、絶対に俺のそばから離れるなよ。正直言って、何が起こるか分からないからな」

 

「もちろんです・・・・・」

 

何が起こるかは実際問題は分かるけど、人質いる状態であいつと真正面から戦っても賢くはないからな・・・・

 

「にしても昼間からこんなくら〜い空気だったら夜まで持たんぞ。景気付けに何かひいてやろう」

 

「えっ?」

 

そう言ってカバンとは別に持ってきたキャリーカートを開けて、その中にあるアコースティックギターを1本取り出す。適当にチューニングをして軽く鳴らして調整する。

 

♪♪〜〜♪♪〜〜

 

「よしOK・・・・・何か聞きたい曲でもある?」

 

「えっ!?本当ですか!?じゃあ僕、ゆずさんの《栄光の架橋》を聞きたいです!!」

 

「栄光の架橋ね、OK」

 

♪♪♪〜〜♪♪♪〜〜

 

ウェストのリクエスト曲を聞いて、序盤だけリズムを取るために適当な弦を弾いて、そこから栄光の架橋のコードへと行く。

 

 

〜〜(数時間後)〜〜

 

 

時刻は夕方、いよいよ鬼柳さんと遊星さんのデュエルが始まる。俺とウェスト、ニコは昨日と同様、誰もいない空き家の中で身を顰める。万が一の時のため、俺の背中には竹刀と日本刀もある。

昨日同様、先にマルコムファミリーが出てきて、その後にラモングループが悠々と現れる。

 

「いよ〜マルコム。昨日くれたマッチョ、もうへばって倒れてしまったぞ。今日はそんなへっぽこくれるなよ」

 

「へっ、そんな大口叩けるのよ今日までだぜ!今日の先生はそんじょそこらの奴と違うんだよ!今日こそはあの死神野郎を送ってやるぜ!」

 

「ダーーハッハッハッ!!!毎度毎度同じことを聞いて飽きてくるぜ!お前の頭は猿か!?」

 

「うるせぇ!!先生!!よろしくお願いします!!」

 

マルコムの挨拶で西部劇風のポンチョを羽織って、ウエスタンの帽子を被った遊星が現れた。

 

「またひ弱そうな奴が現れたな・・・先生、今日もサクッとお願いします」

 

ラモンの合図で今度は後ろにいた鬼柳さんが現れる。遊星さんの方は対抗心を燃やしているが、相変わらず鬼柳さんの目は死んだ目をしている。

 

「・・・・・やはりお前が相手か、遊星」

 

「俺はお前を連れ戻しにきた・・・鬼柳、一緒に帰ろう」

 

「無駄だ・・・・どちらか負けたら鉱山に送られる。だが・・・・お前だったら俺も行けるかな」

 

「!?先生、あいつ昨日先生に会った奴じゃないですか!?まさか・・・」

 

「心配するな・・・デュエルで手を抜く真似なんかしない」

 

「そ、そうですよね・・・・」

 

鬼柳さんとラモンの会話が終わると、昨日用心棒を鉱山に連れて行った馬車が現れる。鬼柳さんと遊星さんの間に一瞬の間が開かれ、風が吹いた瞬間、お互いに腰から銃型のデュエルディスクを取り出し、展開、手札5枚をドローする。

 

「お前の先行だな」

 

「・・・そうだな」

 

「ゆ、遊輝さん・・・僕、今の同時に見えたのですけど・・・」

 

「・・・・若干鬼柳さんの方が早かった」

 

「み、見えたのですか!?」

 

盛大な嘘だけどな。

 

「デュエル‼︎」 「デュエル・・・・・」

 

遊星 LP 4000 鬼柳 LP 4000

 

「俺のターン・・・・・」

 

鬼柳 手札 6枚

 

「インフェルニティ・リローダーを召喚、カードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

鬼柳 手札 4枚 LP 4000

【モンスターゾーン】

インフェルニティ・リローダー 攻900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン!」

 

遊星 手札 6枚

 

「スピード・ウォリアーを召喚!スピード・ウォリアーは召喚したターン、エンドフェイズまで攻撃力が2倍になる!」

 

スピード・ウォリアー 攻900→1800

 

「バトル!スピード・ウォリアーでインフェルニティ・リローダーに攻撃!ソニック・エッジ!」

 

