オーバーロード~至高の人形使いと自動人形~   作:丸大豆

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※恐怖公が来るぞ、気を付けろっ!!


幕間・2 マキナの女子会とソウソウ昆虫記

第五階層 氷結牢獄―――――

 

 

「―――――で? 姉さんは実際、ソウソウ様とどこまで行ったの?」

 

「アルベドさん、質問が直球過ぎて流石の私も引きますよ」

 

「ええ、全くその通りよ。 マキナ御免なさいね、こんな妹で……けれど悪い子じゃないの」

 

「いえ、ニグレドさんが謝る事じゃ……」

 

現在、氷結牢獄のニグレドの部屋に居るのは主であるニグレド、守護者統括のアルベド、第九階層人形工房領域守護者のマキナ・オルトス。

彼女達は自分達の主人である至高の二人が与えた休憩時間(本人達は別に必要無いという考えだったが)を利用して所謂、女子会(ぶっちゃけトーク)を開催していた。

 

ちなみにニグレドの部屋に入って人形を渡す役目を果たしたのはマキナだ。

部屋に入る前から「私のお母様になられる人かもしれないんだから失礼の無い様に…」とか髪をざわつかせながらブツブツ呟いていたのをアルベドは見なかったし、聞かなかった事にした。

基本的に彼女はちゃんと気遣いが出来る女性だからである。

 

「あのね……そもそも『どこまで行った』なんて質問が前提として間違っているわ。

私がソウソウ様から頂いたのはあくまで“罰”であって御寵愛を受けた訳ではないの。

其処の所、分かってる?」

 

「至高の御身に自分の歯を立てるという行為が御褒美じゃなかったら何だって言うの!?

分かっていないのは姉さんの方よ!!」

 

「………何というか、本当に我が妹ながら“度し難い”という言葉が似合うわね…」

 

「でも、私はそんな自分に正直なアルベドさんの事、好きですよ」

 

「マキナ、貴女はソウソウ様に似て優し過ぎるのよ。 いけない事はいけないときちんと教えてあげるのも必要な事なの」

 

「は、はい。 すいません」

 

内容が若干(?)アブノーマル気味ではあるが三人の美女が仲良く会話している。

休憩を与えた至高の二人がこの光景を目にすれば無くなった筈の胃がキリキリと痛むほどの癒しが得られたであろう。

 

「姉さんと私、どこでここまでの差が出てしまったというの…ッ! 私に何が足りないと……」

 

「慎み深さでしょ?」

 

「私の事はともかくとして、そこはマキナに同意ね」

 

二人の無慈悲な客観的意見が守護者統括を襲うッ!!

 

「ぐふぅ…っ! でも、私だって…私だって弁えるべき所はちゃんと弁えてるじゃない」

 

「いえ、アルベドさんって鉤爪付きのロープで足を引っ張って転ばせてからその相手の顔面を踵で思いっきり踏みつけるタイプですよね?」

 

「そういう姿を隠しきれない所が一番の問題点だと思うのだけれど?」

 

「……………ぐふぅ」

 

さらにもう一発追撃を食らい、守護者統括は完全にノックダウンした。

自分でも自覚があったのかその姿は完全に真っ白になり、憐れみすら感じられるほどだ。

 

「……でも、守護者統括として、そういった性質は必要不可欠だと私は思いますけど」

 

「…そう! そうよねマキナ! 貴女って本当に良い子だわ!! 流石はソウソウ様の娘!!」

 

「マキナ、あまり妹を甘やかさないで頂戴。 この子は言えば分かる子なんだから、ちゃんと言うべき時に言ってあげないと。 大きな失敗をしてからじゃ遅いのよ?」

 

「でも、言うべき事はもう十分言ったので、今私がすべき事はアルベドさんのフォローかなって思いまして」

 

「……ソウソウ様といい、貴女達親子は私達に甘過ぎるわ。 本当に、不安になってしまう…」

 

「ちょっと、姉さん。 まさかソウソウ様に対しても今の様な発言をした訳じゃないでしょうね?」

 

マキナの言葉に一喜一憂していたアルベドは突如、守護者統括の顔で自身の姉に向き直る。

 

