【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち   作:DICHI

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今回は軽音部のコスプレ+厨房側の視点を執筆してみました。次回はウェイター側だね。うん、話が出来るかな?(汗)




第117話 混沌文化祭 2日目 前編 軽音部のコスプレ ☆

遊輝 side

 

 

「ふわぁ・・・・マジ眠い」

 

「昨日の担当に仕込みを任せばよかったものを・・・」

 

「だって自分が料理をするんだから自分でやらなくちゃ」

 

今日も朝からの仕込みをして、今、めっちゃくちゃ眠いです。

現在、8時。文化祭の開始は9時からだけど、お店自体は10時からの開店なのでまだ少し余裕がある。

 

「ところでレミ、私たち何のコスプレをするのよ?」

 

「ちょっと待って、今設定しているから」

 

レミは(トラウマな)全自動着替えマシンの設定をしている。実を言うと俺たち、レミが「コスプレの衣装は任せて!」とか言うから何一つ準備をしていない。確かにあの機械だと準備はいらないし、材料費も作る手間も省けるからそこはいいけど。

 

「よし!設定終わった!!じゃあまずは試運転で私から・・・」

 

「・・・・・・レミ」

 

「うん?」

 

レミがエルフィに肩を叩かれて、後ろを振り向く。そこには何人か、いやほぼ全員(いないのは凛さんと遥ちゃん、鉄也さん等)がレミに対して何かしらのなんとも言えない圧力をかけていた。

 

「・・・・・な、何でしょうか、皆さん?そんなに迫って(汗)」

 

「私たち、あなたのせいで昨日から着替えられないのよ?」

 

「おかげで昨日からお風呂も入れずに大変な状況を送っているわ」

 

「・・・・・分かってるよな?」

 

「え、ええと・・・・一応、私もあなたたちと同じで今日は着替えられないのですけど(汗)」

「そうじゃないだろ?」

 

「こんなに忙しくて、暑苦しい時期にこんな重たい物を着て、汗をかいて、2日間着替えもしないで今日一日中働くんだ」

 

()()()()も同じことをしてくれないとね〜〜、釣り合わないよね〜」

 

「はっ!?」

 

「ちょっと待って!?あなた達!?」

 

「当たり前じゃねぇか。俺たち全員こんなことになったんだ」

 

「これは連帯責任取ってもらわないと困るわね」

 

「やってくれないと俺たち、働かないぞ」

 

「ちょ!?ちょっと待って!?」

 

突然の反乱、皆明日まで俺たちが犠牲にならないと働かないとか言い出した。もちろん、俺たちは非常に困る。

 

「だって釣り合いが合わないでしょ?」

 

「ちゃんとあなた達も同じ目にあってもらわないとね〜」

 

「ああもう!!!分かったよ!!明日の文化祭まで着替えないようにする!!!それで良いでしょ!!」

 

「ちょ!?レ、レミ!!!」

 

「まぁ多めに見てあげましょうか」

 

「そうだね」

 

「ほら!!これで良いでしょ!!」

 

半分頭にキテいたレミは余計な追加設定をして、設定を皆に見せつけた。

 

「アリス、どうなんだ?」

 

「・・・・うん、ちゃんと設定されている。あとは中に入ってこの赤いボタンを押せば行けるから」

 

「いつの間に使い方学んだんだよ・・・」

 

「昨日」

 

「レ、レミ!!私たちまで巻き添えにしないでよ!!」

 

「だって向こうが納得しないでしょ!!」

 

「連帯責任取ってもらわないと、俺たちやらないぞ」

 

「・・・・・仕方ないか」

 

皆が頑なに意見を変えようとしないので、俺も渋々意見を飲み込んだ。

 

「ところで・・・・6人は何を選んだんだ?」

 

「私見たけど、統一性はあったわよ」

 

「統一性・・・・どんなカテゴリーなんだ?」

 

「とりあえず、私一人で実験。誰かボタン押して」

 

