【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち 作:DICHI
最終日は遊輝&龍可のバカップルのデートと祈とスバルのデート・・・・かな?(祈とスバルに関してはまだ恋人段階でもないけど)
【作者がこういうネタをやる時、必ず犠牲になるのは男の娘だ・・・ww】
蛍 side
「お待たせしました。カレーうどんと炒飯でございます」
「わぁ・・・・」
「美味しそう・・・・」
「ごゆっくり」
お客様の前でしっかりと礼をして、お盆を持って僕は別のテーブルへと向かった。すでにそこに座っているグループが手を挙げているためだ。
今日は遊輝さんの文化祭の2日目、頼まれていた出し物の手伝いをしている。僕は料理は皆に振る舞うほどのレベルじゃないので、こうやってお客さんに注文を聞いたり、メニューを持って行ったりするウエイターをすることにした。
「ご注文は?」
「どうする〜?」
「僕、そんなにお腹減ってないけど・・・・ざるそばにしようかな」
「私はトンカツ定食ね」
「分かりました」
注文を紙に書いてすぐにキッチンへと向かう。
「注文お願いします!ざるそばとトンカツ定食です!」
「は〜い!!駆さん、そばをお願いします!!」
「分かりました!!」
僕がお客さんから注文したメニューをキッチンにいる遊輝さんに伝えると遊輝さんがすぐにそれぞれの担当者に何をやってもらうのか指示をする。今は遊輝さんがフライヤーの前にいるので遊輝さんが揚げ物を担当しているみたいだ。
「蛍く〜〜ん」
「うわっ!ロアッ!?どうしたんだよ!?」
「お客さんが無理難題なことを言ってくる〜〜」
「は、はぁ?」
「おい!早くステーキを出せ!」
ロアが対応したであろう少し堅いのいい男のお客さんがロアに詰め寄ってきた。
ステーキって確か・・・・限定3食で販売してもう売り切れたはずなんだけど。
「お客さん、ステーキは売り切れましたよ。前の看板にも売り切れって文字を貼り付けましたよ」
「いや!俺が見た時はまだ無かったぞ!」
「そんなことありませんよ。あのステーキ、開店と同時に売り切れましたから」
あのステーキに使用している肉、遊輝さんから特別なルートで仕入れた・・・・・銘柄何だったかな?とにかく珍しいお肉で、初日から評判を呼んで今日は列が並ぶほどだったんだから。
「どうしたのよ一体?」
僕らのやり取りを見ていたのか、レジを担当していたレミさんがキッチン近くまでやってきた。
「あっ、レミさん。ステーキ食べたいってお客さんが」
「ハァ・・・・・さっきから遊輝目当てとステーキ目当てのお客さんばっか・・・・・」
レミさんがため息をつきながらそう返した。ステーキ目当てというのはさっき話した通りだけど、遊輝さん目当てというのはその名の通り、遊輝さんの女装姿をみたいという人たちのことだ。去年の文化祭で評判がかなり良かったらしいため。ただ、当の本人は料理長の立場なので絶対にお客さんの目の前に出ることはまず無いんだが。
「お客さん、ステーキ食べたいのでしたら別の出し物かアカデミアの外で食べてください。もう売り切れですので」
「だから!!俺が見た時にはまだ売り切れの文字は「屁理屈言ってないでさっさと出て行くか注文してください。営業妨害で職員と警察を呼びますよ」くっ・・・・・・」
「遊輝〜〜、ステーキ肉ってある?」
「ハァ?そんな物とっくに無いぞ」
「ほら、うちの料理長が無いと言っているので売り切れです。諦めてください」
「レミさ〜ん!!レジレジ!!」
