【完結】 遊戯王 5D's 転生者と未来のカードたち   作:DICHI

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今回の話で一人称のsideに入らなかった作者様のキャラたちは2日目の模擬店の時に視点を取ります。申し訳ございません。


第115話 混沌文化祭 初日 中編 文化祭巡り ☆

奈美 side

 

「もう設定できない以上・・・・明日までこの姿で過ごしてもらうしかないな・・・」

 

「ハァ・・・・・」

 

「ほんっとごめん!!」

 

申し訳ない気持ちのレミさんがパンと両手を叩いて頭を下げます。レミさんの凡ミスのおかげで私たちはこのコスプレした衣装を明日の夜10時まで脱ぐことを一切出来ません。

 

「まぁ仕方ないか・・・・」

 

「これも異世界きた思い出として残しておきましょう」

 

「お師匠様!早く文化祭行こう!」

 

「ちょっと!?遥ちゃん引っ張らないで!お師匠様って!?」

 

「ま、待って駆!!」

 

「置いていかないで!!」

 

コスプレに積極的な遥さんは駆さんを引っ張って部屋から出て行ってしまった。それをおいかけるように留姫さんも美菜さんもでていった。

 

「言っちゃった・・・・・」

 

「俺たちも行こうぜ。どうせ何やっても無駄だからさ」

 

「・・・・そうね」

 

「仕方ない、このまま文化祭を巡ろう」

 

「春香さん!一緒に回りましょうよ!」

 

「良いですよ!」

 

「遊夜!!俺たちと一緒に回ろうぜ!!」

 

「ほら遊夜!!誘われたから一緒に文化祭回ろう!」

 

「この格好であんまり外に出たくない・・・」

 

「私もこのグループに参加するぜ」

 

凛さんたちのグループは春香さん達のグループと一緒にアルフさん達は遊夜さん達とナハトさんと一緒に、龍亞君や龍可ちゃん、恭輔君と祈ちゃんのグループで文化祭へと行きました。

 

「僕たちも行こうかロア、空さん達も一緒に行きましょう」

 

「行こう行こう!!」

 

「鉄也、望美、こっちはこっちでグループを組んで行こうぜ」

 

「わかった」

 

「よろしくお願いします」

 

最後になった私たちは鉄也さんと望美さんの兄妹と一緒にこの世界の文化祭を回る事にしました。予め貰った地図を見ると、出し物は教室と中庭の方に多かったので、中庭の方へと向かう。

 

「何かこう・・・・変わった屋台とかありませんかね?ワニすくいとか」

 

「そんな物、許可したらこの文化祭何でもアリになってしまうだろ」

 

「普通の文化祭でも楽しいけど、やっぱり変わった屋台の文化祭がいいですよね」

 

「お、お兄さん・・・・あの屋台、凄く人が多いのですが・・・」

 

「ん?・・・・・本当だ。なんだあの行列?」

 

「みんなで行ってみようよ」

 

「・・・・・・賛成」

 

何に並んでいるのか気になったため、私たち全員でその屋台に向かう。屋台には『ニジマスすくい』と書いてあります。

 

「うっわ!!破れた!!」

 

「ざんね〜ん、参加賞の金魚ね」

 

「ニジマスすくいって・・・・うわ・・・・」

 

「本当にニジマスだけだよ・・・・」

 

「ワニすくいじゃないですけど、これはこれで珍しいですね」

 

「どうお客さん?1回500円でこのポイが破れるまで取り放題」

 

「たっけぇ・・・・」

 

「採算取ろうと思うと500円が限度なんや」

 

「(何で関西弁?)」

 

「どうする?」

 

「私やる!」

 

「私もやりたいですぅ!」

 

「望美は?」

「私もやりたいです」

 

私たちからは私とゆまちゃん、望美さんの3人が参加。全員で500円(望美さんの分は鉄也さんが払った)を払って、通常のポイよりもひと回り大きいポイとカゴを受け取る。

 

「頑張ってねぇ、30匹取れたらマグロの姿とは言わないけど、マグロの身をあげるから」

 

「ま、マグロ!?」

 

「・・・・お姉ちゃん、頑張れ」

 

「奈美!!ここはマグロを取ってみんなで食べようぜ!」

 

「誰も私に期待しないのですか!?」

 

「「「だって、1級フラグ建築士のゆま((ちゃん))だから」」」

 

「いいですぅ〜〜!!!見返してやりますぅ〜〜!!」

 

気合い満々で先陣を切ったゆまちゃん。こういうフラグを建てまくっている時はもう何をやっても止められないね。

 

「いくですぅ〜〜!!狙いはあのニジマスですぅ〜〜」

 

バチャン!!

 

「とったですぅ〜〜!!!」

 

ピチン!!!バチャン!!