「えぇ……言ったわ。 あの方はお優しい……優し過ぎて何時かその御身をこのナザリックの為に犠牲にしかねない危うさを持っていると、命を賭けて進言したわ」

 

「何て事を……それで? 姉さんの身が無事であるという事はソウソウ様はその発言をお許しになられた、と解釈して良いのね?」

 

「あの方は私の不敬とも取れるその発言に対し、その御身に纏っていた人形を脱ぎ捨て、私を優しく、本当に優しく抱きしめて耳元で御身を案じた事を感謝して下さったの」

 

「「――――――――――ッッッ!!??」」

 

アルベドとマキナは皮膚の無い顔だというのに恍惚の表情を浮かべているのが分かるニグレドを見て絶句する。 

実際、ソウソウは「感謝のハグを人形でやるのも気持ちが入って無いかも」という理由で脱いだのだし、自分の発声器官が未だに分かり切って無かったから結果的に耳元で聞こえる様に近づけた、というのが真相だ。

そんな実情を知らない美女二人の頭の中はパニックパニックである。

 

「ソウソウ様からすれば、あの様な距離感なんて当たり前なのでしょうけど、私にとっては体が溶けてしまいそうな多幸感に包まれて……正直、もう死んでも構わないとすら思えたわ」

 

「絶対! 絶対それは当たり前じゃないわ姉さん!! 間違い無く御寵愛を受けてるわよ!!」

 

「お、おおおおお父様のら、ららららら裸体に、抱きしめられて……(ギュルルルルルルルルル)」

 

ニグレドの素っ頓狂な発言にアルベドはほんの少しの呆れとそれ以上の羨望の眼差しを向けながら姉に詰め寄り、マキナに至っては首を高速回転させながら思考回路を爆発四散させていた。

 

「……言われて見れば、あの時のソウソウ様はありのままの姿で御身を晒していた、と言っても良かったのよね。 いけない……不埒な考えに支配されてしまいそうになるじゃない」

 

「良いじゃない!! 勝機が見えればガンガン攻める。 戦いは勢いよ、姉さん!!」

 

「いやー。 本当にブレませんよね、アルベドさんは(ギュルルルルルルルルル)」

 

一人は自分の中に芽生えた自身の主に対する邪な感情を振り払おうとし、一人はその感情にガソリンをぶちまける発言をし、一人は未だに首を回転させながらもそんな煽り屋を達観した目で見つめていた。

 

近場で特別情報収集官が「さあ! もっと好い声で泣き喚きなさぁいん!! ア・イ・ン・ズ様とソウソウ様の為にねん!!」と自分の業務を遂行している中でのこのほのぼの感。

やはり生きとし生ける者は皆、適度な休息が必要なのだとつくづく感じられるナザリックの日常の一幕であった。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

同時刻 第五階層 大白球(スノーボールアース)

 

 

「―――――はっ!!」

 

「ソウソウ様、如何ナサレマシタ? マサカ、私ニモ感知出来ヌ不穏ナ気配デモ……」

 

「いや、違う!! 今のコキュートスの剣を上段に振りかぶった姿勢、とても綺麗だった!! 

スケッチしたいから、もう一回さっきの型稽古をやって貰っても良いかい?」

 

「ナ、何ト!! ソウソウ様ガソウ仰ラレルノデアレバ、一回ト言ワズ何度デモゴ覧ニイレマショウ!!」

 

僕は現在、アインズさんとの話し合いも何とか形になって来たので休憩がてら、かねてからやってみたかったナザリックの虫系の子達の造形把握の為、スケッチをして回っていた。

ニューロニストが仕事中だからニグレドの為の骨人形もまだ作れないし、丁度良いよね。

一通り回って最後に来たのが此処、コキュートスの住居である大白球(スノーボールアース)に今はお邪魔させて貰っている。

 

どうやら日課である鍛練中だったので折角だから見学と共にその姿を書き写しておこうと思ったのだが、彼の動きは正に“武人”と呼ぶに相応しい美しさで、惚れ惚れとしてしまう。

製作者である武人武御雷(ぶじんたけみかずち)さんには心からの……感謝をッ!!