「あっ!!ごめん!!ちょっとの間変わってくれる!?」
「?分かった!!(何かあったのかな?)」
美菜さんが大声でレジにお客さんがいるのをレミさんに教えてくれたけど、トラブルの対応のために美菜さんとレジを変わることにした。
「とにかく、今日のステーキは完売しました。お引き取り願います」
「くっそ・・・・・仕方ねぇ、ハンバーグだ!」
「分かりました。ほら、蛍くん、注文注文」
「あっ、は、はい・・・・ハンバーグお願いします!」
「は〜い!!レインさんお願いします!!」
「・・・・わかった」
その男の人はレミさんに言いくるめられて、ハンバーグに注文を変更した。僕は遊輝さんにハンバーグをお願いして、その男の人は自分の席へと、レミさんはレジへと戻って行った。
「・・・・レ、レミさんって凄いね蛍君」
「堂々としているというか何というか・・・・何かあの人が強い理由が分かる気がする」
「蛍さ〜ん!ロアさ〜ん!そこで突っ立っているならこれ運んで!!」
「あっ、は〜い!」
奏さんから商品を運んで欲しいと言われたので僕たちはデザートをお盆に乗せて運ぶ。ちなみにそのハンバーグを注文したお客さん、ハンバーグを一口食べた瞬間に「上手い!」と大声で叫んでまた怒られたのは別の話。
蛍 side out
愛梨 side
「ご注文です!きつねうどん2つ!」
「あ〜い!!」
「愛梨さん、これをお願いします」
「分かりました」
奏さんがカウンターにアイスクリーム2つと伝票の紙を乗せる。私はそれらをお盆に乗せて、伝票に書いてあるテーブル番号を確認してそこまで行く。
「お待たせしました。バニラのアイスクリームとチョコのアイスクリームです」
「待ってました!」
「美味しそう!」
「ごゆっくりどうぞ」
そう言って頭を下げた私は一度キッチン近くまで戻り、食堂の右奥にある「従業員専用」と書かれた扉をくぐる。
「あ〜〜、疲れる〜〜・・・・・」
「どうしたんだよ愛梨ちゃん、まだ休憩時間じゃないだろ?」
「日菜ちゃ〜ん・・・・ウエイターってこんなに疲れる仕事だったのね・・・」
「疲れるも何も・・・・愛梨ちゃんが身体を動かさないから単純に体力がないだけでしょ?」
奥には休憩室があって、そこには日菜ちゃんとライトさんが先に休憩していた。
「愛梨の休憩時間ってまだ1時間もあとでしょ。早く戻らないと休憩時間減らされるわよ」
「そうは言っても・・・・2時間も立ちっぱなしだよ。疲れるよ・・・・」
「運動しとけばそんな事言わないですんだんだよ。パソコンばっかりさわるから」
「うぅ・・・・運動だなんて嫌だ・・・・」
「そんな事言ってないでさっさと戻ったら」
「うぅ・・・・・・・」
ライトさんや日菜ちゃんに言いくるめられて休憩室から再び食堂の場へと戻って行った。すると目の前のお客さんが手を挙げていたので私は急いでそのお客さんの所へと足を運んだ。
「いらっしゃいませ、ご注文は?」
「・・・・・いい」
「えっ?」
「可愛い!!!」
「きゃっ!!」
「君!!この後僕と「あ〜い、お客さん、こっち向いてくださ〜い」あっ?」
ボカッ!!!!
「!?〒÷々*・々♪÷|×1!!!」
「このお店はセクハラとかそういうのは禁止ですので、ご注意を」
お客さんが私の手を掴んで引っ張られた時に後ろから響さんがお客さんの肩を叩いて、お客さんが振り向いたと同時に顔にグーパンチをして私を振りはなしてくれた。
「い、いてててて・・・・・」
「あ、ありがとうございます響さん」
「どうってことないよ」
「て、テメェ!!」
ピピーー!!!!