 

「はうぅ!?尻尾でポイを破って逃げられたですぅ!!」

 

「はい残念、残念賞の金魚ね」

 

「はうぅ・・・確かにすくったのに・・・」

 

「・・・・尻尾をポイの中に入れちゃだめだよ」

 

「ニジマスは大きいんだから、尻尾をポイの外側にしてやらないといけないな」

 

「じゃあ私はそれを参考にして・・・・」

 

ゆまちゃんみたいなミスをしないよう、私は尻尾でをポイの外側にするように意識を注意する。

 

「まずはあの隅っこにあるニジマスから・・・・・」

 

パチャン!!

 

「やった!1匹取れた!!」

 

「おぉ〜、コスプレしているお姉さんお見事」

 

「じゃあ次「お、おい奈美・・・・」?どうしたのジャッカルさん」

 

「と、隣見てみろよ・・・」

 

「?」

 

「お兄さん、これで何匹目?」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ・・・・24匹目」

 

「・・・・・えっ?」

 

ジャッカルさんに言われて隣の望美さんのバケツを見ると、すでに大量のニジマスがすくわれていた。あまりにも大量なので、バケツの中でニジマスが喧嘩をしている。

 

「な、なにこれ・・・・」

 

「望美ってこういうの得意だったのか?」

 

「い、いや・・・・金魚すくいなんてこれまでやった事もないんだが・・・」

 

「はい・・・はい・・・」

 

「・・・・一定のペースで取っていってる」

 

「28・・・29・・・30・・・31・・・」

 

周りもいつの間にか望美さんを見ている。いつの間にかプールに入っていたニジマスもどんどん減っていく。

 

「・・・・52・・・53・・・54・・・」

 

「ちょ、お、お嬢さん・・・ス、ストップ・・・」

 

「・・・57・・・57・・・59・・・60・・・あ〜〜、ポイが破れてしまいました。残念ですねお兄さん」

 

「・・・・望美(汗)」

 

「?どうかしたの?」

 

「い、いや・・・・何でもない(汗)」

 

「スッゲェ・・・・ニジマスをポイで60匹もすくったぜ(汗)」

 

「お姉さん、ニジマス60匹すくいました」

 

「・・・・あ、あぁ、お、おめでとう、け、景品のマグロの身だよ」

 

若干目が泳いでしまっている出し物をやっていたお姉さん、ニジマスを小分けにした結果、10袋以上となってしまって、その上で大きなマグロの身を望美さんは貰う。ニジマス60匹も取られてその上でマグロも取られちゃったら500円でも大赤字だよね(汗)

 

「皆さん、固まってますけど何かあったのですか?」

 

「えっ・・・・いや・・・」

 

「・・・・・大丈夫」

 

「そうですか。ちょっと荷物が多いので一度、部屋に戻りたいですけどよろしいですか?」

 

「い、いや、全然良いぞ。何なら俺たちが持とうか?」

 

「本当ですか?ありがとうございます」

 

ニジマスが入った袋を私たち全員で持ち、一度部屋に戻ることにした。

 

 

奈美 side out

 

 

凛 side

 

 

 

「春香さん、次はあのクレープ屋に行きませんか?」

 

「良いですね!行きましょう!」

「あの2人は仲がいいよな」

 

「・・・・・うん」

 

「春香さん、凄いイキイキしていますねライトさん」

 

「そうだね、あんなにイキイキした姿を見るのは久しぶりかな」

 

私は異世界で出会った友達、天海春香さんと一緒に遊輝君の世界の文化祭を一緒に回っている。全く別の異世界で全く別の異世界の人と文化祭を楽しむなんて想像もしていなかったよ!いい思い出をたくさん作らないとね!

「ライトさん、大丈夫ですか?結構重そうな格好をしているけど」

 

「大丈夫だよ。ただ、建物に入る時にこの羽みたいな物は鬱陶しく感じるかな」

 

「ライトさんのその羽、無駄に大きいですからね・・・・」

 

「皆〜〜、早く来なよ!!クレープ買うよ!!」

 

「はいはい」

 

『わああああ!!!!』

 

「?何、この歓声?」

 

「あそこじゃないか?」

 

律がアカデミアの体育館に指差す。外から見た感じ、確かに体育館の中には大勢の人が入っている。

 

「何かステージか劇をやっているんじゃないか?」

「今は10:30だから・・・・『飛び入り参加OK!カラオケ大会!優勝者には新しいパックを箱でプレゼント!』だって」

 

「へぇ〜〜」

 

「ねぇ!これみんなで一緒に参加しようよ!面白そうじゃない!」

 

「良いですね!まどかちゃんやライトさんはどうですか?」

 

「私もやる!」

 

「私も参加しようかな」

 

「律とアレサは?」

 

「私も参加するぜ!」

「・・・・・参加する」

 

「じゃあ皆で行こう!」

 

全員、参加を表明したので体育館の中に入って受付をする。

 

「いらっしゃい。ここに名前と歌いたい曲を書いてください。名前はあだ名でも大丈夫です」

 

「分かりました」

 

私から順番に名前と歌いたい曲を紙に書いていく。私は・・・・これかな?