機械を見たアリスはレミがどんな設定をしたのか分かっているため、他のメンバーにヒントだけを出す。その間に先にレミ自ら機械の中に入り、扉を閉めた。機械を昨日見て知ったというアリスさんがそれを確認して赤いボタンを押した。

 

 

〜〜(3分後)〜〜

 

 

・・・・・チン

 

「あっ、終わった」

 

「誰か開けて〜〜」

 

「はいはい・・・・」

 

中からレミの声が聞こえたので俺が半分呆れたような声を出して、機械の扉を開ける。少ししたら、中からアカデミアの制服ではなく、赤茶の髪の毛が緑色に変わり、白いシャツと黒いスカート、上に少しボロい感じがする薄茶色のローブを着ている。

 

「へぇ〜、風霊使い ウィンか」

 

「そう!可愛いでしょ!」

 

「【霊使い】か〜〜、その手が合ったわね〜〜」

 

「確かに統一感あるね」

 

「でしょ〜〜。それぞれのイメージカラーに合わせていたら偶然霊使いとピッタリ重なってね」

 

「イメージカラー?」

 

「遊輝は赤、私は緑、スバルはオレンジ、響は水色、奏は黄色、茜は紫よ!」

 

「響さんの所、青色じゃなくて水色なんだ・・・」

 

「・・・・・ちょっと待て!?ていうことは俺はヒータをやるのか!?火霊使い ヒータって女の子じゃないか!!」

 

「俺はアウスかよ!!何で俺まで女装されなくちゃいけないんだよ!!」

 

「「「「えっ?当たり前じゃない。二人とも、女装されるのが運命なんだよ」」」」

 

「「どんな運命なんだよ!!!」」

 

「やっぱり軽音部はこういう漫才をしなくちゃ!」

 

「龍亞・・・・・(汗)」

 

「漫才・・・・何ですか(汗)」

 

龍亞が後ろでゲヒャゲヒャ笑いながらいろいろと言っているのがそんなもの相手にしている場合じゃない!!

 

「っていうわけで、皆GO!」

 

「GOじゃねぇわ!!何でわざわざ自分から進んで女装しないといけないんだ!!」

 

「そういう運m「二度目は言わせねぇぞ!!」ぶぅ〜〜・・・」

 

「とにかく入った入った!!」

 

すでに響と奏、茜は機械の中に入っている。俺とスバルは頑なに、いや、絶対に入らない。

 

「早く入ってよ!!出し物が始まらないじゃない!!」

 

「嫌だ!!」

 

「うるさいわね!!フェザーガン!!」

 

ビュン!!ビュン!!

バタッ!!バタッ!!

 

「うっし!!」

 

「Wow・・・・・百発百中・・・・」

 

「レミッちっていつの間にこんな銃関係上手くなったのよ・・・・」

 

「スゲェ・・・・・脳天に1mmもズラさずに打っている」

 

「レミって銃の天才?後でコツとか教えてよ」

 

「そんなことより早くこの情けない男どもを機械に入れるわよ!!誰かスバルを運んで!!」

 

「じゃあ俺たちで運ぶか」

 

「よいしょっと。スバルって身体付きいいな」

 

「私たち鍛えているからね。ほいっと」

ドサッ!ドサッ!」

 

「スイッチオン!!」

 

 

〜〜(3分後)〜〜

 

 

・・・・チン

 

「出来た出来た。皆でてきて〜〜」

 

「う〜ん・・・・何か重い・・・」

 

「「「「おおお!!!」」」」

 

「奏お姉さん可愛い!!」

 

「響や茜も似合うよ!!」

 

「ありがとう春香さん」

 

「あれ?遊輝とスバルは?」

 

「/////な、何で・・・」

 

「/////い、いつもいつもこんな目に・・・・」

 

機械の中で目が覚めた時にはすでに遅し。先に出た奏や響、茜たちに続いて俺やスバルも機械の中から出てきた。

 

「「「「「おおおおおお!!!!!」」」」」

 