スピード・ウォリアーが足にブーストをして、インフェルニティ・リローダーをカポエラで破壊する。

 

スピード・ウォリアー 攻1800

インフェルニティ・リローダー 攻900

 

鬼柳 LP 4000→3100

 

「トラップカード、インフェルニティ・リフレクター。俺の場の《インフェルニティ》が戦闘で破壊された時、手札を全部捨て、破壊されたモンスターを特殊召喚する」

 

鬼柳さんが手札を全部捨てて、インフェルニティ・リフレクター中からさっき破壊されたインフェルニティ・リローダーが帰ってくる。

 

「さらに、相手に1000のダメージを与える」

 

インフェルニティ・リローダーからエネルギー弾が放たれて遊星さんに攻撃する。

 

「ぐっ・・・・」

 

遊星 LP 4000→3000

 

「カードを1枚伏せてターン・エンド。このエンドフェイズ時、スピード・ウォリアーの攻撃力は元に戻る」

 

 

遊星 手札 4枚 LP 3000

【モンスターゾーン】

スピード・ウォリアー 攻1800→900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン・・・・」

 

鬼柳 手札 1枚

 

「カードを1枚伏せる。インフェルニティ・リローダーの効果発動。手札が0枚の時、カードを1枚ドローする。それがモンスターカードの場合、墓地に送ってそのモンスターのレベル×200ポイントのダメージを与える。外れた場合は俺が500ポイントのダメージを受ける」

 

手札が0枚の鬼柳さんがデッキトップに手をかけてすっとカードを引き、そのカードを確認した後、遊星さんに見せる。

 

「俺が引いたのはLv6のインフェルニティ・デストロイヤー。このカードを墓地に送り1200のダメージを与える」

 

リローダーにインフェルニティ・デストロイヤーのカードが弾としてセット、発泡して遊星さんを撃ち抜いた。

遊星 LP 3000→1800

 

「Lv6のモンスターだと!?テメェイカサマしたのか!?」

 

「お静かに・・・」

 

Lv6のモンスターがめくれたことにマルコムは不満を持つが、審判を兼ねている馬車の男がマルコムを静止する。

 

「・・・・お前はこんな運に勝負を預ける奴じゃない、お前らしくないぞ鬼柳!」

 

「熱くなるな・・・・たかがデュエルだ。ターンエンド」

 

 

鬼柳 手札 0枚 LP 3100

【モンスターゾーン】

インフェルニティ・リローダー 攻900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「(こんな事では・・・・鬼柳を救い出せない。あの作戦を実行するためにはまずは俺が勝たないと)俺のターン!」

 

遊星 手札 5枚

 

「マックス・ウォリアーを召喚!」

 

マックス・ウォリアー 攻1800

 

「バトル!マックス・ウォリアーでインフェルニティ・リローダーに攻撃!マックス・ウォリアーは相手モンスターと攻撃する場合、攻撃力が400ポイントアップする!スイフト・ラッシュ!」

 

マックス・ウォリアー 攻1800→2200

インフェルニティ・リローダー 攻900

 

鬼柳 LP3100→1800

 

「ぐっ・・・・リバースカードオープン、トラップカード、ダメージ・ゲート。戦闘ダメージを受けた数値よりも低い攻撃力を持つモンスターを墓地から特殊召喚する。インフェルニティ・ビートルを特殊召喚!」

 

インフェルニティ・ビートル 攻1200

 

「(・・・・スピード・ウォリアーでは届かない。まだ鬼柳に思いを伝えられないのか)マックス・ウォリアーが相手モンスターを戦闘で破壊した場合、次の俺のスタンバイフェイズまでレベルと元々の攻撃力・守備力が半分になる」

 

マックス・ウォリアー ☆4→☆2

攻/守 1800/800→900→400

 

「・・・・相変わらずだな遊星」

 

マックス・ウォリアーのステータスが変化した所で不意に鬼柳さんがそう呟いた。

 

「お前はただデュエルをするだけじゃなく、何かを訴えるようにデュエルをする。俺の心を引き出すようにしている・・・・だが、悪いがどうでもいいんだよ・・・生きていても、死んでいても・・・・」

 

「お前はいつでもデュエルに対して正直に、真っ当に、全てを捧げてきたじゃないか!!」

 