 

「はい、お客さんのグループで締め切りですね」

「ちなみに今の最高得点は?」

 

「91.238点です」

 

「91点・・・・アレサだったら行けるかも」

 

「・・・・・頑張る」

 

「春香ちゃんやまどかちゃんは職業柄、負けられないよ」

 

「分かってますライトさん」

 

「91点だったらすぐに超えてみせますよ!」

 

私や律はそこまで高い点数は取れないけど、アレサや春香さん、まどかさんなら超えられそうね。

 

「凛さんは今歌っている人の次で、そこから順番に歌ってもらいます」

 

ていうことは私→律→アレサ→ライトさん→まどかさん→春香さんの順番ね。

 

「では、あそこの椅子で座ってお待ちください。順番が呼ばれ次第、こちらから案内します」

 

「はい!」

 

受付の人が教えてくれた椅子まで私たちは移動して腰掛ける。私の前で歌っている人も中々上手だ。

 

「では凛さん、ステージ裏に上がってください」

 

「はい」

 

先ほどの人が私の肩を叩いて小声で案内板してくれる。私は静かに返事をして体育館の端を歩き、舞台横の扉からステージ裏へと入る。

 

「出ました!得点は84.953点!残念ながらトップには立てませんでした!またの機会をお待ちしています!それでは次の方!どうぞ!」

 

司会者に呼ばれて私はステージ裏で受け取ったマイクを握り締めてステージへと飛び出す。

 

「これはこれは可愛いコスプレをした人が挑戦してくれました。名前をお願いします」

 

「奈津目凛です」

 

「それでは凛さん、早速ですが歌って貰いましょう、曲は水樹奈々で『ETERNAL BLAZE』です!それではどうぞ!」

 

・・・♪♪♪♪♪♪〜〜〜〜

 

体育館全体に響く『ETERNAL BLAZE』のイントロに合わせて私は歌いだす。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

♪♪♪♪♪♪〜〜〜

 

「ありがとうございました!!中々上手でしたよ!!」

 

「ありがとうございます」

 

「ところで少し野暮ですが、どうしてまたコスプレを?」

 

「(えっ?う、うまいことごまかそう・・・)明日、私の友達の手伝いでモンスターのコスプレをしてカフェを手伝いのです。今日はその宣伝も兼ねて」

 

「なるほど、モンスターのコスプレをしたカフェと言えば中等部2年合同でやっているあのカフェですね」

 

「そうです。私はジェムナイト・セラフィのコスプレをしています。皆さん、是非カフェに来てください」

 

「宣伝お疲れ様です。では、得点が出ました!得点は・・・・72.527点!残念ながらトップにはなれませんでした!またの機会をお待ちしてます!」

 

最初に入ったステージ裏とは反対側のステージ裏へと戻り、そこにいた裏方の生徒にマイクを返して私はステージ裏から出る。

 

「(う〜ん・・・・残念、得点は良かったけど、やっぱり90点越えは難しいわね)」

 

そう思いながら私は後で控えている律たちや春香さんたちの歌を聴くためにステージ前の席に座る。ステージにはすでに律が立っていて、紹介をされている。

 

「それではお願いします!曲は桜高軽音部の『翼をください』!」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「お疲れ様でした!!いや〜〜、素敵な歌声でしたね!!」

 

「・・・・ありがとう」

 

「アレサ、やっぱり上手いな・・・・」

 

「そうだね」

 

すでにステージではアレサが歌い終わり、得点待ちとなっている。律は76.253点を出して、残念ながらトップに立てず。アレサは芽原実里さんの『優しい忘却』を歌った。

アレサは本当に歌うのが上手だな・・・今度、コツとか教えてもらおうかな。

 

「出ました!得点は・・・・92.186点!これは凄い!トップに躍り出ました!」

 

「やった!!アレサがトップだよ!!」

 

「凄いぜアレサ!!」

 

「・・・・嬉しい」

 

「では、アレサさん、後ろの王座の椅子にお座りください」

 

アレサが最高得点を出したことにより、ステージの後ろ中央にある手作り感満載の玉座に座っていた女の子が立ち上がってステージ裏へと下り、代わりにアレサがその玉座に座った。

 

「では、今後の挑戦者はアレサさんの92.186点以上を目指して頑張ってください!いよいよカラオケ大会も残り3人です!次の方!どうぞ!」

 

ステージ左側の端からライトさんがマイクを持って姿を現した。

 

「さっきからモンスターのコスプレをした人たちをよく見かけるのですが・・・・お仲間ですか?」

 

「えぇ、一緒に文化祭を回ってたまたま体育館のカラオケ大会に立ち寄りました」

 

「それはありがとうございます。では名前をお願いします」

「ライトニングです。長いですので、ライトで良いですよ」

 

「では、ライトさんに歌っていただきましょう。曲は坂本真綾の『マジックナンバー』!』

 

♪♪♪〜〜〜〜

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

〜〜〜♪♪♪

 

「ありがとうございました!」

 

パチパチパチパチ!!!!