 

 

「―――――うん、大分形になったね」

 

「オオ、ソウデスカ。 ソウソウ様ノオ役ニ立テタノデアレバ、コレ以上ノ喜ビハアリマセン」

 

「ありがとう。 良かったら、何枚か見てみるかい?」

 

「……宜シイノデ?」

 

「別に構わないよ。 そうだな……コレなんかどうかな?」

 

僕は彼が好みそうな一枚を取り出して見せてみる。 その反応は―――――

 

「オ、オオォ! コノ姿ハ正シク我ガ盟友!! マルデ今ニモ動キダシソウナ見事ナ一枚!!

流石ハ、ソウソウ様デ御座イマス!!」

 

「ふふふ…恐怖公、我ながら彼は上手に描けたんだよね。 もっと褒めて褒めて」

 

例え御世辞であろうとも自分の描いた絵を褒めてくれるのは純粋に嬉しい。

何せ学生の頃は美術の成績だけは「5」判定貰ってたからね。 僕の数少ない自慢出来る長所。

ちなみに、彼に見せたのは第二階層領域守護者にして彼の友人でもある〈恐怖公〉。

見た目は30cmのアレだ、店舗経営していた身としては例え飲食店じゃ無かろうと出ただけで客足が遠のく、例の、アレ。

 

でも恐怖公は可愛いんだよ!! 言葉使いも凄く丁寧で好感が持てたし!!

現に僕がさっき訪ねた時だって―――――

 

「ソウソウ様! 吾輩の領域にお越しとは、何か重大な御用ですかな?」

 

「恐怖公、君をスケッチさせて欲しいんだけど構わないかい?」

 

「何と!? 吾輩の身姿をその至高の御手によって描かれるとは、正しく光栄の極み! 何卒、宜しくお願い致します!」

 

「ありがとう。 それじゃあ早速……」

 

「いえ! 至高の御身を立たせたままなど臣下としてあっては成らぬ事、只今吾輩の眷属がこの部屋にて最高の椅子をお持ちしますのでソウソウ様、暫くお待ちを」

 

その言葉と共に彼の眷属…普通サイズのアレが何百匹も協力し合って大変豪華な椅子を持って来てくれた。

 

「わー、うれしいなー。 でもぼくはたったままでもんだいないからだいじょうぶだよ(棒読み)」

 

「むむっ! そうでしたか……余計な気を回してしまい、大変申し訳ありません」

 

「……そんな事は無いよ! 君の気遣いに僕の胸は今にも張り裂けそうさ!!」

 

「な、何と寛大な御心…ソウソウ様の様な御方に御仕えする事が出来て吾輩、大変幸せであります!!」

 

うん、ゴメン。 恐怖公単体は別に良いんだけど、集団で来るとキッツイわー……。

 

 

 

その後も僕はコキュートスに何枚かのデッサン画を見せていたのだが、彼は誰がいないのか気付いたらしく、その人物の事を問いかけて来た。

 

「ソウソウ様…。 エントマノ姿ガ無イ様ニ思ワレマスガ……」

 

「あー、やっぱりそこ訊いちゃうか。 そこはほら、描いたんだけど女性のスッピン顔ってあまり人には見せたくない物じゃない? 彼女のプライバシーを尊重して見せた中には入れてないんだ」

 

「フゥム……アレ程、愛ラシイ顔立チヲシテイルトイウノニ何ト勿体無イ事カ」

 

「んー…僕もそう思うんだけどね。 彼女はあの擬態の顔を気に入ってるから、仕方ないね」

 

今話題に出たのは6人の戦闘メイド〈プレアデス〉の一人、エントマ・ヴァシリッサ・ゼータだ。

見た目は和服系のメイド服に身を包んだ愛らしい少女だがその本性は“蜘蛛人(アラクノイド)”。

その人間の様な顔も声も蟲で出来た作り物。 僕はどっちの顔も悪くないと思うんだけど、彼女からすれば本性の顔と声はお気に召して無いらしい。 選択肢を狭めているのは大変勿体無い。

 