「遊輝・・・・・お前、スゲェな」

 

「話は聞いていたけど、これは・・・・ちょっと予想以上ね」

 

「遊夜と同等ね・・・」

 

「これは・・・・アルフでも負けるかも」

 

「「ちょっと日菜(エルフィ)!!何言ってるの!?」」

 

機械の外に出て、スバルと二人下に俯いている。ガヤは色々と(俺に対して)「可愛い」の連呼で恥ずかしくてしかたない////

案の定、俺は火霊使い ヒータ、スバルは地霊使い アウス、響は水霊使い エリア、奏は光霊使い ライナ、茜は闇霊使い ダルクにコスプレした(させられた)。

 

「う〜ん・・・・何かこんな男っぽい女の子の衣装、遊輝お姉さんらしくない」

 

「俺は男だあああああ!!!!!!」

 

「遊輝お姉さんはもっと可愛い衣装を着て、もっと女の子らしくしたほうが良く似合う」

 

「ああ、でも遥の言うことはわかる気がするな」

 

「////ナハト!!!」

 

「遊輝さんはもっとこう・・・・フリルのいっぱいのドレスとか、爽やかなお嬢様風のワンピースとか似合いそうですね」

 

「遊輝がズボンを履いて女装するのはちょっとな・・・」

 

「皆俺のことを何だと思ってるんだよ!!」

 

「「「「「着せ替え人形できる可愛い女の子」」」」」

 

グサッ!!!!!

 

「俺だって・・・・俺だって男らしく」

 

「男らしく〜〜?」

 

「料理に家事に子育て出来て」

 

「そんな低身長で男らしいなんてありえないわね」

 

グサッ!!!!!!

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「や、止めてあげなよ!!流石に可哀想だろ!!」

 

「そうだよ。それに最近の男だって料理や家事くらいするよ」

 

「遊夜だって家事も出来るし、スタイルいいし、十分女の子だね」

 

「アルフは料理しか見た事ないけど、モデルをやっているんだし、女の子だね」

 

グサッ!!グサッ!!

 

「「・・・・・・・・・・・・・」」

 

「ちょ、ちょっと皆さん・・・・被害者を増やさないでください(汗)」

 

俺の両隣に遊夜さんとアルフさんが俺と同じように三角座りで人差し指で地面に何かを書くような仕草をして落ち込む。

 

「ど、どうしましょうか、あれ(汗)」

 

「こういう時には脅す」

 

「お、脅すって・・・(汗)」

 

「そこの女顔3人!!早く立たないとコスプレ延長するわよ!!」

 

「「「誰が女顔だ(よ)!!!!」」」

 

「「「「「(((((立ち直り早っ(早いわね)(汗)))))」」」」」」

 

「それじゃ作業の分担ね!料理出来て、なおかつ人に振る舞える人は何人いる!?」

 

レミの指示で料理を作れる人が手を挙げていく。ざっと見た感じ、10人ちょっとのようだ。

 

「1・2・・・・・・9人か。ギリギリまかなえるわね」

 

「そうね。基本的な仕込みは遊輝が全部やってくれているし」

 

「じゃあ手を挙げた9人は遊輝の指示を聞いて、残りの人は・・・・まぁ適当にやって」

 

「「「「「「適当かよ!?」」」」」」」

 

「冗談冗談、何か分からないことがあったら私たち、軽音部のメンバーに聞いて。というわけで皆、輪になって肩を組んで」

 

レミの合図で全員が一つの大きな輪となり、お互いに肩を組み合う。

 

「それじゃ、今日1日頑張るわよ!!」

 

『おう!!!』

 

 

遊輝 side out

 

 

奈美 side 〜〜(数時間後)〜〜

 

 

「ご注文〜〜!!カツカレーとハンバーグ定食!!」

 

「はいは〜い!!」

 

「カツは奈美さん!!!ハンバーグは凛さんがお願い!!」

 

「分かりました!!」

 

「任せといて!!」

 

遊輝さんの指示で油の近くにいた私はキッチンの下にある冷蔵庫から豚の一枚肉を取り出して、小麦→卵→パン粉と付けて油の中へと入れた。

食堂のオープンからすでに多くの客で満席。私たちの厨房もフル稼働で動いているが、遊輝さんの的確な指示でこれまで目立ったミスもなく、待ち時間も最小限に出来ている。遊輝さん、料理が上手いだけじゃなく、こういうお客さんへの待ち時間をしっかりと計算して料理を作ることも上手い。

 

ジューー!!!!