 

「凄いです!会場中から拍手が巻き起こってます!これは初めてでしょう!」

 

「まどか、うま・・・・」

 

「まどかさん凄い・・・・」

 

「アイドルなんだからこれくらいして貰わないと困るよ」

 

私や律が感激を受けているけど、私の隣に座っているライトさんは「これくらい当然だよ」と言わんばかりに平然としている。

ライトさんも上手だったけど、得点は90.953と僅かにアレサに及ばずに敗退した。そして次のまどかさん、曲は悠木碧さんの『プラチナ』。まるで自分の歌のように歌って、途中から会場全体で手拍子がなり始めるほどだった。

 

「さあ得点が出ました!得点は・・・・97.859点!これは高得点です!この地点でまどかさんがトップに立ちました!ではまどかさん、アレサさんに代わって王座の椅子にお座りください!」

 

高得点を叩き出したまどかさんがアレサに代わって玉座に座る。一方、負けたアレサは少し悔しそうな表情をしてステージ裏へと下がっていった。

 

「さあこれで挑戦者もあと1人となりました!最後の挑戦者はこの97.859点という高得点よりもさらに高得点を取らなければ優勝になりません!」

 

「お疲れアレサ」

 

「・・・・・悔しい」

 

「あれに勝つのはなかなか難しいよ」

 

ステージでMCが長い振りをしている間にアレサもステージ裏から出てきて、私たちの一つ後ろの列の椅子に座った。

「では最後の挑戦者、どうぞ!」

 

MCの振りでステージ裏から春香さんが出てきて、一度頭を下げる。

 

「ではお名前をどうぞ」

 

「天海春香です。親友のまどかさんに負けないように精一杯歌っていきます」

 

「おっと、どうやらまどかさんと春香さんは知り合いのようだ。これは実物ですね!では春香さん、お願いします!曲は何かの偶然でしょうか!同姓同名の歌手、天海春香で『I Want』!」

 

 

♪♪♪♪♪〜〜〜〜♪♪

 

『オオオ!!!!』

 

音楽がかかった途端、会場全体がどよめき出した。春香さん、ダンスを初めて、そのままダンスしながら歌い出したのだ。

 

「うっわ・・・マジかよ。しかも上手い・・・・」

 

「綺麗な声・・・・・」

「激しいダンスじゃないけど、息切れしないで歌っている」

 

「(やるじゃない春香ちゃん)」

 

そのまま春香さんはダンスをしながら歌い続けた。ガスタの疾風 リーズのコスプレをしているため、春香さんは右手に持っている杖もうまく使いながらダンスを続けた。途中から後ろの方で掛け声も上がり、本物のライブそっくりの状況を作り出した。

 

♪♪〜〜〜♪♪〜〜

 

「ありがとうございました」

 

『ワアアアアアア!!!!!!』

 

「これは凄い!!最後まで踊りながら歌い切った!!会場も大盛り上がりです!!これは得点が非常に楽しみだ!!さあ得点が出ました!!得点は・・・・98.175点!!決まりました!!優勝は春香さんです!!」

 

春香さんの優勝が決まったのと同時にステージ脇からパーンと大きなクラッカーが弾けて、沢山の紙テープと紙吹雪が春香さんの祝福のために舞う。

 

「では優勝した春香さんには優勝商品としてこちらの最新パックを1箱贈呈します!」

 

「ありがとうございます」

 

「ではこれにてカラオケ大会を終了します!皆様、参加・応援をしていただきありがとうございました!」

 

MCが最後の挨拶をすると、上から垂れ幕がゆっくりと降りてきて、ステージを見えなくしていった。私たちはステージ裏へと続く扉の前まで移動してまどかさんと春香さんの2人を待つ。

 

「あっ、来ました」

 

「負けちゃった・・・・」

 

「おめでとう春香!ダンスをしながら歌うなんて凄かったぜ!」

 

「・・・・本物のアイドルのライブに来た感覚」

 

「皆ありがとう」

 

「さすがにカラオケ大会でダンスをするなんて発想は無かったよ」

 

「私も椅子に座っている時は普通に歌おうと思ったけど、ステージ裏に立った途端に「いつもの私らしくやろう!」と思って、そうしたら自然とダンスを初めていたわ」

 

それでも凄かった・・・・・これがトップアイドルなんだな〜〜。

 

「じゃあ体育館の外に出て、皆でこのパックを開けましょう!」

 

「賛成!」

 

春香さんが貰ったパックを開けるため、私たちは次の項目の準備をしている体育館から外にでる。

 

 

凛 side out

 

 

ナハト side

 

 

「次は何処に行く?」

 

「金魚すくい、輪投げ、ピンボールとやってきて・・・・」

 

「今のところ、負け続けだからここらで挽回しないと」

 

私は遊夜っていう奴とライっていう奴のグループに混ぜて貰って文化祭を堪能、今は校舎内を回っている。ただ回るのも面白くないので、全員に「何か賭けて文化祭を回ろうぜ!」と提案、採用されて皆で行く先行く先、出し物で勝負をしている。今のところ、3回やって私とエルフィ、ライが1勝ずつ、最終的には勝ち数が少ないやつが全員に何か奢ることになった。

 

「今のところ私、良いところなしだよ・・・」

 