「だけどな、俺は思い出してしまったんだよ・・・ダーク・シグナー、お前とのデュエル・・・・俺のちょっとした勘違いから始まったいざこざのせいで俺はお前たちを憎み・恨み、そして死に追いやろうとした。仲間を・・・・友を・・・・いともたやすく」

 

「だがあのラストデュエルで全てを洗い流したんじゃないのか!?」

 

「消えないんだよ・・・・罪という名の傷が、罪悪感が・・・・確かにお前の言う通り、デュエルは俺の全てだった。だけど今は・・・・・憎いんだよ」

 

そこで鬼柳さんが右手で握り拳を作り、その握り拳を恨むような目で眼差す。

 

「俺は今、デュエルが憎いんだよ・・・デュエルのせいでそれ以上に大切な存在だった遊星を傷つけた。遊星だけじゃない、ジャックやクロウ・・・・・仲間たちに傷つけてしまった。俺はお前たちをこの手で苦しめてしまった・・・」

 

「そんな事はない!!俺やジャック、クロウはそんな事で苦しんだ事はない!!」

 

「だとしても・・・・俺は俺自身を許せない・・・・何も変われないんだよ・・・・だけど、俺はデュエルを捨てる事は出来なかった。あてもなく旅をしてこの町に流れ着き、この町のルールを耳にした。そこで思ったんだ・・・・俺自身のこの苦しみ、憎しみはデュエルと共に滅ぶしかないと・・・・」

 

「鬼柳・・・・・」

 

「だけどその相手がお前だとはな、皮肉な話だ。だが・・・・・それで良かったかもしれない」

 

「・・・・・・・・俺はお前を救いに来たんだ。お前を滅ぼすために来たんじゃない」

 

「お前たちには何度も救われた。そして何度も救いの手をのべてもらった。だが、俺はそれを振り払ったんだ。もう。俺には何も残ってないんだよ・・・」

 

「いや、お前の中にはまだデュエルの熱い思いが残っているはずだ!!俺はその灯火となる!!バトルは終了、これでターン・エンド!」

 

 

遊星 手札 4枚 LP1800

【モンスターゾーン】

マックス・ウォリアー 攻900

スピード・ウォリアー 攻900

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「俺のターン・・・・・」

 

鬼柳 手札 1枚

 

「カードをセットして伏せたカードオープン。マジックカード、ZEROーMAX。手札が0枚の時、墓地から《インフェルニティ》を特殊召喚する。インフェルニティ・デストロイヤーを特殊召喚」

 

インフェルニティ・デストロイヤー 攻2300

 

「そしてこの効果で特殊召喚したモンスターよりも攻撃力が低いモンスターを全て破壊する」

 

「何!?」

 

墓地からインフェルニティ・デストロイヤーが現れ、さらにデストロイヤーが現れた空間から3つのエネルギー弾が現れてデストロイヤー以外の全てのモンスターが破壊されてしまった。

 

「くっ・・・・」

 

「このカードを使ったターン、俺は攻撃できない・・・・墓地のインフェルニティ・ジェネラルの効果発動。手札が0枚の時、墓地のこのカードを除外して、墓地からレベル3以以下の《インフェルニティ》モンスター2体を効果を無効にして特殊召喚する。インフェルニティ・リローダーとチューナーモンスター、インフェルニティ・リベンジャーを特殊召喚」

 

インフェルニティ・リベンジャー 攻0

 

墓地にあるインフェルニティ・ジェネラルが除外され、ジェネラル自信が墓地にいたリベンジャーとリローダーの2体を引っ張り上げる。これで合計レベル8・・・・

 

「Lv1、インフェルニティ・リローダーとLv6、インフェルニティ・デストロイヤーにLv1、インフェルニティ・リベンジャーをチューニング」

 

☆1 + ☆6 + ☆1 = ☆8

 

「死者と生者、ゼロにして交わりしとき、永劫の檻より魔の竜は解き放たれる。シンクロ召喚、いでよ、インフェルニティ・デス・ドラゴン」

 

インフェルニティ・デス・ドラゴン 攻3000

 

「(出た!!でっていう!!!)」

 

デストロイヤーとリローダーが星となり、リベンジャーと一つになる。その一つとなった光がやがて黒に染まっていき、インフェルニティ・デス・ドラゴンが現れる。その姿に俺は思わず、「でっていう」と心の中で叫んでしまう。いやだって、あいつ、どう見ても見た目でっていうにしか見えないもん。