実際、僕が至高の存在っていう立場じゃ無ければ彼女は素顔を見せてはくれなかっただろう。

これってやっぱりパワハラにあたる行為なのかな……でも、知的好奇心が止まらなかったワケだしなぁ……謝ったけど、彼女の好みの人間を調達できるのか後でアインズさんと相談しよ。

 

 

ちなみにソウソウが描いたデッサン画をエントマ本人に見せた感想はこちら。

 

「(ソウソウ様の絵ってぇ、とおぉっても綺麗なんだけどぉ、その分なぁんか、複雑ぅ…)」

 

乙女心とは大層複雑で難解な物なのだ。 パワハラ、駄目、絶対。

 

 

「さてさて、コキュートス。 僕が此処に来たのはもう一つ理由があってね。 ちょっと試運転に付き合って貰えないかい」

 

「ソレハ構イマセンガ……新タナ人形ノ性能確認デスカ?」

 

「いや、昔に作ったのは良いんだけど、全然使わなかった物でね。 数値で性能は把握してるんだけど、実際に動かして見ないと何事も分からないから、ナザリック最強の矛である君と手合わせしたいんだ」

 

「ソウイウ事デシタラ、喜ンデオ付キ合イ致シマショウ。 至高ノ方々ト手合ワセ出来ル機会ナド、ソウアル事デハアリマセンノデ」

 

 

「ありがとう。 では……出で座せい、〈―――――――〉!!!」

 

 

 

――――――――――

 

 

 

コキュートスは後悔した。 至高の存在と手合わせ“出来る”と思い上がっていた自分に。

結果は一撃。 自身の右肩を“粉砕”されて決着を迎えた……否、迎えざるお得なかった。

 

「ごめん!! ごめんね、コキュートス!! 今、回復用の人形を出すから……」

 

自身を圧倒した筈のその御方は辛そうな、本当に辛そうな声音で語りかけ、アイテムボックスに両手を入れ、人形を取りだす。

 

「出で座せい、〈ヒーリング・フェアリー〉」

 

両手の指の数、10体の美しい妖精を模した人形が自身の周りを光の粉を振りまきながら飛び回り、無くなった筈の右肩を瞬く間に癒していく……。

至高の存在であるソウソウが居た為に今迄、自主的に待機していた親衛隊の如き存在である雪女郎(フロストヴァージン)達がこちらに向かって来る頃には受けた傷は完全に治癒していた。

 

「まさか……あんなに“アレ”が危険な物だったなんて………謝っても謝り切れないよ……」

 

「イエ、ソウソウ様。 アノ一撃ヲ耐エ切レ無カッタノハ私ノ鍛錬不足ニ他ナリマセン。

ソウソウ様ガオ気ニナサル事ハ何モ………」

 

「そういう問題じゃないッ! そういう問題じゃないんだよッ!! コキュートス!!!

僕は大切だと思ってる家族を傷つけた!! もう二度と、君達を傷つけないと誓ったばかりなのに……」

 

そう言って至高の存在はその身を震わせる。

その姿は膝を抱えて泣きじゃくっている小さな子供の様にも見えた…。

 

「ソウソウ様、今ノ一撃ハ大変見事ナ物デアリマシタ。 正シク、アレハ“我々ヲ守ル力”。

決シテ“我々ヲ傷付ケル力”デハアリマセン。 胸ヲオ張リ下サイ我等ノ主、至高ノ存在ヨ」

 

その言葉に下を向いて泣いていた子供は居なくなり、自身より低い背丈でありながら自身より何倍も大きく見える絶対者、至高の存在の一人、人形使い(ドールマスター)のソウソウが帰って来た。

 

「………ありがとう、コキュートス。 情けない所を見せて済まない。 もう、大丈夫だよ」

 

「至高ノ存在デアルソウソウ様ニ出過ギタ事ヲ申シテシマイマシタ。 私メニ罰ヲ御与エ下サイ」

 

「(皆、罰罰って……こっちが受けたい位さ…)なら、大浴場に付いて来て。 僕がコキュートスの背中を流してあげるよ」

 

「ナッ!? ソノ様ナ事ヲ………」

 

「居心地悪いでしょう? だから罰になるんだって。 さて、丹念に洗ってあげるよ」

 