「愛梨ちゃん頑張っ!もし奢る羽目になったら私も払うから!」

 

「おっ!あそこに射的があるよ!」

 

「じゃあ次はあそこで勝負しよう!」

 

「良いぞ!今度こそ勝つ!」

 

アルフが見つけた射的の出し物のある教室に皆で行く。この射的場は教室の半分を使って、壁側に俺たちが並び、4、5m離れた商品を撃ち落とす感じだ。

 

「1回300円、1人5発ね」

 

「この射的場で一番の目玉は何かしら?」

 

「そうだね・・・・一番取られて困るのは上の段の大きな人形とか、真ん中の段のゲーム機とカセット、あとは下の段にの真ん中にあるカードたちだね。あのカード、レアカードでなかなか手に入らないから」

 

「じゃあ一番ポイントを高いのがあの大きな人形、次にゲーム機、その次にカセット、次にカード、それ以外はノーカウントね」

 

「分かった。まずは俺から、ここはあのゲームカセットを・・・・」

 

ライが銃にコルクを詰めて、真ん中にあるゲームのカセットに照準を合わせる。

 

パン!!

 

「アッ!外した!」

 

「惜しい惜しい。ちょっと照準を上にしすぎたな」

 

パン!!ガタン!!

 

「えっ!?」

 

「よし!」

 

ライが外したゲームのカセットをライの隣で射撃をしていた遊夜が落とす。

 

「悪いな。俺も奢るのは嫌だから本気で勝ちにいくぞ」

 

パン!!

 

「やった!!カードを落とした!!」

 

「やるじゃん愛梨ちゃん」

 

パン!

「あ〜、透かした」

 

「私も2発外れてしまったわ」

 

皆もそれぞれのポイントで射的を始める。私もここのスタッフから玩具の銃と5個のコルクが乗った皿を受け取る。ここはやはり・・・ポイントの高いあのデカイ人形だな。

コルクを銃の先端に詰めて、一番左上に構えるクマのぬいぐるみ、その中心からやや右腕の目玉に照準を合わせる。

 

パン!!!

 

コルクは私の思い描いた軌道を描いて人形にあたる。だけど、人形が重すぎるのか、少し後ろに下がっただけで落ちる事はなかった。

 

「あぁくそ・・・・」

 

その後も2、3、4発と当てていき、ちょっとずつだけど人形を後ろに下がっていくのが分かる。

 

「くそッ、結局何も撃ちぬけなかった」

 

「俺はカセット1本だ」

 

「僕とエルフィは駄菓子を1個ずつだからノーカウントだね」

 

「私はカード1枚!」

 

「となると、残りは私のこの1発ね・・・・」

 

ここであの大きな人形を落とせば・・・・えっ!?

「やった!!!クマの人形を落とせたよ!」

 

私の獲物であるクマの人形、それが台の上から消えてどこに行ったのかキョロキョロしていると、隣で日菜がクマの人形を持って大はしゃぎしていた。

 

「おお!!」

 

「日菜ちゃん凄い!!」

 

「こんな大きな人形を撃ち落とされるとは思わなかったよ」

「スゲェな・・・・」

 

「最後の一発を駄目元で当てたら落ちてくれたよ!」

 

「・・・・・・・・・・」

「ナハト?お〜いナハト?どうしたんだ?」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「何で固まってるんだ?」

 

「さぁ?」

 

「まだ一発残っているよ。早く撃ちなよ」

 

「あ、あぁ・・・・・」

 

人形を奪われた悲しみを抑えて、私は小さな駄菓子を一つ撃ち落とした。

 

 

ナハト side out

 

 

空 side

 

 

「ごめんね・・・・お昼が遅れてしまって」

「大丈夫ですよ。これ逃したら参加出来なかったんですから」

 

「決勝までいったですぅ」

 

「・・・・・・当然」

 

私たちは運動場にあるある催し物に参加したアリスの応援のため、特設ステージの前に広がっている観客席の最前列に座っている。

アリスが決勝まで残る催し物・・・・それは。

 

「さぁ!!この大食い大会も残すは決勝戦のみとなりました!!決勝戦で戦ってもらうのはこの3人の選手です!!」

 

MCの振りで3人の出場者がステージに上がる。2人は大柄な男の人、もう1人はアリスだ。

はい・・・・・・アリスが大食い大会の参加ポスターを見つけて、「これに出たい!!」と言って参加したのです。予選、準決勝と2位に圧倒的な大差で勝ち上がったアリス。よほどのことがない限り、決勝戦も大丈夫だと。

 

「まずは選手紹介から行きましょう!去年のチャンピオンは今年も強い!!剛力選手!!」

「食うぞ!!!!」

 

「続いて、今年は剛力選手に勝てるか!!去年の準優勝、松平選手!!」

 

「負けないぞ!!!」

 

「最後に今年初参加で決勝まで2位以下を大差で勝ち上がった強者!!華奢な彼女のどこに強靭な胃袋があるのか!?可愛いトゥーン・マーメイドのコスプレをした女性、アリス選手!!」