 

「これでターンエンド・・・」

 

 

鬼柳 手札 0枚 LP1800

【モンスターゾーン】

インフェルニティ・デス・ドラゴン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

なし

 

 

「・・・・今でも強いじゃないか鬼柳。デュエルに対して希望を失ってじゃないか。そして、それをお前の生きる希望も」

 

「違う。今はただ取り憑かれているだけだ・・・・デュエルという霊にな。俺は生き地獄を味わっているんだよ、ただ苦しみ・憎しみ・恨みの感情・・・・・この生き地獄は俺に引き止めているんだよ・・・・」

 

「だったら俺がお前に希望の灯火を付けさせてやる!俺のターン!」

 

遊星 手札 5枚

 

「チューナーモンスター、ジャンク・シンクロンを召喚!」

 

ジャンク・シンクロン 攻1300

 

「ジャンク・シンクロンは召喚した時、墓地のレベル2以下のモンスター1体を守備表示で特殊召喚する!スピード・ウォリアーを特殊召喚!」

 

スピード・ウォリアー 守400

 

「さらにこのカードは俺の墓地からモンスターが特殊召喚された時、手札から特殊召喚できる!ドッペル・ウォリアーを特殊召喚!」

 

ドッペル・ウォリアー 攻800

 

スピード・ウォリアーが特殊召喚された影から人型の別の影が現れて、それが実体化してドッペル・ウォリアーが現れる。

 

「Lv2のドッペル・ウォリアーにLv3のジャンク・シンクロンをチューニング!」

 

☆2 + ☆3 = ☆5

 

「集いし星が、新たな力を呼び起こす!光差す道となれ!シンクロ召喚!出でよ!ジャンク・ウォリアー!」

 

ジャンク・ウォリアー 攻2300

 

ジャンク・シンクロンとドッペル・ウォリアーが一つとなり、ジャンク・ウォリアーが身体を軸回転しながらポーズを決めて現れる。

 

「ジャンク・ウォリアーの効果発動!このカードがシンクロ召喚した時、俺のフィールドのレベル2以下のモンスターの攻撃力の合計分、このカードの攻撃力をアップする!それにチェーンでシンクロ素材としたドッペル・ウォリアーの効果発動!Lv1、攻守400のドッペル・トークンを2体特殊召喚する!」

 

ドッペル・トークン 攻400 ×2

 

「ジャンク・ウォリアーの攻撃力はスピード・ウォリアーと2体のドッペル・トークンの攻撃力の合計となる!」

 

ジャンク・ウォリアー 攻2300→4000

 

「攻撃力4000!?」

 

「これであのドラゴンを倒して残りのモンスターで攻撃すればあの死神野郎はついに鉱山送りだ!!」

 

「お、おい、嘘だろ・・・」

 

「せ、先生!!何か策は!?」

 

「・・・・黙ってろ」

 

「バトル!ジャンク・ウォリアーよ!インフェルニティ・デス・ドラゴンに攻撃!スクラップ・フィスト!!」

 

ジャンク・ウォリアーが背中にあるブーストにエンジンが点火して、一度上空へと駆け上り、そこから急降下でインフェルニティ・デス・ドラゴンに向けて攻撃する。

 

ジャンク・ウォリアー 攻4000

インフェルニティ・デス・ドラゴン 攻3000

 

鬼柳 LP1800→800

 

ジャンク・ウォリアーの攻撃をインフェルニティ・デス・ドラゴンは・・・・・・受け切って破壊されなかった。

 

「なんだと!?攻撃を耐えた!?」

 

「墓地のインフェルニティ・ビショップの効果。手札が0枚の時、フィールドの《インフェルニティ》モンスターが破壊される代わりに墓地のこのカードを除外することでその破壊から免れる」

 

「くっ・・・・」

 

「畜生〜〜!!!あと一歩だったのに!!」

 

「ひ、ヒヤヒヤさせないでくださいよ・・・」

 

「・・・・・すごい」

 

外のガヤがうるさくてよく聞こえなかったが、隣にいるウェストが小さくそう呟いたように聞こえた。

 

「カードを2枚伏せてターン・エンド」

 

 

遊星 手札 1枚 LP1800

【モンスターゾーン】

スピード・ウォリアー 守400

ジャンク・ウォリアー 攻4000

ドッペル・トークン 攻400 ×2

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 3枚

 