「?な、何だ?」
「セキュリティだ!貴様、痴漢常習者の木崎だな!」
突然食堂の入り口から警察みたいな格好をした人たちが入ってきて、私たちの周りを取り囲み、私を掴もうとした男にそう言い放った。
「げっ!?何でここにセキュリティが!?」
「防犯カメラに写っていたのを校長が届けたみたいですよ、痴漢常習者さん」
「逮捕だ!!!」
「グワッ!!くそっ!!」
「ご協力、感謝するぞ」
私を引っ張った男が大柄で重厚な装備をした警察官に捕まり、男は御用となった。警察の中からリーダー格の人が一人前に出てきて、私と響さんに敬礼をする。
「それは良いですから牛尾さん、私たちの出し物に貢いでください」
「バカ、セキュリティがそんな賄賂みじた事できるか。この後も仕事なんだ」
「えぇ、ご飯食べていくだけですよ」
「飯なら来る前に食べた。それじゃ」
響さんがいった牛尾さんという人は私たちに背中を向けて右手を上げて手を振る。そのまま食堂を後にした。
「むぅ〜、不審者捕まえたんだからちょっとぐらいここにお金を入れてもいいんじゃない」
「あ、アハハ・・・・(汗)」
「お〜い!!そこにいるんだったら注文聞いてくれよ!」
「は〜い!!」
「は〜い・・・・ハァ、私の休憩はいつになったら来るんだろう・・・・」
トラブルが起きて、私の心と身体は重くなる。そんな重い足を引きずりながら私は他のお客さんの注文を聞きにいく。
愛梨 side out
アルフ side
「お待たせしました。プリン・ア・ラ・モードとチョコレートパフェです」
「うわぁ・・・・・」
「お、美味しそう・・・・」
「ごゆっくりどうぞ」
『(ごゆっくりも何も、こいつら1時間近くいるぞ)』
「(ラルフ、そう言うのは言ってはいけないことだよ)」
もう一人の僕、ラルフがメタいことを言ってきたけど、そう言うことは言ってはいけない約束だ。
『(大体お前は気前が良すぎなんだよ。今はお昼時だろ?外を見たら少しずつ行列が出来ているんだ。こういう時はさっさと返すのが一番だろ)』
「(そうは言っても、お客さんは大事にしないと)」
「・・・・・・・・・」
「お、お断りします・・・・・」
『(・・・・・おい)』
「(?どうしたの?)」
『(あそこにいる遊夜の様子、何かおかしくないか?)』
「ひっ・・・」
「(確かに・・・・・様子を見に行こう)」
ラルフがビクビクした遊夜さんを見つけたので、僕はそっちの方に向かう。遊夜は大人の女性一人と相手をしているみたい。
「遊夜さん、どうしたの?」
「ア、アルフ・・・・助けてくれ・・・・(ブルブル)」
「はっ?」
「あら、貴方の名前は?」
「えっ?僕は空時アルフです」
「ふ〜ん・・・・・・貴方も良いモデルになりそうね」
「えっ?」
「私は栗城すみれ、個人経営をしているファッションデザイナーなの」
栗城?茜さんと同じ名字だけど関係あるのな?
「それよりあなた、モデルに興味がないかしら?」
「はぁ・・・・」
「あなたや遊夜君みたいな可愛いお・と・こ・の・こ・を?」
「!!(ブルブル)」
『(な、なぁ・・・・アルフ・・・お、俺、背中に寒気が・・・(ブルブル)』
「どうしたのよアルフ?」
すみれさんという人に言われた一言で俺や後ろに背後霊みたいにいるラルフですから一気に寒気を感じる中でエルフィが近づいてきた。
「あら?友人?」
「私は空時エルフィ、アルフとは義理の兄妹です」
「それはごめんなさい。私は栗城すみれ、ファッションデザイナーをしているの」
「へぇ〜、すみれさんってファッションデザイナー何ですか。私の知り合いにも一人いますよ」
「あらそう・・・・それでね、私、今アルフ君と遊夜君にモデルにならないかって誘っているのよ。・・・・・・女装してね」
「「(ビクッ!!ブルブル)け、結構です!!」」
「へぇ・・・・実績あるのですか?」
「エ、エルフィ!」
すみれさんからのお話・・・・・女装してモデル、黒歴史しかない僕にとって、いや、隣にいる遊夜も異世界まできてそんな黒歴史を作りたくないので首を縦に振ったが、エルフィだけは食いついてしまった。
「もちろんあるわよ、この子とこの子よ」
そう言ってすみれさんが服のポケットから写真入れを取り出して、とある2枚の写真を取り出した。そこに写っていたのは本当に男の子?と疑問が付けたくなるくらいの美人な女の子だった。一人は水色のワンピースを着てツインテールに、もう一人は緑色の髪をポニーテールでポロシャツを着ていて下は水色のスカートをはいていた。
『(・・・・・スゲェな)』
「(ちょ!?ラルフ!?』
『(これは認めざろうえんだろう・・・・)』
「へぇ〜、凄い実績だね。恐らくこの子は遊輝さんね。もう一人は?」
「その子?龍亞君よ」
「「「龍亞!?」」」
すみれさんが言った意外な人物に俺たちは驚いてしまった。いや、だって、あの龍亞がこんなに可愛くなるのか!?あの龍亞が!?あの龍亞が!?