 

『ウオオオオオ!!!!!』

 

『アリスちゃ〜〜〜ん!!!!!』

 

アリスが紹介された時だけ、後ろの方にいるこのアカデミアの男子生徒だけ歓声があがる。この大食い大会に参加した中で、女性はアリスともう1人のアカデミアの生徒だけ。しかもアリスは決勝まで勝ち上がったので、いつの間にか男子生徒による応援団みたいなものが出来てしまった。

 

「では準備をお願いします!」

 

3人がテーブルの前の椅子に座り、ステージ裏から3人の生徒がドームカバーをかけた大きなお皿を持ってきて、3人の目の前に置いた。

 

「決勝戦の料理はこれだ!」

 

MCの掛け声で後ろのビジョンにある食材の名前が写し出される。それを見た瞬間、私とリンネとゆまは「あっ!」と声を出してしまった。

 

「?どうしたのですか?」

 

「・・・・マズイ」

 

「えっ?マズイって何がマズイの?」

 

「・・・・アリスは超甘党で辛い物が全くダメなんだよ」

 

「「えっ!?」」

 

「決勝戦の料理は『担々麺』です!!辛さはごく普通の辛さですのでご安心を!!」

 

そのごく普通の辛さでもアリスは全くダメなんだって・・・・(汗)。ステージの上にいるアリスは絶望的な表情をしている。

 

「制限時間は30分です!よ〜い!」

 

ドン!!

 

太鼓の音がなって、男性2人は勢いよくドームカバーをとって、物凄いスピードで担々麺を平らげていく。一方、アリスはドームカバーこそとったものの、全く持って箸が進まない。

 

「おや?アリスさんの箸が止まってますね。ここにきてお腹が膨れてきたんでしょうか?アリスさん?」

 

「・・・・・わ、私、辛い物は・・・(涙)」

 

「おっと!!これはアリスさんにとっては予想外!!辛い物はまるっきり駄目なようです!!しかしこの決勝戦は担々麺しか用意されてないので、担々麺を平らげて貰う必要があります!!」

 

「う、ううう〜〜〜(汗)」

 

ようやくアリスが箸を持ち、麺を一本だけそそる。しかし、その一本でも大変だったのだろう。口に入れた瞬間にすぐにコップの水を飲み干した。その間にも他の選手は担々麺を2杯、3杯、4杯と平らげていく。

 

「さぁ試合開始5分で去年のチャンピオン、剛力選手はすでに熱々の担々麺を4杯完食!松平選手も3杯完食していますがチャンピオンに及びません!一方、辛い物が苦手と宣言したアリス選手は大苦戦!まだ担々麺を1杯も完食出来てません!」

 

「ちょっと・・・これ、かなりマズイよ」

 

「かなりどころか・・・・ハッキリ言ってアリスに勝ち目はないわね」

 

「・・・・・辛いものを克服する試練だと思えばいい」

 

「リンネさん・・・・苦手なものは苦手なんですからそんな無理矢理(汗)」

アリスには悪いけどリンネの言うとおりね。ここはアリスには最低でも1杯は食べてもらって、克服のチャンスを掴んでもらわないと。でもそんな私たちの気持ちとは裏腹にアリスの箸は全然進まずに刻々と時だけが過ぎていく。

 

「さぁ残り5分を切りました!剛力選手は担々麺を11杯も完食!12杯目も苦しみながらですが、ペースを落とさずに完食を目指します!そのライバル筆頭候補である松平選手は苦しい様子!9杯目から手が出ません!一方、もっと苦しいのはアリス選手!辛い物が苦手だというのは本当だったでしょう!まだ1杯も完食出来てません!これはアリス選手にとっては苦しい決勝となってしまいました!」

 

「(うぅ〜〜・・・・担々麺が冷めてしまって美味しくないし、辛いし・・・・もう嫌だよ(涙))」

 

「さぁ残り1分を切りました!優勝は剛力選手で決まりでしょう!アリス選手は担々麺を完食できるのか!?」

 

すでに後ろのビジョンにある時計は1分を切り、もうすぐで30秒も切る。

 

「さぁ10秒を切りました!・・・5!4!3!2!1!終了!!!優勝は担々麺を12杯平らげた剛力選手!!2連覇おめでとうございます!!」

 

勝った選手は机の前に移動して、MCにインタビューを受ける。一方、負けた2人はそのまま何も話すことも出来ずにステージ裏へと下がってしまった。ステージ上では優勝者のインタビューが続く中、アリスが泣き顔でこっちに帰ってきた。

 

「お帰りですぅ」

 

「ゆまちゃ〜ん、リンネ〜〜、空〜〜(涙)」

 

「・・・・・好き嫌いで食べるからこうなった」

 

「アリスには悪いけど、これを気に辛い物を克服してもらうから」

 

「うぅ〜〜・・・・もう辛い物は食べたくないよ(涙)」

 

「凄い泣いてますよ(汗)。よっぽど嫌だったんでしょう」

 

