2人の教官と最弱の小隊 growth record   作:トランサミン>ω</

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彼女たちの意思

訓練終了後ミソラたち3人はシャワーを浴び汗を流した後、下着姿になり着替えていた。

ミソラはカズキを3人がかりでも撃墜できなかったことを嘆いているようだった。

しかし論点はもつれていき胸の大きさの話になり

リコとレクティに比べ胸の小さいミソラが怒ったり

それにリコがきつい言葉をかけたりと

チームワークには程遠い実態を晒していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の実技訓練E―601小隊室

カナタが入室するころには3人が揃って彼のことを

待ち受けていた。

「へー、まだ時間あるのに揃ってるなんてお前らなかなか見どころあるじゃねーか」

「あのぅ…カズキさんはいないんですか…?」

「ああ、一応あいつもロイヤルガードだからな…ってミソラ、なんでお前は目を輝かせてるんだよ?」

「べ、別に輝かせてなんかないわよっ!でも、す、少しだけどんな訓練を施すのか期待してるかも…」

どこか拗ねているように見えるがミソラは2人の教官のことを認めつつあるようだ。昨日の訓練で彼らの実力を思い知ったからである。

「わ、わたしもお2人からのご指導を受けられてうれしいですっ!」

「断っとくけど訓練は辛いもんだし楽して強くなれるようなもんじゃないし、それに舞い上がるような訓練内容じゃねーぞ」

そういってカナタはリコの姿を注意深く探っていた。

カナタの視線に気づいたがリコは

「わたしは訓練などに付き合うつもりはないぞ。わたしの狙撃術はもはや女神の領域だ」

「ちょっとリコっ!いくらヘンタイだからって一応教官なんだからその態度はなに!」

ミソラが慌てて咎めるが

「ヘンタイじゃねーって、まぁ狙撃センス、状況判断能力には非の打ち所がねーよ。少なくともこの中では1番戦えるのはリコだ」

「ふむ、もっともっと褒めてくれて構わないぞ。どうやら君たちも只者ではないらしいな」

「お前はカズキとの実力差に気づいて引き金を1回しか引かなかったからな、ちゃんと戦闘をイメージできてたんだろ」

「わたしは基準以上の実力を備えているよって訓練は受ける必要がない」

そういってリコは小隊室を後にしていった。

「ちょっとリコっ……!」

「いいからほっとけって…想定の範囲内だし、他人より先に自分のことだ」

カナタは2人が落ち着くのを待ってから問いかけた。

「そんで訓練のことだけど、これから俺がミソラに、カズキがレクティに個別に伝える訓練を最低一週間は続けることが条件だ。お前らにその覚悟はあるかよ?苦手なことでもやる覚悟のことだぜ」

「「……………………」」

苦手なこと……忽ちミソラとレクティは沈黙する。

カナタの言葉は軽口のようで酷く重いプレッシャーを

放っているようだった。

「……カ、カナタさんっ!」

なにやら思い立ったかのように席から急に立ち上がり

レクティはカナタに問いかけた。

「どうしたんだよ、そんなに緊張して」

「強く…、今より強くなるための指導を施してくれるんですよね?」

「ああ、カズキが指導するんだ強くなれるはずだぜ」

「な、なら私はだ、大丈夫ですっ!ど、どんな訓練にも

た、耐え抜いて見せますっ!」

「わかった、じゃあレクティはカズキの所に行け、きっとアルテミア寮の前で待ってるから」

「は、はいっ!」

そういってレクティはお辞儀をすると席についた。

「んで、ミソラはどうすんだよ」

「わ、わかってるでしょ。あたしも…イエスよ…」

歯切れが悪いミソラにカナタは改めて意思確認をする

「俺のこと目の敵にしてたんじゃねーのかよ?」

「無責任な理由で特務をサボるような人は大嫌いよ

でも、あたしの魔砲剣術はあいつには届かなかった

つまりあんたにも届かない、認めたわけじゃないけど

強くなるためなら利用してやるまでよっ!」

カナタは不敵そうに微笑んだ。

「へっ、お前らいい覚悟じゃねーか」

「あのぅ…カナタさん」

「ん、どうしたレクティ」

レクティがおどおどしながら問いかけてきた。

「どうして私たちは違う教官に指導を受けるんですか?」

「確かにそうね一緒にすればいいのに」

「ん、言ってなかったか?カズキは色んな武器を使うけどな、幻影魔法と魔双剣術ならミストガン最強のはずだぜ」

「い、いってないですぅ…」

「いってないわよっ!」

こうしてミソラとレクティの訓練が始まった。


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