 

「よし」

 

180℃に設定された油で揚げられたトンカツは4分間で綺麗なキツネ色になる。それを見た私はすぐにトンカツをあげて、トレイにおいて油を切る。30秒ほど置いたあと、隣にいた春香さんがすぐにトンカツをまな板の上において、包丁で切る。トンカツの中は綺麗なピンク色になっていて、春香さんはそれをカレーの上に乗せた。

 

「カツカレー出来たわ!」

 

「ハンバーグ定食も!」

 

「は〜い!!」

 

春香さんがすぐにカウンターにカツカレーを、同時タイミングで凛さんもハンバーグ定食を置いた。それを聞いて近くにいた愛梨さんとライさんがお盆に二つのメニューを乗せてお客さんの所へと持って行った。それと入れ替わるように恭輔君がやってきた。

 

「唐揚げ10個とサラダ、ラーメン定食お願いします」

 

「次〜〜!!奈美さん唐揚げお願い!!駆さん空いてる〜?」

 

「空いてますよ!」

 

「ラーメンよろしく〜」

 

「分かりました〜」

 

次々と来るメニューに厨房側は本当に大忙し、私も先に下味を付けてあった鶏肉を唐揚げ粉に付けてまた油の中へと投入する。

 

「ふぅ〜・・・・揚げ物担当はしんどいです」

 

「何でなんです・・・何で私が皿洗いなんですぅ!!!」

 

「適材適所だと思うよ」

 

揚げ物担当になった私の隣には皿洗いとなった私たちのゆまちゃんと空さんのゆまちゃん、二人のゆまちゃんが大量にある汚れたお皿をせっせと洗っている。正直言って、ゆまちゃんがウェイターになんかしていたらお皿が何枚あっても足りないと思う。正直、私的には皿洗いのポジションも危ないと思っているけど、そんなこと言っちゃったらゆまちゃん、やることがなくて外で勧誘するだけになっちゃう。

 

「何でなんですぅ・・・何で私までも」

 

「そうですぅ・・・私たちだってやれば」

 

「・・・・頼むから一人だけその特徴的な話し方をやめて、どっちが喋っているのか分からないから」

 

異世界の同じゆまちゃんがいるとは分かっても正直、ゆまちゃんが一人二役を演じているみたいで気持ち悪い。そんなことを思いながら私は油の中から唐揚げを取り出して油を切る。

 

「酷いですぅ!奈美さんと私の信頼関係はそんなものなんですか!?」

 

「信頼関係も何も、異世界のゆまちゃんに言われたら、ほぼ無いとしか言えない」

 

「ひ、酷いですぅ・・・・・」

 

「大丈夫ですぅ!!私たちの信頼関係は揺るぎないですぅ!!」

 

「皿洗い!!!!サボるな!!!!」

 

「「は、は〜い・・・・・」」

 

何かゆまちゃんが異世界のゆまちゃんと変な関係を結ぼうとしたけど、遊輝さんに怒鳴られてすぐに信頼関係が萎んでしまった。

やっぱり1人は別の喋り方にして欲しいな・・・・どう見ても一人二役をしているみたいで何か嫌だ(汗)。

 

「唐揚げまだですか〜〜!?」

 

「あっ、は〜い!!」

 

恭輔君が大声で言ってきたので私はお皿の上に慌てて唐揚げを乗せてカウンターに置いた。

 

「ふぅ〜」

 