「アリスさん、あっちでソフトクリーム買ってきますので一緒に食べましょう」

 

私たちとは対照的に蛍さんやロアさんは優しく、泣いているアリスを慰めた。

 

 

空 side out

 

 

駆 side

 

 

「お師匠様♪次はあそこに行きましょう」

 

「は、遥ちゃん!引っ張らないで!」

 

「遥ちゃん・・・・元気ね」

 

「わ、私・・・・疲れた(汗)」

 

遥ちゃんに引っ張り回されて、ちょっと疲れています(汗)。ブラック・マジシャン・ガールのコスプレをした遥ちゃんがブラック・マジシャンにコスプレをした俺のことをさっきから「お師匠様♪」と連発。しかもどんな状況でも言うので、周りから凄い目で見られている(汗)。

 

「ねぇ駆・・・・さすがにお昼ご飯を食べに行かない?」

 

「・・・・そうだね。もう12時を過ぎているし、確か食堂がカフェで」

 

「お師匠様!私あそこに行きたいです!」

 

「ん?」

 

遥ちゃんが指を指す先を見ると、「ハンバーガー」と掲げた教室が見えた。

 

「あれが良いの?」

 

「うん!」

 

「留姫と美菜も大丈夫?」

 

「私は大丈夫」

 

「私も!ハンバーガー食べたい!」

 

「じゃあハンバーガーにしよう」

 

ちょうどお昼ご飯を食べたいと思っていたから丁度良いね。遥ちゃんが行きたいと行ったハンバーガーの出し物はそこまで人も並んでいないので、すぐに注文することができた。

 

「いらっしゃいませ、お客様は何人ですか?」

「4人です」

 

「はいよ!セット4つ!!」

 

「えっ・・・・メニューって一つしかないのですか?」

 

「このハンバーガーショップは、食堂名物ドローパンをハンバーガーバージョンにしているハンバーガーショップなんだ」

 

ドローパン?・・・・・・あぁ、GXであったあのパンのことか。

 

「・・・・・・ドローパン?」

 

「何それ?」

 

「えっ?ドローパン知らないの?」

 

「あっ・・・・俺たち、違う学校に通っているので」

 

「あ〜、それじゃ知らなくても当然だね。ドローパンっていうのはアカデミア名物のパンで、大量にある同じパンの中から自分の直感でパンを選ぶんだ。パンの具材は袋を開けて、食べるまで何が入っているのか分からないんだ。まさに、自分のドロー力を占うパンなんだ」

 

「へぇ〜〜」

 

「ちなみにその大量にあるドローパンの中で最高の具材が黄金の卵パン、2万個近くあるなかで1個しか存在しないんだ」

 

「私食べてみたい!!」

 

「残念ながら黄金の卵は手に入れないから、代わりにちょっとした高級食材を入れているよ」

「おおい!!飲み物何なんだよ!?」

「あ〜悪い!!飲み物何かな?」

 

「私ファンタメロン!」

 

「私はコーラ!」

 

「私は・・・・アップルジュースでいいや」

「俺は・・・・・ファンタグレープで」

 

「ファンタメロンとファンタグレープとアップルとコーラ!!」

 

「は〜い!!」

 

「1人500円で2000円よ」

 

「はい」

 

お財布から2000円を出す。注文は直ぐにきて、トレーの上にハンバーガーとそれぞれ注文した飲み物、ポテトフライとケチャップがついてきた。

 

「料理はこのなかで食べてよね」

 

「分かりました」

それぞれ、注文した飲み物が乗ったトレーを持って、円形のテーブルが空いていたのでそこに座る。

 

「ドローパンなんて私たちのアカデミアには無かったよね」

 

「そうね・・・・食堂は普通のメニューしかないし」

 

「ねぇねぇ!!誰からハンバーガーを食べる!?」

 

「それじゃまずは俺からいくよ」

 

俺のトレーに乗っている袋に包まれたハンバーガーを手に取る。持った感じ、そこまで重くは感じない。ハンバーガーに包まれた袋を取る。パンとパンの間はレタスで包まれていて、何が入っているのか全く分からない。

 

「中はこんな感じで見えないよ」

 

「へぇ〜、綺麗に包まれているわね」

 

「早く食べてみてお師匠様!」

 

「分かった分かった」

 

遥ちゃんに急かされて、俺はハンバーガーを一口食べる。しばらく会釈をして俺は「うっ!」と吐きそうになった。

 

「・・・・・・・・・」

 

「?どうしたの駆?」

 

「いや・・・・・・(汗)」

 

「?何か不味い食材でも入っていたの?」

 

「・・・・・・・ミートソースのスパゲティ(涙)」

 

「「「あ〜〜・・・・・(汗)」」」

 

口にした瞬間のあの食感とトマトケチャップの味、キャベツの中に入っていた具材を見て確定した。俺の具材はミートスパゲティだ。

 

「駆ってスパゲティ嫌いって言ってたわね・・・」

 

「・・・・・残していいかな?(涙)」

 

「お師匠様、ダメに決まってるよ」

 

