もしキリトさんが茅場晶彦によってSAOのレベルのまま迷宮都市オラリオに送られたら。   作:機巧

5 / 7
ああ、もうやけくそだ。
こいうこと投稿。これでもういつになるか本当にわからん。
本日二話目です。お読みでない方はまえの話からどうぞ。
後、かなりの引用すみません。未熟さが招いたものです。
減らそうと努力したんですよ?


ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか&教会の天井から頭を突き出すのは間違っているだろうか

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?

数多の階層に分かれる無限の迷宮。凶悪なモンスターの坩堝。

富と名声を求め自分の命知らずの冒険者たちに仲間入り。ギルドに名前を登録していざ出陣。

手に持つ剣一本でのしあがり、末に到来するのはモンスターに襲われる美少女との出会い。

響き渡る悲鳴、怪物の汚い咆哮、間一髪で飛び込み翻る剣の音。

怪物は倒れ、残るのは地面に座りこむかわいい女の子と、クールにただずむ格好の良い自分。

ほんのりと染まる頰、自分の姿を映す綺麗な瞳、芽吹く淡い恋心。

 

 

時には時には時には時には時には時には……。

子供からちょっと成長して、英雄のの冒険譚に憧れる男が考えそうなこと。

可愛い女の子と仲良くしたい。 綺麗な異種族の女性と交流したい。

少し邪で如何にも青臭い考えを抱くのは、やっぱり若い雄なりの性なんじゃないだろうか。

ダンジョンに出会いを、訂正、ハーレムを求めるのは間違っているだろうか?

 

 

 

結論。僕が間違っていた。

『ヴヴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ‼︎』

「ほぁあああああああああああああああああああああああっ⁉︎」

僕は今、死にかけている。如何にも青臭い考えを抱いて冒険者になった結果ーー具体的には牛頭人体のモンスター、『ミノタウロス』に追いかけている。

lv.1の僕(しかもまだまだ新米)の攻撃では一切ダメージを与えられない。

ミノタウロスは、lv.2で、しかも、ミノタウロスの皮は硬い為、それなりで取引もされたりするからだ。

 

詰んだ。間違いなく、詰んだ。

 

ああ、運命の出会いなんかを日々数え切れない死者を出すダンジョンに求めたじてんて、僕ーーベル・クラネルは、終わっていたんだ。

一攫千金ならぬ、一攫美少女なんて夢のまた夢だった、

 

あぁ戻りたい。過去の自分を殴りたい。まぁ無理なんだけど。

 

『ヴゥムゥンッ‼︎』

「でえっ?」

 

ミノタウロスの蹄。

背後からの一撃は直撃しなかったが、僕の足は、取られてしまった。

ゴロゴロとダンジョンの床を転がる。

 

『フゥー、フゥーッ……!』

「うわわわわわわわわわわわっ……⁉︎」

 

臀部を臀部床に落とした臀部を態勢で、惨めに後ずさりした。

可愛い女の子達が見たら一瞬で幻滅しそうな光景。僕には最初から、お伽話に出てくるような英雄になる資格はなかったらしい。

壁に背中がぶつかる。

行き止まり、だ。

 

(あぁ死んでしまった……)そう思っても、僕は性懲りも無く原因である女の子との出会いは訪れなかった。と思い浮かべていた。

 

次の瞬間、そのかいぶつの胴体に一線が走った。

「え?」

『ヴぉ?』

 

僕とミノタウロスの間抜けな声。

走り抜けた線は胴だけでなく、体の各部に連続した。銀の光が少しだけみえた。

ここにある黒衣の剣士がいたら「……メカフリーザ」と言ったであろう光景。

強敵が、強敵であったはずが、だだの肉塊となる。

 

僕はミノタウロスの断末魔と血のシャワーを浴びた。

 

「……大丈夫ですか?」

 

そこにいたのは金髪金眼の女神様のような美少女だった。

 

(……ぁ)

 

ーーlv.1で駆け出しの僕でも分かるくらいの超有名人。

【ロキ・ファミリア】に所属する第1級冒険者。

ヒューマン、いやすべての種族の女性の中でも最強と謳われるlv.5,

【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン。

 

「あの……大丈夫、ですか?」

 

大丈夫じゃない。

全然、大丈夫じゃない。

心臓がばくばく言って破裂しそうな位の一目惚れ。

芽吹く淡い……いや盛大な恋心。

妄想は結実、配役は逆転、想いはど頂点。

僕の心はこのときに奪われた。

 

 

 

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?