「という実績あるわよ」
「凄いですね・・・・・・これは契約して一稼ぎしてもらいたいぐらいですね」
「「エルフィ!!」」
『(大変だな)』
「(何呑気なこと言ってるのよ!!下手したらラルフ、君の存在がバレて、君もさせられるかもしれないんだぞ!)」
『(アルフ、何としてでも阻止するぞ!)』
「でも残念ですが、アルフはすでに別のところと女装モデルとして契約をしているので・・・・」
「『!?』」
「えっ!?アルフ、お前そんなことしているのか!?」
「ち、違う違う!!!やってない!!」
遊夜が凄い冷たい目で見てきたので必死に違うことを訴える。エルフィを見ると、「まぁ強制的だけど・・・・」とか小声で言っている。エルフィ・・・・・・・
「あら残念・・・・でもその男の娘はいいのでしょ?」
「遊夜は私達とは友達という関係なのでどうぞご自由に」
「おいエルフィ!!」
「どうかしら遊夜「お母さん!!!!何変な話をしているのよ!!!」あっ、茜」
エルフィとすみれさんで変な話を続けている時に、大声を出した茜さんがこっちにやってきた。
「変な話で勧誘しないでよ!!ていうか営業妨害しないでよ!!ただでさえ従業員が少ないのに!!」
「あら、ごめんなさい。じゃあ二人とも、このお話はまたあとで」
「「結構です!!」」
断りの言葉を遊夜と一緒に言って、すみれさんは「残念・・・」とか言って席を立った。
「もう・・・・本当に迷惑・・・・ごめんね」
「いいよ別に、私は面白かったし」
「エルフィは他人事だからだろ」
「それより遊夜っちにアルフっち、気をつけた方がいいよ」
「?どういう事だ?」
「お母さん、狙った獲物は逃さないタイプよ。しかも超ドS、私やレミッち、遊輝っちも拘束されて無理矢理連れて行かれる事があるから」
「すみませ〜ん!」
「は〜い!」
そう言って茜さんはお客さんの所に行ってしまった。エルフィもいつの間にか居なくなっている。一方、茜さんの話を聞いた僕と遊夜はガタガタブルブルと震えている。
『(・・・・・あの女、こえぇな(汗))』
アルフ side out
龍可 side
「お待たせしました。ホットケーキとイチゴパフェです」
「うわぁ・・・・」
「ごゆっくりどうぞ」
「龍可ちゃん!休憩入っていいよ!」
「分かりました」
レミさんから休憩時間のお知らせを聞いて、私はカウンターにお盆を返して従業員の休憩室に入る。中には誰もいないみたい。
「ふぅ〜・・・・・せめて帽子だけ取りたいな・・・」
そうはおもっても取れないものは仕方ない。そのまま椅子に腰をかける。今は・・・・・4時ね。お客さんが少なくなってきたと思ったけど、もうそんな時間か。
「ふわぁ・・・・・さすがに立ちっぱなしだと疲れてくるわね・・・・・」
「ふぅ〜・・・・」
「あっ、龍可ちゃん、お疲れ様」
「お疲れ様です。アレサさん、望美さん」
休憩室の扉が開いて、アレサさんと望美さんが入ってきた。
「・・・・・龍可ちゃん、暑くない?」