 

「あと800・・・・あと800で俺はデュエルから解放される。その相手がお前だとな・・・・もう俺は十分満足したぜ」

 

「まだだ!!お前の心はこんなことで満足しない!!」

 

「仕方ないんだよ・・・・俺はお前もデュエルも裏切ることは出来ない・・・・こうして、仲間であり、友でもあったお前とデュエルをして敗れる・・・・それで満足するしかないじゃないか・・・」

 

「先生、まさか敗れることを望んでこのデュエルに挑んでいるんじゃ・・・」

 

「言っただろ、俺はデュエルで手を抜くことはしないと・・・・・いや、出来ないって言う方が正しいのか、俺はデュエルに取り憑かれている。手加減何てこともさせてくれない。全力で挑んで敗れる・・・・それで満足するんだ・・・・俺のターン」

 

鬼柳 手札 1枚

 

「カードを1枚伏せる。インフェルニティ・デス・ドラゴンの効果発動。手札が0枚の時、相手モンスター1体を破壊してそのモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える。俺が選ぶのはジャンク・ウォリアーだ・・・」

 

「これであの野郎は倒せる!!先生の51連勝目だ!!」

 

「お、おい・・・」

 

「リバースカードオープン!罠カード、シンクロ・バリアー!シンクロモンスターのジャンク・ウォリアーをリリースすることで、次のターンのエンドフェイズまで俺は全てのダメージを受けない!」

 

インフェルニティ・デス・ドラゴンがエネルギー弾を放つ前にジャンク・ウォリアーが消えて、遊星の前にバリアが張られた。

 

「・・・・・効果を使ったインフェルニティ・デス・ドラゴンは攻撃できない。ターンエンド」

 

 

鬼柳 手札 0枚 LP 800

【モンスターゾーン】

インフェルニティ・デス・ドラゴン 攻3000

【魔法・罠ゾーン】

伏せカード 1枚

 

 

「(・・・・鬼柳の心に灯火を付けるためにはあのカードだけの力じゃ恐らく足りない・・・・このドローにかける!)俺のターン!」

 

遊星 手札 2枚

 

「(・・・・・そうか。これが答えか・・・・遊輝、お前から貰った力、使わせてもらう)リバースカードオープン!シンクロ・スピリッツ!墓地のシンクロモンスター1体を除外、その素材となったモンスターが1組墓地にいる場合、特殊召喚できる!ジャンク・ウォリアーを除外して、墓地にいるジャンク・シンクロンとドッペル・ウォリアーを特殊召喚!」

 

遊星の前に穴が開いて、墓地にいたジャンク・ウォリアーの霊が消えて、代わりにジャンク・シンクロンとドッペル・ウォリアーがその穴の中から出てきた。

 

「Lv1のドッペル・トークン1体とLv2のスピード・ウォリアーとドッペル・ウォリアーにLv3のジャンク・シンクロンをチューニング!」

 

☆1 + ☆2 + ☆2 + ☆3 = ☆8

 

「集いし願いが新たに輝く星となる。光差す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!スターダスト・ドラゴン!!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500

 

4体のモンスターが一つなり、その光から星屑が上空から煌めき出してスターダスト・ドラゴンが姿を現した。

 

「綺麗・・・・・・」

 

「おお!!先生もドラゴンを持っているじゃないですか!!」

 

「へっ、攻撃力はうちの先生よりも低いんじゃ意味はねぇよ」

 

「ドッペル・ウォリアーの効果は使わない。残ったドッペル・トークンをリリースしてサルベージ・ウォリアーをアドバンス召喚!」

 

サルベージ・ウォリアー 攻1900

 

「サルベージ・ウォリアーがアドバンス召喚に成功した時、手札または墓地からチューナーモンスター1体を特殊召喚する!ジャンク・シンクロンを特殊召喚!」

 

サルベージ・ウォリアーにより無理矢理サルベージされるジャンク・シンクロンさん。そのおかげでまた肩で息をしている。

・・・・・絶対さ、スピード・ウォリアーよりも過労死されているよね?レベル・スティーラーとかクイック・シンクロン並みに。レベル・スティーラーはこの前の禁止・制限で逝ってしまったけど・・・・

 

「・・・ジャンク・デストロイヤーを出してインフェルニティ・デス・ドラゴンを破壊する気か?」

 