 

 

 

再結論。

僕は間違えてなんかいなかった。

 

 

 

 

そしてもう一つ。

この時の僕は、英雄という意味での師匠にこの日のうちに会うことなんてまだしらなかった。

 

 

◼︎

 

 

その日の夕方。

僕がアイズさんの情報を求めに血塗れのままエイナさんーー僕のギルドでのダンジョンアドバイザーだーーに突撃してしまう事件が終わった後。

自分のファミリア、【ヘスティア・ファミリア】の本拠地《ホーム》であるうちぶれた教会に戻ってきた後。

 

「神様帰って来ましたー! ただいまー!」

 

そう言って僕は教会の地下室に踏み込んだ。

 

「やぁやぁお帰りー。今日はいつもより早かったね?」

「ちょっとダンジョンで死にかけてちゃって……」

「おいおい、大丈夫かい? 君に死なれたら僕はかなりショックだよ。柄にもなく悲しんでしまうかもしれない」

 

そう言ったのは神様。

僕の主神のヘスティア様だ。

将来は絶世の美女を約束されているような容姿だけど、彼女が今の姿から成長することは、ありえない。

それは、この人が『神様』だからだ。

 

超越存在《デウスデア》。英雄達より凄いお方だ。

 

そんな神様とジャガ丸君などの取り留めのない話をしつつ、ぼくらは【ステイタス】更新に入った。

 

「ほら、君の新しい【ステイタス】」

 

 

ベル・クラネル

lv.1

力:I77→82 耐久:I13 器用:I93→96 敏捷:H148→172 魔力:I0

《魔法》

【】

《スキル》

【ー】

 

「……神様。僕、いつになったら魔法を使えるようになると思います?」

「それはボクにもわからないなぁ」

 

そんな会話をしているうちに……ん?

 

「神様、このスキルのスロットはどうしたんてすか? 何か消した後があるような……」

「……ん、ああ、ちょっと手元が狂ってね。いつも通り空欄だから、あんしんして」

「ですよねー……」

 

すこし期待してしまった。

僕にもスキルが出たのではないかと。

 

 

そして更新の後の談義も終わり、僕は夕飯の支度をし始めた。

 

すると、ドンガラガッシヤーンという大きな音が辺りに響いた。

 

「うっ」

「うわっ、何なんだい⁉︎」

 

神様と僕は驚いてしまった。

揺れはすぐ収まったが、

 

「神様、上からのようです」

「そ、そのようだね」

「僕上に言って見てきます」

「よろしくたのむよ」

 

音が気になったので見に行くことにした。

 

 

◼︎

 

(下界の子ってかわりやすいんだなあ)

と上への階段を上っていくベルを見送りながらヘスティアは、そんなことを思っていた。

黙っていた、【ステイタス】のスキルの部分。

そこには今まで聞いたこともないスキルが刻まれていた。

これが娯楽に飢えた他の神に伝わったことを考えると恐ろしい。

だから教えられなかった。

 

 

 

 

《スキル》

【憧憬一途《リアリス・フレーゼ》】

・早熟する。

・懸想が続く限り効果持続。

・懸想の丈により効果上昇。

 

 

 

まあ、アイズ何某への嫉妬心も伝えなかった理由なのだが。

 

 

 

◼︎

 

ベルが教会の地上部分に出てみると、大きな瓦礫ーーおそらく天井のものだろうーーが崩落していた。

何が原因か、天井を見て見ると、そこには、黒衣の剣士が天井から頭を突き出す感じで逆さまに宙ぶらりんになっていた。

その人物は、「ヤバイ、調子に乗って《壁走り(ウォールラン)》なんかしなければよかった。」とかを小声で言っていた。

 

「えっ?ええええええええええええええええええええっ⁉︎」

 

ベルがそう叫ぶと黒衣の少年はこちらに気づいたようで。

その黒衣の少年ーー青年はそう言った。

 