「私はまだ良いですけど、望美さんが大変でしょ?重そうな甲冑を着て」
「私は平気だよ。水分補給もしているし」
そう言って、スポーツドリンクのペットボトルを飲み干していく。「これ美味しいね」と言いながら空いたペットボトルはゴミ箱へと捨てられた。
「私は接客しているだけだし、走ることはないから体力的に大丈夫だけど、龍可ちゃんとかの小等部の方が大変だと思うよ。お客さんのデュエルの相手をしなくちゃいけないから、体力も奪われるし、走らなきゃいけないし」
「・・・・・・確かに」
そう言って望美さんとアレサさんが労いの言葉をかけてくれた。
デュエルというのは、今回の出し物の中に一つ・・・・・・名前なんだっかな?「デュエル飯!」だったっけ?とにかく、そんなメニューがある。内容はお客さんと従業員でデュエルをして、買ったら好きなメニューを1品無料で、負けたら倍の金額を払ってもらうというメニュー。ハイリスクハイリターンな賭けなので注文をする人自体は少ないけど、それでも1時間に10人ちょっと注文をする。
で、その対戦相手を軽音部のメンバーたちは私達、小等部4人に任せたのだ。龍亞や恭輔が理由を聞いたら「小等部に負けたら挫折が大きいでしょう?」とレミさんが返してきた。
「それで、龍可ちゃんは今の所何勝何敗?」
「16戦全勝です。それ以外のメンバーもほぼ同じくらい戦って、全員全勝です」
「・・・・・本当に小等部?」
「あ、あはは・・・・・(汗)」
アレサさんの返事の返す言葉がなく、苦笑いをしてしまった。今回、レミさんと遊輝から「本気で勝ちに行きなさい(行け)。手段は問わない」と言われた。お店の利益を考えると確かにそうなってしまう。
私はデッキを弄ってないけど、祈や龍亞は1ショットキル型、恭輔に至ってはプトレマイオスを使っても良いという・・・・・もう最悪な事態だった。
【*プトレマイオスについて・・・・・・この小説は最新のリミット・レギュレーションに準じていますが、小説の時代設定上、エクシーズモンスターはまだまだ出回ってないので禁止・制限にはかけていません。遊輝君が皆に自重して使わせないようにしています。チェインも同じ理由です。ちなみにですが、作者はプトレマイオスは好きなカードです。テラナイト縛りで帰ってこないかなと密かに期待しています】
「恭輔君が使っていたプトレマイオス、あれは強すぎますね」
「・・・・・遊輝が止めるのも納得」
望美さんやアレサさんの言う通り、プトレマイオスは強過ぎた。恭輔君はもう・・・・凄い笑顔でエクストラデッキを改造していた。対戦したお客さん、涙目で負けていったのが印象的だった。
「デュエル‼︎」 「デュエル‼︎」
「・・・・・またデュエルしている」
「声的に恭輔君・・・・だね」
食堂の何処かでデュエルの掛け声が聞こえたので私とアレサさん、望美さんの3人はちょっとだけ食堂の方に覗き込む。相手はアカデミアの男子生徒みたい。
「・・・・・出でよ!