完全にいつもの掴み所の無さを取り戻した自身の主人の一人の態度にコキュートスは困惑し、同時に深い安心感を得た。

自身より強者であり、深い慈しみを持つこの御方の御子息はきっと素晴らしい戦士に成長するだろう、そう考えたら女性陣が言っていた話が本当かどうか確かめてみたくなった。

 

「ソウソウ様。 オ訊キシタイ事ガ御座イマスガ宜シイデショウカ?」

 

「んー? 何だい?」

 

「ソウソウ様ハ、ニグレドノ事ヲドノ様ニ御考エナノデショウカ?」

 

「ニグレドの事…? 綺麗だし、優しいし、時に厳しいし、強いし…例を上げると欠点が無いな」

 

「ツ、ツマリ………ソレハ?」

 

「うん、大切な……とても大切な存在だ。 絶対に失いたくないって思ってるよ」

 

「―――――ッ!!!」

 

 

―――瞬間、コキュートスの脳内で二人の間に出来た子供が誕生する。

 

 

優し過ぎる位優しいソウソウと、慈愛と厳しさを併せ持つニグレドとの子供はきっと他者を傷つけるのを嫌がっていつも泣いているが、最後はその弱さをそのまま力に変え、大切な者を守る為に力を揮う事が出来る素晴らしい戦士へと成長するだろう。

彼等の子供に剣を教えても人形の方が良いと父と母に抱きつき、ショックを受けるだろうが、両親はそんな子供をきちんと叱り、ごめんなさいをして仲直りの肩車をする。

 

『爺は今日は僕の操り人形ね!』

 

『ハッハッハッ! 爺ハ何時マデモ若ノ操リ人形デスゾ!!』

 

『こらこら、コキュートスは人形じゃないだろ?』

 

『あら? でも、二人とも楽しそうじゃないですか。 アナタ』

 

最早、彼は妄想の大海の真っただ中に居た。

 

 

 

「―――勿論、その大切な存在の中にはコキュートスも入って………コキュートス?」

 

「イケマセンゾ……若。 剣モシッカリト覚エナクテハ母君ヲ御救イスル事ナド………」

 

「あのさ? “コレ”、何?」

 

僕は近くに来ていた雪女郎(フロストヴァージン)達に置き物と化した第五階層守護者の状態を訊いた。

 

「申し訳ありませんソウソウ様……コキュートス様は最近、この様な状態になる事がしばしばありまして……」

 

え゛え゛え゛ぇぇぇ……? 何それ、訳分かんない。 これじゃ、背中流せないじゃん…。

仕方が無いので僕は伝言(メッセージ)でアインズさんを呼び出す。

 

「アインズさん……今、大丈夫ですか?」

 

『どうしました、ソウソウさん? 今日の分の話し合いは終わったと思いましたが……』

 

「風呂行きましょ、風呂。 大浴場に集合。 で、その後卓球ね」

 

『え!? ちょっと! いきなり何―――――』

 

伝言(メッセージ)終了。

 

「僕は一時間位お風呂に入ってるから、その間に彼が覚醒したら大浴場に来てって言って」

 

「は、はい。 畏まりました」

 

 

そして僕は第五階層を後にする。

 

思えば僕の娘とタブラさん家の姉妹は此処で女子会やってるんだった。

三人とも仲良くやってくれていれば良いんだけど。

 

まぁ、今は取り敢えず風呂だ。

毎度、メイドの皆に体(髪)を梳いて貰うという一種のプレイは流石に恥ずかしいので湯に浸かれば少しはまともな案も見つかるだろう。

嗚呼……早く湯船に浮いてもずくの様にそこら中を漂いたい。

 

 




今回はコキュートスに真っ直ぐな言葉を言って貰いました。
本編では頭脳派じゃない事を悩んでいるけど、ストレートな言葉が人間、一番心に響きます。
お陰でソウソウ(東博幸)はアインズ(鈴木悟)さんより先に“男”になりました。
辛い決断を下す事に迷いを見せない男に。

これからしばらく私用でPCを触れる時間が減りますので、次の2巻分のエピソードを上げるのは長くて2週間後位になると思います。
その時は皆さま何卒、宜しくお願い致します。

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