「やあ、こんばんわ、かな?」

 

 

 

そしてこれが始まりの前兆。

ベル・クラネルの本当の意味での、英雄譚の始まりの前兆であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして始まり。

翌朝、ベルはシルと言う少女に出会うことで、運命が加速する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◼︎

……時間は少し遡り

 

 

「だっーー」

「だ?」

 

己が助けた白髪の少年は、アイズに首を傾げる暇も与えず、かばっと跳ね起きた。

次の瞬間。

 

「だぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ⁉︎」

 

全速力でアイズから逃げ出した。

 

「……」

アイズはポカンと立ち尽くしてしまった。

これで本日二度目……。

何がとは言わない。無論逃げられたことだ。

ほうけた表情をベートに笑われたアイズは、ベートを年相応の少女のように。

きっ、と獣人の青年を睨みつけながら、

……あの人はどうしているのかな。

と、考えた。

思い出すは、先程の白髪の少年と同じく自分の前から逃げてしまった黒髪黒衣の少年。

あの時ーー。

 

 

 

 

「リル・ラファーガ」

 

主神命名の一撃必殺を唱え、風の矢となったアイズが怪物を倒した後。

【ロキ・ファミリア】は、未到達階層に行くのを諦めた。

戦闘で、武具のほとんどがやられてしまったからだ。

 

そして、あの粉を止めてくれたのがフィン達ではなく、通りすがりの黒衣の剣士と聞いて驚いた。

そしてレベル9と聞いてさらに驚いた。

 

フィンもそのことについて聞こうとしていたようだが、帰り道の途中で、

 

「じゃあな」

 

と言って去ってしまった。

もちろんアイズも、

「ちょっと、待って」

と言って引き止めようと、腕を掴もうとした。しかし、黒色の彼はすり抜けた。

アイズはかなり本気で動いたのに、だ。

 

「ちっこいのじゃなくて、フィン君。聞かれたことは後で話すからさよならーーっ」

 

最後に聞いたセリフはこれだ。フィンは、それでいつか聞こうと妥協したようだが(実際は、ちっこいのとか言われてすこし凹んでいた)、アイズは諦めない。

 

どうして貴方はそんなに速くなれたの?

そう聞くまでは。

 

ーー知りたい。その速さの秘訣を。

 

今度会ったら絶対に聞いてやるんだから、とアイズは無表情に戻り意気込んだ。

 

 

 

 

 

 

◼︎

 

 

 

 

 

バベル最上階。

そこにいるのは、女神。

 

「なぜ、見えないの?」

 

不思議そうな声。

視界に映るは朝見かけた白髪の少年。そして自分の娘。そしてーー黒衣の剣士。

 

「ふふふ、ふふふふふ」

「どうなされましたか」

 

そう問いかけるは大男。オラリオ最強(?)のlv.7の武人、オッタル。

 

「予定変更よ。あの子も手に入れるわ」

 

妖艶な女神はそう言った。

 

「それは何故でしょうか」

「ふふっ実際のことを言うけれどね。見えないのよ。あの子の魂が」

 

その言葉にオッタルは驚いた。己が主神でも見えない魂があろうとは。

女神フレイヤも驚いていた。ベルという名の白髪の少年は透き通る色に見えた。だから欲しいと思った。だか、黒衣の少年の魂の色は見えなかった。

本当のことを言えば、《隠蔽》スキルが原因だ。《隠蔽》スキルには、《聞き耳》スキルなどの覗き見るスキルを無効化する力がある。それをキリトは、熟練度を最高にしていた。さらに言えば心意という力が守っていることも原因であった。女神には知る由もないが。

 

「なんと」

「だからこそ、欲しい。絶対に手に入れて見せるわ……」

 

オラリオで最も高い場所で、女神の笑い声が響き渡った。

 

 




アイズには関わりフラグです。
(今の所)恋愛フラグではありません。これからどう転ぶかわからないですらね。
活動報告にヒロイン募集しています。

感想、ご指摘がありましたら気軽にどうぞ。


オラリオ最強(?)の武人オッタルwwとまさかの空から落ちてくる系ヒーロー(ヒロインではない)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。