「そんな事してもお前の心に灯火を付けられない。だから俺は・・・・・仲間から貰った力を使わせてもらう!Lv5のサルベージ・ウォリアーにLv3のジャンク・シンクロンをチューニング!」

 

☆5 + ☆3 = ☆8

 

「星海切り裂く一筋の閃光よ!魂を震わし世界に轟け!シンクロ召喚! 閃珖竜スターダスト!!」

 

閃珖竜スターダスト 攻2500

 

ジャンク・シンクロンがなった3つの輪の中にサルベージ・ウォリアーが入って5つの星となり、一つの光となる。その光は強く放たれてもう一体のスターダストが現れた。

 

「ス、スターダスト・・・・・・」

 

「に、2体目だ!?!?」

 

「リバースカードオープン!罠カード、シンクロ・ストライク!シンクロモンスター1体の攻撃力をそのシンクロ素材とした数×500ポイントアップする!俺はスターダスト・ドラゴンを選択!」

 

スターダスト・ドラゴン 攻2500→4500

 

「バトル!スターダスト・ドラゴンよ!インフェルニティ・デス・ドラゴンに攻撃!」

 

「リバースカードオープン、トラップカード、インフェルニティ・ブレイク!墓地のインフェルニティ・デストロイヤーを除外してスターダスト・ドラゴンを破壊する!」

 

「閃珖竜スターダストの効果発動!1ターンに1度、俺の場のカードを1枚選択して、選択したカードを1度だけあらゆる破壊から免れる!」

 

「何っ!?」

 

インフェルニティ・ブレイクの効果で墓地にいたインフェルニティ・デストロイヤーか除外されて、スターダスト・ドラゴンに雷が撃たれたが、その前に 閃珖竜スターダストがスターダストの背後について2体の竜を覆う大きなバリアに囲まれ、インフェルニティ・ブレイクの破壊から免れた。

 

「バトル続行!スターダスト・ドラゴンよ!インフェルニティ・デスドラゴンに攻撃!」

 

「(・・・・・これで・・・・)」

 

「シューティング・ソニック!!」

 

「(・・・・・やっと満足できる・・・・やっとデュエルから解放される・・・・)」

 

スターダスト・ドラゴン 攻4500

インフェルニティ・デス・ドラゴン 攻3000

 

鬼柳 LP 800→0

 

WIN 遊星 LOS 鬼柳

 

 

 

デュエルが終わった後、審判としていた男達の内、一人が昨日同様に縄を使って鬼柳さんを捕らえた。

 

「遊輝さん・・」

 

「分かって・・・・」

 

ドカーーーーン!!!!!

 

「!?な、何だ!?」

 

鬼柳さんが御用されているのを見て、俺はすぐに後ろに入れてあった竹刀を取り出そうとしたが、突然爆発が起こり、空き家が大きく揺れる。そのバランスで立ち上がった俺は大きく崩れてしまう。

 

「ゆ、遊輝さん!!遊星さんが!!」

 

「ハッ!?」

 

ニコに言われて窓を除くと、遊星さんがバーバラという女性が持っていた花束からスタンガンを打たれて硬直状態となってしまっている。そして突如、Dホイールの爆音が聞こえてきて、この町の中心部に止まる。厳つい改造Dホイールから一人の大柄な男が降りてきた。あいつは・・・・・リアリスト野郎・・・

 

「あいつは・・・・ロットン!?」

 

「ロットン?」

 

「マルコムの兄です!性格は極悪非道で自分の利益のためならどんな手段を取っても構わないと考える男です!」

 

「でもどうして!?あいつ町から出て行ったんじゃ・・・・」

 

「おい・・・あの野郎、ラモンとデュエルするみたいだぞ・・・」

 

「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」

 

ロットン LP 4000 ラモン LP 4000

 

「先行は俺だ。俺のターン」

 

ロットン 手札 6枚

 

「ガトリング・オーガを召喚」

 

ガトリング・オーガ 攻800

 

出た!!LP4000でヴェーラーが流通していないこの環境下での極悪カード!!