「ありがとう奈美さん、揚げ物担当ばっかりじゃ大変だから俺がここに着くよ。次はフライパンの方に写って」

 

「分かりました」

 

「皿洗いの担当さん!早く皿洗ってくれないとお皿が足りないよ!!」

 

「これ、追加ね」

 

遊輝さんと私が持ち場を交換して、私がフライヤーから離れた時に、春香さんの急かしとレミさんが大量の汚れた皿を置いていった。それを見た二人のゆまちゃんはげっそりとした表情をして、肩を落とした。

 

 

奈美 side out

 

 

春香 side

 

 

「遊輝!!一人増やして欲しい!!」

 

「分かった!春香さん!デザートの方をよろしくお願いします!」

 

「分かりました!!」

 

遊輝さんの指示で私はデザートの方のキッチンへと向かう。そこでは奏さんと留姫さんでケーキ、ホットケーキ、パフェなどを作っていた。

 

「では奏さん、よろしくお願いします」

 

「こちらこそ、私は午後の分の材料の下ごしらえをするから、留姫さんと一緒にお願い」

 

「はい」

 

奏さんの指示を聞いて、私は留姫さんと一緒にデザート作りを始めた。

遊輝さんは料理長的な存在として、料理を作るだけでなく的確な指示を送る。その遊輝さんがデザートの部門だけ、全責任を奏さんに任せた。奏さんのケーキ作りの腕前はなかなか、カップケーキ屋の娘と聞いたけど、昨日食べさせてもらった時はビックリした。私もケーキ作りは得意な部類だけど、奏さんはレベルが1つも2つも違っていた。

 

「注文だ!バニラのアイスクリームとチーズケーキとミカンのパフェだ!」

 

「分かりました!え〜と・・・春香さん、パフェ出来る?」

 

「えぇ、ここにマニュアルもありますから」

 

「じゃあ春香さんパフェをお願い!留姫さんはアイスクリームとチーズケーキをお願い!」

 

「分かりました!」

 

「わかったわ」

 

そう言って、私は磁石で貼り付けられているマニュアルを見て、パフェの器を冷蔵庫の中から取り出した。マニュアルというのはこの出し物が決まった時に遊輝さんと奏さんの二人で考えて出したものだ。こうすることでどんな人でもどんな時でも同じ味、同じ見た目にすることができる。

冷蔵庫から冷やした器を取り出して、そこにまずはミカンのムースを入れて、その上にラップで包まれたコーンフレークを入れる。その中にミカンのジャムを少し入れたあと、生クリームをパフェの器の半分くらい乗せて、その上に皮を剥いた状態のミカンを円形に並べる。そして、そこに冷凍保存されていたミカンのアイスクリームを「アイスクリームディッシャー」と呼ばれる、アイス屋さんでよく見るアイスをすくう道具で1カップ分救って、それを乗せた。最後に細長いビスケットをさして、周りにミカン味のゼリーを入れてそのゼリーの上に飾り付けの小さなミントを乗せて完成。

 

「みかんのパフェ出来ました!」

 

「は〜い!!」

 

カウンターに私が作ったパフェを乗せると、近くにいたまどかちゃんがお盆にパフェと注文用紙の紙を乗せてお客さんの所へと運んでいった。

 

「ふぅ〜・・・・」

 

「奏、そっちは一人で大丈夫なの?」

 

「大丈夫よ。これくらいの量なら毎日やっているから」

 

一つの商品を出して一息ついているけど、奥でクリームを使っている奏さんはさっきチラッと見たときからずっとの材料をボウルに氷水をつけて掻き回し続けている。昨日も2時間くらい大量の生クリームを作っていたっていうし、やっぱりケーキ屋の娘って凄いわね。私は趣味で自分一人、せいぜい仲間のために3・4人分の量が限界・・・・

 

「無茶しなくていいわよ。大変だったら私はたちがやるから」

 

「平気平気。それより次来たわよ」

 

「ご注文お願いします!ホットケーキをお願いします!」

 