「可哀想だけど、食べ物を粗末にしちゃいけないから完食しなきゃダメだよ」

 

マジで・・・・・嫌なんだけど(涙)

 

「まぁでも大体わかったわね。それじゃ次は私が頂こうかしら」

 

俺が必死にファンタグレープで飲み込もうと頑張っている時に留姫がハンバーガーを一口食べる。

 

「・・・・・・・」

 

「留姫お姉さんは何が入っていたの?」

 

「・・・・・・ご飯」

 

「えっ?」

 

「だからご飯(汗)。味がない」

 

やっとの思いで口に残っていたスパゲティを胃の中に沈める。その時に留姫が皆に見えるように自分のハンバーガーの中身を見せる。キャベツの中には確かに白いご飯があった。

 

「これだったら駆のスパゲティの方がまだマシね」

 

「交換する?」

 

「・・・・そうね。そうしましょう」

 

俺はスパゲティが嫌いで、留姫は味を求めたため交渉が成立。お互いのハンバーガーを交換した。

 

「(・・・・あれ?これってお兄ちゃんと留姫お姉さん、関節的にキスしているよね?)」

 

「普通にこれ美味しいじゃない」

 

「俺には無理」

 

「(・・・・黙っていた方が面白そうね)じゃあ次は私!」

 

俺と留姫のハンバーガーの中身を見て、次は遥ちゃん。ハンバーガーの包み紙をとって、一気に被りついた。

 

「(モグモグ・・・・・)?何だろう・・・・これ?お師匠様、これ分かる?」

 

食べただけじゃ分からない遥ちゃんが俺にハンバーガーの中身を見せてきた。キャベツに包まれていたのはお肉のような太さがあり、見た目は魚のような肝のようだ。

 

「・・・・・・これ、ひょっとしてフォアグラじゃないかな?」

 

「フォアグラ?」

 

「キャビア・トリュフと並んで世界三大珍味って呼ばれているのよ。超高級食材だわ」

 

「ふ〜ん・・・・・あんまり美味しく感じない」

 

「フォアグラはダチョウやアヒルの肝臓だから、遥ちゃんの口には合わないかもね」

 

「これが高い食材だなんて信じられない〜〜」

 

「じゃあ最後は私ね!」

 

最後になった美菜は勢いよく包み紙を破いて、豪快にハンバーガーを一口食べる。そして、食べて一口食べ噛んだ瞬間に椅子を後ろに蹴飛ばして飛び上がるように立った。

 

「か、かっら〜〜〜〜〜い!!!!!!!!!!」

 

「み、美菜!?」

 

「み、水!!!!!ヘルプ!!!!水〜〜〜〜!!!!!!!」

 

そのまま美菜は立ち上がってのたれ回る。何が入っていたのか、俺たちは美菜のハンバーガーの中身を見る。

 

「・・・・・うわっ、ハバネロだよ(汗)。しかも大量にある」

 

「こんな小さなハンバーガーによくこんなに詰め込めたわね(汗)」

 

「美菜お姉さん、相変わらず当たりを引くね・・・(汗)」

 

「辛い辛い辛い辛い!!!!!!!みず〜〜〜〜!!!!!!!」

 

すでに美菜はコーラを飲み干してしまったため、コーラで薄めることは出来ない。ありがたいことにここを担当している生徒が2ℓのお水のペットボトルを持ってきてくれたので、美菜はそれをがぶ飲みしていく。

 

「(ゴクッ、ゴクッ・・・・・)プハァ〜〜〜〜、し、死ぬかと思った・・・・・(汗)」

 

「豪快に食べるからそうなるのよ」

「だって3人の食材を見たら、ああやって被り付きたくなるよ・・・ハンバーガーだし。うぅ・・・これ捨てよう」

 

「何言ってるの?ちゃんと食べないと」

 

「えっ?」

 

「だって、食べ物を粗末にしちゃいけないって言ったのは美菜でしょ?」

「・・・・・・・・・・・・」

 

「「((駆(お兄ちゃん)、根に持ってたんだ・・・・(汗)))」」

 

「う、うぅ〜〜〜〜(涙)」

 

あの時、ちょっとムカついたのでスパゲティの仕返しを美菜にした。美菜は泣きながら自分の言ったことを悔やんでまたハンバーガーを口にした。俺は心の中で笑みを浮かべながら、ご飯のハンバーガーを食べていった。

 

 

 




遊輝「ふわぁ・・・・叩きおこすなよ」

慧音「お祭りみたいなものか。生徒が店主をやるとは」

アリス「なかなか面白そうじゃない」

遊輝「俺、去年忙しかったからそんな楽しむなんて余裕全くなかった」

慧音「何をしていたんだ?」

遊輝「初日ライブ、2日目黒歴史、3日目覚えてない」

アリス「・・・・・初日しかまともなことを言ってないじゃない」

慧音「次は文化祭の初日の最後の話だ」

遊輝「2Days 公演の最終日だよ。【混沌文化祭 初日 後半 LIVE FES in Fantasy World Day 2】」

アリス「次回もよろしくね」

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