 

「カードを5枚セットする」

 

「ハッ、よく考えたら1ターン目は攻撃出来ないじゃないか。それでどうやって・・」

 

「ファイア!!」

 

突如、ガトリング・オーガが自身が肩から下げたマシンガンをラモンに向けて大量に発泡する。

 

「ガトリング・オーガは自分フィールドの魔法・罠カードを墓地に送り、その墓地に送った枚数×800ポイントのダメージを与える」

 

ラモン LP 4000→0

 

WIN ロットン LOS ラモン

 

 

 

 

「な、何あの酷いデュエル・・・・・・・」

 

「(いや、先行1killなら昨日も見たぞ(汗))」

 

「う、うわあああ!!!!」

 

ロットンによる先行1killが決まると、鬼柳さんを捕らえた奴がラモンを御用して、そのまま棺桶の中に閉じ込めてしまった。これによりラモングループは敗北と解散を突きつけられ、この町はマルコムファミリーが実権を握った。

 

「あっ、あいつ・・・・遊星さんまでも」

 

「ま、待ってください遊輝さん!この状況で乗り込んでも、ロットンは何をしでかすか分かりませんよ!」

 

「向こうには鬼柳さんや遊星さんがいますから今行っても不利なだけです!」

 

「・・・・・・・チッ、しょうがない。ここでは中止だ」

 

分かっていた事だけどここで見逃すのは心苦しいな・・・・・しかしこっちが捕まってしまったら元の子もない。

そのまま遊星さんも棺桶に閉じ込められてしまい、馬車は鉱山へ走り出してしまった。俺たちは向こうが気づいていない内に一度秘密基地へと戻ることにした。

 

「ったく・・・・あいつめんどくせぇ事を・・・」

 

「マルコムファミリーの鉱山なら僕たちがよく知ってます。あの鉱山、見張りがいない裏道があります」

 

「ふむ・・・・・問題は二人をどうやって・・・・ん?」

 

空き家から秘密基地に戻る途中、遠目でだが遊星さんのDホイールが目に見えた。

 

「・・・・・おい、あのDホイール誰にもばれずに持ってこれるか?」

 

「えっ?・・・・そ、そうですね。ちょっと難しいかと・・・」

 

「ふむ・・・・じゃあここで二人にマジックを見せてやろう」

 

「「えっ?」」

 

「1・2・・・・・3!」

 

パッ!!

 

「えっ!?ゆ、遊輝さん!?」

 

「ほら?どう?」

 

「わっ!?ビ、ビックリした・・・・・」

 

俺はカウントを数えて、タイミングよくダイヤが俺を魔法で透明人間もどきっぽく身体を見えない状況にして二人の後ろにたった。

 

「どう?ネタは企業秘密で教えられないけどこれを二人にもかけて、あのDホイールを秘密基地に持ってきて欲しいんだ」

 

「・・・確かに、これならバレないかも」

 

「ゆ、遊輝さんは?」

 

「俺は先に戻って襲撃の準備をする。こういうのは早い方が得策だろ」

 

「わ、分かりました」

 

「じゃあやるぞ・・・あっ、心配しなくてもちゃんとお互いの事を見れるから安心しろよ」

 

「は、はい・・・」

 

「1・2・・・・・3!」

 

パッ!パッ!

 

「・・・・・本当に見えないのですか?」

 

「心配しなくても今は見えてない。現に俺が見えてないんだから。じゃあすまないが、よろしく頼む」

 

「はい」

 

その声を聞いて二人は遊星のDホイールのところに行っただろう、声が聞こえなくなった。先に俺は秘密基地に戻り、襲撃の準備を始めよう。

 

「(待ってろよ遊星さん、鬼柳さん、すぐに行くからな)」




【スターダスト・ドラゴンを出す意味が無かったじゃないか?ハハハ、気にするな!by作者】

フラン「あの人いいなぁ・・・・満足か・・・・」←鬼柳に憧れを持ち始めた

遊輝「(イカンイカン、フランがいけない方向に行こうとしている(汗)」

霊夢「相変わらずターンが長いわねインフェルニティ・・・・今回は手札が悪そうだったけど」

遊輝「いやお前、ジャンドというソリティアデッキを使っているじゃねぇか」

フラン「インフェルニティはシンクロ、エクシーズと組んでいたけどエクシーズ型は今は封印しているからな・・・」

霊夢「・・・・・スティーラーが」

遊輝「お前な・・・・・(汗)」

フラン「次回はお兄様が鉱山へと乗り込むよ!」

遊輝「【鉱山での死闘】。次回もよろしくお願いします」

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