「それじゃ・・・・留姫さんお願い出来る?」

 

「大丈夫よ」

 

「じゃあお願い」

 

蛍さんから頂いたホットケーキの注文は留姫さんが受け持つことになった。そっとカウンターの外を覗いて見たけど、暫くは注文が来なそうな雰囲気だったので奏さんの近くによる。

 

「奏さん、何か手伝いましょうか?」

 

「う〜ん・・・・そうね、じゃあホットケーキの材料を作ってもらおうかな。そこに大きめのボウルがあるからそこに卵黄20個と牛乳を2パック分、砂糖を入れて混ぜてちょうだい。卵白はあとでメレンゲを作るからとっておいて」

 

「はい」

 

奏さんが指をさした所に行って背をしゃがみ込むと、大きめの銀のボウルと普通のボウルがあったのでそれらを手に取り、冷蔵庫の仲から10個入りの卵2パックと紙パックの牛乳を2つ取り出す。まずは卵黄と卵白を分ける作業からだね。

 

「奏さんって毎日毎日こんな作業をしているのですか?」

 

ふと気になったので隣で生クリームを作っている奏さんに聞いてみた。奏さんは生クリームを一旦冷蔵庫に入れて果物のカットしている。

 

「う〜ん・・・・まぁ毎日って言えば毎日かな?アカデミアがある時はそこまで大変な作業はしていないけど」

 

「大変な作業って・・・やっぱり大変何ですか?」

 

「大変も何も・・・・体力勝負だからね。私は体力が無いから余計に」

 

「そうは言っても・・・・さっき結構な量の生クリームを」

 

「あれくらいはどうってこと無いよ。いつもあれの倍以上の量を2〜3回はやるから」

 

「す、凄いですね・・・・」

 

「別に大したことじゃないよ。慣れたら誰だってできるから」

 

その慣れるまでが大変だったんじゃないかな(汗)。私もこうやって話しながら卵黄と卵白を分けているけど、なかなか難しいからね。

 

「それでもケーキ作りを続けたのですよね」

 

「・・・・・何というか、心のどこかで親に憧れていたのかな?小さい時にお父さんがカップケーキを作る姿を見て、凄かったというイメージが残っているわ。その時のお父さんは凄く輝いていたから」

 

「・・・・・・・・」

 

親に憧れてか・・・・・何となく分かるかも・・・・・

 

「ご注文お願い!!チーズケーキとイチゴのアイスクリーム!!」

 

「あっ、注文が来てしまいました」

 

「どうする?どっちやりたい?」

 

「せっかくですからこのままホットケーキの生地を作りたいです」

 

「分かったわ。じゃあ私が対応するわ」

 

「はい」

 

奏さんが一度、カットしていた果物を冷蔵庫に戻して、この持ち場から離れていった。

もう少しお話しをしたかったけど、仕方ない、この続きは今日の仕事が終わってからにしよう。

 

 




霊夢「・・・・・・・(ジュル)」←目が輝いている。

遊輝「おいこら貧乏脇丸出し巫女、よだれ垂らすな」←火霊使い ヒータのコスプレ

龍可「あ、相変わらずですね・・・(汗)」←マドルチェ・マジョレーヌのコスプレ

紫「あなた、指揮をすることなんて出来たの?」

遊輝「いや、今回が初めてですよ。いつもは指揮される側だったので、今回は料理班の総合的なリーダー役を指名されたから」

龍可「遊輝は料理をするのが凄く得意だから」

紫「料理は誰が作っていたの?」

遊輝「俺と奏、凛さん、駆さん、留姫さん、春香さん、奈美さん、恵さん、リンネさんの9人」

龍可「それ以外の人はゆまさん2人を除いて全員ウエイターです」

霊夢「次回はそのウエイター組の話ね」

紫「【混沌文化祭 2日目 後半 ウエイターの苦労】」

遊輝「もしかしたらタイトルが変わるかもしれないけど、そこは許してね」

龍可「次回もよろしくお願いします」

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