「あっ・・・・・」
「・・・・相手終わったね」
「何を注文したのでしょうか?この時間ですからデザートかドリンクぐらいでしょうけど・・・」
「あっ、祈!」
恭輔のデュエルを覗いていると近くに祈がいたので、ちょっと捕まえてみた。
「?る、龍可さん?どうしたのですかそんな所から」
「ちょっとちょっと・・・・・恭輔とデュエルしている相手、何を頼んだの?」
「え、えっと・・・・・スペシャルパフェですね」
「えっ!?あのパフェ注文入ったの!?」
望美さんが驚いたスペシャルパフェ。器が普通のパフェよりも容積が2倍大きく、全ての味のアイスクリームやフルーツをてんこ盛りに乗せた超ボリュームのあるパフェで、今まで誰一人として注文を受けていなかった。
「あれって確か・・・・」
「・・・・・1つ4000円」
「は、8000円も飛んでいく(汗)」
「い、いえ・・・・2つ注文しました」
「えっ!?何で!?」
「サ、サッカー部の団体さんで24人ぐらい来ていました」
「・・・・・・ちょっと待って、まさかあの人一人で払うの?」
「そ、そのようみたいですよ。で、ですから負けた場合は16000円ですね」
「・・・・・あの人、そんな大金あるのかしら?」
「「「・・・・持ってないでしょうね」」」
数分後、案の定何もできずに負けた男子生徒は青ざめた表情で友達からお金をかき集めてパフェの代金を支払っていた。
龍可 side out
遊輝 side 〜(同日 22時)〜
「ふぅ〜、やっと着替えられたぜ」
「暑かった・・・・蒸れちゃったし」
「いいなぁ・・・・・着替えたい」
今日の営業を終了して、すでに晩飯は食べ終えた。そして午後10時、皆のリミットが外れて服が着替えられるようになり、装置に入って、皆、元の私服姿に戻った。もちろん、小等部の4人も。一方、俺たちはとばっちりをくらって明日の文化祭が終わるまで着替えられない。厨房で熱い思いをした俺は服の中がグジョグジョですぐにでも着替えたい。せめて、タオルで拭きたい。
「帰ったらシャワー浴びたいわね」
「分かります。さすがにここまでムワ〜としていたらシャワーを浴びたくなります」
「そうだな・・・・私も帰ったら風呂に入ろう」
『お待たせしました』
ダイヤが実体化して(すでに説明済み)、部室の真ん中を中心に円形状に10の次元の歪みが現れた。
『こちらから時計回りに凛さん、駆さん、鉄也さん、空さん、遊夜さん、奈美さん、蛍さん、ライさん、春香さん、ナハトさん、それぞれの世界と繋がっています。この中に入った後は流れに任せて進んでください』
「だって」
「他人任せね(汗)」
「いや、俺詳しく知らねぇもん」
「そうですか・・・・(汗)」
俺とレミのやりとりの間に皆、自分たちの世界に繋がる次元の歪みの前に立った。
「じゃあ皆!!またな!!」
「今度会う時はデュエルしような遊夜!」
「もちろんだ!スバル!」
「凛さん!!また会う時を楽しみにしています!」
「こっちこそ!アイドル頑張ってね春香ちゃん!」
「私も応援しているよ!」
「ありがとう遥ちゃん!」
「ナハト、良い思い出ができたぜ!」
「こっちこそ!文化祭誘ってくれてありがとな!」
「鉄也さん、望美さん、3日間色々とありがとうございました」
「こっちこそありがとうな、奈美さん、レインさん、恵さん、ゆまさん」
「また会おうね蛍君」
「こちらこそ、空さん、ありがとうございました」
それぞれ、最後の別れの挨拶を言って、次元の歪みの中へと入っていった。全員が入り終わると、次元の歪みは消えてなくなった。
魔理沙「ほんっと、遊輝って女物の服を何でも着こなせるよな・・・」
文「記者としてはネタになりますが、一人の女性としてはただの敵ですよ」
遊輝「お前は人間じゃなくて烏だろ・・・」←ヒータのコスプレ
文「何ですか!私は女性じゃないと言いたいのですか!?」
遊輝「動物とか妖怪はどっちかというと雌って概念だな〜」
魔理沙「言われたらわかる気がするな。動物に男性、女性って言いかたしないし」
文「私は動物じゃありませんよ!!」
「「烏だろ?動物だ(ぜ)」」
文「・・・・・酷いです」
魔理沙「んで、次の話が・・・・おっ、遊輝と彼女のデートか(ニヤニヤ)」
遊輝「///う、うるせぇ!!」
文「【混沌文化祭 最終日 それぞれのデート】。次回もよろしくお願いします」